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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第七章 TS賢者は子育てに奔走するっ!
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奇跡は起きる物じゃない、起こす物よ



「世界を紡ぐ調~♪あなたへと届け~♪」



 カタカタカタカタカタカタカタ·····


\タァンッ!/


 ピーーーーーッ!!

 ピロンッ!



「っと!ファイアウォール突破しました!いけます!作業可能時間は残り720秒!」


『あいよん、お任せあれ~』



 私が呑気に歌いながら奇跡のファイアウォール突破作業をしていると、ついに解析が完了し、私が作った侵食型システムウィルス『カンタレラ』が強固なファイアウォールを貫いた。


 そして浸食により防壁の再生を止めていられる720秒間で、私とガイア様は神外未知の未解明システム『奇跡』の掌握と改変を行う作業を始めた。



「なるほど、あの作品の冒頭で『8bitマイコンみたいだ』って言った理由もわかるわ、こりゃ酷い·····」


『まぁそりゃ原初の世界システムだもん、私たちはソレを持っている知恵を使って高度に管理できるよう書き換えたからねぇ』



 私たちは今、フィグちゃんとマルスちゃんを実験台にして『奇跡』の解明作業を進めていた。


 作業する場所はなんと3次元と4次元の境界線ギリギリで、私が3次元世界側から、ガイア様が4次元世界側から挟むように作業を行っていた。


 世界族に意思は無い。

 だが生命と同様に自己防衛反応はあり、こうして強固なバリアによって奇跡などの世界族が管理するシステムは守られていて突破が困難だった。


 しかし私の鑑定により『三次元生命体による干渉』をトリガーとすれば一時的にだが突破可能であると判明し、私が3次元世界から干渉を試みる事でファイアウォールを脆弱化させ、より高度な作業が可能な四次元側から一気に解析を行うという方法を用いることにしたのだ。

 今までこの方法が見つからなかったのは、神々は完全な四次元生命体であるため三次元方向(裏側)からの攻撃が不可能で、三次元生命体でもある私だとどっちも可能でたまたま見つかったようなのだ。


 その結果、元々奇跡を授けるための抜け穴による脆弱性が残っていた3次元側からの攻撃により、ファイアウォールはギリギリで突破ができたのだ。



 そして、システムの防壁が破壊され丸見えになっているたった12分の間に、全ての作業を終わらせる必要がある。



「よし、いっちょやるか!アカシックレコード『トリニティ』、神属性魔力強制注入(オーバークロック)開始ッ!!クロック数上昇確認、外部冷却装置取り付け!急速冷却開始っ!エントロピー及びエンタルピーを最低値に近付けよ!」


 キュィィィィィイイイイイイイイイイッ·····!!


「うっ、くっ·····」



 私は私の頭脳を司るアカシックレコードのクロック数を世界が止まって見えるほどの速度に上昇させ、それに伴い発生する高熱を魔法で絶対零度付近まで減少させ熱暴走を起こさないよう対策を行った。


 そのおかげで私のアカシックレコードは量子コンピュータがビックリして量子もつれがもつれすぎて絡まって解けなくなったイヤホンのコードみたいになる程の計算速度へと至った。

 だがその代償として、私の思考も加速してまるで時が止まっているかのような感覚に陥っていた。



 でも、この思考速度なら全速全開で動けるっ!



「いきますっ!」


『私もいくよん、よいしょっと!!』



 そして1柱と1人の神は、奇跡をヒトの手で起こすための作業を始めた。





 奇跡、それは現実ではあり得ない奇妙な痕跡の事を指す。


 例えば、水の上を歩く、水をワインに変える、不治の病を治す、死者の蘇生などが奇跡と呼ばれている

 ·····が、日本では『そうはならんやろ』っていう事が起きた時に使われるスラングとしての意味が強い。


 

 そして私たちが今やっているのは前者の、神と同等の存在である世界族が授けた『奇跡』と呼ばれる力の解明と制御だ。

 いくら奇跡と言えど、実際に存在している物だったらどうにでもなる。



「作業進行度57%、邪魔が入らないのはいいねぇ·····」


『って言ったら4〇Aとか来るかもよ?』


「おほんっ·····見事な単縦陣ね、自ら軍隊を構成するとは·····」


『うっわに似てるw 声真似うまいねぇ』


「単純な声真似なら姉貴とフィーロ君の方がヤバいですよ、特に姉貴なら声だけでアニメをまるごと効果音とかBGMまで再現できますし」


『さすがはチート姉妹だねぇ』



 あのクソ姉貴なぁ·····

 未だにBGMを歌いながらセリフを同時に喋ってるの理解できないのよね。


 あいつ声帯何個あるんだよ·····


 まぁかくいう私もアニソンならBGMとか効果音まで歌詞と同時に歌えるんだけどさ。

 んで同時に13人分の声までなら発せられる母さんも加われば3人でフルオーケストラも歌えちゃうし·····



 って話をしながらも、たった数分で既に半分以上の解析が終わっていた。


 そんで解析が終わった端からデータを蓄積して解析に使っているので速度はどんどん上昇していた。


 んで今のところわかったのは、やはり奇跡のシステムは原始のユニークスキルみたいな感じで、無駄にややこしい部分があったり非効率的だったりと洗練された形じゃないって事だった。

