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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第七章 TS賢者は子育てに奔走するっ!
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完全な未知の食材っ!?


 ·····どーしよっかな、これ。



 私はエプロンを着けて髪を後ろで縛っていつも通りキッチンに立っていたのだが、新たな料理を考えている手は完全に止まっていた。


 その原因は、私の目の前にあった。


「初めて見たぞこんな食材、どーすりゃいいんだ·····」


「ワシも初めて見たのじゃ·····」



 まな板の上には、なんか綿みたいな食材·····?が乗っかっていて、どう料理すればいいのかめっちゃくちゃ頭を悩ませていたのだ。


 とりあえず、料理方法を思いつくまでコレを手に入れた経緯を見てもらおうと思う。





 それは防壁拡張工事がほとんどやる事が無くて暇になり、チェルの遊びに付き合った後の話·····


 私はちょっと野暮用で神界にやって来ていた。

 んでその野暮用っていうのが·····



「サリちゃーん、元気だった?」


「んっ、ソフィ様?おひさしぶり·····」


「おっ?意外とゴミ屋敷になってないじゃん」


「頑張ってる、生活の質向上はとても大事だから」



 私が時々面倒を見に来ている、元死神副業の現天使業でガンガン稼いでる天使のサリエルちゃんだ。


 この子は能力的に見るとかなり優秀な子なんだけど、生憎私生活とかが終わってるレベルで酷いから心配で復職した後も時々面倒を見に来ているのだ。

 ちなみにこの前来た時はそこら中にカップ麺の空き容器が散らばってとんでもない臭いになってて神界温泉にブチ込んでその間に部屋を徹底的に洗浄してガミガミ説教をしたから不安だったけど、今回は結構大丈夫そうだ。


 まぁこの前ミカちゃんに睡眠の指導を受けてたし、睡眠の質の重要性を徹底的に教え込まれた成果だろうなぁ·····



「とりあえず安心したよ、差し入れに作り過ぎちゃった料理持ってきたんだけどいる?あと大量にお菓子もあるんだけど·····」


「食べる、·····ステーキ!?おすそわけ、豪華すぎる」


「まぁ調子に乗って鉄板焼きごっこしてたら焼きすぎちゃってさ····· しっかり暖かいまま時間停止保存してたから美味しいよ」


「ご飯を炊かなきゃ····· あっ、お米がほとんどない·····」


「·····はぁ、わかったよちょっと遅いクリスマスプレゼントで高級瑞穂の里産のお米上げるよ」


「やった、すごく美味しいお米だ」



 サリちゃんは座椅子にぐでぇ·····って座った状態から跳ね起きると、小躍りしながら私の元までやって来た。





 ·····ちょいまち、巻き戻し過ぎた。


 えーっと、確かこの後サリちゃんに鉄板焼きの余りとガーリックライスをあげて、ついでにお米10kgもあげたんだっけ。

 そうそう!そうだこの後だ!


 この後、あんまりにもいい物を貰いすぎて不安になったサリちゃんが天使のサボり場でよく食べられてる食材を教えてもらって取りに行ったんだった。



 んじゃそこまでカット!


 ちなみにサリちゃんは大喜びして3日かけて肉を食べ尽くしたらしい。





 そして時は進んで数十分後·····



 私は神界の中でも下層に近い場所にやって来ていた。



「どもー、神様でーす」


「えっ!?そ、ソフィ様ですか!?」


「やーやーどうもー、久しぶりユノエルさん、ちょっと美味しいモノがあるって聞いて採りに来ただけだから気にしなくていいよー、この先のサボり場とたまり場の事は黙っておくから大丈夫だよん、·····っていうか神様にはそれ把握されてるけど黙認されてるからね」



 神界は巨大な浮遊大陸のような構造なのだが、そこから外れると乗れるほどの密度の雲があってそこで天使が集まってなんかやってたりする様子が時々見受けられるのだ。


 そんで普段は神様が来ないその密度の高い雲····· 天凝雲だっけな····· その雲の所に私はふら~っとやって来ていたのだ。

 そしたら通りすがりのサボりに来た·····って言うよりかは私服だから休日を楽しんでる知り合いのユノエルとばったり遭遇して、ビックリさせてしまったようだ。



「そ、そうだったんだ·····」


「そうだったのよ、あっそうだ、えーっと····· なんだっけな、モチュルートって食材知ってる?サリエルが美味しいって言ってたんだけど·····」


「もっ、モチュルート?知ってるけど····· だって面白くて大好きだし」


「おおっ!·····ん?面白い?それ含めて聞いてもよくわかんなかったから教えてほしいんだけどいい?」


「いいけど····· 調理大変だけど大丈夫ですか?」


「まぁ気になるから案内してよ」


「·····わかりました」



 って感じで私は通りすがりの知り合い天使のユノさんに案内を任せて、サリちゃんが絶品と言ってた『モチュルート』なる未知の食材を採りに行ったんだったわ。


 ちなみにその食材がある場所までちょっと時間が掛かったから、雑談も含めてカットするね。





「·····えーっと?これ?」


「これです」


「なにこれ·····」



 そんで目的地に到着してモチュルートだと言われたのは、うん、なにこれ?っていう代物だった。


 例えるならモチッとしてるツルンっとした見た目のマシュマロみたいな雲かなぁ·····

 こう、持つとモニュンッてして持ち上げられるんだけど質量はほとんどない感じで、確かに言われてみれば美味しそうな香りはする食材だった。


 なんか、·····うーん、この例え嫌なんだけどフグの白子みたいな感じ?



