はんなり京都観光っ!〜鞍馬寺・修学旅行編〜
私が魔族になってから数日後、私はフィーロ君と一緒に日本へと家族旅行にやって来ていた。
あっもちろんフェニカも連れてきてるよっ☆
それと私の魔族化はとっくに解除済み·····だけど!何と私は魔族にいつでも変身できるようになってしまったのだ!
ちなみに理由はない、なんか面白そうじゃん?
「んー、やっぱりこっちだと違うっぽいなぁ·····」
「そうだったんだ、世界が違うと色々変わってるんだなぁ·····」
「ままぅー、なにー?」
「これ?これはお寺だよ、神様が祭られている·····あー、神様のお家だよ」
「おうち?」
「そう、お家だよ」
「きゃっきゃっ」
「·····何が面白いんだろ?」
「さぁ?楽しそうだからいいんじゃない?」
そんで今日の目的地は京都府京都市左京区鞍馬本町にある鞍馬弘教の総本山の寺院、鞍馬寺だ。
ここは魔王の伝説があり、650万年前にこの地に魔王が降り立ったと言われていて今はお寺が建立されていてパワースポットになっているらしい。
さっきから周囲でパワースポット巡りの人たちがちらほらいるから、相当有名なのだろう。
んで鞍馬寺がある鞍馬山は、実は私の住んでいる世界には存在しなかったりする。
っていうのも、私の世界ではここはガチで魔王が降臨した場所で、超巨大宇宙船がブッ刺さったせいで琵琶湖みたいなとんでもない湖になっているのだ。
だから鞍馬山があるこの辺りは完全に消滅してひし形の湖になっていて、しかもめっちゃ水深が深いせいでかつては琵琶湖に該当する湖があったのに水の流入で二回りくらい小さい魔王城の湖に全て持っていかれてしまったので実質琵琶湖みたいになってたりする。
「それで、どうだった?」
「えーっとね、あーアッチの言葉に切り替えるよ、kajhbo lioptgr habgysi·····」
「ソフィちゃん待って、日本語に翻訳できてないよ」
やっべ、日本語翻訳すんの忘れてた。
時々やらかすのよねこういう事·····
「ごめんごめん、結果はダメだったよ」
「そっかぁ·····」
んで実はここに来たのはパワースポットの恩恵を受けに来たとか、お寺への参拝·····は一応したけど本来の目的ではなかった。
そして私がここへ来た目的は、本当にこの世界に魔王が降り立ったのかの調査····· 正しく言うと、魔族が降り立ったのかの調査に来ていたのだ。
まぁ、結果はお察しの通りで魔族がここに降り立った痕跡はなかった。
·····他のはあったけど。
それは良いとして、私が調査に来たのは個人的な理由ではなくガイア様からの依頼だ。
内容は『日本にも魔族が来てないか調査してくれない?』との事だったんだけど、それは表向きなだけで実はただの観光だ。
そう!この調査は実はガイア様を訴える代わりに示談で奪い取った日本観光の権利なのだ!!
いやー、今日の夜は京都の神様御用達の超高級料亭で超豪華な懐石料理が食べられるんだからありがたい話だよね!!!
ちなみに自腹だけど!桁間違ってんじゃないのかってくらいクソ高いけど!でも特別に予約してくれたから100回くらい転生しても食べられない料理····· もはや神饌の域にまで達する料理を食べられるんだからいいよね!!
·····料理人はツクモさんの知り合いらしいけど、比喩無しの料理の神様らしいし超楽しみだ。
でもシャイな神様らしくて撮影禁止だからそこはカット予定だよっ☆
「あの、すいません!」
「日本語で話しかけちゃダメだろ!えーっと、はろー?マイネームイズ」
「その前にエクスキューズミーって言わなきゃダメッて先生に言われただろ!」
「私がやるべきじゃない?A検3段だし少しならできるけど」
「·····んっ?」
「なんか用なのかな?」
「うー?」
って思ってたら、なんか話し掛けられたので振り返ると、学ランやセーラー服を着た若者の集団がそこには居て、手には手作りっぽい薄っぺらい本を持っていた。
·····おっ?これもしや?