 でも改造は十分に可能ってわかったし、ユニークスキルへの昇華も可能だったからよかった。


 あとは奇跡の解析は後でやるとして、今は世界の管理者権限の奇跡の項目に神人族を加え、こちらからも干渉できるようにする作業中だ。

 これが一番難航してて、たぶんだけど100%の管理権限を奪うのは無理だろうってガイア様が言ってた。


 まぁでも完全に権限を奪えても手に入るのは奇跡を付与する権限っぽいし、こっちはもっと安全で高効率なユニークスキルがあるから、奇跡の内容を変更する機能さえ奪えれば全然問題ない。



「あっ!ガイア様!奇跡の内容変更のショートカットを見つけました!ここです!」


『マジ!?サンキュ!んじゃ私そっちの解析やるからソフィちゃんは私の後を引き継いで!』


「りょーかい!」



 って言う間にもどんどん解析は進み、ついに私が奇跡の改変を行うシステムを発見した。

 そしてソレはこういうのに慣れているガイア様に任せて、私はガイア様がやっていたシステムの解析を引き継いで再び作業を開始·····



「うわ、メインの管理権限じゃないですかこれ!!!えっ!?今からここに神人族の管理コードをブチ込める脆弱性の穴を作れと!?」


『まぁソフィちゃんならいけるっしょ、がんば~』


「うぉぉぉおおおんっ!!やったろうじゃない!!!くっそがああああああああああっ!!!」



 私はとんでもなく面倒な作業を押し付けられたので、奇声を発しながら気が狂ったようにキーボードをたたき続けたのだった。





 そして、時間はあっという間に経過し·····



「あと11秒、急げーっ!!」


『もう間に合わないよん、撤退しよっと』


「くっ!あと、あとちょっとなのに!」



 作業残り時間は残り11秒となり、作業進行度は89%にまで達した。


 だが、のこりの11%が未解明のままだった。

 残り部分は予想通り『奇跡』の作成と付与システムで、どんだけやってもここだけは解析ができなかったのだ。


 でも一つだけわかった。


 この機能は今は止まってて、私たちじゃ動かせないから突破できないって事だけだ。



 しかし、私は奇跡も無しで超絶運がいい女だった。



「·····動いたっ!?」


『マジ!?マジじゃん!!』



 なんと、奇跡の作成・付与システムが急に起動したのだ。


 これで解析ができる。


 だが残り時間はあと10秒、間に合うか·····



「いや、間に合わせるっ!!」


『ちょ、ソフィちゃん!?』



 私はその隙を見逃さず、一気に奇跡の最深部へと突入した。



「あと7、6、5····· って、この奇跡、まさかっ!!」


『どしたの?』


「トリガーはシトラちゃんか!!しかも代償がやべぇ!!よっしゃ!管理権限奪ってやる!!」


『それマ!?』


「マジです!!」



 だが最深部で作られていた新たな奇跡を見て、私は慌てた。


 何せその奇跡はシトラちゃんに付与するための奇跡で、ちょっと見過ごせないくらい代償が重かったのだから。

 その奇跡は三次元世界の理を超えた情報を強制的に肉体に書き込まれる『叡智の奇跡』、その代償としてシトラちゃんの肉体は叡智に耐え切れず魔力へと霧散して精神生命体になるか、最悪即死だろう。

 1番良くてもネブカ〇ネザルの鍵を使った碇ゲン〇ウみたいになる。


 でもそんなことはさせないっ!!



「くっそ!あと3秒!間に合えっ!!」



 残り時間3秒、掌握率97.8%


 あと2.2%が遠い。



「くっ····· ごめんアカシックレコード!無理させるけど、我慢してっ!!」


『まさか·····っ! 止めといた方がいいよ!しばらく神としての力が』


「大丈夫です、なんとかなりますよっ!!いっけぇぇぇええええっ!!!」



 でも、愛弟子を見捨てるわけにはいかない。


 私はアカシックレコードを限界突破した速度で動かし、一気に解析を行った。



 その結果·····



『残り時間0秒····· どこまで行った?』


「99.71%····· ギリギリで、私の管理権限だけ、ブチ込めました····· はぁ、もう無理·····」



 100%には届かなかったけど、ファイアウォールが戻る寸前で全管理権限の中に私のデータをブチ込むことに成功したのだった。


 まぁ、若干ミスって完全にとはいかなかったけど、残り0.29%だったら全然問題ない。



「最後の、一仕事····· やっときますかっ!奇跡『叡智』の改造開始、一時記憶装置(メモリ)作成、疑似アカシックレコード:記憶メモリの付与、『叡智』の保管場所を肉体と魂から疑似アカシックレコードメモリに指定、パスの制定、ローカルネットワーク構築、検索機能などの付与····· インストールする知識の検閲システムを構築·····」


『さっすが元IT系サラリーマン、そういうの上手だねぇ·····』


「もう大半は忘れましたよ、だからこれも独自システムですし····· よし、こんな感じで····· あとは····· 脆弱性は無し、叡智の内容は·····検閲の必要あり、神界規定に則り修正っと·····」




 そして私は、早速奪った奇跡を作る権限を使ってシトラちゃんに付与される叡智の奇跡を改造して、ユニークスキルっぽい物に改編していったのだった。




名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「うーん····· これは教えられないな····· まさか神界の役所のトイレが未だにボットン便所だなんて絶対に教えられない····· あぁあとこれアカン、原子力の知識なんて要らん、削除っと」


名前:ガイア

ひと言コメント

『うーわ、結構ヤバめな世界の真理が載ってるじゃん、削除削除、これも削除っと、·····まぁ後はいいかな?この程度ならソフィちゃんがポロッと口を滑らすくらいの物だし』


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