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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第七章 TS賢者は子育てに奔走するっ!
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エビになったバカちゃんっ!


\ワーハッハッハッハッ!!/

\ドバァンヌ!!/




「エビなのじゃ!えびえび!!!」




「·····どうしたのエビちゃん、ついに気でも狂った?」


「ぐふふふふ·····」



 ある日の昼下がり、私はリビングでのんびり奇跡について調べていると突然頭がおかしくなったエビちゃんが爆笑して意味不明な事を言いながらリビングに転がり込んできた。


 元々頭がおかしいとは思ってたけど、ついに気が狂ってしまったようだ。



「ワシはエビなのじゃ!ふっふふ····· えびーーーーーーーーっ!!!」


「えっ、ちょ、エビちゃん大丈夫!?超絶悪酔いしたときみたいになってるけど!?」


「ふへ、にっひへへ、ヴぁーばじぇがぺっぽそなになるのじゃ~」


「ダメだこれ!!!」



 っていうか本当に頭おかしくなった?


 まさか、昼間っから酒でも飲んだのかな?

 いや、アルコール臭は全くしないから違う、じゃあどっかに頭打ったとか、それとも·····



「つ、ついにやっちゃったか····· 魔王だから悪い子だとは思ってたけど、そんな子だったとは·····」



 あんまり大っぴらには言えないけど、こっちの世界は日本では違法薬物に該当されそうな魔法薬がちょいちょい出回っている。

 あと普通に()()も売られてる。


 ただそういうのは街の東にある『大人の町』でしか取り扱えないし、薬物中毒になったら教会送りにされて中毒治療で物凄い額をブン取られるから忌避はされてないけど良い印象はあまりない。


 日本で例えると、日本では違法だけど海外だと普通にOKな薬物を使った経験がある、的なイメージが付いてしまうのでメリットはあまりない。


 ちなみにそういうお薬は、定義上は『魔物に対する罠』などとなっていて、例えばゴブリンの巣の前で大きな麻を燃やして風魔法で巣穴にぶち込んでゴブリンを全員あっぱらぱぁにして倒すために使用されたりするので流通していたり、例外としては淫魔族などが作る魔法薬には魔力による催淫・興奮効果などがあり違法薬物と似ている効果があったりするが媚薬や動物の交配のための薬として取引されている。

 人に使うのは、うん、グレーゾーンらしい。


 世の中にはグレーでいた方が上手く回る事だってあるのだ。



「エビちゃん、そういうお薬は一応取り締まる法律は無いけどね?エビちゃんはもう町政に関わる人間なんだからそこら辺はちゃんとするべきだったと思うよ?使っちゃったら仕方ないけど、これからはちゃんと悔い改めて·····」


「いひひ、わひは、ひっくっ、ぐぇへへへひ·····」


「·····いや、薬物中毒っていうよりかは酔ってる?」



 でもエビちゃんの様子を見てると、依存性薬物とはちょいと違うような気がしてきた。


 っていうか普通にめっちゃ悪酔いしてる感じと似てるし、こういう効果のあるお薬は私の記憶には無かった気がする·····


 ちなみに私、昔ゴブリンの巣に物は試しと乾燥させたおっきい麻を投げ込んだ時にゴブリンシャーマンが風魔法で煙押し返してきたせいで酷い目にあったことあるんだけど、こうはならなかったのよね。

 ちなみに校長先生のゲンコツ一発で全部治った。



 私は目の焦点が合って無くてゲヘゲヘ笑ってるエビちゃんをソファに座らせておいて、ちょっとガチで考え始めた。



 そして、一つの結論に行きついた。



「もしもし姉貴?魔族について聞きたい事あるんだけどいい?」


『はいよん?おっ?魔族についてなんか興味でたの?そういえば魔王城に他の種族の人間を魔族に変えちゃう装置g』


「何それそんな物あるの?こわっ!·····じゃなくて、今聞きたいのは、魔族ってネコとマタタビみたいな特定の物を摂取すると体調を崩したり頭おかしくなったりする事ってない?」


