サボり神を探して神界大捜索っ!
ある日の事·····
私は神界で·····っていうかガイア様に用事があって神界にやってきていた。
ちなみにフィグちゃん達に神造ユニークスキルを授けるための許可申請を出す必要があるんだけど、それにガイア様のハンコが必要だから探してるのよ。
これが面倒で、魔力で証明する仕組みだから私が勝手に押したらすぐにバレてすんげぇ怒られるのよね。
·····ガイア様が。
で、最終的に私にゲンコツが届くって訳ね。
って事でハンコが必要な時は必ず教えてって言われてるんだけど、今日はそれでちょっとトラブルが起きていた。
「ウラヌス様〜、ガイア様どこいったか知りません?自分の部屋で寝てたりしません?」
『えっ?·····ごめん、知らされてないんだ』
「そうでしたか····· んじゃちょっと居そうな所探してきます〜」
そう、ハンコを押すのに必要なガイア様が居ないのだ。
本人曰く夫婦ではなくパートナーと言ってる、たぶん夫でよく一緒に居るウラヌス様に聞いてみても分からないと言われちゃったし·····
まぁたまにあるからいいんだけどさ、友達と呑みに行ってるとか3次元宇宙で面白い事があったとか言って視聴覚室に行ったりしてるだけだし。
『気を付けてね、怪我しないように、すぐトラブル巻き込まれるんだから自衛と自重は忘れないようにね』
「フィーロ君みたいな事言うなぁ····· そんな私信頼無いですか?」
『ガイアと一緒だね』
「·····へぇい、気を付けて行ってきます〜」
なんも反論出来なくなった私は、さっさとガイア様を探すべく神界の市内へと繰り出したのだった。
◇
ワイワイガヤガヤ·····
「んー、カオスだなぁ·····」
神界というと、白亜のパルテノン神殿みたいなのが並んで白い衣を身にまとって頭に草冠を付けた彫像みたいなのとか天使が居るイメージがあるかもしれない。
·····だけど、実際はそんなことは無い。
まぁ確かにパルテノン神殿みたいな様式が見られる建物も多いけど、日本の瓦屋根とかそういう感じで使われてるだけで、普通の街並みだ。
ていうかあんまりにも普通すぎて、文明が発展してくと収斂進化みたいな感じで同じような見た目になるんじゃないかなってくらい普通だし·····
·····そう言われるとガッカリするかもだけど、現代の日本だって京都の昔ながらの街並みはあっても全員が着物を着てる訳じゃないし、古民家にスタバが入ってる事もザラにあるからね。
「うーん····· あっ、ユノエルとミナトエルじゃん、やっほー」
「うわビックリした、どうしたの急に」
「えっ?あっソフィさん!?」
「ところで今日は何やってたの?」
「仕事帰りだけど····· 今日は夜勤だったし」
「私は今度旅行に行くからその準備しに来たらバッタリ会っちゃって·····」
んで歩いてると知り合いの天使が居たから話し掛けてみた。
ガイア様って有名神のクセに変装とかしないで出歩くから目撃情報が結構上がりやすいのよね。
だからそこら辺でなんかやってた知り合いに聞いたって訳だ。
ちなみに2人ともサブの私が天使業をやってる時に知り合った友人ね。
「なるほど、·····ところでガイア様見掛けてない?探してるんだけど」
「見てないなぁ·····」
「私も·····」
「そっかぁ、2人ともサンキュ!あっそうだ、また今度フシ町に来てよ、なんか奢ったりするからさ!」
「いいの!?」
「ありがと!」
·····だけど、ガイア様は見かけてないようだった。
あんにゃろ何処行きやがった。
◇
「·····あの」
『うーん、キミにはこれとか似合うんじゃない?』
「えっと」
『それともこっちかな!やっぱ銀髪には黒のゴスロリが似合うなぁ』
「その〜·····」
『でもでも!やっぱりピンクもいいよね!!ねぇどう思う?』
「あの!!」
『うん!やっぱり黒にしよっか!店員さんお会計お願いしますー!!』
「かしこまりました、クガネ様はお得意様ですので、仕立て直しの魔法代は無料で構いません」
『いいんですか!?良かったねソフィちゃん!これですぐ着ていけるよ!!』
「·····勝手にゴスロリ着させられたし買われちゃった」
·····えっと、何が起きたかを説明すると、この世界の銀座的なショッピングストリートを歩いてたら乳神ゲフンゲフン、恋愛神のクガネ様に捕まって近くのゴスロリ系の服屋に連れ込まれちゃったのよ。
この人、胸がデカすぎて普通のゴスロリは着られないからって人を着せ替え人形にしたがるからなるべく近付きたくないのよ·····
ちなみにウチにもうゴスロリだけで10着あるし、いま11着目が増えた。
