ヌシさま!大金持ちですよっ!
シュンッ!
「ヌシ様ーっ!!」
\とっ/
「ぎょわーっ!?」
\ベチャッ/
「ぶげらっ!」
無理な体勢で転移させられた私は、ワープアウトの瞬間に勢いよく投げ出されて硬いフローリングにベチャッと衝突した。
だがツクモさんはそんなことお構い無しに、私を置いて主様とやらの場所へと向かってしまったようだ。
「·····ツクモ、誰連れてきたんだ?」
「ソフィさんですよ!色々頼りになるんです!」
「そふぃ・しゅていんです、よろしくおねがいします·····」
あ、あんにゃろ·····
1人の乙女で1児の母である私のプリチーな顔面を地面に激突させておいて説明するんか·····
ひでぇ女神様だ·····
「勝手に連れてきたのか?天照様に許可は?」
「ぎくっ·····」
「もしもし天照様?」
「わぁーっ!!やめてくださいヌシ様っ!ワタシを殺す気ですかーっ!?」
「冗談だ、でもツクモ、知り合いとはいえ勝手に連れてくるのはダメだぞ?っていうか、まさか当たったの教えたのか·····?」
「教えましたけど?」
「·····はぁ」
やっぱりツクモさんは勝手に私のところに来たのか。
そういうのは他の人に教えちゃいけないんだけど、この子イマイチ常識が無さそうだからなぁ·····
「ツクモさん、私以外に誰かにこのことを教えたりしました?」
「してないです!次はウズメ様に教えに行こうと思ってたので!」
「はぁ····· 一旦もう誰にも教えないでくれ、頼む」
「はぁい·····」
ヌシ様とやらにキツめに言われ、ようやく理解したのかツクモさんは落ち着きを取り戻した。
「あー、申し遅れました、私はソフィ・シュテインと言いまして、異世界で女神をやらせて貰ってます、突然来てしまい申し訳ございませんでした」
「いえいえ、·····聞いてたよりものすごく真面目な人だな、あっ申し遅れました、俺は白戸 真です、ツクモの宿った物の所有者で、普段はヌシ様と呼ばれてるただの一般人です、ツクモがいつもご迷惑をお掛けして申し訳ございません」
ほほー、白戸さんかぁ·····
なんというか、普通の人だなぁ·····
まぁ普通が1番って言うし、あれくらいが丁度いいんじゃないかな。
でもこんな普通の人が30億円も当選したのか·····
なんか怖いわぁ。
「·····」
「·····」
「あれ?どうしたんですか?」
いや、どうしたもこうしたも、初めて会う人同士で何を話せって感じなんだけど·····
気まづすぎるから何とかして欲しいんだけど?
「·····えーっと、とりあえず億万長者になれておめでとうございます?」
「あっどうも·····」
「·····」
「·····」
「ほらーっ!!こうなるから嫌だったんだよっ!!なんで私まで連れてきたんですかツクモさん!!」
「ええっ!?だって会わせたかったんですもん!」
「·····大変ですね白戸さんも」
「大変ですよ、でも楽しいので俺は構いませんけどね」
「愛ですねぇ·····」
ただ、彼はツクモさんに振り回されまくってもそれでいいようだ。
なかなかいい人なんだなぁ·····
「ところで、当たった宝くじ見せてくれません?めっちゃ見てみたいんですけど·····」
「どうしようか····· 見せていいのかコレ····· まぁツクモの知り合いだしいいか、ちょっと待ってて下さい」
わぁおめっちゃいい人じゃん、来たばっかりの私に当選した宝くじを見せてくれるとか、優しすぎて心配になってくるわ。
その数分後、彼は手に紙を何枚か持って私たちの所にやってきた。
「これですね、こっちのスマホ画面に結果が載ってます」
「どれどれ?·····うわ、うっわ、うっっっわ!!!マジか、マジだ!すっご!!」
そして白戸さんが見せてきた数字を選ぶタイプの宝くじと、彼のスマホに表示されてる1等の番号は、完全に一致していた。
更に5枚の紙に書かれた数字も全て一致していた。
更に回数が違うとか日付が間違ってるとかも無く、見事に的中していた。
本当に、1等が5個も当たってる·····
えっなにこの人、鑑定しても神様関係の事をやってるから半神になってるけど特殊能力なんて無いのに·····
マルスちゃんとかアレキなら運や確率を変更出来るからわかるけど、素の運で、完全な偶然で当てたのヤバすぎるでしょ·····
「当選金額6億円が5枚で30億円····· マジで大富豪じゃないですか·····」
「未だに信じられないですよ、今ちょっと急いでスーツをクリーニングに出したので受け取りにいけないですが·····」
いや30億円あるんだからそれくらい使い捨てで買えば····· ってそうか、付喪神の主だから使い捨ては良くないよね、忘れてたわ。
「·····あっ」
えっ?いやその手があったかみたいな反応しないでもらえません?
