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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第七章 TS賢者は子育てに奔走するっ!
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魔神の子は魔神


\ガブゥッ!!/



「いでぇっ!!こっ!こやつ!!噛んで来やがったのじゃ!!」

「きゃっきゃっ」



 厳かで静かなフシ町の教会の中に、エビの悲鳴と赤ちゃんの笑い声が響き渡った。



「だ、大丈夫?」

「フロウがワシの手を噛んできたのじゃ····· いてて····· めっちゃ歯形残っておるのじゃ·····」


「そりゃ見えないからねぇ····· 赤外線も紫外線も打ち消されてるよこれ」

「だから僕も見えなかったんだ·····」



 その悲鳴の原因は、さっきの祝福の直後に何故か真っ黒な空間に包み込まれたエビちゃんの娘のフロウが、抱っこしようと暗闇に手を突っ込んだ親であるエビちゃんの手に思いきり噛みついたからだ。


 ちなみに私もフェニカにだけど噛まれた事あるけど、ガチで痛いよ?

 赤ちゃんだからってナメてたら痛い目に合うっていうか、力加減してくれないから本気で噛んできて血が出るかと思ったもん。


 アレが授乳中だったらって思うとゾッとするわ·····

 私はもう母乳は出なくなったけど、エビちゃんはまだちょっと出てるみたいだしフロウは欲しがってるみたいだけど、一度めっちゃ痛い目に合ってからは『もう二度とやらん!』って怒ったくらい痛いらしいのよね·····


 そうそう、フロウってなんか噛みグセがあるのかツノで突いてくるのに加えて噛むようになってきて大変なのよね·····

 さすがは天性の捕食者ってだけあるわ。



「·····で、一応洗礼は終わったけどどうする?」


「どうするもこうするも、なんとかせんと抱っこも出来んのじゃ!のぅソフィ、どうなっとるんじゃ?」


「あー、もう調査済みだしエビちゃんも薄々わかってるでしょ?」

「えっわかってたの?」


「確証は無いが、一応じゃな、ソフィもワシと同じ結論じゃろう?」

「多分同じだと思うよ」


「ボクにわかるように説明してくれる?」


「っと、そうじゃったな、たぶんじゃがフロウはワシと同じ魔神に覚醒しておるのじゃ」


「·····魔神?」


「説明しよう!魔神とは!」



 魔神とは簡単に言えば魔族の上位種であり、特殊な条件を揃えない限り神化を行えない種の事を指す。


 魔神になる条件はかなり限定的で、普通の魔族には不可能な条件となっているため基本的に魔族の上位種は『魔王』か『魔王妃(姫)』にしかならないと言われている。


 んでその条件って言うのが


 ・『魔王』であること

 ・『アマイモン種』かそれの近縁種であること

 ・『サイトーシス』の家系であること

 ・『神属性魔力』を獲得していること

 ・『莫大な魔力』を保有していること


 で、これを満たす事で魔神へと進化するのだ。


 ·····まぁエビちゃんは更に天元突破して最上位種になってるけど、それはエビちゃんだから仕方ない。


 そんでもって『サイトーシスの家系』っていうのが重要で、サイトーシスの家系の魔族は転生が可能なほど魂が頑強になりやすい性質を持っているようで、通常の魂では耐え切れない魔神化に耐える事ができるため限定されているのだ。

 ちなみに一番適性が高いのが『ファゴス家』、つまりファゴサイトーシス家の血筋の魔族で、魔神の直系の子孫だから金星では王になっていたって訳だ。



 ·····そして、フロウは既にこの条件を満たしていた。


 フロウは非常に頑強な神造の魂を最初から所持していて、なおかつサイトーシスの家系で、莫大な魔力を持ち、神属性魔力を多量に含む魔力の実を食べているため神属性魔力もあり、生まれながらにして魔王であったため、すべての条件を満たしてあとは進化するだけとなっていたのだ。


 あっそうそう、エビちゃんは転生後は神属性魔力が欠落してて他にも色々足りなかったんだけど、例の『復讐の魔王玉』という前世のエビちゃんの置き土産(大爆弾)を既に神属性魔力が若干含まれていた私の本気の魔法をぶつけた結果『復讐の魔神玉』へと昇華してしまい、それを喰らったエビちゃんは魔神になる資格を得てしまったって訳だ。



 ついでに『復讐の魔王玉』について説明すると、アレって魔法競技大会の威力測定に使われてたけど実際の使い方は当たり前だけど違う。

 正しい使い方は、死を覚悟した魔王のみが使える魔法で使うと破壊不可能な宝玉を1個生み出して、それに魔力や攻撃などを加え続けると魔力が蓄積し、一定量まで達したそれを魔族が取り込むと魔王に覚醒するっていう仕組みなのだ。

 あと魔王が生き返る際にも使えるらしい。


 んでエビちゃんは自分が作った復讐の魔王玉を喰らって一気に全盛期の力を得たし、しかも私が元々持っていた神属性魔力を手に入れたことで魔神へ覚醒できるようになった·····って感じかな?



