フシ町再開発計画っ!
ウナちゃん経由でのフシ町の管理者たちと国王との対談は順調に進んでいた。
·····順調っていうか、順調に進まざるを得ないに決まってるでしょ!?相手、この国の国王様だよ!?
断れるわけないじゃん!私は割とフランクに話しかけたりしてるけど、普通話す事すら困難な相手だよ!!??
·····という訳でいまの進捗はというと、国王様のフシ町への引っ越しは確定となった。
そして住む場所なんだけど、これがまぁ難航中で、町の中心地から河岸段丘で一段低くなった辺りにある私の叔父の旧フシ村の町役場兼お屋敷を使うか、それともその近くにすんごい豪邸を建てるか、老体で坂を上るのが厳しいだろうからやはり高級住宅街に家を借りるか、それとも·····
「·····私の家の近く?絶対嫌なんだけど?」
「確かに、ソフィの家は街の中央からかなり離れているからな····· お義父さん、流石にそれは厳しいかと」
「そうだな····· 陛下は街中に行くことを望んでいるから難しい所だ·····」
「·····それに私の家の隣、カルト教団の本拠点あるけど」
「辞めておこう」
「あぁ、止めるべきだな」
私の家の近くはかなり土地が余っていて、一応牧場になってるけど牛の数に対して牧場の面積が広すぎて持て余しているのだ。
だから豪邸を建てるならそこが良いんだけど、私は近くに国王様が居ると思うと恐怖でしかないし、しかもウチから中心街までかなり距離があるから、年を取って隠居を考えてる2人にはあの距離はかなり厳しいだろう。
いや魔動車を作るって言う手もあるけど、事故が起こる可能性も捨てきれないし色々あるから100%良いという訳じゃないのだ。
·····てか私の家の隣に衂教団の本部あるって言ったら即候補から外れた。
ちなみにこの前聖女様に全壊させられた後再建して、なんかでけぇ大聖堂が完成して困ってる。
まぁでも、ありがとうレミア、今回ばかりは助かったわ。
·····なんか急に信仰心がギュンッ!って増えたんだけど、なんか伝わったのかな。
「·····閃いたぞ、町の西側に川沿いの公園があったよな?あそこは眺めも良いし交通の便も良い、あそこを改築して国王様の屋敷を建てるのはどうだ?」
「だがあそこは町民の憩いの場だ、無くすとなると悲しむ者も多い、しかもそこに住むのは身分のわからぬ見知らぬ老人2人だ、町民は快くは思わないだろう」
「·····んじゃ新しく公園作っちゃえば?確か町の工業区画と中心街を隔ててる段丘部分って家が無くて緩やかな斜面だから実質広い公園みたいな扱いになってたでしょ?前に町を歩いてたら、あの西の川沿い公園ってあそこまで行くのが大変な人が使ってるケースがあったからさ、西側にも大きい公園を作ってしれっと無くすのがいいんじゃないかな?」
そして私たちが行きついたのは、交通の便も結構良くて治療院にも近く川沿いで自然豊かでなおかつ広い土地で使いやすい、町の西にある公園を使う事だった。
だがその公園は町民の憩いの場になっており、町の東にある坂になってる場所にある公園に行くのが厳しい人が集まる公園で、無くすとなると絶対反対意見が出るだろう。
しかし、国王様の隠居屋敷を建てるにはここが最適だからどうしようか悩んだ。
·····そして色々考えた結果、私の中で具体的な計画が完成した。
「東の坂が公園になっているのは知っている、しかし町の西側には広い公園を作れるような土地は余っていないぞ?」
「ちっちっちっ、沢山余ってるでしょ?防壁の外に」
「·····まさか、拡張工事か?いや、確かにそれならできない事は無いが、間に合うか?」
私の考えた計画は、あまり広くない西の公園の拡張工事という名目で新たにフシ町を覆う防壁を作り、そこに巨大な公園を作る事で隠居屋敷建築を許してもらうという物だった。
もちろん許してもらうために私も手は抜かない。
割とガチでちゃんとした公園を作れば国王様達も行きやすいだろうし、丁度町の中央を流れる川の北側が平地である程度空いてるし広い道路もあるからアクセスも良くなるはず·····
「どう?いい感じでしょ?ちなみに作るのは問題ないね、3日あれば作れるはずだよ」
「そうか、ウナ様、国王陛下はいつこの町へ来る予定なのだ?」
「えーっとね、たしか5月に王位を継承して、色々やってから来るから····· 6月かな?」
「二ヶ月か····· 屋敷を作るのなんて到底間に合わないぞ·····」
「·····ソフィが居なかったらの話だけどな、ソフィ、お願いできるか?」
「やるやらないじゃなくて、やらなきゃこれ私殺されるでしょ····· はぁ····· やるよもう·····」
って訳で、完全に決定したわけではないけどフシ町は街の拡張計画と王が隠居生活を送る終の棲家の建築という、とんでもない業務を任されることになってしまったのだった。
·····ちなみに温泉も頼むとかワインセラーも作ってとか無理難題を言われた、もちろん作るけど。
◇
そしてお昼ご飯を食べた私は、早速城壁の拡張予定地へとやって来た。
