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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第七章 TS賢者は子育てに奔走するっ!
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千変万化のラスボスっ!



 謎の星核合金の正体を突き止め、更にダンジョンであるグラちゃんに頼んでトラップの解析を行った結果を分析しながら、最後の層である地下16階を目指して進んでいた。



「ダンジョンの力で金属を複製する····· 完全に物理法則を無視してるけど魔法とダンジョンが組み合わされば十分あり得る、ただそこまで大量に金属を生み出せる訳じゃない·····」



 そんであのトラップに関しては同様の物を既に2か所見つけて検証をしたのだが、どちらも動いておらずどうやら先程の大量複製の影響でトラップ用の魔力が底をついてしまったらしく、それどころか普通の落とし穴とかの物理的に仕掛けてあるトラップ以外に関してもマトモに動かなくなってしまっていた。


 でも金を数十キロ分も製造してしまったのだから相当な魔力を蓄えていたと思われる、·····ただその魔力が底を尽きてしまったから、これからの複製に関してはあまり大量にはできないかもしれない。



「ソフィさまー!階段ありましたよ!!下に扉です!ボス部屋ですよ!!」


「ん?あっ了解、よし集中しy····· んっ?」


「どうかしたんですか?」



 もうすぐラスボスらしいけど、ちょっと変な事に気が付いた。


 さっき複製しまくってた金の詳細解析をしてたら、なんか変な結果が出た。

 まるで『紅砒ニッケル鉱』のように、金っぽいのに金じゃない性質の物が混ざってたのだ。


 それがあの3人組が複製しまくった金の最後の方の小さい粒で、見た目は金なんだけど特性が違った。

 比重は7程度で金の半分以下で、電気の通りや熱伝導率も違うし、硬さや粘り強さも全く違う別物が入ってた。

 んでただの金にしては妙に魔力を感じるし、そもそも金じゃないから、たぶん未知の魔導金属の可能性が高いかな·····


 とりあえずアカシックレコードを使った解析で·····



「·····なにこれ?メタモルニウム?未知の魔導金属····· いや、なんか泡っぽいっていうか、生体組織っぽい?なんだこれ」


 ·····なんか知らんモン出てきた。


 とりあえず割ってみると、断面が暗い青緑色をした金属でできてて、少なくとも金では無い謎の金属でできていた。

 そして名前はどうやら『メタモルニウム』と言うらしい。



「もー!ソフィさま!早く来てくださいよー!」

「開けちゃうけどいいの?その前に爆弾を沢山作ってっと····· よし先にこれ投げ込んで爆撃しとこ」

「何か悩んでいるようだ、少し待つ方がいいだろう」


「いや後でで大丈夫だから、気を付けて開けるんだよ」


「はーい!じゃあボス戦ですっ!」



 クソ気になるけど、まぁ今は気にしてる暇はないので私は考えるのをいったん中断してラスボスとの闘いを始めようとした。


 ·····だが、ボスを見て私は驚愕した。



「·····メタモルニウム?」



 広いボス部屋の真ん中には、まるで暗黒騎士のような姿をした3mほどのかなり強そうなゴーレムが、地面に巨大な剣を突き刺して私たちを待ち構えていた。


 ·····だが、その鎧に見える装甲は暗い青緑色で、私がさっき初めて見た『メタモルニウム』そっくりだったのだ。



『·····』

\ガゴン/

\ギギギギギギギギ·····/


「う、うごいたっ!?」

「そりゃ動くでしょ!とりあえず目指すはパーフェクトゲーム····· っと、爆弾でも喰らえ!!」

「戦闘態勢に入ろう、魔導書展開」


「えっ、メタモルニウムゴーレム!?何それ初めて見たんだけど!?」



 地面から剣を抜き放ち、鎧がぶつかるような音を立てながら不気味な暗黒騎士が動き始め、見習い聖女たちも戦闘態勢に入った。


 私は未知の材質のゴーレムに警戒し、メタモルニウムの分析を続けながら戦闘を開始した。





 ガキャンッ!


 ギュインッ!ガキンッ!


 ギャインッ!



