馬鹿な親と天才な子供たちっ!
「だぁぁあああっはっはっはっは!ひーっ!面白過ぎるのじゃ、魔王を笑い殺そうなんぞ天下の笑いの者にされるのじゃ、ひーっ!ひーっ!ふーっ!」
何が起きてるのかを説明すると、私はエビちゃんに死ぬほど笑われていた。
さっき私たちがフェニカにパパとママと逆に呼ばれてショックで倒れ、フェニカが1人でリビングに戻ってフロウと遊び始めていたのを見たエビちゃんが不審に思って見に来たら廊下で倒れている私たちを見つけて、呆れた顔で叩き起こして事情を聞いてきたから答えたら、それからずっとゲラゲラ笑い続けて呼吸困難で死にかけてるのだ。
まぁ確かに逆の立場だったら私はエビちゃんの事を大爆笑して呼吸困難で死んでただろうけどさ·····
「あーおっかし、じゃがしかし、突然じゃのぅ····· 初めてじゃろ?」
「·····まぁそうだけど」
「良かったではないか、最高の誕生日プレゼントじゃな」
「あぁん?てめぇ煽ってんのか?」
「えっ?あっいや違うのじゃ、今のはガチじゃ」
「·····あっそ」
「なんじゃお主?自分から勘違いしておいてその態度は」
「エビちゃんが紛らわしく言うからでしょ?」
「ああん?」
「なんだよ文句あんの?」
「はいはいヒートアップしないの、フェニカは最初はソフィちゃんの事ちゃんとママって呼んでたし、エビちゃんの言う通りフェニカが言葉を話す事ができるようになったんだから祝おうよ、ね?」
「「女装ママはすっこんでろ!!」」
「·····怒るね」
私たちはいつも通りケンカに発展しかけたが、止めに入って私たちからの攻撃をモロに喰らったフィーロ君は珍しくキレてしまい、私たちの喧嘩はそこで終わってしまった。
その代わりに私たちはフィーロ君からクドクドと怒られたのだった。
◇
「ふにゃー!」
「へにー!」
「可愛いのぅ·····」
「だねぇ·····」
フィーロ君に怒られた後の私たちはケンカすることもなく、今日も飽きることなくじゃれあってる2人の娘たちの様子を微笑ましく見守っていた。
でもフェニカとフロウはいつも同じように遊んでるだけじゃなくて、よく見てると時々遊び方を変えて遊んでいる事がわかる。
「·····何してるんだろうね」
「さぁ?赤子の考える事はわからんのじゃ」
いま2人がやってるのは、お互いに向かい合って手足をバタバタさせてホニャホニャ言い合ってキャッキャと喜んでいるよく分からない遊びだ。
これが2人のお気に入りみたいでしょっちゅうやってて、最初は普通にフニフニヘニヘニ言ってるんだけど、しばらくすると大声になってきて、更に暫くしたら突然くっついてわちゃわちゃとじゃれ合いし始めたり、じゃれ合うと思ったら突然後ろに倒れて動かなくなったり、何が楽しいのかは分からないけど楽しいみたいで2人ともキャッキャと笑って遊んでいた。
最初はケンカかと思って引き剥がしてたんだけど、どうも遊んでるだけらしと分かってからは好きなようにさせてる。
「あふぅー!」
「ばばーっ!!」
「あっ取っ組み合いになった」
「元気で可愛いのぅ·····」
「もう取っ組み合いしてるの見ても止めなくなったよね2人とも」
「見てるこっちは心配なのよね····· 大丈夫なのかしら」
「大丈夫じゃねぇか?でも俺たちの子の方が明らかに大人しいよな」
取っ組み合いになったのを見守っていると、外野がなんやかんや言い始めた。
順にフィーロ君グラちゃんウェイザ君の3人で、今ここにいる私たち以外の人物だ。
他のみんなはまだ私のパーティーの準備をしてるみたいで、グラちゃんの旦那のウェイザ君はパーティーの準備をしていたグラちゃんの代わりに息子のトウマの面倒を見に来ていたからディメンションルームに居た。
「まぁ大丈夫だよ、2人とも笑顔だから遊んでるだけっぽいし、怪我させた事はないからさ?」
「うむ、今もケラケラ笑っておるからのぅ、はぁ可愛いのじゃ·····」
「ならいいけど、2人が怪我しないように気を付けてね?」
「ははは、さっきのソフィとエヴィリンそっくりだな、本当に母子なんだなってひと目でわかるぞ」
「ウェイザ、それは酷いわよ?流石にあの2人の子とはいえアレと似てるだなんて子供が可哀想よ?」
「ひでぇ·····」
「·····む?まて、ウェイザお主いまなんて言ったのじゃ?もう一度頼む」
「えっ?いや他意はないんだが·····」
「いいからはよ言え、怒らぬから」
「お、おぅ、さっき喧嘩してた2人にそっくりだと思ったんだが·····」
「「·····なるほど」」
私たちはウェイザ君の言葉でフェニカとフロウが何をして遊んでるのか理解した。
·····2人とも、私とエビちゃんがケンカしてる様子を真似して遊んでるんだわアレ。
たぶん最初は穏やかになんか言ってて突然大声でへにゃへにゃほにゃほにゃ言ってるのは、私たちが些細な事で口喧嘩し始めたのを真似してるんだろう。
んでそっからヒートアップして取っ組み合いのケンカになったり、ツッコミ役に止められて気絶させられたりしてるのを、2人は真似して遊んでいるんじゃないかな?
