嗚呼!甘美なる響きよ!
「説明しよう!キノ「タケノコ神拳とは!!」
「リリアてめぇ!被せてくるな!!」
「あぁん!?アタシの方が先だろ!この短小キノコ!」
「このあとキノコ神拳を含む神拳と名の付く神の拳はっ!!って続く予定だったの!邪魔しないでよ!」
「お、おぅ、なんかすまん·····」
「ちょっと待てお主ら、まず説明の前の説明が足りとらんのじゃ!」
「「それ!!それが神拳!!」」
「·····はぁ?」
今のエビちゃんのは中々いい奥義だった、アレは将来が楽しみになるレベルだわ。
流石は魔神姫でロマネスコ神拳を習得したあの姉貴の妹っていうだけあるわ····· なんて末恐ろしい子ッ!
「·····真面目に説明してくれぬか?」
「パッションをビートしろ!それでなんとかなる!」
「そうだぞ!神拳はなんで修得できるかイマイチわかんねぇ奥義だからな!とりあえず考えるな!感じろ!!」
「というかワシ、その珍妙なスキルを習得するの確定なのじゃ·····? めっちゃ嫌なんじゃが」
「むー、流石は未拾得者、話について来れないかぁ」
「ここはアタシたちが合わせるしかねぇな!!やるぞソフィ!」
「おうっ!!」
「何をする気じゃ····· もう疲れたから寝たいのじゃ·····」
「あっ普通に説明するだけだから大丈夫だよ」
「·····そのノリが疲れるのじゃ」
◇
神拳は真面目に解説するもんじゃないけど話が進まないから真面目に解説すると、エビちゃんは現在神拳が出現しかけていて、既に微妙に能力が発現しはじめて『奥義』が制御不可能な状態で暴走しているため、みんなから角が無い状態を認知されない状態に陥っているのだ。
制御不可能な神拳は正にパンジャンドラム、暴走機関車より恐ろしいどこに吹っ飛んでいくかわからない恐ろしい爆弾になるのだ。
エビちゃんはこの前からのノリで『角が無くなり誰か分からなくなる』というネタが原因で、消えかけてた砂糖吐きのユニークスキルが一気に消えて別のユニークスキルに再構築され始めてしまい、ノリと勢いで神拳にしてみようってなって神拳のせいにしてしまったのが今回の事件の元凶だ。
つまり、ノリと勢いが原因って事だ。
「·····って事は、ワシはお主らの使うヘンテコ神拳を覚えないと一生誰にも顔を間違えられると?」
「いや角が生え始めたら終わると思うよ?」
「じゃあいらんのじゃ」
「だが!」
「そうは海鮮卸売市場が許さねぇぜ!!」
「築地とかな!!」
「今は豊洲だよ」
「えっ!?マジ!?」
「もう嫌じゃあ·····」
神拳の力は!止めることなど出来ぬっ!!
それはまさに大宇宙の河童の川流れの如しッ!!
「·····まぁ別に神拳があったところでそんなに変わらないよ」
「そうだぜ?アタシも戦う時くらいにしか使わねぇし·····」
「·····そうなのじゃ?」
でも別に神拳があったところで生活にあまり変化はない。
むしろ、そもそもレベルが高いユニークスキルだから生活が便利になるレベルの代物だ。
例えばリリアは『タケノコ地下茎ハイウェイ』で色々な場所に地下茎をつなげてワープできるようになってるし、私なんかはキノコを足元から生やして脚立代わりにして高い場所の物をとったりできるし、夕飯にあともう1品あったらいいなってときに地面から生やして収穫したりとかできる、普通に便利なスキルなのよね。
あと場合によっちゃ普通に生き返る事できるし·····
「って感じで、普通に便利だと思うけどどう?いいっしょ?」
「あぁ、タケノコご飯は美味いからな!お得だぜ!!」
「·····それはちと魅力的じゃのぅ、笹とか肉だと嬉しいんじゃが」
「いや笹はタケに近いから嫌だなァ·····」
「えぇ····· 肉塊神拳はちょっと·····」
「なんでじゃ!?笹焼きとか美味いじゃろ!?でも確かに肉塊が出てきたらなんか嫌じゃのう·····」
まぁ何はともあれ、エビちゃんはだんだんノリ気になって来たらしい。
ふふふ·····
あともう一押しで覚醒するぞ·····
「じゃあエビちゃん、キノコと契約してキノコになってよ、さぁ早く願いを言うんだ」
「あぁん!?タケノコだろ!?こっちは竹取物語の主役だぞ!?」
「竹取物語は竹でしょ!!って違う、かぐや姫でしょ!!」
「あぁん!?てめぇこそキノコが主役の名作あるのかよ!!」