「すまん!任せた!!オレたちには無理だ!!」
「全く、英語の勉強してって言ったよね?まぁ私も暗記してきただけなんだけど····· あーあー、うん、『Excuse me. We got homework to conversation foreign travelers in English during the school trip. Could you help me with this homework?』」
「おー!そっか私日本人じゃ無いもんね!外国人に間違えられるとは思ってなかったわぁ」
「·····どういう事なの?」
「えーっとね、日本の中学校····· 魔法学校の7~9年生に当たる年齢の学校の修学旅行だと外国の人に英語で話しかけるっていう宿題がよく課せられるのよ、いやー懐かしいわぁ·····」
私の予感は的中していて、どうやら話し掛けてきたグループの子たちは私をアメリカ人かなんかと勘違いして話し掛けてきてしまったようだ。
しかも話し掛けてきた理由は、修学旅行の定番である『外国人と話そう』という宿題をやるためだったようで、ワイワイ騒いで担当を擦り付け合い、最後は英語が話せる女子が話しかけてきたのだ。
いやー懐かしいわぁ、私の時は事前にネットで『俺たちは中学生です、宿題を完了したいのでサインだけしてくれませんか、ご迷惑をおかけします』って翻訳して紙に書いたヤツを見せて、写真を撮ってる外国人グループに話しかけて写真を撮る代わりにサイン貰って完了してたわぁ。
っと、私の前世の悪知恵はこのくらいにしておいて、早速対応してあげよう。
「I heard you asked for me, what's up?」
「あっえっと、私リスニング苦手なんだケド·····『It’s a beautiful day, isn’t it. Why did you come to Japan?』」
「ぷふっ、Just for sightseeing.」
「さいとしーいんぐって何だっけ、わかる人いる?」
「oh sorry! sightseeing means it is tourism」
「つーりずむ?·····あっ!観光かぁ!」
「That's right! Good Job!」
「やった合ってた!」
「·····待って、日本語通じてません?」
「そうだったのか?」
「確かに今、日本語が通じてた気がする·····」
私は必死こいて笑いをこらえていたが、しれっと日本語でしゃべっていた内容に英語で相槌を打ってみたら、なんと一発で気が付いてしまったようだ。
それがあんまりにも面白くて、私は笑いを我慢しきれなくなってしまった。
「·····ぷっ、んあっはっはっはっはっ!!あーおもしろ、ごめんね騙してて、私は見た目はこんなのだけど日本出身なんだ、こっちの夫は純外国人だけど日本語ペラペラだよ」
「こんにちは日本の中学生の皆さん、騙していてごめんなさい」
「にゃにー?」
「日本の人だったのかぁ·····」
「どうする?一応外国の人だけど日本語ペラペラだし、別の人に話しかけるか·····」
「ここは先生をだましちまおうぜ、どうせいないしバレないだろ、英語で会話したのは事実だしさ」
「よ、よくない····· と、私は思う····· ます·····」
「シャキッと喋らないと、えーっと、ごめんなさい勘違いで話しかけてしまって」
「いいよいいよ、·····ちなみにあそこに居るの先生じゃないの?」
「えっ?うわっ!本当だ!」
「ちゃんと別の人に話しかけるしかないかぁ·····」
「いや、ここからじゃ人ごみに紛れて聞こえないしチラチラしか見えてないから大丈夫、んふふ、私が中学生の頃はもっと姑息な手段でクリアしたからまだいい方だよ、それに英会話もちゃんとしたでしょ?」
「確かに····· じゃあ、ここにサインお願いできますか?」
「いいよー」
\ぽんっ☆/
そして私は虚空からペンをさっと取り出すと、修学旅行のしおりに散々練習したキュルピカ☆マスターのサインを·····
「ほんぎゃあああああああああっ!!?ごめん間違えたこのサインじゃない、ちょっと消すね!」
\キュッキュッ/
「あっ、えっ·····?」
間違えた、つい癖で漫画家のペンネームのサインを書いちゃった·····
