Goddess Message
ある日の深夜2時過ぎの事·····
\ピロロロッ/
ピッ
「ふんふん····· グッドニュースだ、フィグちゃんが進化を開始したのか、さてと私の出番かな」
私のアカシックレコード端末に突然連絡が入った。
それは、私が成長を促していた個人的な教会への嫌がらせのトリガーとなる人物、見習い聖女のフィグの進化の一報だった。
この世界の人間は、分類すると『魔物』に非常に近い存在だ。
その証拠として、ある一定の条件を満たし、高い能力や魔力を持ち、魂と肉体が完璧にリンクすることによって肉体が次のステージへと変化するのだ。
これは魔物の進化と全く同じで、人間は見た目こそあまり変わらないが身体構造が大幅に変化し、魂と肉体の融和率が完璧な状態になった事で寿命が非常に長くなる。
そして、魔物と一線を画す点として、その人物の願いに沿ったその人物だけの固有能力が付与される。
神はそれを『ユニークスキル』と名付け、その中でも世界そのものに干渉するほどの力を得た者は神が管理するか····· 処理するかと決められた、神々が作った依怙贔屓のシステムだ。
本来ユニークスキルとは、アカシックレコードのデータを解析しその者の魂に刻み込まれるほどの願いを自動でたった一つだけ叶える、神々からの褒美なのだ。
しかし、かつてはアカシックレコードによる自動付与は行われていなかった。
神々が自ら降臨し、進化した者に神託と共に力を授けていたのだ。
「ええと、とりあえず····· 『神化』『神衣装着』『エンジェル・ハイロゥ展開』『煌翼展開』『神眼』····· こんなもんかな」
だがアカシックレコードの自動付与には弱点がある。
ユニークスキルの付与が結構雑なのだ。
私の計画だと既に付与するユニークスキルは大体決まってるので、勝手に付与されると非常に困る。
だからこうして神に成りすまして·····いや神だけど、私自ら神託を授け、ユニークスキルを付与しに行くのだ。
·····そのための手続きにかなり手間取ってたのよね、最後のハンコが押して貰えなくて。
「さぁてと、計画を始めよう」
\パチンッ/
私はカッコつけて指パッチンをすると、神界へと転移していったのだった。
ちなみにこれテイク18ね、指パッチンが上手くできなかったのよ。
◇
『やぁやぁ、フィグちゃん、今晩は』
·····あれ?
わたし、寝てなかったっけ·····
『寝ているよ、身体はね』
·····この声って、ソフィさま?
『大正解、でもここに居るのは、キミが知っているソフィじゃないんだ』
カッ!!
次の瞬間、世界が一気に明るくなり瑠璃色の宇宙空間のような世界が現れた。
その世界の中心には1柱の女神が佇んでいて、宙に浮かぶ円形の歯車がかみ合わさった機械、彼女のSランク冒険者証と瓜二つのトゥールビヨンのような装置を見上げていた。
トゥールビヨンの中心には光り輝く結晶が4つ浮かび、中心の巨大な結晶の周囲を少し小さい結晶が惑星のように取り囲んで回っていた。
『ようこそ、神々の世界へ、私は女神『ソフィ・シュテイン』、貴女をここへ呼んだ者です』
·····本当に、かみさまだったんですか?
『そう、シトラちゃんはもう真実にたどり着いてるけど攪乱させてるから確証は得てないみたいだね、彼女から私が本当に神様かもしれないって聞いてたんでしょ』
そうです!やっぱシトラちゃんすごい!
『んふふ····· まぁそれは置いといて、本題に入ろうか』
ほんだい?