確か赤ちゃんが色んなことを真似をし始めるのは生後9ヶ月くらいからだったはずだ。
そうなると数ヶ月前からフロウがフェニカにしつこく絡んでた理由も何となくわかるし、2人の遊びの様子を見てもそれが一番しっくりくる。
「親の真似もちゃんとしてて可愛い·····」
「うむ····· ワシらそっくりで可愛いのじゃ·····」
「2人とも?フェニカとフロウが喧嘩を真似するくらい喧嘩するの本当にそろそろやめたら?悪影響出るよ?」
「「·····」」
「図星しても逃がさないよ?2人とも聞いてる?」
「「·····ちっ☆★」」
「星つけて舌打ちを可愛く誤魔化してもダメ、説教してるのも影響出そうだから隣の部屋に行くよ」
「「はーい·····」」
そして私たちは2人の様子を微笑ましく見ていたが、喧嘩の真似をするのを父親が許すはずもなく私たちは別の部屋に連行されてまた怒られたのだった。
◇
·····が、赤ちゃんは意外と親の様子をしっかり見ているらしい。
翌日の2人の遊びを見ているといつも通り取っ組み合いをしていたら、なぜか突然置かれていた人形の所に行って落ち込んだような仕草をはじめたのだ。
「·····これってさ」
「·····うむ、絶対に」
「昨日の僕たちの真似してるよね·····?」
「物覚えが良いわね2人とも、でもアグレッシブすぎないかしら?」
「おおー!ほんとにマネしてるっぽい!」
「ワタシのいない間に面白そうな事起きてるし····· いいなぁ、見たかったなぁ·····」
「わたしもおぼえて真似するのなら、凄く得意、負けない·····!!」
「アヤメお前なんで赤ちゃんと張り合ってんだよ、仮にもSランクだったろ?」
そして何故か真似するのが種族的に得意な元ドッペルゲンガーで現ヴィエルグランツのアヤメがフェニカとフロウに張り合って気合いを入れてて、それにリリアがツッコミを入れていた。
そんでなんでリリアがここに居るかというと、実はめちゃくちゃ目出度い話があってその報告にやって来ていて、ちょうどその話をしていた所でフェニカとフロウが私たちの真似をし始めたのだ。
「んで話を戻すけどよ、実はな·····」
「いやさっきも聞いたからソレ」
「何回でも言いてぇんだよ!だって直哉のやってる大正食堂がテレビで紹介されんだぞ!?有名人も来てめっちゃロケしたからな!?しかもグルメで有名なヤツだったから放送されたら大忙し間違いなしなんだよ!!」
「確かにめでたいけどさぁ····· てっきり妊娠したかと思ったじゃん」
「ばっ!おまっ!まだ早いわっ!」
·····で、リリアの言っているめでたい話って言うのが最初は懐妊なんだと思ってたら、なんかリリアの彼氏がやってる店がテレビに出るらしくてその報告に来ただけだった。
もちろんドキドキさせられた私たちは私とエビちゃんはもちろんアルムちゃんたちも混ざってボコボコにした。
「·····で?なんの番組?」
「ゴールデンでやってるお店紹介の番組だな!めっちゃ有名なヤツらしいぞ!」
「へー」
「興味ねぇだろテメェ!!」
「興味はあるけど、妊娠したと思ってたからさぁ·····」
『『うんうん』』
「なんだよお前らぁぁあああっ!!!めっちゃめでたいだるるぉぉぉおおおおっ!!」
発狂するリリアの姿には、もう腐っても一流のOLだった面影はなく、定食屋の従業員の魂とタケノコの心がメラメラと燃えているようにしか見えなかった。
ついでにまた後日この様子をフェニカとフロウが真似していて、私たちは頭を抱えたのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「タケノコの事はほっといて、ほんとフェニカが可愛いわぁ····· 時々ママってしっかり呼んでくれるようになったし、真似してきてめちゃくちゃ可愛いし····· はぁめっちゃ可愛い·····」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「うむ、めちゃくちゃ可愛いのじゃ、サイコー過ぎるのじゃあ·····」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「2人のケンカの真似をして無ければ100%可愛いんだけどなぁ·····」
名前:アルム
ひと言コメント
「ちぇー、リリアちゃんもついに妊娠したと思ったのになぁ、·····ワタシ?えーっと、そのー····· あはは·····」
名前:グラちゃん
ひと言コメント
「トウマはあんなアホの真似はしないわよ、·····しないわよね?」
名前:ウナちゃん
ひと言コメント
「アレキも変な真似しないか心配·····」
名前:アヤメ
ひと言コメント
「赤ちゃんには、負けない·····っ!」
名前:リリア
ひと言コメント
「テレビで放送されたらきっと客がめちゃくちゃ来るんだろうなァ····· めっちゃ楽しみだ!!おいソフィ!ちゃんと録画しとけよ!!!アタシも出てんだからな!!!」




