フシ町の新たなシンボルっ!
一ヵ月無乳生活が決定した私は、しくしく泣きながら二回りくらい大きくなったせいでキツくなった下着を神の下着の機能でジャストフィットするように大きくして、盛る作業を始めていた。
·····えっ?
あっ胸を盛るって訳じゃなくてね?いや確かに薬の効果で一時的に胸が大きくなってるし、解毒できるけど大きくなってちょっと嬉しいから盛ったままにしてるんだけどさ?
今やってるのは、防壁で囲むことができた新公園の中央に高さ8mくらいの小山を作るから盛るっていっただけで、乳を盛るって意味じゃないからね?
「私の胸と同じように大きくなりやがれ!『グランドリフト』っ!」
\ズゥンッ!!/
って事で、私は大地に拳を打ち付けて胸ではなく大地を盛り上げる魔法『グランドリフト』を発動すると、魔法の対象範囲が盛り上がってグングン高くなって防壁よりも高くなってしまった。
·····もうちょい防壁は高くするべきだったかな?いや、まぁ大丈夫かな、一応フシ町の防壁より内側には魔物が攻撃できないよう結界を張れるようにしてあるし、弓矢じゃ届かない距離だから大丈夫っしょ。
「目標高度到達っと、続いて土砂の追加で『土石雨』」
\ズドドドドドドドドドドドドドドッ!!/
「土砂を固めて、えーっと、植物を生やすのは·····『春の息吹』!」
ざぁぁぁぁぁぁああああああっ·····
地面を引き上げて小山を作った私は、引っ張られて少なくなりひび割れたりした山体を修復するため魔法で土砂を追加し、雨で流出しないようある程度固めて、その上から魔法で植物を一気に生やして草原の山にしてしまった。
なんかちょっと伊豆にある大室山っぽいなぁ·····
「さてと、仕上げにコレを生やしたら私がやる事は完了かな」
そして僅か数分で小さいとはいえ山を作ってしまった私は最後の仕事をするため、8mくらいしかない日本で一番低い山よりかは高くて子供だったら登り甲斐がありそうな山に登り始めた。
·····まぁそんな低い山なんてフシ山に登ったりクロベ街近くの高山に登って遊んだりしてる私にとってはお茶の子さいさいだし、軽いジャンプだけで一気に登れる高さなんだけどね。
「んー、登ってみると意外といい感じかな、低いけど丁度いいわぁ·····」
そんで山頂に到着すると、この後使われなくなってしまうであろう内側の防壁よりも少し高度が高くて壁の外が見えにくくなっていたけど、外側の防壁を使うからまぁ大丈夫だろう。
それに·····
「シンボルツリーの世界樹が植えられるから見えなくなっちゃうだろうからねぇ」
この山の上には樹高50mを超える世界樹を生やす予定だから、内側からはほとんど見えなくなってしまうだろう。
ちなみに樹高50mの世界樹の場合は幹の直径が7m近くなるので、創った山はあらかじめ台地のような形状にしておいたので山頂で休める範囲ができるようにしてたりする。
「えーっと、ここだここ、んじゃ世界樹の種を植えてっと·····」
という訳で、植樹予定地にディメンションルームの世界樹さんに作ってもらった、植えればちゃんと生えてくる世界樹の種を取り出して、私は植樹予定地に種を優しく埋めてあげた。
そんで普通ならこのまま数年待つと芽が出てきて、ゆっくりゆっくりと時間をかけて、数千年の時を経て樹高数百メートル、物によっては山よりも高く成長するのだが、生憎そんな悠長に待ってる暇なんてない。
「この魔法使うの久しぶりだなぁ····· まぁ、あの時と違って魔改造してるけどね、さてと行くよ」
私は植えた場所から5mほど離れると、植えた地点に向けてとある魔法を放った。
「禁忌魔法『オーバーグロウス改』っ!!」
それは、私が産まれて間もない頃に早く歩きたかったから使った、生命を強制的に成長させる禁断の魔法だ。
ちなみに人に使うのはもちろん禁止で、植物とかに使うと成長の時に栄養が足りなくて良くてスッカスカになって悪いと枯れてしまう恐ろしい魔法で、動物に使う場合に限って禁忌に指定されている魔法だ。
まぁ別に私はSランク冒険者だから使っていいらしいんだけどね。
でもこの魔法には改造が加えられていて、急速成長する際に不足する栄養素を創世魔法で生み出して強制的に補給させて成長させるという効果が付けられている。
そして、この魔法がかけられたらどうなるかは、私の目の前を見た方が説明するよりも早いだろう。
「いやー、やっぱり私は世界樹好きだわぁ·····」
私の目の前には、先程まで生えていなかった樹高72mにもなる途方もない巨木が生えていて、もう何前年もそこに生えていたかのようにどっしりと生えて地に根を張り巡らせて青々とした葉を生やしていた。