って事で私は魔法で書いた文字をさっと消して、もう一度、今度はちゃんと英語で『Sophy Stein』と書き記してあげた。
「ふぅ、これでよしっと!ごめんね手間かけさせちゃって」
「·····あの、質問いいですか?」
「はいはい?答えられる範囲でなら何でも答えてあげるよ?」
「えっと、今の、どうやったんですか?」
「今のって?」
「空中からペンが出てきたのとか、一度書いた文字を消したりとか·····」
·····やべ☆
つい癖で魔法使っちゃったわ。
「ソフィちゃん?」
「い、いや、えーっと、oh!sorry!I don't speak Japanese!」
「·····誤魔化した、でも下手すぎないかこの人」
「そこぉ!悪口聞こえてるって!あーもう、いいよ見せてあげる、特別だよ?It's show time!」
私は指パッチンをすると、魔法を手品へと偽装するためにちょっと演技を始めた。
ここは実は凄腕マジシャンって事でうまく切り抜けよう。
「私の手には何も持っていませんね?でもこうやって手を握って、フッ!っと息を吹きかけると····· はいなんと500円玉が出てきました!」
「えっ今どうやったんだ?」
「マジシャンだったのか、すご·····」
「ちなみに皆さん胸ポケットを見てください」
『『えっ!?』』
私がそう伝えた瞬間、全員が胸ポケットに手を突っ込んだ。
·····が、そこには何も入ってなかった。
その隙に私は手に持っていた500円玉をポケットに堂々と仕舞った。
「·····無い?」
「なんだよ無いじゃん!」
「って思うじゃないですか、私の手の中にも500円玉が無いんですよ」
「ホントだ·····」
「えっすげぇ!!」
「いや、今の間に収めたんじゃ·····?」
「正解、人は意識を一点に集中すると他の物が見えなくなっちゃうんです、だからこういうトリックができるって訳ですね、まぁ本当は全員の財布の中に入れておいたので後で見てくださいね?」
よかった、普段から雑学番組を見ておいて。
「それと今のペンは熱で文字が消えるインクの奴だね、みんなももしかしたら持ってるんじゃないかな?ちなみに私のは特注で消える温度を低くしてたからこうやって手でも消えたんだよ、マジックって面白いでしょ?」
そういうと私はテキトーな紙に文字を書いて、それを手で擦って消した。
ちなみに温度云々は丸ごと嘘だ。
魔法で消してるからね☆
「·····凄い」
「でも、それくらいならオレたちでもできそうだな!」
「それをうまくやれるからマジシャンなんだろ」
「凄い人に話しかけてたんだ私たち····· ありがとうございました!」
「いやいや、私も楽しかったよ、みんなありがとうね、お礼に全員のしおりにサイン書いていたから、んじゃHave a good School trip!」
そう言うと、鞍馬寺の観光も調査も既に終えていた私たちは中学生たちと別れて京都観光をしに行ったのだった。
「·····まって、なんで全員のしおりにサイン書かれてるの!?私たちしっかり持ってたよね!?しかもなんかめっちゃくちゃ上手い絵が描かれてるんだけど!?」
「オレのもだ!これ意識を一瞬逸らしてる間に書けるような絵じゃねぇぞ!?」
「あれって本当にマジックだったのか·····? いや、でも、すご·····」
「あの人、本当は異世界人か神様だったんじゃ?ほらここ京都だし·····」
「·····この絵、もしかして、ティンクル☆マスターさん?最近話題の神絵師さんだったのかな」
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「んっふっふっ····· 悩んでる悩んでる、謎は謎のままが一番美しい思い出になるからね、一生忘れられない思い出になったんじゃないかな?ちなみに私は修学旅行で泊まった旅館でガチで落ち武者見たことあるよ、アレは怖かったわぁ·····」
名前:フィーロ・シュテイン
ひと言コメント
「·····ちょっと面白かったかも、いいよねああいうサプライズって、僕意外と好きなんだよね」
名前:フェニカ・シュテイン
ひと言コメント
「あぅ?にゃうー!ままぅー!!あかー!はにゃ!!にゅーん!!」
『·····ん?えっ今のって天狗!?まっ、ちょま!?天狗居るの!?ガチだったのアレ!?·····あっすみませんうち子が、フェニカも天狗さんにバイバイしてあげてね?』




