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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第六章 TS賢者は母になるっ!
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贈り物はお困り物っ!



 まず私が手に付けたのは····· というか、本能的に聖女様の贈り物からただならぬ気配を感じて私は先に前世の両親からのプレゼントに手を付けた。



「これは····· グラス?それもペアのグラスだ····· 何か手紙も入ってる?」



 そして中身は、ちょっとお高い綺麗なグラスが2つ入っていた。

 ただ箱が若干古い感じがするような·····


 まぁまずは手紙を読むべきかな。


 なになに?



「·····母さん達の結婚式の引き出物なんだって、フィーロ君と一緒に使って欲しいって書いてある」



 そしてグラスの正体は父さんと母さんが結婚式の時に貰ったか何かしたペアのグラスだったようで、通りで古い感じがしたわけだと納得がいった。


 そんで手紙にはお祝いの文章と、これからもフィーロ君と仲良く頑張ってねというメッセージや、たとえ性別も人種も世界も親も誕生日も変わっても、私の事を息子·····いや娘として誕生日を祝いたいとか、成人した時にはお酒を送るからまた前世の時みたいに家族で呑もうって書いてあってちょっと泣いてしまった。



 何もかも変わってしまって本当に私が賢人だったなんて証拠が無い、ただ賢人だったと主張する怪しい私のことを信じてくれて、こうして手紙を書いてくれた事が私は嬉しくて嬉しくて仕方なかった。



「このグラスは大切に使わせ貰おう····· ありがとう·····」



 私は手紙をプレゼントボックスの中に戻し、専用の箱に入ったグラスと一緒に一旦丁寧にしまっておいたのだった。





 そして前世の両親からの最高の贈り物の後は、とりあえず一呼吸置くために知り合いの贈り物を開けてみた。


「·····レミア、これホントに開けて大丈夫?」

「大丈夫ですぅ····· 私使いましたけど問題なかったのでぇ·····」


「人の誕生日プレゼントを先に使わないで?」


 まずは厄介事から片付けるために、明らかに変なオーラが出てるレミアの贈り物の小包を開けることにした。



\ばりっ!/


「··········レミア?」



 レミアのプレゼントは、こっちのアステカ文明的なソラナム王国の生贄の儀式に使われる血のナイフ(特級呪物)だった。


 なんでもちょっとでも傷が入るとそこから全身の血が吹き出すとんでもない代物らしい。


 どっから仕入れたんだこんなもん。



「ちなみに私でも切ったらしばらく血が止まりませんでしたぁ、普通の人ならかすり傷でも出血多量で死ぬと思いますぅ」


「こんな危ないもん抜き身で入れないで!?ていうか私よりレミアが持っておくべきでしょコレ、気持ちだけ受け取るから!!」

「へぁい·····」


 とんでもない特級呪物は流石に受け取れないっていうか、レミアが持ってるのが1番良さそうだから気持ちだけ受け取ってクーリングオフすることにし


\ちく♥/

「あ」

「あっ·····」


 ·····左手刺しちゃった。



「·····あっ、左手義手だからセーフなのか、あっぶなぁ」

「やっぱ私も使うのやめときますぅ」



 そんなもん送らないでよ、って言いかけたけどせっかく選んで送ってくれたものをこれ以上ボロクソ言うとレミアが落ち込みそうだから言わないでおいた。



「え、えっと次どうしよっかな····· マリアージュのでいいや」


 で、次に開けたのは割り勘を1円未満の単位まで割って出してくる程のドケチのマリアージュのプレゼントた。



「·····普通のお菓子?ってこれマグウェル街に出来たって話の新作スイーツ屋のスイーツじゃん!うわ嬉しっ!!」



 マリアージュからの贈り物は、最近できたスイーツ屋のスイーツだった。

 なんでもマグウェル街に郵便配達に行った時に美味しかったから余分に買ってきたものらしい。


 ちなみにマカロン的なスイーツでそこそこいい値段がしたはずだ。



 で、諸事情でカットするけど、フシ町の他の友達2人からも贈り物があった。


 ·····えっ聞きたい?いやー····· 読者さんにはそんな興味ないモノと、あんま大っぴらに言えないモノ貰ったのよね。


 具体的に言うとリリムからは·····うん、夜用のお薬、それもとびきり強力なやつ。

 ラクアからは未洗浄で未分別のフシ町以外の産地の非常にそそられる採れたての鉱物を貰ったのよ。


 まぁ私としてはかなり嬉しいプレゼントだったけどね!!

 ひゃっほい!!今晩はオタノシミだぁい!!





