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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第七章 TS賢者は子育てに奔走するっ!
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私ってツッコミ役だっけ?



 入れ替わり騒動から2ヶ月くらい経った初夏のとある日の事·····


 私はエビちゃんや姉貴と共に雲の上へとやって来ていた。

 それも、水蒸気でできた雲ではなく硫酸の分厚い雲の上だ。



 そう、ここは地球ではなくかつての魔族たちの母星である金星、魔族の間では『サイトーシス』と呼ばれている星の上なのだ。



「現役で動く事ができる船を墜とすとは、勿体ないのぅ·····」


「そうでもありませんよ?大半が故障していて、辛うじて飛んでいるだけですから」


「じゃが、それでも勿体ないと思うのじゃ·····」



 そして私たちが居るのは宇宙船の中で、しかも魔族たちが保有する最古で最後の大戦艦の操舵室の中だ。


 この船は全長13kmと途方もないデカさがあり、元々はもうちょい小さかったんだけど惑星環境改変用の装備を取り付けた結果、この大きさになってしまったのだ。

 ちなみにその形状はスーパースターデスト〇イヤーみたいな感じで、巨大な槍の穂先のように鋭く尖っていて、私も思いつかなかったし広めたら色々革新が起きそうな合金が使われていて地面に容易に突き刺さりそうになっていた。


 更に全体は推進システムの出力が経年劣化により低下しているのか外付けのジェットエンジンが何十基も取り付けられ、美しい洗練されたフォルムの本来の魔族の船に武骨な超高出力エンジンが取り付けされている様は人類が手出しできない領域にあるモノを強制的に動かそうという力業を感じる、見ていてワクワクする状態だ。


 んで、その特殊な合金っていうのが『隕鉄アダマンタイト合金』だ。

 隕鉄というとちょっと違うんだけど、宇宙空間に漂う金属質の小惑星から取り出した特殊な『鉄-ニッケル合金』をタングステンの魔導同位体である『アダマンタイト』と組み合わせて合金にしたモノを先端に利用しているのだ。

 この『隕鉄アダマンタイト合金』が中々凄くて、私が愛用している『星核合金添加アダマンタイト』などを現実的な領域で再現している超合金だったのだ。


 何が凄いかと言うと、単体では脆くて意外と壊れやすいアダマンタイト(タングステン)に鉄やニッケルなどを組み合わせることでできる強度があり堅さなどもある程度維持している鉄タングステン合金(ヘビーアロイ)と言うところがマジで凄い。

 しかも、隕鉄には『星核合金』が微量に含まれており普通の鉄よりも圧倒的に性能が高くなっているという性質があるため、鋼の如き強度を誇りながら硬度は従来のアダマンタイトに匹敵するし、耐熱温度も相当高いという途轍もない性能を持っている、正に『超合金』と言う名にふさわしい代物だ。


 それが贅沢に使われているってことは、魔族って今もかなりすごい技術を持っているのかもしれない。



「·····ソフィ、今の話聞いておったか?」


「聞いてないけど?」


「はぁ····· お主なぁ、これから金星を再生する一番大事な作業の説明をしておるのに聞いておらんかったのか?」

「·····ソフィさん、聞いていなかったのですか?」



 ·····って無駄に考えてる間に、実は私はとある説明を受けていた。


 その内容は、魔族の母星である金星を再生するコスモ〇バースシステム的なこの船とシステムを起動し、所定の地点に垂直に突っ込むルートの説明だった。



「だって私、もうこの船のシステムの掌握はとっくに済んでるし?そいっ!」


\ダァンッ!!/


 ヴォンッ!

 ギュォォォオオオオオオオオンッ·····


 ピピピピッ

 カチッ!ウォォォオオオンッ····· ガチャンッ!



