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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第七章 TS賢者は子育てに奔走するっ!
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暇神の暇な日


 カリカリカリ·····


 4月になりようやく温かい春の日差しが差し込むようになった、静かなサークレット教のフシ町の教会には、聖地にある聖女学校から研修に来ている見習い聖女3人が勉強する音が響いていた。


 外は新年度が始まっててんやわんやの新春セールだの何だのと大騒ぎになっているが、今日の教会は非常に平和そのものだった。


 ·····てか信仰より新春セール優先ってどうなの、私元日本人だからそこら辺の感覚よく分かんないんだけど。

 まぁいっか、祭神のサーちゃんもウナちゃんズ4人組でセールのベビー用品の値引き品争奪戦に参加してるし。



「ふむ、勤勉ですね、いいことです」


「はいっ!これやらないと聖女様に物凄く怒られるので頑張ってます!」

「勉強のためでしょ、ちゃんと覚えないとダメでしょ、だからアホフィグって呼ばれんの分かんない?」

「ふぁぁぁあああっ····· 叡智を手に入れた僕にはもう既知の内容だ、終わってしまって暇だ」


「·····もう少し頑張ってくださいね」



 聖堂の中は普段は長椅子しかないが今日は机を倉庫から引っ張り出して、3人が勉強していていた。

 それを時々神父さんが見回りに来るが、彼は違和感に気が付いていた。



「ところで、ソフィ様はどこへ?」



 違和感の正体は、彼女たち3人の勉強を·····どっちかというとサボらないかを監視していた聖女シスターに任命されてしまったこの町の町長の娘でもあるソフィ・シュテインが行方不明になっている事だ。


 もともと空を舞うチョウチョより同じ場所にとどまらずフラフラ歩き回る性格の彼女は、やはり何処かへ行ってしまったようだ。



「·····ふむ?そういえば見失ってしまったな、どこへいったのだろう」

「さっきあっちの壁の方に行ってましたー、なんか眠いから~っていって歩くって言ってましたよ!フェニカちゃんも一緒だったと思います!」


「上にいますよ?ほら」



 ·····だが、彼女はどこかへ行ったのではなかった。



/ん?あっどうもー、天井の掃除してましたー\


/ちゃんと監視はしてますよー\



「·····どうなっているのですか、それ」


「こっわ!!?びっくりしたぁ!!」

「マルスの意見に同意だ、人は普通天井を歩けるものではないからな、怖すぎる」



 彼女は娘のフェニカを連れて、重力に叛逆して聖堂の広く高い天井に立って掃除をしていたのだ。



 ·····だって、サークレット教の聖堂って光が良く入るように設計されてるせいでポカポカしてて、ひたすら勉強してるのを見てると眠くなるんだもん。


 だから歩き回るついでに、普段掃除できない天井の汚れを落としていたのだ。

 あとフェニカの遊び場にしてて、さっきから広い天井をキャッキャと声を出して喜び走り回っていた。



「ちなみにこれフェニカの能力でーす!何でもひっくり返せる能力の一部を使って天井にいますー!」


「·····分かりました、では引き続き掃除をお願いしても?」


「もちろんですー!なんかすいませんねー!!」



 あと私は悪くねぇ、フェニカが天井を指さして行きたいって言ったから、仕方なく天井に来ただけなのよ。

 んで絶対怒られると思ったから、こうして普段は足場を組むか浮遊魔法を使える人に頼んで掃除してもらうから放ったらかしにされてる天井の掃除をしてるのよ。


 最近この教会に来ると窓から差し込む光でホコリが舞いまくってるのが見えちゃって気になってたのよね。


 まったく、光の精霊を祀るんだから光が綺麗になるよう掃除しといてよね!



「·····にしてもホコリが多いなぁ、掃除機は使いにくいし、丁寧にやるかぁ」



 とりあえず時間はたっぷりあるので、私はフェニカが遊び疲れるまで暇つぶしを兼ねて丁寧に掃除をしたのだった。





 2時間後·····



「可愛いなぁ····· えへへ····· ぷにぷにしてる」


「でしょう?ところで私は天井を掃除したんだけど、今日のノートまでピカピカに掃除した覚えないんだけど?ねぇフィグちゃん?」


「うっ·····」



 天井で走ってころげ回って遊んでいたフェニカは体力の限界になって寝てしまって、私は掃除もあらかた終えていたので地面に降りて、持参したベビーカーにフェニカを座らせて寝かしつけた。


