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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第七章 TS賢者は子育てに奔走するっ!
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恐るべきドラゴン


 月日はちょぴっとだけ流れ、私たちの子供も言葉を覚えてキャッキャとはしゃいで遊びまわるようになり、冬が終わり春になろうとしている3月の上旬のとある日。


 ここ最近育児に力を入れていた私は、久しぶりに気分転換にフシ町の外へと出てきていた。



「はぁ、サイコーっ!!やっぱフシ盆地はいいねぇ!!」


「風が気持ちいい····· でも、少しだけ寒い·····」



 そして私は魔動車のケッテンクラートに乗り、フシ盆地の街道沿いを爆走してストレスを発散していた。


 しかも後部座席には元ドッペルゲンガーで現ヴィエルグランツのアヤメが座っており、出かけようとしたら付いてくるって言ってきたので後ろに乗せたのだ。


 ちなみにレミアも誘ったけど来なかった。

 なんか数名入信者が来て洗礼とかやってるらしい、·····その入信者、この前の鉱夫さん達だったから頭抱えたわ。



「まぁそりゃ3月上旬だからねぇ····· っと、ここ抉れてるな、馬車がスタックして無理やりだしたのかな?このくらいならさっと埋めればいっか」



 んで、実は今日は休日ではなく、月に何回かやっているフシ町とマグウェル街を結ぶ街道の点検の日で、ちゃちゃっと移動ができてその場で修理もできる私がよく担当しているのだ。


 街道は一応石畳になっていてかなり通りやすいようになってはいるんだけど、魔物の往来で地面が陥没したり、馬車の往来で破損したりしていて、通りにくい状況になったりするから定期的に点検しているのだ。

 まぁ往来が不可能になるレベルの損傷があったら町に来る人が教えてくれるんだけど、それ以外の欠損とかはわからないし、フシ町の街道は全国に鉱物資源を送り届ける輸送経路になってるので、ちょっとの破損が命取りになる場合があるのだ。


 だからこうして定期的なメンテナンスは欠かせないのだ。



「そういえば、前に鉄道計画とか立ててたなぁ····· 頓挫してたけど」


「てつどう?」


「あー、テレビでよく出てる電車の事だよ」


「なるほど·····」



 ちなみに、前に私が日本の技術をある程度伝えたところフシ町から王都やマグウェル街までつながる鉄道を作ろうって計画が立ち上がって、割とガチで計画が進んでいたことがあった。


 ただどう足掻いても途中で魔物に線路を壊されるし、魔物を轢いたりして止まる可能性も高くてレールを作るコストとかも高すぎて諦めたのだ。


 そもそもフシ町へ繋がる街道を作るのは物凄い大工事で、魔物が強いフシ盆地故にかなり強力な冒険者を何人も集めて軍隊も招集して何人もの犠牲を払って作られた大規模国家プロジェクトだから、同じように鉄道を引くとなると物凄く大変だろう。



 まぁでも、私のせいでフシ町の東に王都と直結するとんでもない大トンネルができたし、トンネル内も整備して途中の渓谷とかには橋を架けたからだいぶ通りやすくなったし、向こうの出口から王都まで道ができてるらしいから流通はめっちゃ良くなったから、鉄道は無くてもいいんじゃないかなぁって私は思ってる。

 でも鉄道は無理でも通りやすくて安全な新しい道路を作るのはアリかもしれない。



「ねぇ」


「んっ?どうしたの?」


「アレ、なに?」


「アレってどれ?」


「道路わきに、大きい足跡がある」


「あー魔物でしょ、うめとk····· えっ!?」



 といった感じで鉄道計画とかについて考えてたら、アヤメが話しかけてきて道路脇の地面を指さした。

 その先には巨大で先端が三又になった森の方へと続く足跡があった。


 ·····だが、私はそれに見覚えがあった。



「二足歩行で、この足跡の大きさ····· ま、まさかっ!!それに時間もあんまり経ってない、まだ湿ってるし綺麗に残ってる····· って事は近くに居るっ!!」


「魔物?」


「多分、魔物の中でもめっちゃ珍しいし私がずっと探してたアレの可能性が高いっ!!」


「アレって?きになる、知りたい」



「ふふふふふ····· この世界では今も魔物として生き残っている珍しい魔物、獣脚類の恐竜を元として生まれたアースドラゴンと呼ばれる魔物の一種だよっ!!たぶんっ!!」



