のんびり京都観光!~本能寺の編~
修学旅行生たちをからかった私たちは、一応ガイア様から課せられていた調査も終えたので鞍馬寺から離れて市街地へと戻って来ていた。
ただ京都の凄い所は、たとえ市街地に行ったとしてもそこら中に神社仏閣があってかなり有名な場所でも意外と住宅街の中に突然現れたりするところだろう。
例えばこことかはマジで突然出てくるから、私でもビックリしたよマジで。
「おおおお····· 本能寺久しぶりに来たなぁ····· 400年ぶりかな、今の本能寺も厳かでいい場所だけど、意外と普通なんだなぁ」
「本能寺ってなんだっけ····· あっ思い出した、本能寺って織田信長が火葬された場所なんだっけ?」
そう、ここはかの有名な戦国武将 織田信長が没した地として有名で、ドラマや作品の中でいっつも燃やされてる爆発オチならぬ炎上オチの常連、本能寺だ。
今までに作品の中で織田信長って何回焼き討ちに会ってるんだろ?
「フィーロくんなんか曲解してない?ここは織田信長が1582年に明智光秀に謀反で殺された場所だよ、その時に本能寺は焼かれちゃったんだけど再建したんだってさ、ちなみに4回くらい焼けて今のは5代目·····だっけ、あー違う、焼けたのが4回でその他色々な理由で7回くらい再建されてるはず·····」
「そんなに?」
「らしいよ?ちなみに今のは約100年前のモノだね」
「凄い·····」
「日本っていうか世界最古の木造建築は隣の奈良県にあるけど、だいたい1300年くらい経ってるんだってさ」
「·····でもそれくらいなの?サークレット城とか1200年経ってないっけ?他にも海外には1万年くらい経ってる家があるって言ってたような」
「日本には魔法は無いんだよ?しかも当時の技術レベルはサークレット王国とかよりも低かったし、重機も何も無しで人力で組み立てたんだからすごいよね」
「そう考えるとすごいかも·····」
·····なんか盛大に話がズレたけど、私がこの本能寺に来た目的は織田信長の落ち武者探しとかじゃなくて、純粋に観光だ。
私って日本全国を飛び回って遊びまわってたんだけど、実は京都にはあんまり来たことが無かったのよね。
それも中学の修学旅行で行ったっきりで、その時は清水寺とか金閣寺とか有名な所に行って·····っていうか陽キャのグループにブチ込まれて連れ回されて、歴史好きだったから有名どころの観光案内させられたし、途中で予定変更で清水寺周辺で1日無駄にして行けなかったし·····
本当は三十三間堂とか本能寺とか南禅寺とか行ってみたかったし、後々思うと中学3年だとこの寺社仏閣のわびさびを理解できてない頃だったからちゃんと見に来たかったのよね。
っていう訳で、一度は来てみたかった本能寺にやって来たのだ。
「参道は結構凄かったけど、お寺自体は割とシンプルで好きだなぁ····· 来てよかった」
「僕はよくわからないけどソフィちゃんが楽しそうで良かった」
「むぅ?ままぁ、なに?なに?」
「んっ?どうしたの?あぁアレはお寺の人だよ、ここを管理している人だね」
「んむー」
私が過去の偉人たちの謀略と遺恨と情景を想像して感傷に浸っていると、フェニカが何やらにゃうにゃう言い始めた。
そんで指さした方向にはこのお寺の住職さんらしき人が歩いていて、どうやらそれが気になってしまったようだ。
·····多分手前を歩いてる落ち武者は関係ないと思う、見えてないと思うし、落ち武者さんなんかソフトクリームもってながらスマホしてたし。
あとあの落ち武者は絶対織田信長じゃない、だって私、お知恵として信長に最後まで付き添ってたから顔覚えてるし、それに····· おっとこれ以上は秘密ね、歴史の教科書と信長系の作品丸ごと全部書き換えなくちゃいけなくなるから。
ちなみにアイツも知り合いってか·····あれ·····?アイツって·····
「··········ハゲ丸じゃん!!久しぶり!!」
「えっ?·····ソフィちゃん、流石にお坊さんにそれ失礼だよ」
「エ゛っ、ち、ちがっ、私昔馴染みの落ち武者さんに話し掛けてるだけで·····」
『·····(ぺこり)』
あっ会釈してきた、返しとこ。
そしてハゲ丸は驚いたような、けれど嫌なあだ名で呼ばれて不機嫌気味なのか、それとも昔の因縁のせいで気まずいのか、会釈だけして足早に去っていってしまった。
「ま、まぁ本能寺はこのくらいでいいかな、参拝も終わったし、昔を思い出せて面白かったし」
