フシ町に不死鳥がやってきたぞ!
それはとある日の事·····
「寒いなぁ····· 春が待ち遠しい·····」
「あと3ヶ月は寒いんじゃないかな、だってまだ1月だし」
私はエビちゃんと夫と一緒に愛する我が子を連れてフシ町の散歩をしていた。
私の娘のフェニカはもう1才になり、エビちゃんの娘のフロウは1才2ヶ月になって表情が物凄く豊かになって言葉も理解しはじめて喋るようになってきていた。
それがもう死ぬほど可愛くて、我が家の写真フォルダはテラバイトを超えた。
「んにゃー、まぅー」
「どうしたのフェニカ?フロウの事が気になる?」
「む?どうしたのじゃ?」
「フロウは眠そうにしてるけど·····」
「なんかそっち指さしてたからフロウと遊びたいのかなって」
「·····むっ?多分ワシとフェニカじゃないのじゃ、もっと後ろを指してるっぽいのじゃ」
「そうなの?·····まって、エビちゃん今何時?」
「ふむ?10時ちょっと過ぎじゃったはずじゃが·····」
「·····なんか、太陽ってあんな縦長だったっけ」
「じゃな、斜め上あたり····· むっ!?なんじゃ!?太陽が分裂したのじゃ!?」
ってフェニカの可愛さにデレデレしてると、私は異常に気が付いた。
真っ先に気が付いていたのはフェニカだからマジでうちの子天才だけど、今はそれどころじゃない。
天災としか言い表せない、異常事態が起きていた。
「太陽が····· 2つ?」
「ワシもあんなの見たことないのじゃ·····」
フシ町の南東方向の低い高度に、太陽がもう一つあったのだ。
しかもかなりな速度で動いていて、うっすらと雲がかかりボヤけていてよく見えないが雲を貫通するほどの光を放っているとすぐにわかった。
この星には····· この恒星系には太陽のように大きく輝く星は1個しかない。
月はあるけど昼間ではこんなに光らないし、そんな現象はある程度の天体現象なら把握している私でも知らない未知の現象だった。
一応可能性としては超新星爆発や隕石が考えられるが、超新星爆発は数百年に1回の頻度でしか発生しないしあんなに早くは動かないだろう、また隕石だったらあのレベルの光を発するくらいの大きさなら私の観測網で捕捉できてるはずだし、轟音が鳴り響くはずなのに聞こえてこない。
って事は、未知の自然現象か、それとも·····
「·····魔力だ、魔法関係の何かとしか思えない」
「じゃな、やはりそうじゃったか」
魔法か、魔物か、そのどちらかだろう。
だったらやる事は一つしかない。
「フィーロ君」
「ラクト」
「わかってるよ、ほらフェニカおいで」
「ボクが預かるよ、気を付けてねエヴィリン」
私たちは未熟だけどこの町を維持管理して守る側の人間だ。
·····人間?私たち人間だっけ?
まぁいいや、守る立場なのには変わりない。
そして上空にある謎の二つ目の太陽の正体を解き明かし、混乱する町民を安心させるのも私たちの役割だ。
だから·····
「「いってきますっ!!」」
「「いってらっしゃい」」
フワッ
ズドンッ!!
私たちは空へ浮かぶと、二つ目の太陽があると予測される雲の上へと一瞬で飛び立っていったのだった。
「·····お義兄さん、僕たちは町長さん達に報告しましょうか」
「だね、町の人たちも混乱してるし早くしよう」
そして、残された2人は自分たちにやれることをやり始め、預かった娘2人を連れて行動を開始した。
◇
数十秒後、私たちは比較的薄い雲の層を抜けて上空に飛び出した。
「抜けたっ!どこだっ!」
「あそこなのじゃ!うわまぶしっ!!」
そしてどこまでも続く雲の大平原を見渡すと、私たちよりも高い場所に太陽の如く輝く光る物体を見つけた。
だが明るすぎて直視できない。
まるで太陽を裸眼で見ているかと錯覚するほどの輝度を誇る飛行物体は、今も時速数百キロで飛行していた。
「対閃光防御グラス展開」
\シュンッ/
「あっずるいのじゃ!ワシにもよこせ!」
「自分でできるでしょ!」
「チッ、制御が面倒なんじゃがのぅ····· 魔神武装・限定装着っ!!」
だがそこはノープロブレム。
私は魔法で光をある程度遮断するバイザーを目元に展開し、エビちゃんは最近神の力を利用して作成中の魔神武装なる鎧の目元だけを呼び出して装着した。
そして2人で2つ目の太陽を見ると·····
「·····鳥?」
「·····鳥じゃな」
そこには、一羽の鳥が居た。
そしてアホみたいな光量を出す鳥なんて私は一匹しか知らない。
「多分知り合いだわ、行くよっ!」
「お主交友関係広すぎじゃろ!」
って訳で、ちょっとお話をしに私たちは太陽の如き鳥の元へと向かって行った。
◇
キィィィィイイイイイインッ!!!