·····まぁ、これ1着で目ん玉飛び出そうな値段するから貰えるもんは貰っとくんだけどさ。
「で、あの·····」
『どうしたのまだ何か欲しいのある?ワタシ買ってあげるよ!!』
「違う違うそうじゃない、ガイア様見ませんでした?って聞きたかっただけなんです!!お知り合いなんで見てないかなって思ったんですけど」
『居たらとっ捕まえて着せ替え人形にしてるよ!それよりも!せっかくなら天使界隈の服も見に行かない?その銀髪と青い目に白と青の服が似合うと思うんだ〜』
「い、嫌っ·····!!えっと、その、私この書類にハンコ欲しいんでガイア様探してるんですけど·····」
で、クガネ様はガイア様との古い知り合いで、昔からガイア様を着せ替え人形にしてきたせいで避けられ気味の恋愛神だ。
·····うん、捕まった時点で察してたけどガイア様はやっぱりいなかった。
『そうだったの!?そうなら早く言ってよ〜』
「一番最初に言ってる時に問答無用で連れ込まれたんですけど·····」
『でもいい服買えたでしょ?それにどうせ見つからないんだからもっと見ていこうよ!問題は時が解決してくれるって言うでしょ?』
·····ダメだこりゃ。
私は諦めて天使界隈な服も勝手に買われて着させられ、ようやく開放されたのは1時間後の事だった。
◇
で、その後も捜索を続けてるんだけど·····
『·····その格好で出歩いて恥ずかしく無いのかしら』
『すっごい目立ってたよー?』
「ハズカシイデス····· でも脱ぐとどっかから乳神が出てきて着させられるんです·····」
今はガイア様の数少ないご友神で、お茶会をしてた氷神のグレイス様と混沌神のミシング様に会いに来たんだけど·····
·····うん、あの乳神に着させられた天使界隈のフリフリまみれのブカブカパーカーに変な羽が生えてるショートパンツ&アクセサリーにルーズソックスとヘッドドレスもつけた完全セットだ。
まぁ、うん、まだ若いし私可愛いから似合うっちゃ似合うけどさ、うん、痛々しすぎて鏡が見れないくらいの姿のままなのよね·····
ちなみに脱ごうとしたら空間を腕力と乳力でこじ開けて乳神が出てきて止めに来るから脱げないのよ。
『なら仕方ないわね』
『むしろあの子の着せ替え人形になってくれてありがと〜』
「めっちゃ似合うようにコーデしてくれるのが困るんですよね····· じゃなくて、聞きたいことあるんですが大丈夫ですか?」
『いいわよ、何かしら?』
『何聞きたいのー?』
「ガイア様どこに行ったか知りません?書類にガイア様のハンコ必要なんですけど·····」
『大変ね····· ガイアは連絡無しで何処か行くものね、だから当然私にも連絡は来てないわ』
『ごめんね〜、わたしも知らないんだ〜』
「うぅーん····· 困ったな、天魔様の所は行ってたら分かるし·····」
『絶対ケンカして地震起きるもんね〜』
ちなみに天魔様は地獄を管理してる神なんだけど、仲は悪くないんだけど話してると2回に1回の確率でヒートアップしてケンカするから行ってたらわかるのよね。
だって大喧嘩に発展すると地震起きるし、天魔様お付の人から止めに来てって連絡くるし·····
それが来ないってことは、天魔様のところにもいってないって事だろう。
「はぁ····· 探すの大変すぎ·····」
『もしかしたら帰ってきてるかもしれないわよ?一旦戻ってみたらどうかしら』
「そうしまーす」
◇
という訳で帰ってきたんだけど、ちょっと急ぎでカメラを回してんだけど·····
「·····ガイア様の部屋の鍵が開いてるんだけど」
なんとガイア様の部屋に入れてしまった。
っていうか、なんか鍵どころかドアまでちょっと開いてたのよ。
いやまぁ、普段からちょいちょい開けっぱなしにしてんだけど、部屋の出入りが多い時に開けっぱにしてるだけで居ない時はきっちり施錠してんのよね。
·····昔、私がなんか面白い物とかないか探しに侵入してから厳しくなったのよ。
そ、それはさておき、ああやって雑に開いてるって事は中に居る可能性が高いし、こんだけ探したし入る理由もあるから侵入させてもらってもいいだろう。
「って事でオジャマ·····」
\ガチャリ/
「·····うん、居ないわ」
で、入ってみたんだけどガイア様は居なかった。
というか居たらすんげぇ勢いで捕まえに来るから確実に居ないわ。
「んっふふふ····· 折角だし色々見させてもらっちゃおーっと」
だから部屋を勝手に見させてもらうことにした。
·····と言ってもまぁ、部屋を荒らすとかそういうのじゃないけどね。
ちょーっと弱み握れないかなぁって思ってさ?
