問題!Emethをどうすればゴーレムは倒せるでしょうか!
『『ごちそうさまでした』』
「ゴスィソーサアレシタ?」
「違うちがう、ゴッソーサマレスタ·····あれ?」
「どちらも間違っている、たぶん僕らには発音がむずかしい言葉だ、どこの国の言語なのだろうか」
1時間ちょっと後、私たちはお昼ご飯を食べ終えてお腹を落ち着かせるためちょっと休憩を始めていた。
まぁ隣のボス部屋からずっとゴーレムがこっち見ててウザいんだけど、こっちには来ないし攻撃もしてこないみたいなので気にしない。
「で、みんな成果はどうだった?」
「うへへ····· 売れそうなモノがあったら片っ端から持ってきちゃった!結構売れそうなモノが多くてほんといいダンジョンだねここ!」
「僕は特にほしい物は無かったかな····· でも魔物の魔石とかゴーレムのコアとかパーツはよさそうな所だけもってきておいた、もしかしたら魔道具の修理に使えるかもだし」
「私は自分で出せるから貰わなかったわ、だからひたすらマッピングしてたから誰よりも進んでると思うわよ」
「魔物はぜんぶ消し飛ばしちゃったから素材とれなかった····· 宝箱は少しだけ開けたけどコレ\ㇱュウウウウンッ/以外いいの無かったなぁ」
「ワシも狩り専門じゃったから宝箱は豪華そうなの以外無視したのじ·····ウナお主のそれなんじゃれ!?!?ワシにも!ワシにもやらせてほしいのじゃ!!めっちゃカッコイイのじゃ!!」
「ねながらやった、だから、何もとってない·····」
「アチシは魔物っけたくさん倒したっな!へなけどマズいのは置いてきたっけ!」
「9階までは特にめぼしい物はなかった感じかぁ····· 微妙に美味しくないダンジョンだなぁ·····」
どうやらこのダンジョンは旨みが少ないダンジョンのようだ。
そもそもゴーレムがいる時点で割とハズレ気味で、唯一旨みがあると言っていいお宝もショボかった。
ちなみにダンジョンではゴーレムはかなりな嫌われ者だ。
戦うと硬いから武器が痛みやすいし、硬くて倒すのに時間がかかるから体力も使うし、倒しても食えないし、素材の用途も限られてそんなに高く売れないという欠点まみれなヤツなのだ。
その代わりにゴーレムが金属素材で沢山出たりするとダンジョンの利用価値は格段に上昇し、さらに普通のゴーレムばかりの場合は何故か宝箱の中身が良くなる傾向があるのだ。
でもこのダンジョンはどちらも当てはまらない『ハズレ』のダンジョンだったみたいで、みんなに頼んで各階層を隠し部屋から落とし穴の底まで片っ端から調べてもらっても、報酬は私たちが見なくてもショボいものばかりだった。
「幸か不幸かわからないけど魔物はそんな強くないし、入り口近くだったら初心者の練習には丁度いいかなぁ·····」
「·····でもソフィちゃん、ここからが本番っぽくない?」
「だよねぇ·····」
ただ、地下10階へ続く階段を守るゴーレムは今までとは桁違いに強い存在だった。
今まで出てきていたのはそこら辺の岩を改造して機械タイプのゴーレムにしたような見た目だったのに、この中ボスゴーレムは明らかにちゃんと作られたゴーレムだった。
腕は某ロボットの兵隊のような多関節の腕をしており、手は前後左右に4本の爪があり真ん中には多分魔法攻撃用の砲門があり、足はかなり太く頑丈そうで装甲でガッチガチだ。
頭は胴体から半球状のような形でついていて、そこにモノアイのような無骨な目というか光ってる部分があって、頑丈そうなガラスで守られていた。
背部はさっき千里眼で見たけど放熱装置やミサイル発射装置とか色々あって、多分だけど装甲は分厚い魔鋼鉄製だからかなり厄介な相手だ。
それに魔導障壁とかも展開してくるだろうから、普通の冒険者じゃ勝てっこない相手だ。
まだ戦ってないから何とも言えないけど、少なくともCランクは確実にあるだろう。
あっちなみに多分新種の魔物っていうか見た事ないタイプの形式のゴーレムねコレ。
「·····ねぇみんな、食後の『デザート』の時間にしない?」
「あーいいね!そうしよー!」
「僕も参加するよ、歯ごたえ無くてちょっと飽きてきてたんだよね」
「そうね、アレなら丁度いいわ」
「わたしも参加するー!」
「ふむ、食後にはピッタリじゃな」
「んー、パス」
「アチシもへなやっけー!」
「デザートですかっ!?ハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイッ!!!私に任せてください!」
「私は遠慮しとこっかなぁ、おなかいっぱいだし·····」
「僕ぁもうお腹いっぱいだ、いくら空腹とはいえ僕の胃袋は小さい、デザートなんて入る隙間はもう無いのだ」
「おっフィグちゃん一人でやるの?」
「はいっ!もっちろんですよ!私の腕前、見せてあげます!!」
「えっ凄い、頑張ってねフィグちゃん!」
「一人でやるのかぁ、僕でも遠慮したいくらいなのに·····」
「度胸あるわねこの子、少し見直したわ」
「頑張ってね!フィグちゃん!」
「蛮勇も時には成長の糧となるからのぅ、頑張るのじゃぞ」
「ん、がんば」
「すげっけ!アレ一人でやっけ!?アチシでも嫌だっけ、おまへなったな!へながんばっけってな!」
「ふふんっ!私が一人でちゃちゃっとやっちゃいますよ!何せ私はデザート作りの天才ですから!!」
◇
「·····で、なんで私がゴーレムと一人で戦わされてるんですかーっ!!!」
「だって『デザート』一人でやるって言ってたじゃん」
「デザートじゃないじゃないですかー!!!」
『GbTkpvk- 3- 5 -36-1 aQonxp·····』
ギュォォォオオオオオンッ
ゴゥンゴゥン·····
ズゴォンッ!
