魔神武装の開発なうっ!
私たちは朱雀をブッ飛ばしたあと、墜落して地面に埋まっていた朱雀を回収して手当てして知り合いの玄武さんの所にぶん投げて放置して、町政に関わる者たちが総出で二つの太陽事件で混乱する町民たちを落ち着かせたりした。
でも結局落ち着くまで結構な時間が掛かり、町が通常通りの生活に戻るまで2日くらいかかってしまった。
それよりももっと元に戻るのが遅かったのは、私とエビちゃんの仲だ。
お互いに黒歴史で罵りあった結果、割とシャレにならないくらいキレて泣きながら大喧嘩になり、1週間くらい口も聞かなかったのだ。
でもなんやかんやあって今は元通りの仲になっている。
そんで今日はあの事件から数週間が経過したとある日の事·····
「ん?フェニカどうしたの?」
「ふにゃー!あにゃうー!!ままま!ままま!!」
「·····あー、フロウ?あとエビちゃんも探してるの?ごめんね今いないのよ」
「きゃっきゃっ」
「私に構ってほしかったの?わからん····· でも····· んひゃぁぁあああっ!かっわいいいいいいいいいいっ!!!」
私はよちよちと歩いて足元に近寄って来たフェニカにメロメロだった。
多分だけどフロウとその親のエビちゃんを探してたっぽいけど、生憎エビちゃんは最近作ってる魔神としての装備『魔神武装』を今日も今日とて絶賛開発中で、フロウに関してはお兄ちゃんがシュテイン侯爵家の屋敷に連れて行ってお爺ちゃん達に顔見せしてるらしいから居ないのだ。
そんで同年代の赤ちゃんであるトウマとアレキに関しては、一応ここに居るけど2人は意外と消極的で引っ込み思案な性格っぽくて、フェニカに追いかけ回されて泣いてしまうような性格だから積極的に絡みにいかないっぽくて、かなり暇だったのだろう。
·····この歳の赤ちゃんって一人遊びばっかりしてるイメージだったけど違うのかな?
やっぱり子育てって難しいわぁ·····
「おーい、ソフィおるか?」
「はーい?何エビちゃん?」
「ままま!まままー!!」
「おぅフェニカもおったのか、マママじゃぞ〜、ちとママを借りてくのじゃ、·····丁度いてくれて良かったのじゃ、ちと助言を頼めぬか?」
「鎧の?」
「うむ、ここなんじゃが·····」
「ままま!ふにゃうー!!」
「むっ?すまんフロウはいま居らんのじゃ、それにワシも遊んでやれぬのじゃ」
「まままー!!」
って思ってたらエビちゃんが何やら聞きたいみたいで来たけど、暇を持て余していたフェニカに絡まれてしまった。
流石のエビちゃんもこれには困ったらしく、私の方を見て助けを求めてきた。
「仕方ないなぁ····· \ぽんっ☆/ほらフェニカおいで、もう1人のママと遊ぼう?」
「ままぁ!!」
「·····はぁ、ワシももう1人ワシが欲しいのじゃ」
「便利でしょコレ」
「便利じゃのぅ·····」
なので私は分体を呼び出してそっちでフェニカを預かって、親2人でゆっくり話し合いをすることにした。
◇
「で、ここが困っておるのじゃ····· どうやってもここが壊れて動かんくなるのじゃ」
「だよね、でも関節だから必須だから、どうやって耐久力を上げるかが難しいんだよね·····」
「そうじゃ、ワシも色々考えておるんじゃがのぅ····· それにここら辺も上手く行かんし、全体的にバランスを取るのが難しすぎるのじゃ·····」
そんでエビちゃんの質問は、最近開発中の魔神としての装備『魔神武装』という強力な鎧だ。
なんでも魔神としての強さが上がったら今まで使っていた魔族製の機械鎧が魔神化するとすぐにブッ壊れるようになってしまったらしく、壊れない鎧を自分で神の力を利用して開発中なのだ。
あと自分の力で作りたいらしくて私は介入するなとは言ってたんだけど、いざ作ると神の技術は難しすぎたみたいで私を時々頼ってきてるのよね。
「お主から貰った、お主の鎧の設計資料を読んどるんじゃがさっぱり分からぬ·····」
「だって私もあんまり理解してないし、創世魔法でゴキゴキゴキッてやったから」