んぐふふふ·····
「·····あっ!没収されてたブラックホールパチンコ!こんな所にあったんだ!もーらいっ☆」
うん、これは奪われた物取り返しただけだからセーフ·····だよね?
よしセーフってことにしとこ!
んでんで、他には〜·····
ブラックホールパチンコを奪い返した私は、相変わらず汚いガイア様の私室を探索し始めた。
·····まぁ大半がゴミとか片付けてない物だから大した物ないんだけどさ。
「どっかに隠してるエロ本とか、黒歴史のポエムとか置いてないかな〜、ベッドの下はどうっ·····汚ったな、埃まみれじゃん、丸まったティッシュくらいしかないし····· 捨てとこ」
この時の私は、何を思ったかガイア様が捨ててないゴミをかき集め始めた。
·····バレたら怒られるってのに悠長に何やってんだか。
まぁ結論を言うとバレなかったんだけどね、だってガイア様は·····
「ん?こんな部屋あったっけ·····」
ゴミ捨てにゴミ箱のありそうな方へ向かっていると、明らかに隠し扉らしき扉があった。
·····前侵入した時こんな扉なかった気がするんだけど?
あっよく見たらこれ時空魔法で作った、どこ〇もドアみたいなドア型の転移魔法だ。
しかもなんか半開きの更に半分の半分開きになってて中覗けそうだし·····
·····あそこの中にいるのかな?
「ちらりずむ」
私は空いてたドアを開けて中を覗き込むと·····
「·····なに、ここ」
そこには白亜に眩く煌めくどこまでも広がる砂が広がる白い大草原のような場所だった。
「砂丘みたい····· うん?えっ、この砂光沢が金剛光沢だし····· 全部正八面体·····!!?まさかこれ、全部ダイヤモンドじゃ·····?」
どうやらこの砂、全部ダイヤモンドらしい。
しかもそれが枯山水のように綺麗に整えられて並べられ、見渡す限りどこまでも、無限に続くほど沢山敷き詰められたダイヤモンドの大砂漠が扉の向こうに広がっていた。
あ、あんにゃろ····· 石好きの私に黙ってこんな素敵な趣味部屋を·····
「·····ん?眩しくてよく見えないけど、なんか奥に見える····· あれは·····島?なんか木が生えてるような·····」
ふと目線を上げると、ダイヤモンドの大砂漠の中に白亜の道が続いていて、その遥か先に何かダイヤモンド以外の物があるのが見えた。
その辺だけ色が違くて緑っぽく見えるから、まるで砂漠のオアシスや、絶海の孤島のような不思議な感じがした。
そしてそこにはまぁまぁ大きめな木らしきものも生えていて·····
「うぅん····· 木の根元になんかあるんだけど····· よく見えないわ」
よく見えないけれど、根元に何か人工物らしき物が見えた。
ちなみに今の私の視力は10を超えていて、天体望遠鏡並みだ。
だからこそダイヤモンドの煌めきが眩しくてよく見えないんだけど、しっかり目を凝らしたらだんだん見えてきた。
「·····墓石?あっ居た、ガイア様だ」
そこには墓標のような数十枚の石の板と、1番中央にあるのに歯抜けのように空いてる隙間にちょこんと座って目を瞑ってるガイア様が居た。
「何してんだろ····· そういえば、ガイア様の過去とかって全く聞いた事ないけど····· なんかあったのかな」
あんだけ普段から騒がしいガイア様が、珍しく寂しそうに体育座りして目を瞑って思い耽ってるのを見ると、流石に何かあったのかなって思ってきた。
·····周囲にある墓石の名前を見たらなんかわかるのかもだけど、あんま触れない方がいい気がしてきた。
正直この部屋の事も含めてかなり気になる事だらけだけど、たぶん本人的にはあまり触れて欲しくない事だろうから、私を部屋に入れてくれなかったんだろう。
私も小さい頃、色んな秘密を隠すためにみんなを部屋に入れてなかったからその気持ちはわかるし·····
「·····書類はまた後でいいや、そってしといてあげよっと」
私は覗き込むのを止め、証拠隠滅にブラックホールパチンコを元の場所に返して書類を持ってガイア様の部屋からそさくさと退散したのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「·····なんだったんだろ、あの部屋、ん?あっガイア様ちーっす、え?『見た?』って何を?·····見ましたよ、ちらっと覗いただけで分かる片付けてない汚ったない部屋をね、掃除くらいしたらどうです?·····そんなことより、この書類にハンコお願いします、めっちゃ探したんですからね?·····え?ハンコどこ行ったか分からない?部屋くらい片付けとけコンニャロウ!!!」