 そんなこんなで色んな人のプレゼントを開けていくと、遂に1番厄介そうなプレゼントに差し掛かった。


「·····こ、このまま燃やしてもいいかなコレ」



 私の直感が警戒を促している面倒事の雰囲気が漂ってるプレゼントとは·····



 サークレット教のエンブレムが押された封蝋が施された封筒と小包だ。



「吉が出るか凶がでるか····· ええいなむさんっ!!」



\パリッ!/


 っという音と共に封印が施された封筒が開けられ、私は中に入っていた手紙を読み始めた。




「ええと?拝啓ソフィ・シュテイン様、この度は誕生日おめでとうございますサークレット教の聖女としてサークレット教と精霊様を代表してお祝い申し上げます·····的な感じかぁ····· んでなになに?」



 手紙の書き出しは特に変なところは無く、むしろ国教であるサークレット教として私の誕生日を祝う言葉を送るというある意味とんでもない内容だった。


 ·····が、問題はここからだった。



『先日はフィグ、シトラ、マルスの3名がご迷惑をおかけ致しました事をお詫び申し上げます


 それはそれとしてです、先日の『衂教団』で起きた事件についてですが』


\ビリッ/


 私は手紙を反射的に破きかけた。



 ·····えっと、全カットしちゃったから読者さん向けに何があったか端的に説明すると



・衂教団がサークレット教の本部に存在がバレた。

・異教徒抹殺のために『戦闘聖女部隊(バトルシスター)』が派遣された。

・一人でもAランク冒険者を抹殺できる部隊をレミアがたった一人で全員返り討ちにしてしまい、完全に血を抜いて血壺と首級を教会に送り返そうと梱包中に騒ぎを聞きつけた私がやってきた。

・鎌倉武士かよとツッコミ入れて校長先生からパクった『懺悔拳骨』を食らわせ、全員を蘇生&記憶をイジイジして帰した。


・·····が、焦ってたせいで若干記憶が残ってたらしくて殺してたのがバレた

・数日後、ガチギレ聖女様がやってきてレミアの教会が全壊、隣接してる私の家が半壊しその周辺の農作地を含む町の一部が崩壊、更にレミアが殺されかける。

・家を半壊させられブチ切れた私と、町を壊されガチギレしたエビちゃんが飛び出してきて聖女様相手に超大乱闘が勃発。


・2人して聖女様をボッコボコにして途中で冷静になった私が止めて一時休戦にする。


・で、町に被害が出て一般人を巻き込んだのをチャラにする代わりに、戦闘聖女部隊を殺って生き返らせたのを無かった事にして貰った。



 ·····って事があったのよ。


 という訳で続きを読もう、読みたくないけど。



『教会としては、『衂教団』の存在はやはり絶対に認められません、·····が、これ以上のトラブルを起こす気はありません、またフシ町への被害を出してしまったこと、改めてお詫び申し上げます、そこで衂教団に神聖視される貴女を『聖女(シスター)』に任命し、衂教団を聖女ソフィ・シュテインを神聖視し崇める『ナーゼンブルーテン分派』とする事で存在を認める特別処置をすることに致しました』


「め、面倒な事になってる····· 私神様扱いされてるわ····· あっいや神様だけど」


『また、貴女の治癒・蘇生能力を認める意味と、ご生誕の記念品として聖女(シスター)である事を証明する指輪をお贈りいたします』


『それと分派として認めるためにはサークレット教での宗教活動を行う必要があるため、後日フシ町の教会に貴女の分と、衂教団の司教『狂血鬼 レミア』聖女用の服を届けますので、指輪と共に身につけ時々で構いません、フシ町の教会で聖女として活動して下さい』



 ·····長いからまとめると


『『衂教団』はサークレット教の宗派の1つって事にしてやるからもう面倒事起こさないでくれ』


 って事らしい。

 ·····こっちこそ願ったり叶ったりだ、また攻めてこられて大惨事になったら私が困るし。



「·····申し訳ないです、ソフィ様ぁ」


「いいよ別に、私が聖女様ぶっとばしちゃったからこうなっちゃったんだし」


「ありがとうございますぅ····· ところ『聖女(シスター)』って結構上の方の位じゃなかったでしたっけぇ」



 ちなみにこのサークレット教はシスターさんの名前が階級によって変わる。



 最初は修道女で、功績とかが認められて実力も加味されて晴れて上位の聖女になるが、呼び方はまだ『シスター』のままだ。


 そこから更に聖地で修行を詰んで色々やると、やっとこさ本物の『聖女様(セイント)』になるって感じだ。


 そんで私に送られてきたのは、聖女バーバラさんとかの聖名が付けられない聖女様ではなく、ギリギリ一般人枠である普通の聖女だと証明する指輪だそうだ。

 


 ちなみにさっき小包の方も開けてみたけど、中にはシルバー作られたでサークレット教の印が描かれた聖属性の魔石が付いた指輪が入っていた。



 ·····そして、手紙にはまだ続きがあった。


 ぶっちゃけ読むのが怖いけど、読まない方が絶対に怖いので私は覚悟を決めて読むことにした。



「ええと····· もうひとつお詫びに、今度フシ町に研修に行かせる聖女学校の聖女を特別に教えます?·····うげぇっ!!!????」


「ソフィちゃんどうしたの?」


「·····みんな、来年からダイエット頑張ろう、死ぬほどお菓子届くから気をつけようね」




 だが、2枚目の手紙は私を一瞬で絶望させる内容だった。



 フシ町の教会にやってくる聖女学校の生徒は


 例のあのお菓子作りまくり食糧難発生させ聖女の『フィグ』


 自他ともに認める····· 否、自分が誇大に認めすぎているもののその自称に相応しい天才的知能を持つ『シトラ』


 聖地のオシャレ番長にしてギャンブル狂いのグレ気味反抗期気味の豪運聖女『マルス』


 異じょっゲフンへふんッ!!

