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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第七章 TS賢者は子育てに奔走するっ!
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死の星再生プロジェクト


『発進5分前、退艦を行っていない乗組員は直ちにCゲートへと向かってください』


「むっ?もう5分前か、早いのぅ·····」

「ちぇっ、流石にガチャ以外で爆死したくないし····· いやガチャでもリアルでも爆死したくないからさっさと出よっか」


「はいはい、あとの事は私に任せて大丈夫だから姉貴たちも退艦しなよ、私は死んでも生き返るけど姉貴たちは生き返れないんだからさ、ほら行った行った」



 私と姉貴とエビちゃんの血のつながりが無い三人姉妹でのんびりファストフードを食べていると、ついに発進5分前のアナウンスが流れてしまった。

 もうすでに乗組員たちは退艦し、さっきから私以外の2人には早く退艦しろと言ってたけど出て行かなかったが、5分前になったところでようやく出ていくことにしたようだ。


 まぁここから外まではたぶん5分以上かかるから、姉貴が得意な転移魔法で外へと出るつもりなのだろう。

 っていうか、今丁度空間に穴を開けて避難船につながるゲート作ってるし·····



「·····じゃあね、また今度会えたら美味しい夕飯でも食べようよ」


「いやお主、死ぬ前のセリフみたいなの言っておるが死なんじゃろ」

「エヴィリン、そこは雰囲気を感じ取ってあげなよ~」


「雰囲気は何よりも大事だからね!まぁ後は任せてよ」


「そういうもんなのかのぅ」

「そういうもんなんだよぉ ·····賢人、私たちの先祖の故郷の金星を、惑星サイトーシスを、よろしくね」


「はいよ、じゃあ後は避難船で見ててね」



 私がそう伝えると、姉貴とエビちゃんは転移ゲートを閉じて避難船の中へと行ってしまった。



「·····さてと、あとは私一人の仕事だね」





「総員退艦完了、退艦用ハッチ閉鎖、全指揮系統を艦長席に移行せよ」



 ギュゥゥゥゥウウウンッ·····


 ゴゥンッ!



 指揮系統が全て私が居る艦長席へと移行して、更に航行開始できるよう出入り口を全て閉じて密閉し、二度と開かないようにしてしまった。

 何せ、これから途轍もなく分厚い強酸性の雲で覆われた大気圏に突入するのだから、開けっ放しで突入したらどんな影響が出るかわかったもんじゃないからね。



「·····これでもう退路は断たれた、前に進むしかない」



 そして、全ての準備が整った魔族の惑星再生艦の操縦システムを起動した私は、いよいよ発進を始めた。



「メインエンジン点火ッ!初期推進エンジン点火ッ!!·····全艦、発進ッ!!!」



 ゴォォォォオオオオオオオオオッ!!!!



