治ってエビエビっ!
翌朝·····
「おはようなのじゃー····· ふぁぁあぁあぁぁぁああっ····· ねむ·····」
「凄い大あくびね、貴女本当に前世は王だったのか疑問に思うくらい見事ね」
「だねぇ····· でもエビちゃんの口の中····· ぐへへ·····」
「おはようエビちゃん、遅かったからもうご飯食べてるよ」
「っていうかウナちゃんもうゲームやりに行っちゃったし····· 姉貴と今月開催のゲームの大会の事前練習だってさ」
「うん、おはよう、エビちゃん」
「ふむ····· わかったのじゃ、んっ····· あれワシのツノ····· そう言えば落ちたんじゃったのぅ、癖で避けて頭を掻こうとしてしまうのじゃ」
「わかるー、メガネとか長い時間着けてるとついクイッってやりたくなっちゃうよね」
私たちが朝ご飯を食べていると、エビちゃんがちょっと寝坊して起きて来た。
そしてボサボサの髪をわしゃわしゃと掻きむしり、三日月より細いんじゃないかってくらいにしか開いてない寝ぼけまなこでフラフラと歩いて·····
「·····あれ、角が無いのに普通にエビちゃんってわかったんだけど」
「そういえばそうね、全然違和感なかったわ」
「本当だ、昨日は全然わからなかったのに····· ソフィちゃん?」
「また、ソフィが何かやった?」
「ふっふっふ····· そう!エビちゃんが誰にも気が付かれなかったのを何とかしたのは私のお陰なのよ!あとそのクッションの山の中に紛れ込んでるタケノコ!」
\がばっ!!/
「タケノコじゃねぇ!リリアだ!!って、あれ?アタシこっちで寝ちまったのか····· ヤベェ帰らねぇと!パパとママが心配しちまう!!」
「あっもう連絡したよ、朝ごはん食べていく?」
「·····なら食べてから帰るぜ」
「はーい、って言うと思ってもう作ってるから食べていいよ」
「っしゃあ!」
どうやらエビちゃんが暴走させていた認知不可能状態は甘エビ神拳に目覚めた事で無くなり、みんなから認知されるようになったみたいだ。
よかったよかった、私のお尻の穴が犠牲になったけど無事にみんなに気が付かれるようになってよかったよ、今もお尻が痛いけど·····
私座薬とか苦手なのよ·····
「ソフィちゃん、エビちゃんってなんか病気だったの?わからなかったのって原因ある感じっぽいけど·····」
「あーアルムちゃんそれきになる?世界の真理の扉を開いちゃうかもだけど·····」
「なんかこわいからいいや·····」
「別にそんな大した物じゃなかったよ、ソフィちゃんが使ってるキノコ神拳っぽいのが原因だったんだってさ」
「そうなのじゃ!ワシは甘エビ神拳を皆伝した新たな····· えーっと、なんじゃっけ、寝起きで頭がまわらんのじゃ·····」
「継承者だよ」
「そうそれじゃ、ワシは継承者になったのじゃ!·····何の継承者じゃっけ、喫茶魔王寿司の二代目じゃっけ?」
「ちげぇよタケノコ神拳の継承者に決まってんだろ」
「それは無いのじゃ」
「はぁ!?おまえ、アタシとのあの辛かった修行の日々を忘れちまったって言うのか!おい!」
「·····そんな記憶ないんじゃが?」
ほほう·····
まだまだノリきれてないけど結構なお手前で·····
「とりあえず纏めるわよ?私たちがエビちゃんの事を認知出来なくなったのはその『甘エビ神拳』のせいってことでいいわよね?」
「まぁだいたいそんな感じかな?正確には甘エビ神拳の発現前に暴走してたスキルのせいだけど」
「なるほど、今はもう大丈夫って事ね、相変わらず訳が分からないわね·····」
なんか訳が分からとか言われたけど、とりあえずみんなには原因を理解できて貰えたみたいで良かった。
しかも今回は私のせいにされてケチョンケチョンにされなくて済んだし、ほんと良かったわぁ·····
っと、忘れてた。
認識阻害も無くなった事だしエビちゃんにあの件について聞いとかなきゃ。
「あっそうだエビちゃん」
「なんじゃ?ワシはコヤツとの戦いで忙しいんじゃが?」
「そうだぞ!アタシとの真剣な神拳しょう····· ぶべらっ!?」
「朝食で遊ばない、リリアは黙ってて」
「ミニトマト投げんなー!地味に痛てぇんだよ!!あっ美味しい·····」
私は朝ごはんのワッフルで〇✕ゲームをしてたリリアの鼻っ面にミニトマトを直撃させて、エビちゃんと話をし始めた。
「で、なんじゃ?」
「エビちゃんって今は角がなくても認識されるようになったからさ、仕事どうする?一応休む方向で調整してたけど」
「あー、不安じゃから今日明日は休ませて貰っても良いか?多分大丈夫じゃと思うのじゃが、流石にちと不安でのぅ·····」
話題はこの前のエビちゃん大泣き事件の時にお父さんと相談して、しばらく町政の仕事を休ませて貰う予定についてだ。
流石に誰にも認知されないとなると仕事どころじゃないからどうしようかって話になってたし、でもそうなるとシフトが大変な事になるから悩んでたのよね。
それに、そろそろ年度末で忙しい時期に入るからエビちゃんが居てくれるとめちゃくちゃ助かるのだ。
·····具体的に言うと、お兄ちゃんに差し入れる魔剤が海外の強烈なやつから日本で作られたモノでも大丈夫なレベルになるから、お兄ちゃんの廃人化をかなり防げるのよね。