『·····ほっ?ちょいまってね思い出すわ、えーっと、なんかあった気がするけど、なんだっけな』



 それは、元魔族で魔族の体については詳しいはずの私の姉貴に聞く事だった。


 多分だけどエビちゃんは酒も薬も接種してなくて、普段食べない何かを食べて頭がおかしくなったんじゃないかと推測したのだ。



『あー····· いくつか思い出したわ、まずエヴィリンってどんな状態?』


「今ちょっと聞かせるね」


『ほい?』


「えへへへへへへへへへへへへ、わしはエビでえっびなのじゃからえびじゃ~、エビはえびじゃからあっちにいけばやっぱり美味しいのじゃからワシはまおうなのじゃ」


『·····なるほど』


「酷くない?」


『もうちょい聞かせてくれる?』


「なんか心当たりあったの?」


『いやもうわかったけど、録音しといてあとでからかってやろっかなって』


「あーそれについては大丈夫、私がバッチリ録音と録画してるから、顔めっちゃ面白いよ」


『うわー、エヴィリン可哀そうだわぁ····· 私も昔に間違えて摂取しちゃって同じようなことになったから可哀そうだわぁ、でも他人の不幸ほど面白い物は無いよねぇ』



 だが、姉貴に頼るという事は代償も付いてくる。

 今回の代償は気が狂ったエビちゃんの様子だったようだ。


 可愛そうに·····


 まぁ私じゃないからいいけど。



「·····で、狂った理由ってわかる?」


『最近ソナツマシ食べさせたりした?あれ魔族が食べると何故か物凄い悪酔いするんよ』


「ソナツマシ?」


『そうそう、確かモロヘイヤに似てる植物だったはず、ってかモロヘイヤと同じアオイ科の植物だと思うよ、アレに含まれる成分····· なんだっけ、収穫期になると消えるんだけど、確か収穫期を過ぎると茎とか葉にもある····· えーっと、ストロファンチジンだっけ?』


「知らんわ、でもモロヘイヤか····· 食べさせたっけ·····」



 そんで、エビちゃんが狂った理由はどうやらモロヘイヤかそれに似たこっちの植物を食べてしまったからではないかと判明した。


 なんでも姉貴曰く、魔王城の周囲にはこのソナツマシなる植物が沢山生えていて、基本的にはモロヘイヤとほとんど同じで非常に高い栄養価があって魔力含有量も多いし茹でて刻むと粘り気が出て結構人気の食材なんだとか。

 ただし違う点がいくつかあって、モロヘイヤは寒さに弱いんだけどこのソナツマシは割と寒冷地であるサークレット王国でも普通に生える植物らしい。


 それと、収穫期を過ぎたモロヘイヤを摂取すると普通は眩暈や嘔吐を引き起こすんだけど、なぜか魔族は酷い酩酊状態になってしまうらしい。

 ちなみに若い葉や茎は毒が無いらしいんだけど、魔族はそれでも若干酩酊状態になってしまうらしい。


 そういやコレ、西の方では好まれてよく食べていると聞いた事があるし、この前アルム商店に入荷してたしタマヤンさんが採ってきて『みんなで食べてくれや!』って言っておすそ分けしてくれ·····


