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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第七章 TS賢者は子育てに奔走するっ!
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信天翁アルバトロス



 フシ町のランチタイムな飲み屋街で、3人の少女が店先に座って何かを食べていた。

 1人は18歳くらいの銀髪の少女、1人は明るい銀髪の魔族の少女、そしてもう1人は炎のような赤髪で変な眼帯を着けて何のコスプレ衣装?みたいな黒を基調にした変な·····うん、あんま関わらんとこって感じのソシャゲのキャラみたいな格好をした14歳くらいの少女だ。



『うみゃぁぁぁああああっ····· やはり人間の作る飯はおいしいの!』


「小食で良かった·····」

「小食じゃが、こやつアホじゃろ」


『·····そち達、わらわの事バカにしすぎよ?』


「だって激辛カレーをそんなガツガツ食ってるヤツ初めて見たもん」

「おいワシを忘れておらぬか、ワシも食えるのじゃ」



 それは、辛さ10辛という自称フシ町で一番辛いカレーを提供するお店の超絶辛い真っ赤なカレーだった。


 ちなみに私は辛いのはそこそこ好きだけど、某激辛タンメンとかは辛すぎて苦手でそこそこな辛さの料理が一番好きなのだ。

 だから前にエビちゃんに煽られてコレを喰わされた時はひどい目に合った、その日はずっと口の中がヒリヒリして熱かった気がするし、特に翌日のトイレが地獄だった、殺すなら殺せ一思いに殺してくれって思ったわ。


 もう二度と激辛カレーは食べんわ。



「っていうか鳥って辛さ感じないらしいですけど、激辛カレー食べて意味あるんですか?」

「そうなのじゃ?」


「トウガラシは種を遠くまで運んでもらうために、種まで食べられてしまう哺乳類とか昆虫に対しては熱や痛みを感じる受容体を刺激するカプサイシンって物質を蓄えるんだけど、種を運んでくれる鳥に対しては何故か効果が無いようになってるらしいのよね、植物って不思議だよねぇ·····」


『辛いよ?』


「·····鳥なのに?」


『わらわが人間になるのは辛い物を食べて辛いと感じられるからよ、辛いのは大好きなのにわらわの体では感じられぬが故、人間になっておるのよッ!!』


「これだからアホウドリは·····」



 そんでこのアホウドリは煌輝焔凰という現象であり正確には鳥ではないのだが、単純な頭····· 悪く言うとアホなので身体が鳥に引っ張られて辛味を感じなくなったり、時々卵(※無精卵)を産んだりするのだ。

 しかし彼女は四神の飲み会の時に食べた激辛料理で辛さにドハマりしたんだけど鳥の体では感じられないから、時々人の体になって町で激辛料理を貪っているらしい。


 あとトウガラシの種を買い漁ってそこら中に彼女が異常強化したトウガラシの種をまき散らしながら空を飛びまわった事があるらしく、世界のどっかには『煌輝焔凰トウガラシ』が群生している近寄るだけで催涙効果がある地獄みたいな草原地帯があるらしい。

 ·····ちなみに煌輝焔凰トウガラシは超高級だけど普通に流通してる。



 なんでかって?


 コイツが激辛料理を買うために自分で栽培して収穫して売ってるからだよ。


 煌輝焔凰トウガラシはなんとたった一本で2500円もするけど、アホほど辛いけど美味しくて輪切りたった1個でペペロンチーノの味がピリリと締まって5倍くらい美味しくなる凄い食材なのだ。

 私も家に100本くらいストックして時々使ってるくらいには良い食材なのよね。



 つまりコイツ、アホそうなガキンチョな見た目をしてるけど実際はフェニックスとプラズマバードというどちらも単体でSランクに匹敵するレベルの強さを誇る魔物のハーフで、世界最強クラスの魔物四神の一角で、トウガラシ売りで財を成した大富豪で、少なくとも数千万年は生きていて、そしてアホなのだ。