二つ目の太陽は、高度6000m付近を飛翔していた。
そしてそれを追跡する宇宙色と黒紫色の流星が2つ、同じ高度を飛翔していた。
「まてやゴルァー!!!」
「早い!マジで速いのじゃ!」
『何!?何なの!?怖いっ!!』
それも、音を軽く超えるとんでもない速度で飛翔しながら追いかけっこをしていた。
「流石は煌輝焔凰ってだけはあるっ!!はっやい!!」
「なんじゃその無駄にカッコイイ名前はっ!!」
「サンダーバードの最上位の魔物『プラズマバード』と不死の炎鳥『フェニックス』のハーフで多分鳥系の魔物の頂点に立つ魔物だよ!私が名付けた魔物名なのよ!またの名は『朱雀』ッ!!この世界の最強の魔物10体にランクインする魔物だよ!!」
『その節はどうも!!』
「どういたしましてっ!!」
それは、この世界に存在する神と崇められる魔物の一角、私が朱雀という名を付けた『煌輝焔凰』というめっちゃカッコイイ名前の魔物だ。
そう、コイツは玄武さんや白虎さんや青龍さんと同じく四神の座についている魔物なのだ。
ただねぇ·····
「なにしとるんじゃゴルァー!!」
『好き勝手に遊覧飛行しちゃダメか!?』
「まぶしいんじゃゴルァ!!」
「そうじゃぞ!ワシの町が大混乱しておるのじゃ!責任とって焼き鳥になるのじゃ!!」
『童はもう焼き鳥じゃ!!あっつあつで世界最高に熱い鳥じゃ!!』
「あやつ自分で自分を焼き鳥とか言っとるのじゃ!アホじゃろ!」
「アホだよあの鳥頭!」
『そち達!童の事なんだとおもってるんじゃ!』
「「頭おかしい焼き鳥っ!!」」
『ひどい!!』
この朱雀、だいぶアホなのだ。
しかも天然系でこうしてなんも考えずに超輝きながら飛ぶせいで時々町の上とかを飛ぶと大混乱を起こすはた迷惑な魔物なのだ。
まぁ、さっきから空中で物凄い速度で追跡しても追いつけないくらい機動力はあるし、その実力もけた違いで、とある理由で絶対に死なないから4神の中でも最強と言われるくらいの実力はあるんだけどね?
ただアホなのよ。
「くっ!とりあえず光抑えてくださいよ!!」
「まっぶしいのじゃ貴様ぁ!!」
『断るわ!!』
「ちぃっ!仕方ないっ!アレやるよエビちゃん!!」
「なんじゃ!?ワシ知らんのじゃ!」
「キノコ神拳究極奥義ぃ·····」
『まっ!まて!はなせばわかる!なっ?なっ!?わ、わらわに何をするつもりじゃ!!』
「エビちゃん合わせて!はぁぁぁぁあああっ!」
「そうか!ワシにも世界の真理が見えるのじゃ!そういう事じゃな!!」
『やめっ!やめろぉぉぉおおおっ!!』
私はエビちゃんの背中に乗るとスト〇ァイのベ〇立ちをして、その片手には先端が卑猥な形のでっかい焼き鳥の串が握られていた。
「いくぞっ!キノコ神拳究極奥義!『串打ち3年ケツをも穿つ』ッ!!」
『ひっ』
\ブスリッ♥/
『ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!!!!!!!!?!???!??!?!?』
フシ町の上空に、怪鳥の悲痛な絶叫が響き渡った。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「へいっ!いっちょあがりっ!」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「これがキノコ魔神拳の力なのじゃ!!」




