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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第七章 TS賢者は子育てに奔走するっ!
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フシ町を揺るがす大騒動っ!?



 ある日の事、私は珍しくお仕事関係でお爺ちゃんの家·····つまりはシュテイン侯爵家の屋敷にやって来ていた。



 ちなみにある程度ちゃんとした服で来いって言われてるから普段の仕事着に加えてちょっとしっかりめに化粧もしてきた。


 ·····普段の私だったら絶対逃げてるけど、今朝お父さんから届いたメールに『お前を騙して連れてくる余裕もない、屋敷に来てくれ、俺たちじゃ抱えきれない大問題が起きた』って書いてあって、しかもすんげぇ誤字まみれで焦ったような筆跡で、しかもあの健脚のマリアージュに爆速で持って来させてたから、相当ヤバい事が起きたんだとわかって、仕方なく来たのだ。



「でもこの時期だと····· 4月上旬かぁ、発生する魔物の変化はそろそろだし、今年の雪は魔力量が多かったから大量発生の可能性があるとかかな····· いや、それとも新街道開通の件かな····· あー、中間地点のキャンプの件もありえるけど、アレはマグウェル街が管理してるし·····」



 んで、メールにはなんで呼ばれてるか書いてなかったから、私は考察しながら向かっていた。


 ちなみに私が原因の可能性は無いに等しい、この前鉱山の超深部にある例の洞窟からまた宝石を採掘してかっぱらった件についてはみっちり叱られたから違うはずだし、その他も解決済みだ。



「お待ちしておりました、ソフィ様、ベルグ様とフェルゼン様がお待ちしております」


「あっ到着した、了解ですー」



 って訳で、考えても理由がわからないからお爺ちゃんとお父さんからちゃんと話を聞くため、私はシュテイン侯爵家の屋敷の中にメイドさんに案内されてはいって行ったのだった。





 コンコンッ

 ガチャッ


「失礼するでござ····· 違う、えーっと、貴族様用の言葉遣いは····· へなうげってねかっば!·····じゃなくて、えーーーーーっと·····」


「·····畏まらなくてもいい、それより早く扉を閉めてくれ」


「·····思い出した!お待たせいたしました、お爺様」



 私は久しぶりに貴族様用の言葉を使うのでド忘れしていて、間違ってミナタ語を使いかけたけど何とか思い出して、お爺ちゃんの執務室へと入って来た。


 そこにはお父さんも居て、何やら手紙を読んで頭を抱えていた。

 ちなみに他にもお手伝いさんとかが居るけど、数が少ないし今日は側近の人だけっぽい。



 ·····こりゃ相当ヤバい事案が起きたかな?


 お父さんがまた不倫したとか·····



「とりあえずソフィ、これを見てくれ」


「はいはい?手紙?·····うわっ!この封蝋の印って!!」



 そしてお爺ちゃんから早速手渡された手紙の入っていたであろう封筒には、誰しもが1度は見たことがあるであろう紋章の入った封蝋が押されていた。



 ·····そう、近所のお店の値引きセールの品に貼られる、ゴルド商店が取り扱っている『セール中!』と書かれたシールだ。


 って違う!


 その印は〇の中心に円がありそこから下半分に放射状にのびた光を表す線と、上半分の左右に山岳を示す三角形があり、上半分の中央に祈る聖女の紋章が描かれていた。


 これはこの国に居ると必ず目にする、サークレット王国の国章だ。



 つまりこの手紙は、国から正式にこの町に送られてきたモノという訳なのだ。


 ちなみにこの封蝋がすっごくて、宛先の貴族が持っている貴族であることを示す魔導具で切らないと絶対に開けられないのだ。

 しかも公的文章だから中に入ってる手紙も特殊で、その魔導具で開けないと文字が浮かんでこないし封筒を切って開けると燃えるというとんでもない技術が詰め込まれた、すんごい封筒だ。


 ちなみにこれ、開封後の物でも結構高値で取引されるくらいレアな物ね。



「·····でも、これに入って届くって事は相当な事案じゃないの?」


「あぁ、だからお前を呼んだんだ、フェルゼン君、そろそろその手紙を返して貰っていいか?」


「すいません、はぁぁぁぁ····· ·····ん?あぁ·····ソフィか、来てたのか」


「来てたけど····· 私なんかやらかした?」


「いや、ソフィは直接的には関係ないし、遠回りの間接的にしか関係ない、つまりお前は悪くない」


「どういうこと?」


「とりあえず読んでくれ·····」


「はーい」



 っていう事で、私は王族が命令として出す時くらいにしか使われない超ヤバい封筒に入ってた手紙を読み始めた。





 手紙の内容をわかりやすく翻訳するとこんな感じだ。


 ベルグ・レ・シュテイン侯爵へ

 (※お爺ちゃんの名前)


 これは極秘の連絡であり、外部に漏らした場合はその身を持って罪を償ってもらう。


 この度、サークレット王国現国王『アイオール・コーディエ・ラ・サークレット』は王位を『インディ・クリス・ラ・サークレット』に継承することに決定した。

 時期は未定であるが、予は王位継承後、妻と共にフシ町にて隠居生活を送ろうかと考えている。


 孫娘であるウナが気に入った町だ、それに美味いワインも温泉もある、老人が余生を謳歌するには最適な町だろう。


 あぁそれと、継承後は元国王ではなく一町民として迎え入れてくれないだろうか、妻が庶民の生活にあこがれているのだ、故に身分を隠し、仕事にくたびれた老人の移住者として扱ってくれ。