「あるに決まってるでしょ!·····たぶん、ナメコのアレとか」
「·····竹取物語って日本の千年前の本じゃろ?竹取物語以外の今の作品は無いのじゃ?」
「ぐはぁ!!」
「けっ!ざまぁみろ!·····ってか最近さ竹取物語人気だよね、スタジオガブリの竹取の物語とか、超竹取物語!とか····· あれロングラン上映もやってたみたいだし」
「おーそういややってたわ、ありゃなかなか面白かったぜ!見てなかったらネッチョリフリックスで見れっから見てくれよな!!」
「でもやっぱりキノコの方が上·····」
「じゃがキノコは万年2位じゃろ?それになめこもブームとっくに過ぎてるじゃろ」
「がふっ!!」
バタッ·····
私たちはエビちゃんからの強烈なツッコミを喰らい、地面に崩れ落ちたのだった。
·····っていうか、この切れ味あるツッコミは·····っ!!?
「ふん、旬と言えば甘エビに決まっとるじゃろうが!アマビエと似てるからともてはやされた縁起のいい食べ物じゃ!故にワシの『甘エビ神拳』こそが世界最強なのじゃ!!」
「あっ甘エビ神拳んんんんんんんっ!!!??」
「な、なんだってーっ!!?」
「·····てかコロナ禍終わったよね、アマビエもよく分からんまま消えてったし」
「いつの間にか終わってたなァ····· うん?コロナ禍って何だ?アタシ知らねぇんだけど転生してる間になんかあったのか?」
「·····あっごめん、これコッチの地球じゃないわ、ごめん」
「あぁアッチか!なるほどな!」
「アッチってどっちじゃ?·····あぁ画面の向こうの世界の事なんじゃな」
ついに、エビちゃんが神拳を獲得したようだ。
その名は深海に生息する美味しいエビ、甘エビの神拳だったのだ!!
そして神拳の究極奥義を継承したエビちゃんの両手に、空からエビの頭の形をしたグローブが降り注ぎ、彼女はエビ味噌が入ってる所に手を突っ込んで·····
\ぬぢぉっ/
「なんか生臭くない?」
「確かに、なんか生臭くねぇか?」
「お主らブッ飛ばすぞ!?」
なんか、リアルじゃないデフォルメした甘エビの頭だけど中に手突っ込むと生臭そうなんだけど·····
「ほれワシはこんなフレグランスな香りじゃ!!」
「いや、ちょ、近付かないで·····」
「ま、マジで遠慮しとく····· よく見たらエビの顔ってキモ·····」
「·····甘エビ神拳究極奥義『南蛮エビ南蛮漬け』じゃ!!」
「「ひっぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ!!!!!!!!!!!!」」
\ドガバギメギャブチゴキミヂブヂィッ!!!/
◇
「ふむ、これが神拳の力とやらか、中々なモンじゃのぅ、今なら姉上にも勝てそうな気がするのじゃ」
「て、てんかいっぴん·····」
「てんかむそうだろ·····」
「がくっ·····」
「ばたっ·····」
私たちは神拳をマスターしたエビちゃんにあっという間にボコられてしまった。
でも、まだまだだな·····
技名にひねりが足りないぜ·····
ふっふふ····· まだかっ〇えびせんには及んでないって事だねぇ。
修行が足りないねぇ、でも成長したらどうなるか、私にもわからないし甘エビが理解できるはずもないわ、ふふ····· こわっ·····
「見る世界が一気に変わったのじゃ····· 今なら何でもできるのじゃ、もう何も怖くなっ」
『ちなみにぃ、私って究極の神拳を複数もってるのよねぇ?』
「なっ!?貴様は·····えーっと、なんじゃったっけ、ウチワエビじゃなくてセミエビじゃなくて····· そうじゃアサヒガニじゃ!!」
『違うわ!ガイアじゃい!!そして私の神拳は『お料理神拳』!見せてやろう究極の神級奥義を!!お料理神拳ゴッデス奥義!『伊勢えb
「名前もうちょっと何とかならんかったのか?」
『ぐっはぁ!!!』
「が、ガイアさまっ!!?」
「なっなんで·····」
そして究極の神拳を覚えていると自称する、ぶっちゃけ言ってそんなの持ってないし多分ノリで言ってる暇を持て余した女神のガイア様がエビちゃんに絡みにいったけど、あっけなく猛毒でやられていた。
くそ、さては甘エビ神拳の得意技はツッコミではなくマジレスだっていうのか!?