 もう一度言う、アホなのだ。




「四神の魔物の中で一般的に認知されてるの貴女くらいですよ?人間としてですけど·····」


『青チャンは?』


「あの人はギリ人間の奥さんが居ますけど、積極的に人と関わろうとしてませんよ·····」

「青ちゃんって誰じゃ?」


「リヴァイアサンの始祖の魔物、青龍の事だよ」


「そんな奴おったのか·····」



 アホって言った理由だけど、こいつ、ふっつーに店を開いてて顔も認知されてるし、トウガラシを扱ってる自分のお店のロゴがおもいっきりコイツのデフォルメされた絵だし、何なら『わらわが天を駆ける炎の鳥じゃ!』とか思いっきり自称してるのよ。

 今の所誰も信じてないし、周囲からは頭が残念な子って思われてるっぽいのよね。


 実際頭が非常に残念だから仕方ない事だと思うけど。



 アホアホ言ってる理由、聞けばわかるよ。


 それに私が四神の中で絶対に一緒に居たくないって言う理由もすぐにわかるよ。




『ごちそうさまでした、ふっ、美味じゃった!このおいしさをわらわが詩にしてやろう!』


「出たよ····· 耳栓いる?私は着けるけど」

「なんでじゃ?」


『フン、不味くはないッ!そしてわらわは必ず再びこの場へ君臨する!終わりなき人の世を象徴するかのように神への生贄に捧げ、我が飢えと渇きを癒やしたまえ!』


「うぐへぇ·····」

「うげぇ間に合わなかった····· てかエビちゃんもそういう反応すると思ったよ····· 知らない人の顔しておこう·····」



 コイツ、万年中二病なのだ。


 詩と称していちいち中二病的な事を言ってこようとするし、言ってるのを見ると私たちは人生で2度も()()が発症した経験があるから、もういっそ殺してくれ、それかぶっ殺す、ってくらい恥ずかしくて一緒に居たくないのだ。

 実際に今も周囲から生暖かすぎる視線が集まってて死にたい、今すぐ死んでしまいたい。


 そんでエビちゃんも多分前世でも今世でも()()が発症した経験があるから、私と全く同じように頭を抱えて虚ろな目をしていた。



 ちなみに、朱雀さんの魔物名『煌輝焔凰』って名前も、最初は『朱雀』にしようとしたけどもっとカッコイイのがいい!とダダをコネて、コネてコネてコネ散らかしたから次に『炎鳳凰』を提案したらもう一声!って言われてイラッときて『信天翁(アホウドリ)アルバトロス( アホウドリ)』って名前を提案したけどなんか嫌とか言われて断られて、そんで親愛なる我が身中にて永劫の眠りに就いた禁断の病魔『中二病』を再発させた結果、今の『煌輝焔凰』という名前ができたのだ。


 死にたい。



 中二病を見させられてる時ほど心臓を抉られるようなダメージを受ける事は無いだろう。


 あぁ、私にもあんな時期があったって思うと、もう、なんていうか、いっそ今ここで自爆してやろうか。



『どうじゃわらわの詩は!!』


『『·····』』


『何か言えーっ!!!』


「·····ゼロ」

「が二つ、100点満点だよ」


「き、貴様っ!?ついに頭トチ狂ったのじゃか!?」


「しーっ!エビちゃん!0点とか言ったらもっといい詩を作ろうとか言って取り返しのつかない事になるんだよ!私がゼロ点どころかマイナスって言ったら聞いたヤツらが1週間立ち直れなかった最悪の事件があったのよ!!100点って言ってこれ以上悪化しないように現状維持させるのが一番なのよ!!」