「むむむ····· ここをぶっ壊してこうしてこうすれば····· うんうん、やっぱり最適だ」
「·····何をしているのかしら?ぶっ壊すとか聞こえたけれど?」
「あひゃぁぁあああっ!!\ズルッ☆/あぶっ!危なっ!!い、いや、その····· えーっと·····」
私は防壁の上に立って、上空の衛星からの映像と地上からの景色を元に壁の破壊範囲やその他色々を考えていたのだが、そこへ巡回している警備隊の人がやって来た。
ちなみにビックリして防壁から落ちかけた。
「·····ソフィさんよね?また何か頭のおかしい事でもしようと考えているのかしら?」
「いや、えーっと····· 実は····· そこに公園あるじゃないですか、あれが狭くて家に囲まれてて窮屈だっていう話がありまして、拡張するついでに新しくしちゃおうって言う計画が出てまして、この西の防壁を拡張してそこに作ろうっていう計画が出てまして·····」
「いつ決まったの?」
「ついさっきです····· 極秘でお願いします·····」
まぁ、確かに壁をぶっ壊すとか言ってたら町長の娘でも事情聴取しなくちゃいけなくなるよなぁ·····
この計画、まだ秘密なんだけど流石に仕方ないか·····
そのうち警備隊の人たちにも伝えなきゃいけない話だったし、遅かれ早かれって事で。
「そう、あの公園を新しくするのね、元々の公園はどうするのかしら?」
「あー、うーん····· ユーラさんって親族が元貴族だからしきたりとかわかりますよね?」
「·····覚えさせられたからある程度なら知ってるわ」
「ここだけの話、今度隠居した貴族の方が引っ越してこられるんですよ、で、庶民の暮らしに近い方が良いっていっていて、そんな屋敷この町に無い····· あるにはありますけどもう人が住んでて、空いてる家も立地があんまり良くないんで、新しくあの公園に建てるっていう予定が入ったんです」
「なるほどね、どちらかというとそっちが先で公園を作る計画ができたっていうところかしら?」
「そうなんですよ、まったくあの国王め、ウナちゃんの我儘お嬢様はお爺ちゃん譲りだった····· あっやべ」
私はユーラさんの方を振り返ると、クールで凛々しい美少女が目と口を限界まで見開いてビックリして固まっていた。
·····まぁ、そりゃ国王が隠居でこの町に来るって知ったら誰だってそういう反応するよね、私だってそんな反応するわ。
でも知られたからには放っておけない。
「·····」
\ビシッ!/
「うぐぅ!?」
「今の無しで」
私はユーラさんの額を思いきりデコピンして、狙った記憶だけ消し飛ばして聞いてなかった事にしてしまった。
だって知られたら困るし、この人は口が堅そうだけど友達のコパルさんがすっごい口が軽いから、もしこの人が口を滑らせたら大惨事待ったなしだ。
もしそうなったら、町中が超お祭り騒ぎになるだろう。
「·····はっ、今何の話をしていたのかしら」
「公園の計画についてですよ、この新しい西の公園は憩いの場にもなるんですが、警備隊の集合所にも使ったり魔物の大襲撃の時は公園を野戦拠点にしたりと色々できる多目的スペースにしようかなっていう案が出てるんで、警備隊にも恩恵はあると思いますよ」
「それは良い事を聞いたわ、警備隊の皆に伝えてもいいかしら?」
「いや、まだ計画段階なので秘密でお願いします、隠居とはいえ貴族関係なんで言いふらすのはちょっと·····」
「そうね、貴族のしきたりに従って秘密にするわ、安心しなさい?私は口が堅いのよ」
「そのぶんご友人のコパルさんは口が軽いですけどね····· 不安要素がデカいわぁ·····」
まぁそれは置いといて、私は防壁の縁に座って視界の中に既に粗削りだけど3DCGで構築した防壁と公園の立体映像を写して、どう作るかを考えたのだった。
ちなみにこの後ユーラさんの友達のコパルさんが暇つぶしに来て、めっちゃ言いふらされそうになったからちょっと記憶をイジイジして言いふらさないようにして、今日の仕事は終わりを迎えたのだった。
·····そして、国王様の隠居というとんでもない案件を何とかするための急ピッチの工事が幕を開けようとしていた。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「·····まぁ私は家を建てて防壁を拡張して、国王様の隠居用の屋敷を建てるだけだからいいけどね、警備隊とかそこら辺との交渉は全部お爺ちゃんとお父さんがやってくれるし」
名前:フェルゼン・シュテイン
ひと言コメント
「言ったら物凄い不敬だが、何でフシ町に来るんだよ国王様、あぁ、これから忙しくなるぞ·····」
名前:ベルグ・レ・シュテイン
ひと言コメント
「儂もこの仕事を終えたら家督を息子に継がせるか·····」
名前:ウナちゃん
ひと言コメント
「お爺ちゃんね、ああ見えて国王様じゃなかった頃は結構ファンキーでアグレッシブだったんだって!でもまさかフシ町に来ちゃうなんて思ってなかったけどね!」