 以上3名が、フシ町にやって来ることが決まってしまっていた。







 私も入れられそうになった聖女学校は、私が呼んでいる通称の名前だ。


 正式名称『サークレット教会付属サークレット王国立聖女学園聖地本校』には、12歳から14歳までの2年間は聖地から離れ、各地にある教会で実習を行うという制度がある。


 実習を行う理由の半分は、実際に聖女として働きその過酷さや実際の様子を経験させることにある。



 ·····のだが、それは理由の半分でしかない。


 むしろ後付けで作られた理由だ。



 本当の理由は口減らしだ。


 口減らしって言うとひでぇけど、聖地があるのは超山奥の食糧が限られた場所で、食べ盛りの12歳の子供たちがいるとどんだけ食糧を運び込んでもご飯が足りなくなるだ。


 そこで食べ盛りの頃になると学生たちを実習に行かせて食料の消費量を減らすという制度が····· 違った、研修に行かせるという制度が出来たらしい。



 って言うと教会マジクソだなって思うかもしれないけど、この制度ができた時はサークレット王国で軽い食糧難が起きていて、ただでさえ食糧が足りないのに山奥に食糧を運び込む余裕なんて全くなくて、しかも土砂崩れで道が塞がれていて下手したら餓死者が出るっていうレベルの大事件が起きていたのだ。


 そこで見習い聖女たちをマグウェル魔法学校の校長先生に依頼して転移魔法で各地に送り、聖女が来たという事で各地の教会で養ってもらって難を逃れたという事からこの制度が出来たんだそうだ。


 そんで見習い聖女たちが帰ってくると、実際の教会で働いた事もあって成績が良くなっていて、今も続けているんだとか·····



「ソフィちゃん現実逃避しないで!」


「あぁ、もうパイ食べたくない·····」



 ·····とか考えて、私は現実逃避していた。


 くそっ!あの腹黒聖女め····· 厄介なの押し付けてきやがったな?

 あーだから教会の内部に出入りできるように聖女の指輪を送ってきやがったのか!!


 これ私が定期的に教会に顔出さないと大惨事になるやつじゃん!!



「·····腹たってきた、とりあえずちょっと姉貴をラクロスのアレで殴っ····· なんだよこれ!?何!?マジで知らないの出てきたんだけど!?」



 腹が立ってきた私はラクロスのアレが入ってるであろうケースを開けると、中から見たことも無い謎の道具が出てきた。


 ちょ、マジで何これ?

 3mくらいある馬用のムチみたいなの入ってんだけど何これ何に使うの?ちょ、怖いんだけど!?



「それね、ホルヌッセンっていうスイスの伝統競技用のバットだよ」


「へぇ、ホルヌッセン用のバットなんだ、遊び方は姉貴の顔面をこれでフルスイングするんだよね?」


「そうそう、それで私はフルスイングしてくるバットを避けるんだよ」



 ヒュゴァッ!!!



 私はホルヌッセンをフルスイングして姉貴の頭をぶん殴ろうとした。


 私が本気で振ったホルヌッセンのバットはしなりながら空気を切り裂き途轍もない音で姉貴の顔面を殴ろうとしたが、姉貴はすんなりと躱してしまった。



「じゃあ楽しんでね〜☆ レッツ☆ホルヌッセン!」


「だからホルヌッセンって何!?」


「ホルヌッスみたいだからホルヌッセンだよ!あとこれオマケだよん!」


「ちょまっ!投げるなって!」



 だが姉貴は意味不明な事を言って何か小さな箱を私に投げ渡すと、サッと元の世界に帰っていってしまった。



 それが私の大騒乱の18歳の始まりを告げる合図となったのだった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「あ、アイツ····· ん?なんか置いていっ····· あ、あんにゃろ·····っ!!アイツまで面倒なモノ置いてきやがった·····!!これさっきも貰ったわ、要らんわマジで····· まぁ一応受け取っとくけどさぁ·····」


名前:フィーロ

ひと言コメント

「聖女様になったならいいと思ったけど、ソフィちゃんが言ってた例のフィグちゃんが来るのかぁ····· ちょっと困るかも····· 僕ももう食べ飽きたし·····」


名前:レミア

ひと言コメント

「··········えへぇ?あれ、もしかして私、昔憧れてたけど諦めたサークレット教の聖女様になれるんですかぁ?·····嬉しいんですが、なんか複雑な気持ちですぅ」



名前:藤石 穂乃花

ひと言コメント

「ちなみにホルヌッセンはスイス発祥の野球とゴルフを組みあわせたみたいなホルヌッスみたいだからホルヌッセンって名前になった競技だね、·····まぁアレは遊びで本命渡せたからいいけどね!てへっ、プロポーズしちった☆ ·····なんちって、ウソウソ冗談だよ、実の弟にそんなことしないって、ジョークジョーク!」

「·····ちゃんと受け取ってくれたかな」


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