私の使ったオーバーグロウス改ならこんな巨木だって一瞬で生やせてしまうのだ。
ちなみに使いまくった結果がディメンションルームの世界樹さんね、この前あの世界樹さんの樹高を計ったら13kmになってたわ、正確には13159mだったと思うけど、幹の太さがキロを超えてるし一瞬で黒部ダムの貯水量を上回る水を吸い込む恐ろしい木になっちゃってたり·····
ま、まぁ樹高50mくらいなら別に····· ちょっとオーバーしちゃって70mになってるけど、この程度なら水と栄養と魔力が豊富なフシ町だったら大丈夫だろう。
それにこの世界樹は魔力の実はできないけどプリミティブフルーツならちゃんと生るから、もしかしたらフシ町の特産品になるかもしれない。
·····ちなみに、一応サークレット教の本部には生やしていいか確認してOKは貰ってたりするのよね。
魔力の実10個でOKしてくれたわ、チョロくて助かったよホント。
今頃聖地は『神の実が手に入っちゃったー!!』って大騒ぎしてる所だろう。
『ソフィ!もういいか!』
「もういいよー、凄いでしょコレ」
「いや、凄すぎるっていうか····· 凄いな·····」
「語彙力がゼロになっているぞ、だが凄い以外の言葉があまり思いつかんな····· 町のどこからでも見えそうだ、それに、こうして世界樹をまた見れるとは思わなかったぞ」
「そういえばお爺ちゃんって聖地にいった事あったんだっけ」
「いや、遠くから見ただけだが思い出深い木なのだ、聖地の世界樹に比べると些か小さいだろうが、見事だ·····」
·····なんかお爺ちゃんが感傷に浸ってるけど、ディメンションルームに聖地の世界樹よりデカい世界樹あるのよね。
あとで見せてあげよっかなぁ····· いや見せる前に部屋の掃除しないとケチョンケチョンに怒られるわ、みんなでとっちらかしてるせいで知り合い以外に見せたくない光景になってるのよね·····
そんな汚い部屋を思い出してすさんだ心を、新しく生えてきた世界樹さんは私を含めてフシ町を優しく見守ってくれていた。
そして、世界樹が生えたことで町民に公園の工事が完了した事が周知されたのだった。
◇
·····えー、はい、忘れてました。
内側の元々の防壁をブッ壊して、ある程度は歩けるように元々防壁があった箇所に陸橋を作るの忘れてました。
って事で絶賛いま工事中です。
「崩壊、創世、崩壊、創世、崩壊、創世····· ひぃ、量が多いって·····」
今は崩壊魔法で前方の壁を分解して撤去して、後方で創世魔法を使ってお洒落なファンタジー感がある歩道橋を組み立てて進んでいる所だ。
まぁ住民からの要望で一部は壁を残すことになっているので全部ではないけど、それでも解体時に周辺の民家に被害が出ないように優しく分解して建材を地面に並べるのはかなり骨が折れる作業だ。
あっ骨が折れるって比喩ね?私ってしょっちゅう骨が折れてるから比喩か本当かイマイチわかりにくいのよね·····
「·····あの、コパルさん、まだ安全確認してないんでその上歩くのやめてもらえません?」
「あっごめんね~?でも作ってる途中の橋なんて滅多に渡れないからさ!あとわたしって滑空の魔導具持ってるから高い所平気なんだ!だから大丈夫だよ!」
·····で、落ちたら間違いなく比喩なしで骨が折れる高さにある作りかけの歩道橋の上を、暇を持て余した警備隊のコパルさんが歩いていた。
ちなみに親友のユーラさんは新しくできた防壁の上を歩いて点検中らしい。
あとコパルさんは昔に彼女が冒険者だった頃にダンジョンで手に入れた滑空の魔導具を所持してて、街中を結構ビュンビュン飛び回って屋根の上とかを走ってる変な人だったりするから、こういう作りかけで滑落の危険のある場所でも平気で歩けてしまうらしい。
だから落ちても怪我はしないだろうけどさぁ·····
「·····もういいや」
私はもうなんか色々めんどくさくなって、彼女を咎めるのを諦めて公園への入り口となり景色の邪魔にならないで、更に解放感もあるデザインにした歩道橋を先程生やした世界樹を横目にガンガン作っていったのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「確か世界樹って寿命が無かったはずだから、フシ町って名前にピッタリな良いシンボルツリーになりそうだなぁ····· あっちなみに植えた場所は影が町に掛かりにくい位置を選んだから大丈夫だよ!掛かるのはほぼ夕方だから大丈夫····· だよね?えーっと、樹高50mの時のアカシックレコードでのシミュレーションは····· あったあった、これを70mにしてみると?·····よし大丈夫!!1000mまでは大丈夫!たぶん!」