「くっ、結構強いっ!」


「頑張って下さい!ソフィさまっ!」

「爆発が効かないなんて····· ええいっ!」

「ふむ、光速弾は当たるが効果は薄いようだ····· 反射されてしまっているな·····」


「シトラちゃんは発動の予兆が掴まれてる!厄介すぎるコイツ!カメレオンかよっ!」



 私は1対1でメタモルニウムゴーレムと戦っているが、神化していない上に3人のために手を抜いてる私では割と苦戦する相手だった。


 かと言って本気を少しでも出すとあっという間にバラバラにしてしまうし、攻撃しなくても防御だけで相手をぶち壊してしまうので迂闊に手を出せない。



「くらえ、光速弾」


『·····』

\ギュンッ/


「ちょま!それだとバレて対応····· へぴゃんっ!」



\べちぃっ!!/



 そして何より厄介なのは、このゴーレムは暗い緑青の部分、メタモルニウムの部分の材質が変化して、状況に合わせた金属を使って攻撃してくるのだ。


 現在変化したのを確認したのは、鉄、銀、(たぶんオリハルコン)、ミスリルかアルミニウム、アダマンタイト、そして星核合金の6種類だ。


 今はシトラちゃんの光速弾を反射するため、持っていた盾を変形させ凹凸を減らした形状にして材質を銀にして弾丸を完全に反射させてきて、しかも私の顔面に直撃させてきた。



「いてて、こんにゃろー!イデアの『天上の光』に比べたら痛くないけど痛いんだぞてめぇ!」

「む、僕の魔法が劣るなんてなんたる屈辱、ならばもっともっと威力を」

「やめてまた私の顔面に直撃するからっっせぇいっ!!」


『·····』


\ガキャッ!/


「ちっ!変化が早い、どうなってんだこの金属っ!」



 私は銀になったのを見計らって切りつけたが、盾がアダマンタイトになっていて切り裂く事に失敗してしまった。


 余談だが銀は金属の中で最も美しい金属光沢を放つ金属だ。

 何故なら銀は全ての元素の中で最も反射率が高く98%近い光を反射してしまう特性があるため、非常に美しいのだ。


 そしてシトラちゃんが放った光速弾はほぼ完全に光でできた弾丸で、鏡に当たるとほぼ全て反射されてしまうのだ。


 だが銀は柔らかくて武具にするには向いていないのだが、いつの間にかアダマンタイト····· 魔導化タングステンに変わっていて私の星核合金の剣を防いでしまった。


 これじゃラチがあかないわ、少なくとも刃物系との相性がめちゃくちゃ悪いし·····


「·····んふっ、じゃあコイツの出番かぁ?」


\ギュオンッ/


 ガシャコンッ!!

 ガッキャァアアアンッ!!


「対物専用爆砕鎚『撃滅鎚 轟雷』、生物に当てると酷い事になるから封印してたけど、ゴーレム相手ならばっ!!」


 私が取り出したのは、改良を加えた『30mm爆裂魔導火薬式アダマンタイト弾』を6発装填するハンマー『撃滅鎚 轟雷』だ。

 前は振る瞬間に起爆して加速する用に使ってたけど、そのタイミングを変えてハンマーが直撃した衝撃で起爆するようにしてインパクトの威力を向上した代物だ。

 しかも先端が飛び出すように穴も開けてあって、1度使うと取り出すのがクッソ大変だけどまるで6連パイルバンカーの如く衝撃を相手に伝えるとんでもないバケモノに仕上がった逸品だ。


 ちなみに1mmの星核合金装甲がベッコベコに凹む威力がある。

 まぁ校長先生の『懺悔拳骨』の方がヤバいけど、それを人為的に再現すべく作り上げた至獄の逸品だ。



「装填完了、さぁ行ってみよっかぁ!!防音魔法を全員に付与!いくよーっ!!せぇの!!」


 ブォンッ!!


『·····』


 ガッ!!!!!