「なるほどのぅ·····」



『えへへ····· はっ!さすがわらわのパトロン!わらわの詩の良さを理解できるとは正に天地永劫の存在のわらわに相応しい忠実なる親友ッ!!』



「おい調子のっとらんかコイツ」

「·····乗ってるね」


『あぁ、辛美たる神饌を作りし料理人よ、わらわの、煌輝焔凰の名においてその神饌の味を褒めて遣わそう!』


「お、おぅ·····」



 店主さんドン引きしてるじゃん·····

 しかも店に来てた人らも辛さじゃなくて共感性羞恥で顔真っ赤にしてるし。


\ンェゲホッゲボゲボッ!!!!?!?/

 あっ、恥ずかしさで急いで食べて逃げようとした人が辛さでムセてら。


 ·····実害出てきたしそろそろ〆るべきかな。



「店主さんごめんなさいごめんなさいごめんなさい、今すぐこのアホウドリを黙らせるので許してください、頭がかなり残念なだけで悪気はないんです、普通に美味しかったって言ってるので許してあげてください」

「ワシからも頼む、アホじゃが相当なアホじゃが実力はあるのじゃ頭は残念じゃが町長の息子の嫁として頭の悪さと一緒に実力は保証するのじゃ」


「い、いや、美味しかったと言ってくれたならいいが····· 見てると、こう、腹の内側にキッチリ収納して出さないように厳重に封いっ····· 封印って言ったらソッチ側になりそうでなんか嫌だな····· 鍵掛けて閉まってたアレが出てくる気がするな·····」



 私たちは厨二全開な事を言ったアホウドリの被害者である店主さんに謝り倒した。


 そんな私達の事を無視して、アホウドリはまた詩を嗜んでいた。



『あぁわらわが身中のブラックホールが満たされ悦楽で震えているッ!満ちる事なき黒色の大穴は満たされわらわは天に』


「「お前はもう天に帰れっ!!」」



\バギャッ!!/



『ぎゃんっ!!』


/ドバギャッ!!\



 しかし、私たちは、もう、我慢の限界だった。




 神と魔神のダブルアッパーを喰らった真紅の煌き輝く焔の凰は、夜空に咲く大輪の花のように空へと打ち上げられていった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「あんなこと言ってるからわかるけど、アイツ肉体に引っ張られるせいで精神年齢は見た目相応なのよね····· 素はまぁまぁ可愛いんだけど、アレがなぁ·····」


名前:エヴィリン・アマイモン・ファゴサイトーシス

ひと言コメント

「久しぶりに黒歴史を掘り返された気がするのじゃ····· おい、何故今回に限って中二病っぽいワシの名をフルネームで紹介するのじゃ!!?ソフィ貴様ァ!!!」


『フッ!我は世界最強で最悪で邪悪なる大大大魔王!いや魔神、いや魔神大皇帝大魔王ッ!!!貴様らなんぞ我が邪念に犯され竜をも屠る地獄の手腕に掛かれば絶望に打ちひしがれ汝は己の死を懇願するほど絶望するじゃろう!フゥーハッハハハ!!』


「殺す!殺すのじゃ!何ワシの前世の時のセリフを知っておるのじゃ!許さぬ!!貴様こそイマジナリーフレンドとかいう架空の彼女を作って毎晩イチャイチャして数少ない友達に自慢しておったのじゃろう!?姉上に聞いたのじゃ!!あー恥ずかしいのぅ!!」


『てっ!てめぇ!!なんてこと、なんてこと聞いてんだ!!!死ね!死ねぇぇぇええええ!!姉妹もろとも死に晒せ種族が中二病の永遠の黒歴史のクソ魔王!!』


「貴様が死ね!!!自称神とか言う中二病設定の十八番野郎っ!!」

『てめーもだろうが!転生したての頃の魔王を自称する痛いガキの頃見てられなかったからね!?』

\ぷちっ/ \ブチッ/

「『うがぁぁぁぁああああああああああああっっっっ!!!!!』」




名前:朱雀

ひと言コメント

『あぁ、お空だ····· おひさまきもちいい····· きゅうっ·····』


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