ギギギギギギギギッ!!
「ぎゃーーーーーーーーっっっっ!!!動き出しましたよぉぉおぉぉおおおっ!!!??こっち、こっちみてます!しん、しんじゃいますってー!!!」
名も無き新発見ダンジョン第9層に居る中ボス、未知の巨大ゴーレムがいる部屋に1人の少女が放り込まれた。
彼女の名はフィグ、お菓子作りが趣味の見習い聖女だ。
その実力は多く見積ってもEランク程度、魔法の強さのみを見ればCやBに余裕で匹敵する実力はあるが、総合的に見てEランクが妥当な程度の弱さだ。
対するゴーレムはソフィ・シュテイン曰くCランクは余裕であるという強力な身長5m近い巨大な機械仕掛けのゴーレムだ。
このゴーレムは本来、私たちなかよし組が食後のデザートで弄びながら倒そうとしていた相手だが、何を勘違いしたのか·····いや、100%趣味のデザート作りと勘違いしたフィグが、あろうことか一人でやると言ってしまったのだ。
故に、彼女は一人でゴーレムと戦わされそうになっていたのだ。
『DDebpzh-MRHLgop—-30¥2’』
「ひぃぃぃいいいいっ!!!?? 近寄らないでくださいぃぃぃいいいいっ!! なんで、なんで戻れないんですかぁ!!しんじゃいます、本当にしんじゃいますからぁ!!!たすけてくださぁぁぁぁあああっいいいいっっっっ!!!」
\べこんべこん/
\ぽこんっぽこっ/
だが現実は非情だ。
ダンジョンのボス部屋はボスがいる時は基本的に一方通行で、出ることはできず彼女は追い詰められていた。
怪力をもつゴーレムに襲われたら、ただの人間である彼女は一溜りもなく踏み潰されて死ぬだろう。
『Gfivved——6,;016’”-/』
「ひぃぃぃいいいっ!!あぁ、もうダメだぁ····· 私死ぬんだ····· ルミナリアさま、どうか哀れな私を光へお導きください····· お菓子を作りすぎたのは反省するので、お許しくださいませ····· ルーメン·····」
そして彼女は地面に頭を抱えて蹲り、ゴーレムはその小さな少女を容赦なく踏み潰そうとしていた。
「·····まぁ今回は私達も知ってて入れたし助けよっか、行くよみんな」
『『了解!』』
/
ドッッッッッッ!!!
\
『Gnao-hUamlp__——Yyyyyyy9’007,5:41』
\
ゴォォォオオオオオンッ!!
/
·····が、少女が踏み潰される事は無かった。
ボス部屋に乱入してきた神と魔王に蹴飛ばされて、広い部屋の反対側へ超電磁砲の砲弾の如き勢いで吹き飛ばされ壁に衝突したからだ。
「ふふ、啓蒙な信者ね、ではその信仰心に免じて、貴女が頼った光の大精霊ルミナリア・サークレットが特別に加護を与えるわ、ここに居なさい?護ってあげるわ」
「る、るみなりあ····· さま?」
そして、震えていた少女の前に、彼女が信仰する光の大精霊が現れて彼女を起き上がらせた。
しかしそれだけではない。
「まぁわたしなんだけどね!」
「そしてわたしでもあって?」
「わたしもわたしなのよね·····」
「ウナさまがたくさん?そういえば、ルミナリア様と契約したって·····」
「勇者は弱者を守る運命!『勇者覚醒』!黄金色の勇者姫っ!!」
「共鳴神化、·····する必要あったかな、まぁいいや」
「チッ、ダンジョンの力は制限されてるわね····· 仕方ないわ、このまま行くわ」
「·····アイギス、守れ」
「アチシもまぜっけー!!」
「神化っ!!」
「魔神化っ!」
「んじゃみんな!配置について!」
『『了解っ!!』』
世界最強のSランク冒険者パーティー『なかよし組』のメンバーほぼ全員集まり、総攻撃を始めたのだ。
もし神、現人神、魔王(魔神)、勇者、ダンジョン、深淵の光の大精霊4重少女、人工熾天使、絶淵の狩人が本気で食後の運動をしたらどうなるか。
そんなもの、見なくてもわかる。
/ずがん!!↘\ \ドガンッ!↓/
/ ↗ ↘ ↗ ↓
ドゴンッ!↗ ↘ ↓
\ ↗ ↘ \ ↓
↗ ↙ベゴン! ↓
↗ ↙ / ↓
↗ ↙ ↓
/ ↗ ↙ ↓
バギャァン↗! \ガシャン!!/
\
「·····なん、ですか、アレ」
「遊んでるわねぇ、そろそろわたしも混ざっていいかしら?うふふ·····」
広い部屋の中で、目にも止まらぬ速さでゴーレムが1度も地面に足を付けることなく、為す術なく超高速でキャッチボールされていた。
いや、キャッチボールは表現として正しくない。
