防壁拡張工事、開始·····終わりっ!
よくわかんない謎食材モチュルートを手に入れてから数日後、私はまたあの防壁の上にやって来ていた。
·····まぁ、これがもう最後になると思うけどね。
「さてと、工事始めちゃいますかっ!」
今日は下見ではなく実行するために来ているのだ。
そんでこの壁も邪魔になるから一部は撤去してしまうので、私が今いるこの場所から見れる景色も最後になってしまうという訳だ。
なんかちょっと寂しいけど、これからもっと素敵な景色に変わるんだから寂しくはない。
まぁでも、壊すのは壁ができてからだけどね?
だってこれが無いとフシ町の中に魔物が入ってきちゃうし、新しく作る防壁もモタモタしてると雑草を刈って見やすくなってるとはいえ魔物が入ってくる可能性もあるし早くつくってしまおう。
「えーっと、ソフィアの槍召喚」
シュインッ!
私は虚空から煌めきながら現れたソフィアの槍を掴むと、神属性魔力を流し込んで神器へと覚醒させた。
そして神器の機能を得たソフィアの槍をトリガーに、私は神化をした。
「神化っ!よしっ!やっぱりソフィアの槍がある方がやりやすいわぁ、槍だけに」
·····
い、いや、ダジャレとかじゃなくてね?
私は神化するときにソフィアの槍があると神化が補助されてしかもほぼ完璧な神化ができるのよ。
いや補助っていうかどっちかというと安全装置かな、間違ってフル神化して大惨事が発生しないようにソフィアの槍を覚醒させたうえで神化しないと一定以上の神化ができないようになってるのよ。
逆に言えば、私がソフィアの槍を持って神化するときはちょっと本気を出したい時という事だ。
「アカシックレコードよりフシ町増設用防壁データを参照して創世魔法発動、発動箇所指定、指定箇所はアカシックレコードから参照·····」
私は神化して頭上に天使のような環を出現させ、めっちゃ神々しい状態で事前に作成しておいてアカシックレコードに保存していたフシ町防壁拡張工事のデータを呼び出して、創世魔法によって一気に防壁を作る準備を始めた。
「んふふ、なんか神っぽいなぁ、·····さぁ天地創造の時です、光あr」
その様子は、まるで天地を創造する神様の如k
「ままー、へんなのいるー」
「こら!ソフィさまにそんな事言っちゃダメでしょ!」
「ぐはぁっ!!」
\ドサッ·····/
変なのって言われた·····
無邪気な子供の一撃がクリーンヒットした私は、防壁の上に横たわってしくしくと泣いたのだった。
◇
さてと、まだ心に無邪気な一撃がブッ刺さってダメージを受けてるけど、私は頑張って起き上がって壁の増設作業を再開した。
いや始まっても無かったけど。
「作業再開、データロード完了、第一工程開始っ!」
それはさておき、私は第一段階の作業を始めた。
第一段階の作業は防壁の基礎作りで、本来防壁を作る際は基礎となる石垣を地面の中に作って埋めて作る·····らしいんだけど、私の場合は違う。
私の場合は地面の中に岩盤に到達するほどの石英製の杭を何本も穿ち、更にそれを風化などに強い玄武岩で覆う事で地中を潜ってくる魔物もガードする地中の壁も作る、特殊な工法を用いるつもりだ。
ちなみに石英は風化に対してトップクラスに強いし、水晶じゃなければそんなに利用価値も高くなくて盗難されにくいから私が建築をするときにはよく使っているモノだったりする。
「石英柱生成!刺されっ!」
私は壁の建設予定地に一定間隔で直径1mの巨大な石英の六角柱を生成すると、その巨大な杭を地面へと突き刺した。
更に石英柱には地属性魔法をかけているので地面へ刺さっても何の抵抗もなく岩盤へと向かい、更に岩盤に当たっても勢いが止まらずに突き刺さった。
「そんでもって、融合っ!ふんっ!」
そして次に石英柱を岩盤と魔法で結合させてガッチリと固定した。
これで簡単には引き抜けなくなったし、岩盤でしっかり固定してるから壁の重量で沈んでしまうなんてことは起きなくなるはずだ。
「融合完了、続いて地中防壁作成っ!」
んで次は地中の岩盤から地上へ向けて創世魔法でコピーした岩の壁を産み出した。
·····が、完全には塞がないで一部に通れる抜け穴を作っておいた。
っていうのも、完全に遮断してしまうと有益な生物も入ってこれなくなったり、モフウサたちの地下通路もつくれなくなってしまうので魚道のように地中にそういう場所を作ったのだ。
ちなみに地中で見えないけど、モフウサはかなり賢いから壁に『モフウサ用入り口』って看板付けとくと勝手に読んでそこに穴掘ってくれるのよね。
だから看板もついでに作ってあげた。
私ってばやっさしぃ~♡
·····なんか自分で言ってて虚しくなったわ。
\ズズズズズズッ·····/
「おっ地表に出てきた!んじゃ次は防壁建造開始っ!」
私が自分の発言で勝手に虚しくなってる間にも作業は進んでて、地表に地中防壁兼土台が出てきてようやく作業を開始できるようになった。
って事で私は虚しさを紛らわすために間髪入れずに防壁を作り始めた。
ちなみに、当然の如く防壁は私が設計開発したモノで、高さは7mとちょっと高くなってて一番高い所である門の部分で大体10mになっている。
そんで厚さは2mとちょっと狭い感じだけど、その頑丈さは桁違いの物となっている。
まず外側はフシ町を今現在覆っている防壁と同じレンガ造りの普通の防壁なんだけど、内部には上手い事偽装されたアダマンタイトの網が張り巡らされていて、ありとあらゆる攻撃をはじき返せるようになっている。
更に自動修復機能も兼ね備えてて、私が作れる『叡智の結晶』を埋め込んで自動で元の形に戻るようになっていたりもする。
そんな新しい防壁は、まずで3Dプリンターで印刷されるように下からどんどんと構築されて行っていて、まるで地面から壁が現れているように見えて中々圧巻の光景だ。
·····ちょっと3番目の新しい東京っぽさがあるなぁ。
いいよね地面から巨大な構造物が出てくるのって、私あれめっちゃ好きなのよ。
「·····やべ!32地点そのままだった!あーもう、壊さないとじゃん」
ってボーっと見てたら、外に出る用の門を設置するのを忘れて完璧に防壁で覆ってしまっている事に気が付いた。
本当なら一ヶ所だけ出入り口を作る予定だったんだけどね·····?
うん、すっかり忘れてた·····
まぁでも後からでも直せるし大丈夫·····かな。
よし、大丈夫って事にしておこう。
「元の防壁との接合部は····· こっちは大丈夫っと」
そんで元々の壁との接続部に関しては耐久力が下がらないように色々工夫をしていて、無事に創世魔法で元々の壁ごと新しい接合部を創っていて大丈夫そうだった。
一ヶ所ミスがあると不安になっちゃう性格だからつい見ちゃったけど、特に何もミスが無くて安心した。
この調子ならあと10分も経たないで防壁は完成するだろう。
って訳で、私は完成するまでやる事がないので取り壊し予定の壁の縁に腰掛けて、お茶を飲みながらのんびりと待つことにしたのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「·····変なのって言われたの地味にショックだなぁ」