 \カチッ/


 █

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  █ █

  █ █


  █ █



 キイイイイイィィィィィン·····


『·····!!!?』


「う、うへぇ····· ゴーレムがベコベコに凹んだ·····」


「み、耳がキーンってする·····」

「な、なにあれ」

「内部に爆裂魔法を仕込んで衝撃を伝える武器だろうか、だが数トンはありそうなゴーレムの巨体が浮き上がるどころか吹っ飛んで反対の壁にめり込んだのは明らかに威力が過剰だ」


『·····』


 ガラガラガラッ·····


「·····もう直ってる、瞬間的に鉛に変化して形状を戻しやすくしたのか、って事は内部構造が機械的じゃ無いって事かな、戦車に当てたら中身も粉微塵に出来る代物をぶち当てたってのに·····」


 が、ゴーレムは壁にめり込んでベコベコになったものの、衝撃の瞬間に極めて延性が高く衝撃を効率よく受け止められる金に変化する事で崩壊することなく吹き飛び、衝突後にとてつもなく柔らかい鉛に変化する事で変形を修理したようだった。



「強い····· Aランクは確実にあるかな」


「ワシらも手を貸そうか?集団でゴリ押しすれば楽勝じゃろ」


「いや、良い、私が倒すっ!」



 んで実はボス部屋には探索を終えたなかよし組のメンバーが勢揃いしていて、みんな探索を終えてのんびりと休憩しながら観戦していた。


 そんで苦戦してるのを見てエビちゃんが助太刀を申し出たけど私は突っぱねて、硬いアダマンタイトにぶつかり痺れている手を動かして再びゴーレムに斬りかかった。



「シトラちゃん、なんか気がついたこと無い?」


「むむむ····· 見ていると材質によって変化に時間がかかっている、特に星核合金?という合金は強力だか変化には時間がかかるようだ、そこが何かヒントになりそうなんだが、よく分からない·····」


「さっきのトラップと同じ!金属の特性によって変化に掛かるコストと時間が変化してるっ!」


「なるほど·····」



 戦ってて分かったけど、コイツの金属変化はどうやら材質によってかかる時間が変わってくるようなのだ。

 まぁアダマンタイトでも一部だけなら数秒で変化できるあたり相当な変化性能だけど、何度か星核合金に切り替わった時は手に持っている大剣の如き剣だけでも1分もかかっていて、簡単なことでは無いと分かった。


 だから多分コイツは普段は星核合金を混ぜた鋼鉄かミスリルで戦っていて、いざとなるとアダマンタイトやオリハルコンに変化するらしい。

 しかもダメージによって材質を変化させ、斬撃には星核合金でも中々切れない星核合金配合のアダマンタイトにしたり、衝撃には鉛や金に変化する事で重さと柔らかさで受け止める変化をしてきている。


 ·····つまり、このゴーレムはそんな器用な戦い出来るくらい知能が高いのだ。



「おっ、分析結果出た!ふふふ、お前の正体と攻略方法を見破ってやるっ!」



 なんて時間を稼いでいたら、このゴーレムに使われているメタモルニウムの分析が完了した。



「主成分は·····マギケイ酸ゲル!?えっ、これって·····」



「もしかして、ゴーレムじゃなくて、スライム·····?」






 この世界にはスライムという魔物が大きく分類して2種類存在している。


 『燃えるスライム』と『燃えないスライム』だ。


 おいゴミみたいだって言うな、これマジなんだから。

 ついでに『萌えるスライム』っていう人型のスライムも居るからな?ホンタさんの村で会ったことあるけど結構可愛かったわ。



 ·····それはさておき、燃えるスライムと燃えないスライムは見た目はあまり変わりないが材質が大きく異なっている。


 燃えるスライムは有機物で構成されており、植物や肉を食べて生活している。


 対する燃えないスライムは『マギケイ酸ゲル』という特殊なゲルでできており、岩石や金属を取り込んで生活している。


 どちらも水分を多く含みプルプルはしているし分かりにくいけど、岩の多い場所や極寒の地に居るスライムはマギケイ酸ゲルを含む燃えないスライムで、草原や森や街中に居るスライムは燃えるスライムが多い。



 ·····もっと簡単な判別方法として、ガスバーナーで炙ると燃えるスライムは焦げて、燃えないスライムは水分が蒸発して縮む。

 あっでも気をつけてね、時々『爆弾スライム』とか『オイルスライム』とか『ニトロスライム』とか居て、そいつに火をつけると····· 結果は火を見るより明らかだし、実際に爆炎を全身に感じる事になるから。