ヤバい、強すぎる·····
「やめてエビちゃん!これ以上暴走したらエビちゃんの角が甘エビになっちゃうから!!知らんけど!!」
「世界が終わっちまう!!甘エビが世界を支配するディストピアが始まっちまうんだ!!」
「ふっ、ワシは魔王じゃぞ?世界を支配すr」
「うるさい!!!僕寝てたんだけど!!!」
\べっぢぃぃぃぃぃいいいいいいっ!!!!!/
「ぎゃっ!!?」
私たちが甘エビによる甘エビのための甘エビのお寿司にされかけてたところに、丁度いい付け合わせが来て私たちを助けてくれた。
彼は手に持っていたソレでエビちゃんの角の無い頭をぶん殴ると、一撃で気絶させて地面に這いつくばらせてしまった。
そう、彼の手には、彼の究極奥義を司る象徴であり、風邪を引いたらお尻に突っ込むアレが握られていた。
「ま、まさかあれは!究極ツッコミ型特化神拳!長ネギ神拳!?それの継承者って事は····· フィーロ君っ!!?」
「ああああああの、あの白くてすらっとしたデザイン····· こわいっ!ごぼぼぼぼーっ!!」
「あり得ないわ!長ネギ神拳はとっくに····· まさか、復活したっていうの!?」
「へにゃぁぁあああ····· いたいのじゃああぁぁぁ·····」
「さすがは長ネギ神拳の究極奥義継承者のフィーロ君だ、事態が一気に収束した·····」
「恐ろしすぎるけど、流石は長ネギだぜ·····」
「えぇ、まさに長ネギのカシウスのやr」
「·····みんな、いま何時だと思ってるの?」
「えっ?夜の2時だけど?」
「夜の2時だよなぁ」
「深夜26時だねぇ」
「こんな夜中に騒いで、何やってるの?ねぇ?」
「·····やべ、逃げろーーーー!!!」
『『ギャーーーーーっ!!』』
「全員そこに正座」
『『はい·····』』
私たちはあの恐怖の大王である長ネギから逃げようとしたが、それは叶わなかった。
そして私たちは、フィーロ君から長ネギの恐ろしさをとことん味合わされて説教されたのだった。
名前:エヴィリン・アマイモン・ファゴサイトーシス
神拳:甘エビ神拳
ひと言コメント
「甘エビ····· なんという甘美な響きなのじゃ····· くふふふふ····· それとネギでひっぱたかれたお尻が痛いのじゃ·····」
名前:ソフィ・シュテイン
神拳:キノコ神拳
ひと言コメント
「甘エビかぁ、動物性の旨味は卑怯だよ、キノコの旨味は世界最強だけど動物性の旨味はガツンと美味しいから強すぎる、卑怯だ!キノコ運営員会に訴えてや····· ちょ、フィーロ君、もう騒がないから許して、ちょまっ!?私は風邪ひいてないから!まっ!!まぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!????」
名前:リリア
神拳:タケノコ神拳
ひと言コメント
「甘エビ····· なんてヤツなんだ····· こわっ·····」
名前:ガイア
神拳:なんかあるかも?知らんけど
ひと言コメント
「なんで私まで····· ネギ怖い·····」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「何度も言うけど、僕にはそんなふざけたスキルないからね?手元にあったネギ持ってきたけど、っていうかこれソフィちゃんが買ってきて置きっぱなしのネギだからね?まったくもー·····」