私は魂の状態となってフワフワと漂うフィグちゃんの方を振り返ると、彼女の魂に手をかざした。
『創世魔法『神体』』
わっ!?·····あれ?体がある?」
『一時的に私の魔法でキミに肉体を付与しただけだよ、この方が魂が驚かなくて済むからね』
「確かに、なんだか居心地がいいです」
私は創世魔法を使い、フィグちゃんに魔力で構築された肉体を付与した。
神界·····四次元世界では三次元の生命体は肉体を維持することはできない。
故に彼女を呼び寄せた時は魂だけで来たため、この空間は魂の保護をしているので劣化する事は無いが念には念をという事で、創世魔法で一時的に肉体を再現して神に近い存在、四次元生命体としての肉体を彼女に与えたのだ。
『では本題に入ります、フィグ、貴女は人間を超える進化が可能となりました、その進化先は『聖女』、攻撃的な魔法を使い人間から離れて力を蓄える『魔女』とは正反対の、人々に寄り添い人々を癒す精霊に近い存在へと間もなく進化します』
「えっ!!?わ、わたしが聖女さまに·····?」
『役職ではありません、聖女という生命体に進化するのです』
この世界には『聖女』と呼ばれる種族が存在する。
校長先生が寿命が無く永遠に魔法と支え合いながら生きる魔女という存在に進化したように、人々を癒す者は聖女という生命体に進化して永遠に人々を癒しながら生きる存在になるのだ。
ゲーム的に言うと、魔女はアタッカーで聖女はヒーラーに特化した進化をするイメージだ。
ちなみに男なら聖人になる。
『ただ全く関係が無いわけではありません、最上位の聖女になる条件としてこの『聖女』に進化する必要があるのです、貴女が普段目にしている聖女バーバラ様方はこの種族に進化しています』
「そうだったんだ·····」
ちなみに私がただの聖女に任命されたのは、聖女という種族に進化していなかったからだ。
まぁ本当はもっと上の神様なんだけどね?でも前に種族を調べさせられた時に『不明』って出てきてどうやっても分らなくて、調べられまくった結果最終的に『キノコ』って出てきたから、最上位の聖女には任命できなかったのだろう。
まぁそれは置いといて·····
『そして進化するにあたって、貴女には神々が与える祝福、貴女の願いをたった一つだけ叶える『ユニークスキル』が付与されます』
「ユニークスキルっ!?ユニークスキルってあの!すっごいやつですよね!?」
『そうです、世界の理にも干渉する事ができる貴女専用の能力です』
神からの贈り物を、彼女に授けよう。
◇
ユニークスキル、それは人の願いを叶える、神からの贈り物だ。
例を挙げよう。
ある者は『彼女のように強くなりたい』という願いを叶え、彼女の魔法をコピーして使う事ができるユニークスキル『マジックエミュレータ』が発現した。
ある者は『みんなよりも強く、みんなを守りたい、そしてそのための勇気を』と願い、最も勇ましき者である『勇者姫』が発現した。
ある者は『もう二度と滅亡させない、この血を絶やさない』と誓い、魔族の原初の姿へと回帰した『魔神姫』へと覚醒した。
ある者は『もし次の人生があるのなら、楽しく、幸せに、平和に、何より誰にも邪魔されないで笑える、面白い人生を送りたい』と強く願い、世界のリズムをも書き換える『タケノコ神拳』を獲得した。
このように、ユニークスキルは願いを聞き遂げそれを叶えるための神々の手助けとして付与されるのだ。
『さぁ、キミの願いは何かな?』
「ねがい?お菓子作りたいかなぁ·····」
ただ、時々こうして特に大した願いが無い人も居る。
いや願いあるけどさ?違う、そうじゃない。
解析の結果でもう知ってたけど、直接聞くとやっぱりなんか新喜劇ばりにズッコケそうだわ。
威厳が無くなるからやらないけどね。
·····それに、それを踏まえてもう作ってあるのよね。
『·····承認しました、これより貴女にユニークスキルの付与を開始します、アカシックレコード『トリニティ』、起動』
キュィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインッ!!!
その瞬間、私の背後で浮かびキュルキュルと回っていた歯車の球体、私の頭脳であり私の魂であり私自身であり私専用のアカシックレコードである『アカシックレコード:トリニティ』の回転速度が上昇し、目にもとまらぬ速さへと至ると中央に座す宝石たちが激しく光を放ち始めた。
「わっ!?動き始めたっ!?」
『世界記録書庫閲覧開始、データ『フィグ』を展開、神名『Sophy Stein』による管理権限行使、編集開始、ユニークスキル付与開始、·····ユニークスキル制定完了、個体名『フィグ』にユニークスキル【Came Sweet a Live】を付与』
カッ!!
「ひゃんっ!!」
アカシックレコードが光り輝き、彼女にその光が集まり新たな力が付与された。
『神託です、貴女はお菓子に人々を癒す力を付与できるようになりました、そのス〇ンド『パール・ジャ····· 間違った、そのユニークスキル【Came Sweet a Live】の力を使い、得意のお菓子作りを通じて人々を癒し、笑顔にさせなさい』
お菓子を作り、人々を癒し笑顔にする、お菓子の聖女が今ここに誕生した。
名前:フィグ
ユニークスキル
『Came Sweet a Live』
ひと言コメント
「ソフィさま、本当に神様だったんだ·····」
名前:ソフィ・シュテ邏�ュ秘、ィ縺ォ
ユニークスキル
『賢者姫』
『リスポーン』
『賢者の石』
『アカシックレコード『トリニティ』』
『泡沫ムゲンの眠り姫』
『キノコ神拳』
『神』
『████████████』
ひと言コメント
「えっ?ユニークスキルは1人1個までだったんじゃだって?·····私の願いは、一つ程度じゃ足りない、あの絶望から抜け出したい、その願いを叶えるために、私は·····」