例えるなら、金属バットでボールを打ち合っているような、とんでもない事が起きているのだ。
部屋中にゴーレムがぶっ飛ばされる轟音が絶え間なく響き渡り、ぶっ飛ばされる度にどこかのパーツが吹き飛びボロボロになり、辛うじて発射したミサイルもレーザーも全て反射され打ち返され、高速で飛ばされているゴーレムに全て直撃していた。
圧倒をも通り越した蹂躙にも拷問にも見えるソレは、最早恐怖でしかない。
そして何より、これだけやっていても全員遊んでいるだけなのだ。
その証拠に、全員が楽しそうな笑顔を浮かべていた。
だがそれは傍から見たら恐怖でしかなかった。
◇
一通りゴーレムキャッチボールした私たちは、満足して元の休憩室に戻ってきた。
·····そう、戻ったということは倒せたという事だ。
っていうかゴーレムが打ち返せないくらい木っ端微塵になっちゃったから終わりにしただけなんだけど。
「戻ったよー、さてと体も温まったし回収してさっさと最下層に行こっか!」
「待ちたまえ、ゴーレムとは本来特定の回路やコアを破壊しないと倒せない相手でないのか?なぜ倒せたんだ·····」
「·····ゴーレムはEmethからEを抜いてmethにすると倒せるっていう言葉遊び知ってる?」
「それは理解できるが·····」
「でもさ?そもそも文字全部バラッバラにして木っ端微塵したら関係ないでしょ?つまりそういう事」
「訳が分からないということがわかった」
そう言ったシトラちゃんの視線の先には、粉微塵になったゴーレムのパーツから良さげなパーツを拾い集めたりコアを探してるアルムちゃんとフィーロ君が居た。
·····あそこまでバラッバラになったらゴーレムの術式とか関係ないよね。
てかゴーレムじゃなくてもスライムとかでも死ぬわアレは。
まぁ私は死なないんだけどねっ☆
「まっ、ボチボチ行くからついてきてね」
「「はーい」」
「はぁい·····」
そしてゴーレム遊びで身体が温まった私たちは、ダンジョンの攻略を再開したのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「タイトルの問題の正解は〜·····『Emethを完全っにバラバラにして消し飛ばせば倒せる』でしたーっ!!みんな分かったかな?」
「·····ちなみに後から知ったんだけど、あのゴーレムどうやらBランク以上の強さがあったらしいよ、しかも耐久特化タイプのクソ厄介なヤツ、だから私たちが5分間遊びで軽くだけど攻撃しても耐えてた訳だわ」
名前:アルム
ひと言コメント
「もうちょい手応えあったらなぁ····· でも素材は良かったから許す!」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「テニスとか卓球って楽しいよね」
名前:グラちゃん
ひと言コメント
「通りでなかなか壊れなかったワケね、納得したわ」
名前:ウナちゃん
ひと言コメント
「サーちゃんナイスフォロー!だからこれからも頑張ってねフィグちゃんっ!」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「トドメで本気でブン殴りたかったのじゃが、気がついたら完全に分解しておったのじゃ····· 糠に腕押しってやつじゃな、·····えっ間違っとる?まぁそんな事どうでもよい、殴り足りぬからとりあえず手当り次第殴り回るのじゃ」
名前:ミカちゃん
ひと言コメント
「ん、まもるくらいなら、やる」
名前:ミナタ
ひと言コメント
「アチシへなっかみちな!さってなっかりゃんっちぱ!へな、かっかんへっぢなわっむぇ!」
名前:マルス
ひと言コメント
「·····行かなくて正解だったわ、やっぱ私運がいいわ」
名前:シトラ
ひと言コメント
「アレが本物の光の大精霊ルミナリア様····· 興味深い、不思議な存在だ····· 是非とも近くで観察させて頂きたいが、無礼になりそうだ、啓蒙なルミナリア様の信者の僕には無理な話だ、今は諦めてフィグの助太刀をしないでゆっくり休むとしよう、僕の体力は有限なのだから」
名前:フィグ
ひと言コメント
「もう帰りたい····· でもルミナリアさまが頑張れって言ったからやめられない····· お菓子作るから帰してほしいかもです····· えっ待っ、腕引っ張らないでくださいーっ!!ギャワーーーーーーッ!!!!?」