\ドュクシ!/
あっツクモさんに脇腹に肘入れられた。
痛そうだなぁ。
◇
その後、噂を聞き付けた日本の超えらい女神様のアマテラス様もやって来て、私たちは作戦会議をしていた。
「·····30億円、調べてみたら宝くじで当たった場合は課税無しでそのまんま貰えるみたいですけど、どうするんですか?」
「マンションでも買わんと無くならん気がするのぅ」
「ワタシの食費です!沢山おなかいっぱい食べますよ!」
「3日で無くなりそうだなぁ」
「どうしようか全く思いつかないんだよな····· プライベートジェットでも買うか?いやツクモが居るから要らないしな、本気でどうするか·····」
·····作戦会議っていうか、30億円をどう使うかで話し合っていた。
ちなみに貰いに行くのは問題ないらしい、白戸さんは過去に10万円くらいの高額当選を引き当てたことがあるらしくて、その時に行ったことがあるから多分大丈夫との事。
まぁ超高額で異例すぎるから宝くじを取り扱ってる銀行の本店に殴り込みに行くらしくて、めちゃくちゃ緊張してるみたいだけどね。
そんで受け取りに関しては一応大丈夫そうだったから、こうしてどう使うか話し合っていたという訳だ。
「そうじゃ、おぬしら盛大に結婚式でも挙げたらどうかのぅ?そろそろいい頃合いじゃろう?」
「ふひぇっ!?まっ、まだ早いですよぅ!」
「·····それ採用させてもらいます」
「·····えっ?」
わぁお、目の前で挙式する、つまり結婚するって宣言したよこの人。
度胸が半端ないのか、それとも当選で浮かれてるのかわかんないけど、あの目は覚悟を決めた男の目なのは間違いない。
ありゃガチで言ってるわ·····
「あと仕事はもう辞める、辞めればそのぶんツクモと一緒に居れるからな」
「ヌシさま·····」
あっ違うわ、ツクモさんのこと好きすぎるだけだわ、覚悟ガンギマリな狂人だわこの人。
でも仕事を辞めるのはいい判断だと思う。
見た感じブラックという訳でも無さそうで、普通に働いてるだけっぽいけど30億円っていう生涯賃金より高いお金を手に入れちゃったらねぇ·····
それに宝くじの高額当選で豪遊しまくって破滅するルートも、普通の5倍もあれば死ぬまでやってても使い切れないくらいあるし、まぁ心配いらないかな。
「あの、いい雰囲気っぽいので私帰っていいですか?」
「その方が良さそうじゃな、わしらは邪魔せず帰るとしよう、ソフィ殿を無理やり連れてきた説教は後にしておいてやるかのぅ·····」
って訳で、なんか突然結婚式を挙げようと、結婚しようとプロポーズしてしまった白戸さんと、プロポーズされて豆が鳩鉄砲を持って無双してるくらい驚いた顔をしてるツクモさんをそっとしておくため、私たちは自分の居るべき場所に帰って行ったのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
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「色々めでたいねぇ····· 色々おめでとう2人とも、異世界の神として祝福させてもらうねっ☆」
名前:ツクモ
ひと言コメント
「ま、まだしんじられません····· ほっ、本当にケッコンしちゃうんですか·····?」
名前:白戸 真(ヌシ様)
ひと言コメント
「正直口を滑らした感あるけど、まぁこれはこれで良いか!」
名前:アマテラス様
ひと言コメント
「30億か、神界日本支部も資金難じゃし多少····· はぁ?贈与税!?半分もってかれるのか!?ニンゲンのやることは酷いのぅ····· くっ、なぜコヤツがわしより金持ちで、一番偉いわしがバイトせにゃいかんのじゃ!納得がいかん!!」