 それは、地学オタクで化石も多少取り扱っていた私も生では見た事がないが、資料で見た事のある『獣脚類恐竜』の足跡にそっくりだった。



「·····しらない、なに、それ」





「って感じで、恐竜は実はトカゲやドラゴンよりも鳥に近い生き物で〜」


「·····もう覚えた、要らない」


「えぇ····· もっと話せるけど·····」



 私は恐竜を知らなかったアヤメに懇切丁寧に恐竜について教えながら、道を外れて恐竜探しをしていた。


 ちなみに恐竜系の魔物はかなーりレアで、特にティラノ型のは私が生まれてからはフシ盆地での目撃証言はゼロだ。

 一応ラプトルサイズのヤツは普通の魔物として居るから月に1匹は見つかって狩られてて、私も狩った事がある。


 そんでラプトル型のやつは割と獣臭い鶏肉みたいな白っぽい肉だった。

 味?うん、あんま美味しくなかった。


 あとこっちは買ったモノだけど、トリケラトプス型の魔物の肉を食べたことはあるけど結構美味しかった。

 赤身肉でしっかり歯ごたえで、癖は強いけどラプトル型よりも普通に食べられるレベルの味だった。

 何に近いかって例えるならダチョウの肉かな·····まぁそんな感じだ。


「だから、多分だけどティラノ型は大きいけど肉食だから肉が臭くて食べれたモンじゃない可能性が高いと思う」


「そうなんだ、知らなかった」



『グルァァァァァァァアアアアアッ!!!!』


『キョルルルルララララッ』



「って、なんかすごい音っていうか鳴き声!?」


「おおきい、それに、ふたつ聞こえる·····」



 森の近くを走っていると、突然森の中から物凄い鳴き声が響き渡ってきた。

 それも、片方はなんかハリウッド映画で聞いたことがあるような、恐竜の雄叫びだった。


 そして·····ッ!!




 バキャバキャバギャバギャッ!!!


 ズゥゥゥウウウンッ!!!



「うわっ!?かっ、かっこいいいいいっ!!!」


「·····なに、あの、でかいの」



 森の中から、私が探していたティラノ型の魔物と·····


 何あれ?

 なんか、地球には居ない謎のデカい魔物が出てきた。


 形は玩具のロケットみたいな形で触手みたいな腕が八本生えてウネウネしてて、足は4本でガニ股で目がひとつでキモイ円形に牙が生えた口を持つバケモノだった。

 ちなみにイカみたいだけど胴体の方に口がついてて余計キモい。



 そんなキモいよくわからん魔物とデカいティラノサウルスが戦っているのを見るとまるでB級映画みたいだけど、目の前で巨大な恐竜が戦っているのを見るとB級な内容でもめちゃくちゃ燃える。


 カッコよすぎる。


 あの大きな顎、鋭い大牙、筋肉質な体、鋭い目、長く太い尻尾、その全てが男の子が憧れる要素ばかりが詰め込まれたカッコ良さの権現だ。

 大きさは体長15mほど、高さは5m程と巨大で、見た目はほぼ恐竜のティラノサウルスだが前脚が若干大きく、更に背中にはゴジ〇のような感じで結晶みたいなのが生えていてリアルの恐竜とはまた少し違うけどそれはそれで怪獣感があってめちゃかっこよかった。


 そして何より、この大型獣脚類の魔物は確実にBランク以上に指定されるほど凶暴で気高く美しい魔物だ。

 だからこそ、その危険さと相まって男の子には莫大な人気があるのだ。


 もしコイツが狩られたという情報が手に入れば、隣町から子供たちが集まって見に来る程の人気がある、世界屈指の人気の魔物だっ!!

 ちなみに私はTSしたけど今でも恐竜は大好きよっ!!

 だってカッコイイもんっ!!



 しかし最強の魔物は、あのヘンテコな魔物に劣勢を強いられていた。



「がんばれティラノー!!負けるなーっ!!そこっ!やれーっ!!」


「強い·····」



 相手の魔物はどうやらBランクの魔物をも圧倒する程の力があり、既に長いこと戦っていたのかティラノサウルスは傷だらけでだいぶ満身創痍だった。


 しかし、ここにはSランクの冒険者とSランクの魔物が居た。



「行くよアヤメ!あのヘンテコな黄色い方を倒すよ!」


「うん、ティラノサウルスは倒さない?」


「ティラノに加勢するんだよっ!!アイツは私が手懐けるんだから絶対倒さないでねっ!!」


「わかった、頑張る」



 Sランク冒険者の賢者姫である私とSランクの魔物であるヴィエルグランツのアヤメは、臨戦態勢に入ると劣勢のティラノサウルスに加勢してキモいよくわからん魔物を倒す事にした。



「神槍ソフィアの槍召喚っ!そして神化っ!!」


「うん、『鏡世の実像』っ!!」



 私は神器であるソフィアの槍を召喚し、アヤメはヴィエルグランツ本来の力を解放して一瞬髪や瞳が虹色に輝き目まぐるしく色を変えたあと、光り輝く美しい白髪に戻り、魔物としての姿に変化した。


 そして強大な存在の出現を感知したのか、巨大な2匹の魔物がこちらを向いた。



 やーん♡

 ティラノサウルスに見られてるぅ♡



「さてと、冗談はこれくらいにしておいて····· やるかっ!」


「うんっ、倒すっ」



 私はティラノサウルスの熱い視線を浴びながら、キモい方を倒すため思い切り駆け出していった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「やべっ興奮して魔物の名前見るの忘れてたっ!まぁ後でいいやっ!!」


名前:アヤメ

ひと言コメント

「おおきい····· 強そう····· でも、倒せるっ」


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