 一応近衛兵も来るが、最小限だ、フシ町に影響は与えない。


 では、ソフィ殿にもよろしく頼むと伝えてくれたまえ。



 ·····もっと要約すると、こんな感じね。


『今度国王やめるわ~、そんで引退したらフシ町に一般人として移住して隠居するからヨロシク』



「·····」


 私は丁寧に手紙を折りたたむと、ヤバい封筒の中にそっと戻してテーブルの上に優しくおいて·····



「·····はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!????」



 絶叫した。





「·····で、お爺ちゃんどうすんのこれ」


「受けるしかないだろう····· 国王様は儂がシュテイン家を継いだ少し後に視察に来たくらいだが、この町の鉱山は国からの補助を多大に受けている、無碍にするわけにはいかない·····」


「はっきり言って俺たちにとってはデカすぎる案件だ、本当なら即断りたいレベルだこんな面倒事····· あぁそこのメイドさん、悪い意味ではないので国への報告はもう少しお待ちを·····」


「·····わかっております、私もまさか国王陛下が·····言っては悪いですが危険な辺境とも言える場所にあるこの町に移住するなんてあり得ない事ですから ·····どうしましょう」



 どうやらこの案件は国から派遣されてお爺ちゃんの仕事を監視しているメイドさんも知らされてなくて、無礼な失言をしたお父さんの事を許して自分も頭を抱えるほどの事のようだ。


 だって私も頭抱えてるし·····



「·····住むとして、どこに住むの?高級住宅街って空き家あったっけ」


「あるにはあるが、日当たりも交通の便もかなり悪い、とてもじゃないが国王陛下には勧められん·····」

「だが、普通の町民として招き入れてくれと書いてあるから高級住宅街の貴族用ではない家でも良いのではないでしょうか、」


「でも国王様だよ?むっずいなぁ·····」


「あぁ····· あっそうだ」


「フェルゼン君、いい案でも浮かんだのか?」


「ソフィ」

「嫌だ」


「頼む!ソフィならとりあえず何とかなるだろ!」

「そうか、その手があったか!」


「いや、ちょ、私に頼り過ぎじゃない!?っていうか国王様が余生を過ごす家を作るって責任重大すぎて私めっちゃ嫌なんだけど!?大変すぎるって!!」


「だよなぁ····· でもこの最後のってお前を頼れって事でいいよな?」

「あぁ、それに文書のなかには住居などについての指定が無かった、それはつまり儂らが決めろと言う事だ」


「えぇ·····」



 ·····もしかしたら、これ、結構ガチで色々ヤバいかもしれない。

 しかも情報が色々足りないわ·····

 ってなると、うん、アレしかないね。



「·····よし、あの手に頼るしかない」


「何か案があるのか?」



「ちょっくら王族誘拐してくる」





 って訳で、王族を誘拐してきた。



「あーおじいちゃんの引越しの件?やぁっぱり冗談じゃ無かったんだ·····」


「ウナちゃんも知ってたかぁ、んで、今おじいちゃんとコンタクト取れる?」


「できるよ!っていうか今その話してたところ!」



「ソフィ、誘拐なんて紛らわしい言葉を使うなよ、ウナちゃんを連れてきただけじゃないか」

「フェルゼン君、いくらソフィの親友とはいえ王女だぞ、言葉に····· まあいい、ウナ様、国王陛下との会話は可能なのだな?」


「できますよ!」



 そう、私が誘拐してきたのはウナちゃんだ。


 この子は一応王族だし、おじいちゃんである国王様が溺愛してるから連絡係に丁度いいのだ。



「で、おじいちゃんはなんか言ってた?」


「完全に引っ越すつもりだってさ!」


「やっぱりかぁ····· ひえぇ····· 家とか住む場所については?」


「決めてないって!任せるつもりじゃない?」


「どの程度の家がいいか、場所は何処がいいかって伝えてもらっていい?」


「うんっ!」



 ·····という感じで、突然で大混乱に陥っているフシ町の維持管理に携わる私たちと、もう完全にフシ町へ移住するつもりの現国王様とのウナちゃん&ウェアちゃん経由の会議が始まったのだった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「どうすりゃいいんだ····· いま家を仮設計してるけど、どうやっても家(庭付き)がフシ町より大きくなるんだけど?」


名前:ベルグ・レ・シュテイン(ソフィの祖父)

ひと言コメント

「普通は歓迎すべきなのだろうが、極秘だからな····· 厳しすぎるぞ····· 国王陛下は何をお考えになっているのだ·····」


名前:フェルゼン・シュテイン

ひと言コメント

「何処に家を建てるべきかとか、考えるべきことが多すぎるし秘密が多すぎる····· もう全部ソフィに投げていいか?」

『嫌だ!もうここまで来たら一蓮托生(地獄へ道連れ)にしてやる!!』


名前:ウナ・ウェア・ラ・サークレット

ひと言コメント

「おじいちゃんもフシ町に住むんだー、いいよねフシ町って!わたしはのんびりしてて好きだよ!」


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