 ·····


 ·····なるほど、出所がわかった。


 でも私が試しに食べようと刻んで冷蔵庫でタレと一緒に冷やしてる途中だし、エビちゃんはまだ食べてないはずだよなぁ·····



「·····さてはこいつ!こっそりつまみ食いしたな!?」


『だろうねぇ、魔族なら食べちゃいけないっての常識のはずなんだけど、忘れてたのかなぁ』



 そして、エビちゃんはどうやら冷蔵庫にあったソナツマシをつまみ食いしてしまい、こんな大惨状になってしまったようだ。


 まったくコイツめ·····



『ちなみにソレは食べると手早く泥酔できるけど、その代わりにめっちゃ悪酔いするから後々大変なのよね~、二日酔いもするし』


「うへぇ、そりゃきつそうだわ·····」


『ところで、今日ってエヴィリン仕事じゃないのん?』


「今日は休みだってさ、私の今世のお姉さんと交代でシフトを組んでやってるらしいよ」


『なるほどね~、ってかソフィたん姉いたっけ!?確か3個上の兄が居たのは知ってたけど!?』


「あー、私のお父さんがちょっとね····· うん、ちょっとね·····」


『今も一夫多妻は認められてるんだっけ、だったらいいんじゃない?でも教えてなかったって事は·····』


「まぁ、色々事情があったみたいだよ」



 そういえば姉貴にはまだピセット姉さんの事教えてなかったっけ·····


 どうせこの後『私という姉が居ながら他の姉に浮気するのか!』って言うよ絶対。



『私という姉貴が居ながら他の姉が居るなんてなんて淫らな妹なのっ!お姉ちゃんそんな子に育てた覚えないわよ!およよよよ·····』


「やっぱり言ったよ····· ちょっと外れたけど」



「あねうえー!!あねうえええびええびいいいいいいっ!!んひゃひゃひゃひゃひゃっ!!」


「わっ!?ちょっ!エビちゃん絡んでくるな!!ってか私は姉貴じゃねぇ!!」


「あねうえだいすきなんじゃ~、ふふふふ、ちゅ~っ」



 ダメだこれ!!!!

 めっちゃ悪化してるしキャラ崩壊してる!!!



「姉貴ぃ!!これいつまで続くんだよー!!!」


『大体一晩中は酔ってるね、ってことは6時間から10時間くらい?』


「えっ、マジ!?」


『マジだよ』



 そして何を勘違いしたのか私にキスして来ようとしているエビちゃんの顔を引きはがしながら、私は姉貴から告げられた悲報に絶望した。


 今のうまく韻を踏めた気がする。



「だぁ~いすきなのじゃぁあ~」


「テメェは黙ってろ!!」


「えびぃっ!?」


\ゴスッ!!/



 そして私はエビちゃんの額を踏んづけて気絶させた。


 こうするのが一番早いでしょ、たぶん。



『ナイス判断、だってそのソナツマシって名前、古い魔族語で『殴って気絶させる』的な意味だし、食べちゃって頭トチ狂った魔族をぶん殴って気絶させてたのが語源だから今の行動は大正解だよん』


「·····なるほど」



 そして額を強かに踏みつけられて気絶したエビちゃんは、酔いが醒めるまで目を覚ます事は無かったのだった。



 なお後日、この映像をみんなに見せて爆笑してたらエビちゃんが恥ずかしすぎて大暴れして、特に私と姉貴はマジで死ぬ寸前まで行ってガチで殺されかけた。

 今回は完全にエビちゃんが悪いし、私と姉貴は被害者なのに·····


 ちなみに、この事はエビちゃんの一生残るレベルの黒歴史になったらしい。


 ざまぁみろ!




名前:エビちゃん

ひと言コメント

「率直に言って死にたいのじゃ····· ソフィお主なぜよりによってこの話を載せたのじゃ!!やめてってワシ言ったよな!?ほんっとうに恥ずかしいからやめて·····」


名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「うわ『のじゃ』付けてない!マジなヤツだ!!」


名前:藤石 穂乃花

ひと言コメント

「エヴィリン、転生前は『のじゃ』なんて全く付けてなかったからついてない方が素なんだよなぁ、どうせアレでしょ、チビになったから少しでも威厳付けたくて『のじゃ』って語尾にして偉そうにしてるんでしょ?そんで成長して戻すに戻せなくなってる感じでしょ??おっ?図星?図星かなぁ?? ちょま、それアカン、ソナツマシはアカン!!うぎょぇぇぇぇえええええええええっっおひょほほひょょょっっっwwwww」


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