「以上!説明終了!·····わかった?」


「·····つまり、なんかすごい事になったって事でいいよね?」


「大体おっけー!」

「いやアカンじゃろ、もうちょい詳細に説明しろなのじゃ」


「えっ?ちゃんと説明したじゃん」


「·····わかりやすく説明しろ、なのじゃ」


「フロウが魔神になった」

「お主殴るぞ?」


「だって分かりやすく説明しただけだもん!」

「簡単すぎるのじゃ!お主はバカか!?」

「バカでもわかるように説明したのにわかんないの!?このアホエビ!!」


「「ああん!?てめぇやんのか!?」」



 その後、私とエビちゃんは軽くケンカをして神父さんに懺悔室にブチ込まれた。





 神父さんに懺悔させられた私たちは一旦家に帰ってきて、改めてお兄ちゃん達にフロウの現状について説明していた。



「·····で、もうちょい説明すると、いまフロウの魔力を見てみたら魔族特有の結晶器官が魔王のモノから魔神のモノに変わってたのよ、四次元超立体結晶だったから間違いないはず」


「そうなのじゃ?ワシはそこまではわからんかったんじゃが、魔力が魔神のモノになっておってしかも魔神魔法····· 真の闇魔法を使っておるから間違いないと判断したのじゃ」


「あと魔神といっても神になった訳じゃなくて、魔神族っていう神属性魔力を扱える種になっただけだよ」



「·····つまり、えーっと」


「現人神って言った方が分かりやすいかな?それか精霊に近い種になったってイメージだね」



 魔族には魔力を司る器官が体内に存在してて、魔物とかの魔石とは同質異像である『魔結晶(魔族の魔力結晶器官)』という物で魔法を高度に制御できるんだけど、進化するとここが強化されるのだ。


 んでフロウは既に『魔神結晶』になってて、魔神になったってわかったのだ。

 ちなみに魔神結晶は半第2種魔導永久機関のようなモノで、受け取った魔力を自身の魔力に変換する際にとんでもなく増幅されるし、かなりの魔力が貯蓄できる性質があったりする。


 ついでに魔神になると真の闇魔法、エネルギー魔法的な特殊な魔法が使えるようになって、どうやらフロウはこれを使って暗闇を生み出しているようなのだ。



 本当なら魔神になるって言うのはめちゃくちゃ凄い事なんだけど、今はフロウが魔神魔法を暴走させて暗闇を身にまとっちゃってちょっと祝うどころじゃない状態になっていた。



「·····そこは分かったんだけど、フロウのこの状態ってどうしたらいいの?」


「えっ?あー·····」

「この状態じゃよなぁ、アレしかないのじゃ·····」


「何か解決策があるの?」


「·····とにかくめちゃくちゃ光を当てまくる」

「うむ、天日干しで3時間もあればたぶん治るのじゃ」


「えぇ·····?」



 でも対処方法は意外と簡単で、今のフロウは光の波長やエネルギーをゼロにして光を遮断してる状態なんだけど、これを持続させるのにも魔力を使うし、強力な光を当てると消費魔力が上がるから、光を当てておけばOKなのだ。


 1番効率がいいのは太陽光か白色の光で、いろんな波長があって高エネルギーな方が光を消すのが大変だから消費量が増えるのだ。


 ちなみに夏だと今のフロウの状態なら2時間くらいで解除出来ると思う。



「まぁでも夏まではまだ3ヶ月以上あるから、魔法で何とかするけどね」


「うむ、ワシは光魔法は苦手じゃから頼むのじゃ」


「はいはい、任せてねー」



 って訳で、私はめちゃくちゃ強力な真夏の太陽の如き光をフロウに照射しはじめたのだった。





 〜5分後〜


「にゃぅぅ····· うー·····」


「あっ魔力が尽きた、やっぱり赤ちゃんは魔力量が少なくて助かるわぁ」



 太陽光の数倍の光をフロウが入ってる暗闇に当て続けていると、だいたい5分でフロウの魔力が底を尽きたのか闇が晴れてご機嫌ななめなフロウが出てきた。



「さてと、後はエビちゃんに任せた」


「うむ、あやすのはワシの役割じゃからのぅ、ほれフロウ、ママじゃそ〜」



 そして私はそこでエビちゃんにバトンタッチして、エビちゃんはご機嫌ななめなフロウにポカスカ殴り蹴られて泣かれてしかも噛みつかれながらも、無事にフロウの回収に成功したのだった。


 こうして、なんやかんやあってフロウは魔神化したけど、なかよし組の他のメンバーの子供たちも祝福を受ける事ができてこの騒動は幕を閉じたのだった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「うーん····· フェニカは特に何も変わってないかぁ、なんか増えてたらいいなぁって思ったのに····· まぁガイア様に変な事されたくないから干渉を拒絶してたせいだろうけど·····」


名前:フィーロ

ひと言コメント

「·····何も無い方がマシな気がしてきた」


名前:アルム

ひと言コメント

「お金になりそうなの覚えた子いなかったの?」


名前:グラちゃん

ひと言コメント

「トウマはもう全属性に適性があるみたいだから魔法が増えたりはしなかったわ、少し残念ね」


名前:ウェイザ

ひと言コメント

「フシ町ってなんかいい所だな、あっちは雪がひでぇからなぁ·····」


名前:ウナちゃん

ひと言コメント

「これでおっけー!やっぱり楽だなぁ·····」


名前:イルミア

ひと言コメント

「無事に終わってなによりです、·····フロウちゃんは無事かどうか分からないですけど」


名前:エビちゃん

ひと言コメント

「むっふふ、この歳で魔神とはなかなか良いのぅ、将来が楽しみなのじゃ」


名前:ラクト

ひと言コメント

「逆にボクは不安しかない·····」


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