「なんじゃその擬音·····」
「私を触媒に使った時の音」
「まさかとは思うが、お主の鎧、もしやお主が材料なのじゃ?」
「そうだよ?あー引かないで、これかなりいいヒントだから、エビちゃんも髪の毛とか血液くらいで十分だから体の一部を入れながら創ると良いよ、·····私みたいに全身は使う必要ないからね?」
「なるほど、その手があったか·····」
そう、私が本気を出す時に時々装着している機械鎧は創世魔法で生み出したモノなのだが、その材料に私の体を利用しているのだ。
私の体は神属性魔力で構築されていて、体が既に超が着くほどの魔力媒体になっている。
それを泡沫ムゲンの眠り姫と創世魔法を組み合わせて変化させ、神の体を代償に『ソフィニウム』製の鎧にしたのが今の私の鎧って訳だ。
ちなみ自身の体の一部を混ぜて物を創ると、その人にしかほぼ使えなくなる代わりに、その人が使うと効果や親和性が格段に向上するという効果がある。
実はこの技術は割と一般的に普及していて、例えばアルムちゃんが小さい頃に使っていた杖は彼女の幼い頃の髪を内部に入れて魔物素材の魔力流路なとと合わせてあるため、今でも使えないことは無いくらいの性能があるのだ。
·····時々呪いの武器になるデメリットもあるけど、オーダメイドの商品には最適な手法だ。
まぁ私の鎧も神過ぎる事をやったのは材料だけで、一応設計とかはしててその資料はコピーしてエビちゃんに貸してあるし、それを読んで開発中なのだろう。
「·····そういえば、そろそろじゃのぅ」
「何が?夜ご飯はまだまだ先だけど?」
「違うのじゃ、まぁ何時になるか分からんがいい触媒が手に入るかもしれんと気がついたのじゃ」
「ほほぅ、もしやウン」
「お主ぶち殺すぞ?」
ちなみに排泄物はごくごく一部の魔物(※1)のモノを除いて使えない、確実に呪いの道具になる、あとちょっと臭う。
なので使う触媒はちゃんと考えないと呪いの武器になる可能性があるのだ。
(※1:主にジャコウネコ系の魔物やパンダ系の魔物、海鳥の魔物の糞が堆積して出来たグアノ鉱石も使える)
·····ちなみに私の場合は全身使ったから融和率100%のトンデモ装備になってるけどね。
「とりあえず何とかなりそうじゃな····· あぁマジでキツいのじゃ·····」
「ちょっとくらいなら私も手伝うよ?星核合金の加工めちゃくちゃ大変でしょ?」
「大変じゃが、ワシが1人で作りたいのじゃ·····」
「難儀な性格だなぁ·····」
私の考えた方法でエビちゃんは鎧作りに何かヒントを得られたっぽいけど、それでもだいぶ大変そうだった。
「·····しかし意地を張っててもこやつは完成しそうにないのじゃ、暇な時で良いから手伝ってくれぬか?」
「もちろんいいよ!手伝って欲しい時は言ってね!」
「うむ、助かるのじゃ!後で礼に美味い酒でも奢ってやるのじゃ」
「よし請け負った!私に任せなさぁい!!」
でも難しいみたいで、諦めて私の手を借りる事にしたようだった。
もちろんお駄賃はお酒だ。
何せフェニカとフロウがほぼ完全に乳離れしたのだから、もう好きなだけ呑んでもいいのだ。
久しぶりのお酒に私たちはかなり弱くなっていたのだ。
あっアルコールに弱いって意味じゃなくてお酒の魅力に弱くなったってことねっ☆
という訳で、呑んべぇな神様2人はもう暫くの間、エビちゃんが作っている鎧の話に花を咲かせたのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「あの鎧、私自身の体を使ってるから神器になってるのよね、正確には神が作ったモノって意味で、本来の意味の神器はガイウスの槍しか持ってないよ」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「ムズムズするのじゃ····· 今年の春になりそうかのぅ、他の人よりちと早い気がするのじゃ·····」