 するとフィグちゃんがフェニカを見にやってきた·····


 って言うのが今の状況だ。



「まったく、ちゃんと勉強しなきゃダメだよ?」


「わかってますよぅ!でも、ヒマなんですもん····· ソフィさまも暇してましたからわかりますよね!?」


「·····まぁこの日差しじゃ勉強どころじゃないもんね」


「ですよね!」

「でも勉強して?」


「はぁい·····」



 そう言うと、フィグちゃんは天井みたいにちょっと汚れが残ってるみたいな量の文字しか書かれていないノートに文字を書き込み始めたのだった。


 ·····さてと、私は暇なのは事実だしフィグちゃんが勉強してても暇だから何しよっかな。


 動かないと寝ちゃいそうだし、なんかやらないとなぁ·····





「·····ねぇフィグ、ちょっと」


「なにマルスちゃん?」


「ソフィ様、あれ寝てない?」


「ふむ····· 僕の見立てでは寝てる確率70パーセントだ、ほぼ確実に寝てるだろう」



 ソフィさまが地面に降りてきて椅子に座ってわたしたちの監視をしていると、いつのまにか頭を下に向けて動かなくなっちゃっていた。


 よく耳をすませると、ソフィさまの寝息が聞こえてきててたぶん寝てるんだと分かった。



「·····僕たちが取れる選択肢は3つある」

「起こすか、そのままにしてあげるか·····」


「「「イタズラするか·····!!」」」



 そしてここに居る見張られる側の3人は、わりとイタズラ好きな少女たちだった。


 ある子は手に持っていたペンを持ち、ある子はビックリさせようと大きな音を立てようと、ある子は·····特に思いつかなかったからくすぐろうとした。



 だが、彼女らは忘れてた。



 春の陽気で思わず眠ってしまう少女は、ああ見えてもSランクの冒険者だって事を·····



「·····」


「いくよー·····」

「準備OK!」

「くすぐりに弱いのはこの辺りだろう、息を合わせて一気に·····」


「「「せーのっ!」」」



\スッ/



「「「·····へっ?」」」




 3人がソフィに襲いかかった瞬間、椅子から彼女の姿が一瞬にして消え、3人の間を吹くはずのない風が通り抜けて行った。


 そして背後から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。



「·····寝ちゃった私が悪いから、特別に言い訳くらいは聞いてあげるよ」



 3人が後ろを振り返ると、そこにはついさっき彼女たちがイタズラをしようとした居眠りな少女が立っていた。


 そして、その手には·····



「·····へっ?っっっっ!!!??」

「ななっ、なんで!?」

「わぎゃぁぁぁあああっ!!!それ、それっ!僕の下着っ!!」


「私、こう見えてマグウェル魔法学校を主席で卒業したし、イタズラに関してはめちゃくちゃ得意なのよね、例えば····· 0.01秒で3人のパンツを剥ぎ取るくらい楽勝なのよ」



 悪い聖女ちゃん達の下着が握られていた。





「みなさん、そろそろ休憩にしませんか?お茶を淹れま····· 何をしているのでしょう?」


「あー、すいません、私が寝ちゃったのが悪いんですけど、この3人がイタズラしてきたのでお仕置してました」


「〜〜〜〜〜〜っ!!」

「は、恥ずかしい····· おしりが冷たい·····」

「ふへ····· 別にノーパンは恥ずべきことでは無い、そもそも人間以外の生き物は基本的には服を着ない、そして人間も生き物なのだから服を着なくても陰部が丸出しでもスカートがあって隠れていれば大丈夫なはずだ、うん、大丈夫だ、別に恥ずべきことでは無いんだ、大丈夫だ·····」



 しばらくすると神父さんがやって来てお茶を入れてくれて休憩にしないかと誘いに来てくれた。


 だが、聖堂の中はなかなか酷い有様だった。


 っていうのも、3人から剥ぎ取った下着は教会の小さなシャンデリアにぶら下げられ、早く回収しないと来た人に見られる上に、シャンデリアの下には大きな布が掛けられたハシゴが掛けられていて、パンツを回収するには私が提出したプリントを解いて、60点の赤点ライン以上を取れた枚数の分だけ登れるという、罰ゲームを課していたのだから。


 もちろん登る時はスカートだし、夕方のミサまであと数時間だから早くしないと·····ねぇ?


 ただしプリントはちゃんと理解してないと解けない内容でそこそこ難しいから、あのシトラちゃんでさえ苦戦してるレベルだし、段数が不明だから下手に少ない枚数で提出すると途中で降りて痴態を晒すだけという闇のデスゲームだ。


 ·····まぁ勉強させる口実だから後で返すつもりだったけどね、でもこうでもしないと勉強をやらなかっただろうから、仕返しついでには丁度いいよね☆



「·····ソフィ様、彼女たちは一応聖女なので、あまりそういうことはしないで欲しいのですが」


「アッスイマセン····· んじゃ3人とも、パンツは返すけどイタズラは程々にね?私だったからいいけど、これが偉い人だったら相当怒られてるから気をつけるんだよ?」


「大丈夫です!ソフィさまだからやったんですから!」

「そうそう、ソフィ様だから安心してやったんですよ」

「うむ、ソフィ様ならそこまで怒らないし、笑い話で済むから安心してイタズラできる」



「·····神父様、ブラジャーもやっていいですか?」


「·····私は一足先に戻っています」


「えっ、ちょっ!?」

「やめっ!!」

「·····不味いことになった」



 その後、この日のフシ町の教会のシャンデリアは、下着の物干し竿みたいになっていたとかいないとか·····



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「服を剥がなかっただけ感謝しなよ?」


名前:フィグ

ひと言コメント

「う、上も下もスースーして落ち着かない·····」


名前:マルス

ひと言コメント

「あぁ····· 運が悪い·····」


名前:シトラ

ひと言コメント

「ふっ、ぼかぁショーツだけ回収すればいいから楽だ、それに天才故に回収なんてお手の物さ、故に一足先に····· おいまて、僕もブラジャーは着けているぞ、おいソフィ様、もしや僕の胸がブラジャーが必要ない程慎ましく見えたから着けていないと目視で判断したなぁ!!?許せん、許せないぞぁーっ!!ほぁち·····あっちょ、やめっ!」


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