 ちなみに私は何度も爆破に巻き込まれてる、だって火魔法投げ込むと面白いんだもん。



 そしてこのマギケイ酸ゲルが『メタモルニウム』から検出されたという事は、これがスライムに関わるモノであり、自由に変形して材質を変えて戦っているあのゴーレムの正体がスライムであると示しているのだ。


 んでどうもさっき拾った金の粒が発泡素材だったのは、金属の隙間にマギケイ酸ゲルが入ってたかららしい。


 ついでにメタモルニウムが他の物質に変化できる理由を調べたら、なんか触れた金属をメタモルニウムに入り込んだマギケイ酸ゲルが感知して情報を伝搬して変化する、って感じっぽい。


 つまり、アレはゴーレムじゃなくてヤドカリスライムとか貝スライムっていう方が正しくて、スライムが自身を守るためにメタモルニウムという殻を使い、身を守るために材質を変化させてる金属と無機スライムが共生した存在がこのメタモルニウムゴーレム·····否、『メタモルニウムスライム』という訳だ。



 ということは、つまり·····



「えっ、そ、それって、つまり、あの金の槍·····」


「偽物だね、残念ながら」


「えええええええええええっ!!?なんでですかーっ!」


「いや私に文句言われても·····」



 そう、こうして材質を変化させて戦うスライムを見ればわかる通り、さっきトラップで出てきた金も、星核合金も、全部『メタモルニウム』だったのだ。


 多分だけど魔力が抜けたら元のメタモルニウムに戻ってしまうだろう。



「大金持ちになる夢が·····」

「がっくしなんだけど·····」

「僕の、僕の計画が全部崩れてしまった·····」


「·····でもほぼ未知の万物変化金属って、たぶんこれ世に出せないレベルでもの凄い貴重なモノだから、ギルドとか魔法学校とか国の研究機関相手に相当高く売れるよ?ちなみに私が発見者じゃなかったら·····キロ単価300万で取引持ちかけるかな」


「「「えっ!!?」」」



 だがしかし、ぶっちゃけ言って金なんかよりこのメタモルニウムの方がめちゃくちゃ高いだろう。


 何せ一時的にでも好きな金属に変化して、特性までほぼ完全にコピーして扱える金属なんてヤバすぎて使い方が無限に思いつくようなモノを国が無視するわけが無い。


 ってことで·····



「報酬は山分けだよ、だから·····」


「「「だから·····?!」」」


「アイツをぶっ倒すよっ!!」



「「「はいっ!!」」」



 一段と気合いが入った私たちは、私が死んで3人に死という物を感じさせるという目的をすっかり忘れてスライムを徹底的にボコボコにして倒してしまったのだった。



 こうして、見習い聖女ちゃん3人を連れたダンジョン攻略は幕を閉じたのだった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「ちなみに倒し方はシトラちゃんに全方位から光魔法を当ててもらって材質を銀にさせて、そこをフィグちゃんとマルスちゃんが別の魔法で総攻撃を仕掛けて倒すって感じだったよ、もちろん私は盾役ね、·····マルスちゃんの爆弾魔法にめっちゃ巻き込まれたけど」


名前:フィグ

ひと言コメント

「えへへ····· これでお菓子作りの道具が沢山····· うぇへへ·····」


名前:マルス

ひと言コメント

「バカフィグ、その前に服を買わなきゃダメでしょ?脳みそメレンゲになってんの?特にショーツ買わないとだし、そもそも1つしか持ってないってバカなの?ソフィ様も何とか言ってやって····· え?なんで目逸らしてんの」


名前:シトラ

ひと言コメント

「このメタモルニウムとやら、少し貰っても良いだろうか?個人的にすごく気になるのだが····· 国で管理するからダメなのかい?·····少しくらい良いじゃないか、·····やっぱり駄目なのかい?むむぅ····· ·····ふっひひ、こうなると思ってポケットにひっそりさっきのゴーレムの破片を入れてくすねておいたのだ、やはり僕の洞察力は未来予知じみている、·····何?それをベラベラ喋ったらバレる未来は予測できなかったのかって?僕ぁ自身の思考を常に口にして人々に知恵を授ける役目を天から授かっているのだ、端的に換言するならば独り言多めの天才不思議ちゃんという訳だ、だが今日ばかりはそれが裏目に出たようだ、あっダメ僕のメタモルニウムをとるなぁ!!」

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