「·····というか普通に落ち武者とか歩いてるんだ、京都って」
「うにゃ?」
◇
そんなこんなで本能寺の参拝も終え、更に私だけが知る本当の信長の墓に墓参りも終えた私たちは、来てみたかった場所2つ目である八坂神社·····の近くにあるとあるお店にやって来て、お昼ご飯を食べていた。
「ん~っ♡ 抹茶パフェも美味しいっ♡ それに立地も良いし一応外は見えるし、休日の昼間なのに空いてるししっかりした喫茶店だし、本当にいい場所だなぁ·····」
「ソフィちゃん、ここって一般人お断りな店とかじゃないの·····?」
「ん?普通のお店だよ?石屋さんの上にあるけど」
ここは観光名所である八坂神社から100mも離れていない超好立地にもかかわらず、特殊な場所にあるが故に観光客が押し寄せるような事が無い落ち着いたお店だ。
その理由が、ここの1階が鉱物や化石の販売店で、私みたいな鉱物オタクでもないと入る事を躊躇してしまうお店の中にあるからなのだ。
「·····ソフィちゃん、もしかして京都に来たのってコレ目的だったの?」
「ちがうよ?今こっちの金星の調査中、いまのところ文明も生命も痕跡が一個もないから、やっぱりあっちが特殊事例っぽいね」
「調査してたんだ·····」
んで、実は私が観光している間にこっちの世界の金星の調査をやっていて、今の所は魔族やそれに値する生命体が居た痕跡はないけどとりあえず片っ端から調査中だ。
でもそんな事より今はこの美味しいニシンそばを食べる方が重要だ。
「そりゃお仕事ですから」
うん、めっちゃ美味しいわぁ·····
にしんそばを食べたら京都に来たって感じがするなぁ·····
あっそうそう、金星調査はガイア様からの依頼ね、経費で観光する代わりにやれって言われてる仕事の一つなのよ。
でも意味ないと思うんだよなぁ·····
「うん、めっちゃ美味しかった、この値段でこれが食べられるのサイコーだわぁ·····」
「さっき凄い高い石を見てきたから金銭感覚が狂っててよくわかんなくなってるけど、安いんだよね?」
「うにゃー、まんま!まんま!!」
「食べる?あーん」
「んっ、~~~♪」
まぁ、フェニカが可愛いし結構いい鉱物が買えたから意味のない調査でも別に良しとしよう。
それと結構お金使っちゃったけど凄い石が手に入ったし、このフェニカの笑顔はプライスレスのお宝だ。
「あっそうだ、この後ってどうする予定なの?」
「この後?フィーロ君が行ってみたい場所でいいよ、基本的に京都はどこでも観光名所だから行く所は沢山あると思うよ」
「じゃあ清水寺がいいかなぁ····· 金閣寺は行ったから銀閣寺も行ってみたいし····· うん、やっぱり僕には決められないや、ソフィちゃんに任せても良い?」
「仕方ないなぁ、んじゃ清水寺周辺で観光して飽きたらいろんな場所に行こっか、んで最後はちょっと私が行ってみたかったんだけど南禅寺に行ってもいい?それと上賀茂神社とかも行ってみたいのよね」
「·····夕食っていつからだっけ」
「19時からの予定だから、18時30分には到着してたいからあと6時間くらいかな?それくらいあれば6か所は回れると思うよ」
「移動時間は考慮してないよね?」
「転移で行くし大丈夫、1秒くらいだよ」
女神様の超豪華な懐石料理の予定時間は19時からだから、転移魔法で即座に移動できる私たちであればそれまでの間に京都を思う存分堪能できるだろう。
·····たまにはこうやってのんびり家族旅行するのも悪くないよね。
って思いながら、私は食後のデザートにとっておいたコーヒーと抹茶パフェを食べて美味しすぎて、更にさっき買った鉱物や宝石を並べてそれを眺めて、満面の笑みになってしまったのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「京都って観光名所だけど、意外とのんびりと落ち着ける場所が多くて好きなのよね、あっでも嵐山の竹林の小径だけは絶対NG、行ってみたいけど宗派的に私ダメなのよ、だってタケノコは怨敵だから」
名前:フィーロ・シュテイン
ひと言コメント
「でも僕あそこも行ってみたいんだけど····· いいの?ありがとうソフィちゃん」
名前:フェニカ・シュテイン
ひと言コメント
「ぶぇぇ····· うにゃぁぁあああっ!あぁぁああああっ!!」
『あっフェニカ!勝手に抹茶プリン食べでしょ!?苦いでしょ?ダメだよ勝手に食べちゃ!ほらバニラアイスを食べて中和して、そうそう、いい子いい子』