 私が地面を足で叩くと、停止していた各種システムが起動して計器類に光が入り、メインモニタとなる巨大ホログラム画面のフレームが天井から現れて画面を構築した。



「·····ね?」


「いつの間に·····」

「お主、そういうところじゃぞ?」



 そう、私は既にアカシックレコードや魔法でこの船のシステムはすべて掌握済みで、大気圏内突入ポイントなどもすべて知っているのだ。


 だって私、神様だから。



「んで、私はコレを動かして目標地点に突っ込めばいいんですよね?」


「そうだが、諸注意も聞いていませんでしたよね?改めて行います」


「はぁい·····」



 ただ注意点に関しては私も知らなかったので、改めて担当の人から説明を受けたのだった。





 注意点の説明を受けた私は、完全に準備が終わるまで暇つぶしがてら休憩をしていた。



「うん、やっぱり宇宙で飲むお茶は美味しいなぁ····· あとハンバーガーも美味しいわぁ」


「お主のぅ、今からめっちゃ重大な任務をやるっていうのに能天気すぎるのじゃ」

「なんか死刑囚との面会みたいだねぇ?」


「姉貴、縁起でもない事言うなよ、私は死なないけどさ」



 休憩場所はさっきと変わらないけど人がほぼ全て居なくなってしまった艦橋で、テキトーな椅子に座ってハンバーガーを食べていた。

 あっ重力は備え付きで下方向に出るようになってるから無重力空間じゃないよ、だからこうして日本で買って来たハンバーガーのセットも普通に食べられてるし。


 そうそう、めっちゃ重要な事なんだけど、私は照り焼きが一番好きなのよね、あれカロリーがヤバいから食べ過ぎると太りそうになるんだけど、美味しいから仕方ないよね。

 特に私の胸なんか脂肪を常に欲してるから、沢山食べても平気なはずだ。


 ·····でも結局お腹が先に大きくなるんだけどね。



「っていうか姉貴とエビちゃんは退艦しなくていいの?発進は1時間後を予定してるけど早めの方がいいよ?だって扉とかのロックが始まって出れなくなり始めてるし」


「まー大丈夫っしょ、私の転移魔法は星まで届くしさぁ?」

「あとワシには甘エビ神拳があるからなんとかなるじゃろ、たぶん」


「·····いざとなったらディメンションルームにブチ込むからいいけどさ、はむっ」



 ·····で、この魔族2人はなぜかこの船から出ようとせず、私と無駄話を繰り広げていた。


 どうせアレでしょ、魔族の王家だったから直前まで見届ける必要があるとかそういうプライドで残ろうとしてるんでしょ。



「いや違うよん、ソフィたんの買ったハンバーガー貰おうかなって」

「ワシもじゃ、虎視眈々と狙っておるのじゃ、ポテト1本寄越すのじゃ」


「えー····· まぁこっちの普通のポテトだったらいいよ、でもこっちのシャカポテと美味しいチーズバーガーはやらんぞ」


「ケチー、その店近所に無くてあんま食べれないレア物なんだからいいじゃん」



 違ったわ、この2人の事ナメてたわ。

 まさかのハンバーガー狙いかよ、まぁこの匂いを嗅いじゃったらお腹空いて食べたくなっちゃうに決まってるけどさ·····



「絶対あげない、私だってわざわざ買いに行ったんだもん」


「チッ!まぁ良いけどさ!!」

「そんなに美味しいのじゃ?」


「これ美味しいから今度日本に遊びに行ったら連れて行ってあげるよ」


「ふむ、楽しみにしておくのじゃ」


「·····ってか姉貴、転移魔法使えるなら行けばいいじゃん」


「えーだって面倒だし、買って来てくれるなら食べるしかないじゃん?」



 また話は反れるけど、実は姉貴(魔族)は『空間魔法』を大の得意としていたりして、時空魔法を使えるエビちゃんとは姉妹で属性が違う某伝説ポ〇モン達みたいな能力を持った姉妹なのだ。


 んで空間魔法は文字通り空間の拡張や転移などが使えるんだけど、姉貴の場合は一味違う。


 魔族特有の魔神魔法、真の闇魔法を使って空間を消去したり、逆に空間を挿入して押し広げたりと色々使えるし、空間の中に別の空間を生み出して入って裏側を通り抜けるとか、空間ごと相手を切断してしまうとか、当然ワープもできたりと結構ヤバい相手なのだ。



 もし郷美さん達が魔王討伐の時に姉貴が戦っていたら、確実に裏ボスだし絶対に勝てなかっただろう。


 本気を出したら空間ごと相手を消滅させてくる即死技を連発してくるし、自由自在に転移したり姿を消したり、核融合爆発を発生させたりと、もう勝てる気がしないレベルの強さだからねこのクソ姉貴。


 こんなアホっぽいのにめっちゃ強いし、頭も良いし、何なら近接格闘もあらゆる武器も使いこなせる文武魔全て行ける天才だからね?


 ちなみに高校生時代はモデルもやってて割と清楚系な感じなキャラを作ってたから、学校1の美人で天は姉貴に何十物も与えすぎてモツ煮込みになってたり·····



「·····お主、いい加減注意点についておさらいしておいた方がええじゃろ?」


「あっ·····」





 すっかり忘れてたから、最後に注意点をおさらいしておこう。

 もろちん美味しいハンバーガーを食べながらねっ☆



「えーっと、惑星再生装置の起動は····· はむっ、もごもぐもむんむむふっふ·····」


「食べながら言うんじゃないのじゃ」


「ももぐもぐ····· んっ、ちょい待ち、飲み物飲む」


「真面目に言う気あるのかねぇ、まぁ美味しいけど」



 真面目に言うと、惑星再生装置の起動は地表に突っ込む寸前·····っていうか、突き刺さった瞬間に起動するのが理想的らしい。

 元々は自動で起動するらしいんだけど、そこら辺が壊れてマトモに起動しないせいで私が手動でボタンを押して起動する必要があるんだとか。


 仕組みはよくわからないけど、まぁ空中でやるよりはマシだろうってことくらいはわかる。



「んで次は·····」


「こやつ、説明する気無いのじゃ·····」

「いやちゃんとナレーションしてたから大丈夫っしょ」


「葬式の準備は要らない、墓も要らない、えーっと? あったあった、大気圏突入ポイントは私の予測通りで、補助エンジンの起動タイミングは····· ちょっと早いのか、燃料多めにいれたのかな?」


「ソフィ、マジで説明する気無いのじゃ?」


「えっ?だって私が突っ込むんだし、私が知ってたらそれでよくない?」


「うっわ酷い事言ってる、ひっど」


「2回も言わなくていいでしょ·····」



 私が注意点を読んでいると、姉貴とエビちゃんになんかずっと文句を言われた。

 別に私一人でコレを動かすんだから、乗らない2人は関係ないと思うんだけどなぁ·····



「·····ちなみに再生は徐々に進行するから、某封印柱を起動したときみたいにファァアッって感じで一瞬で治るって訳じゃないからね?それに雲が消えるまで数週間かかるよ?」


「「·····あっそう」」


「さては興味なくなったな?」



 って思ったら、どれくらいで元に戻るか聞きたかったらしい。


 それなら早く言ってよ·····

 って私は思いながら、ビッグ〇ックを食べたのだった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「ツッコミ役ってあんまりやった事ないから意外と不安なのよね、うん、でもハンバーガーが美味しいからいいや」


名前:エビちゃん

ひと言コメント

「早く元通りになった星が見てみたいのぅ·····」


名前:ホモカネル・アマイモン・ファゴサイトーシス

ひと言コメント

「ん?てめぇ!ピクルス抜きにしたな!?くっ、アレ私めっちゃ好きなのにっ!!」


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