「よし、じゃあご飯終わったら私が伝えてくるよ」
「いやワシが行くのじゃ、何せフロウもワシの事をちゃんと認識してくれておるからのぅ!!」
「にゃう?ままま!」
「そっちは親じゃないのじゃ、ワシじゃワシ!」
「えび!」
「·····合っておるが、ワシはママじゃぞ?」
「えびえび!きゃっきゃっ!!」
「·····ぷふっ」
「おいお主!いま笑ったな!?顔を差し出せ!フロウの角グリグリで目を突いてやるのじゃ!」
「えっ今の私じゃないよ!?」
「じゃあなんじゃ!!誰じゃ笑ったのは!」
「·····なんか臭くない?」
「フロウちゃんがオナラしたんじゃない?」
「そんな訳ないじゃろ、今のは絶対笑い声なのじゃ!」
って言いながらもエビちゃんはフロウのおしりに顔を近づけ·····
「くさっ!!こ、こやつ、屁をこいておったのじゃ····· いや尋常じゃなく臭いんじゃが?すまぬ、ちと漏らしたかもしれぬから見てくるのじゃ·····」
「へーい、いってらー」
どうやらフロウが偶然オナラをしてたみたいで、ついでにちょっと漏れたかもっぽいからエビちゃんはフロウを連れて確認しに別の部屋に行ってしまった。
「·····フィーロ君、もう我慢しなくてもいいよ」
「あははっ、ごめんね庇って貰っちゃって、不意つかれちゃって笑っちゃった」
·····で、実はさっき笑ったのは私の影に隠れていたフィーロ君なのだ。
フィーロ君は私たちの変なノリじゃあんまり笑わないけど、ああいう子供関係の微笑ましい話に弱いのだ。
ちなみにフィーロ君の最近の生き甲斐は、私が撮影したフェニカとフロウとトウマとアレキが遊んでる時の珍騒動集を見ることで、スマホを見ながらクスクス笑ってて、私はそれを見てニヤニヤしている仲良し夫婦な感じになっている。
もちろん本物のフェニカ達が遊んでる様子を見守って笑ってることもあるよ。
そんで、その様子を見たエビちゃんが時々氷砂糖を投げつけてきて痛いけど、やっぱり見てて幸せなのよね·····
んふふ·····
「·····っていうか臭くない?」
「だね、消臭魔法····· えーっと、なんだったっけ」
「私やるよ、『デオドラント』!」
「あっ臭くなくなった」
「相変わらず便利よねこの魔法」
「うん、私も覚えたい」
「割と簡単に覚えられるよ!ワタシでもできるからね!」
「わたしも、あいようしてる····· ねむい·····」
「アタシも愛用してるぜ!山篭りしてると半端じゃなく臭くなるからな!覚えてからだいぶマシになったからかなり便利だぜ!」
「でも鼻の奥に臭いがこびり付いてるわぁ·····」
『『·····確かに』』
ただ、フィーロ君が笑った事を隠した事の代償は、朝食が台無しになるくらい臭かった。
ちなみにこの後、なんかフロウのおむつの中が相当ヤバい事になってたみたいで、エビちゃんが朝っぱらからてんやわんやの大騒ぎをしてフロウをお風呂に連行したり服を洗ったりとめちゃくちゃ忙しそうだった。
なので結局エビちゃんが仕事復帰出来そうという報告は私がする羽目になったのだった。
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「もしかしてじゃが、フロウ、お主ワシの事まだママだと気がついておらぬな?頑なにワシの事『エビエビ』って呼んでくるし····· さっき角が生えてるワシの写真見せたらちゃんと『ママ』って呼んだのじゃ····· ま、まぁ、泣いて逃げられるよりはマシだから良いのじゃ」
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「あー!!こらフェニカ!エビちゃんのご飯勝手に食べちゃダメでしょ!エビちゃんは虫歯無いけど虫歯うつっちゃうでしょ!ほらお口あーんして!『除菌』!これでよしっと!あっちなみに子育てしてる人は3歳までは絶対に口移しとか親が使った食器を使い回すのはダメだよ!虫歯菌が伝染るらしいからね!!」
名前:グラちゃん
ひと言コメント
「ソフィ、それ本当かしら?私結構やってたのだけど····· あっ普通に歯磨きしてあげれば私たちなら大丈夫なのね、便利ねこの浄化魔法歯ブラシ·····」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「無邪気に逃げてるフェニカも可愛いなぁ····· あははっ」
名前:アルム
ひと言コメント
「子育てって大変そうだなぁ、まぁワタシには関係ないけどね!!」
名前:アヤメ
ひと言コメント
「うん、私たちには、あまり関係ないと思う」
名前:ミカちゃん
ひと言コメント
「ん、かんけーない····· はぅ····· おなかいっぱい····· おやすみ·····」
名前:リリア
ひと言コメント
「アタシなぁ、消臭魔法覚えるまでヤバかったからなぁ····· 臭すぎてゴブリンでさえ逃げたから、タケノ高原にちゃんと温泉作ったし·····」
名前:ガイア
ひと言コメント
「·····あの、今度は私の事完全に忘れられてるんだけど?まぁ朝ごはん食べさせてもらったし帰るわ、んじゃまたねー」