 この船に元から搭載されていたメインエンジンとそれを補助する初期推進エンジンを点火すると、一気に加速が始まり私の体が慣性の法則に従い後ろへ引っ張られた。

 だがそれを重力魔法でこらえ、私は操舵を開始して先導艦の案内に従って目標地点へと進んだのだった。





 しばらくアカシックレコードのナビと案内通りに進んでいると、先導艦から連絡が入った。



『まもなく大気圏突入地点だ、ここから先は貴艦のみでの航行となる、幸運を祈る』


「了解、案内ご苦労様でした」



 どうやら大気圏突入ポイントへと到着したようだ。

 一応私のアカシックレコードによる解析や探知魔法の結果でも突入ポイントの座標にズレは無いとわかって一安心した。



「よし、方向転換開始」



 そう言うと全長13kmもある巨大な宇宙船が地表へと垂直に向いた。

 その様子は、神々が使う天地創造システム『天逆鉾』のようだった。



『·····あれ?正しい方向だしアレって天正鉾じゃね?』

『確かにのぅ·····』

「ま、まぁ、便宜上そうなってるだけだから·····」



 ·····言われてみればそうだわ、あまのさかほこだったら逆向きになってるよね。


 まぁ、パチモンだから仕方ないけど····· いやまてよ?私は神界で本物の天逆鉾を見たことあるけど、アレ正しい方向で突き刺さってたような·····


 ていうか逆向きで使う想定で作ったって事はそれ逆向きが正面だから逆向きじゃないんじゃ·····


 ·····うん、深く考えない事にしよう。



「って、ちょいまち?なんでソフィたん居るの?」

「·····のじゃぁぁぁあああああああああああああっ!!!?心臓止まるかと思ったのじゃ!!ビックリしたのじゃ、なんでお主がここにおるんじゃ!!」


「だってあそこに居たら死んじゃうでしょ?」


「当たり前じゃボケっ!!」


\ザワザワ·····/



 で、私は何故かあの巨大な船ではなく姉貴やエビちゃんが居る避難船でのんびりと宇宙船が大気圏に突入するのを眺めていた。


 そして、同乗者の魔族や宇宙の人たちも私が居る事に驚いてざわついていた。

 まぁそりゃ操縦士が船を降りてここに居たらビビるに決まってるよね。



 だって、私が乗っているはずの船はたった今大気圏へと突入しはじめたのだから。



「なんで動いてるん?遠隔操縦ってできなかったんじゃ無いっけ?」


「だから遠隔で私が操縦してるんだよ?」


「まさか、あの中におるのは·····」


「大正解っ!私の分体だよ」

「なるほどねぇ?」



 そう、実はあの中に居るのは『サブの私』なのだ。

 だって死ぬってわかってる場所に居るの嫌だからねっ☆


 だから超危険地帯に捨て身で突入するためのシステムで私の死体を動かして疑似的に魂を挿入して動かす『分体』を利用していたのだ。


 これなら直接操縦もできるけど私はリスクを負わずに安全に遠隔操作できるって訳だ。



「いやぁ、でも凄いねぇ····· 流石は魔族の超技術だなぁ」


「·····なんか、慣れておるが違和感すごいのぅ」


「そう?」

「当たり前なのじゃ」



 そうなのかぁ·····





 場面は変わり、大気圏に突入してしばらく経った私の視点に切り替わった。


 現在は金星の大気上層部に突入し、先端温度は数千度、その更に前面の大気の温度は数万度まで加熱されているが私の魔法によりその形状をしっかりと保っていた。


 何せ先端部分は地面に突き刺さるのに非常に重要な部位で、もしここが柔らかくなって衝突時に形状を失っていたら意味が無くなってしまうからだ。



「·····光学的には完全に何も見えない、赤外線センサーも反応なし、やっぱり魔力映像が一番精度が高いね」



 そんで大気は分厚く濃いため、突入時にはかなり衝撃があったし今はその分厚すぎる大気によって真っ暗になっている。

 だからさっき視点をアッチに移したんだけどね?だって真っ暗だし·····



 って思っていたら、厚さ数十kmはある分厚い硫酸の雲を抜けた。



「目標地点を目視で観測、若干風で流されたか····· でも予想範囲内!誤差修正っ!!」


 バシュゥゥゥゥウウウウウウウウッ!!!



 雲を抜けたことで私は地表を光学的にも観測できるように····· まぁ光は全くないけど、一応雲で遮られなくなっので、私は金星の暴風で流されてしまった距離を戻すため移動し、目標地点のピッタリ上空までやってくる事に成功した。


 そして·····



「よし、始めよう!全エンジン点火!カウント省略ッ!!最高出力でぶっ放せっ!!!」



 ズッドォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!



「うぎゃんっ!!」



 目標地点へとこの船の90%以上を突き刺すための加速装置を起動し、物凄い勢いで加速して隕石の如き速度で突っ込み始めた。



 金星の雲の下部は高度30km以上と言われているが、一切の減速を行わないで突っ込む私が乗ってるこの船の速度は秒速数kmという途方もない速度だ。


 もうあと一瞬で地表に·····



「っていうかボタン押さないとっ!!剛体化システム起動っ!!もういっちょオマケに『惑星再生システム』起動ッ!!いっけぇぇぇええええっ!!!」



 カチッ



 ッ!!!!





 目の前に地面が見えた瞬間に私の分体へのリンクは完全に途絶え、視界が避難船の中に居る私の元へと戻って来た。


 データを見る限りでは、私はうまく地面へと突き刺さるために機体を一瞬だけ絶対に破壊できないようにする現実改変能力に匹敵する機能を発生させ、地中に突き刺さる直前の完璧なタイミングで惑星再生システムの起動に成功したようだ。



「·····成功したのじゃ?」

「ここからだと見えないねぇ·····」


「どうなったんだ·····」

「成功していればいいのだが·····」


 ザワ····· ザワ·····



 だが宇宙空間の避難船·····っていうか観測船からは変化は今は起きていないように見えたが·····




「おい、見ろ!雲が波打っている!!」

「衝撃波が伝わったのか?」

「いくら地面に突き刺さりやすいようにしていたとはいえ、大質量の物体が落ちたのだからああなって当然だろう」



 突如金星を覆う分厚い雲が激しく波打ち始めたのだ。


 それもそのはず、地表ではあの巨大な船が墜落したことによる激しい衝撃波と大地震が発生しているからああなって当然だろう。

 ·····っていう様子を私は千里眼で見ていた。


 そして、今は見えていない現象も私はしっかりと見ていた。



「·····光?なんか光っておるのじゃ」

「およ?本当だ」


「·····始まったな」



 なんてカッコつけてみたけど、ついにアレが上空の大気まで到達したようだ。


 アレとは何かって?



 アレって言うのはね·····



「無事に再生システムが起動したみたいですね、あの分厚い雲も汚染された地表も状態が書き換えられて元通りの数百万年前の姿に戻って行っているんですよ、もうあと数時間したら真上から見たら地表がみえるはずですよ」


「あの光が、再生の光なのか·····」



 あの再生システムは、再生が進行すると徐々に光の壁が広がって行き、その中は決して汚染されることのないかつて魔族が住んでいた大地を取り戻すような感じで動作している。


 でも今はやっと大気上層まで到達したから光の柱にみえているだけで、しばらくすればアレは巨大な光の壁となるだろう。



「よし、じゃあ私の仕事はこれで終わりですね」



 こうして、魔族たちの母星を取り戻すという長い長い旅路は終わりを告げ····· たが、リフォームはまだ終わっていないので地表に降り立つまでにはもうちょい掛かりそうだった。


 ·····ちなみに長かったから途中で普通に帰った。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「これでアレ撃たせてもらえるんですよね?惑星消滅砲!·····えっ!嘘だったんですか!?·····惑星ベ〇ータみたいに汚い花火にしますよ?·····なるほどそっちが本命かぁ、それなら早く言ってくださいよ~、ダイヤモンド星の利権書ってマジ最高じゃないですか!!」


名前:エヴィリン・アマイモン・ファゴサイトーシス

ひと言コメント

「こやつ、なんで引き受けてたのかと思ったらそういうことじゃったのか·····」


名前:ホモカネル・アマイモン・ファゴサイトーシス

ひと言コメント

「まぁ戻り始めてるみたいだしいいんじゃないの~?」


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