「確か焼いて食べると美味しくて、生でも行けたはず····· モニュンってするお肉というかソーセージというか····· よくわからない物です」


「なんじゃそりゃ·····」



 ちなみにモチュルートは天凝雲の最下層にあってうっすら赤ピンクな色合いの雲だった。


 んで嗅いだ感じだとユッケみたいで、甘くてフワフワしてそうな見た目なのにうっすらと生の肉っぽい香りが漂う不思議な食材だ。


 確かに生でも大丈夫そうな気配はするし、焼いたら肉っぽくなって美味しいかもしれない。



「まぁいいや、とりあえず好きなだけ持って行ってもいい?」


「いいんじゃないですか?私は上にある餅雲善の方が好きなんで」


「あーそれ美味しいよね、モッチモチでほんのり甘いムニムニな綿菓子みたいな感じで好きだわぁ」


「ですよね、一時期食べ過ぎて雲が枯渇して怒られちゃいましたし·····」


「·····なくならないよう気を付けてね?」

「わかってます、じゃあミナトエルと会う約束があるので、失礼します」


「はいはーい」



 って感じて天使ちゃんと別れて、私は謎食材『モチュルート』をとりあえず5立方メートル分、だいたい10kg分確保したのだった。


 ·····ん!?5立法メートルで10kg!?

 軽くね!?あっ雲だからか。


 ·····雲にしては重くね!?





「·····思いつかなかったね」


「うむ·····」



 で、回想が終了したんだけど、こんだけ尺のばしといて私たちはいい感じの料理法を思いついていなかった。


 まずは生で醤油を付けて食べてみたんだけど、まぁそこそこ美味しかった。

 フワフワしてると思ったらムニュムニュした食感で、なんか繊維も感じるから少し馬刺しっぽいかな?って感じはしたけど、なんか違った。

 んで味はやっぱり生肉に近かった、サッパリした肉って感じで濃いめの醤油で食べてご飯に乗っけると割と行ける味かなぁ·····ってイメージね。



「っと、焼けたのじゃ、·····焼けたのじゃが、なんじゃこりゃ」


「どれどれ?·····ナニコレ」



 そんで次はエビちゃんに焼いてもらったんだけど、よくわからんことになってた。


 見た目は完全にアレ、焼きマシュマロ。


 でも香りが変で、確かに焼いた肉の匂いがするんだけど若干焼き魚みたいな香りもするし、小麦粉みたいな粉系のモノが焼ける香りもする変な感じだ。



「·····とりあえず食べてみよっか」


「うむ、喰わねばわからぬからのぅ」



 食べるのがめっちゃ不安だけど、とりあえず私たちは焼いた『モチュルート』に醤油をちょっと付けて口の中に入れてみた。


 すると·····



「あぎゅぅぅぅう····· うぶぅ····· なにこれ·····」

「控え目に言って、ダメじゃなこれ····· ワシは苦手なのじゃ·····」



 ·····なんていうんだろ、肉汁と魚の旨味をを吸い込んだ焼いたフワフワでベチャベチャなパンケーキを食べてるようなかんじかなぁ。


 ぶっちゃけって美味しくない、いや好みの人は好みだろうし、肉の味がしてお肉が無かったら食べてもいいかなってくらいだけど、あんま美味しくない。


 でも不思議なのが、食べるとじゅわっ·····ってするのに焼いてる時は全く水分が出てなかった事なんだよね、かなり水分量多そうなのに·····



「のうソフィ、やっぱりコレ無理じゃないのじゃ?揚げても煮込んでも多分無理じゃろこれ····· 何なら生が一番うまかったのじゃ·····」


「だよね、でも旨味はあってしっかり美味しいから、出汁ならいけるかもしれない····· ってなると乾燥させて出汁用に加工するか、·····それだ!!!」


「むっ?何か思いついたのじゃ?」


「これ、たぶん脱水して食べると美味しいかも」


「どういう事じゃ?」



 そしてふと私が閃いたのは、コレって水分を抜いて濃縮したらしっかりとした食感に変わるんじゃない?っていう方法だった。

 これなら割といけるかもしれない。



「よし、ちょっとやってみるか!」


「面白そうじゃな、頼むのじゃ」


「はいよー、『ドライ』っと」


 じゅわぁぁぁ·····


「おーいい感じに水分出てきた、」


 って訳で、早速魔法で水分だけを抜き取ってみると物凄い勢いでモチュルートが縮みはじめて、なんか凝縮された感じになった。


 例えるなら水気をしっかりとった高野豆腐かなぁ·····


 でも明らかにしっかりした食感になって、かなり美味しそうな感じになった。

 ただ体積は1/10くらいになって相当ちいさくなっちゃったけどね。



「んじゃエビちゃんは焼いてて、私は刺身にしてみるから」


「うむっ!任せるのじゃ!」



 って訳で、私たちは早速濃縮モチュルートを軽く料理して食べることにした。




名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「ふんふん····· これは面白いかも····· 興味深いわぁ」


名前:エビちゃん

ひと言コメント

「んぐっんぐっ····· ぷひぃ····· ちと焼いたモチュルートはワシはダメだったのじゃ、無理やり飲み込んだのじゃ····· じゃが水分が抜けたら割と美味しそうなのじゃ」


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