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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第六章 TS賢者は母になるっ!
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魔法の箒ってあるじゃん?あれね、何でもいいんだって



 魔法の箒、それはファンタジーや魔法の描かれる作品で頻繁に登場する、魔女の乗り物だ。



 その起源は実に1453年という600年近く前にあると言われている。

 ·····のだが、実は最初は箒ではなく杖·····だったのだが、その杖は男根の意匠が施された棒、つまりアダルトなグッズだったらしく、見た目がアレだったのでイラスト化する時に箒にして隠した事で、魔女は箒に乗っているというイメージが定着したようだ。


 ·····この世界の史実だと、どっかの魔女が全裸で乗って別の意味で飛んでたところをマグッ·····げふんげふん、一般人に見つかったらしくて、本当なら隠匿効果のある魔女の服を着てるからバレないんだけど、素っ裸だから見られちゃってバッチリ絵にされて記録されたそうだ。


 そのため、最初期の魔女の箒は穂が····· フサフサした部分が今とは逆で身体の前側にあったらしい。


 だが後の作品で空力や見た目の関係から向きが変わり、有名なオズの魔法使いという作品やディ〇ニーのファ〇タジアという作品などで今のイメージが確立したと言われている。



 余談であるが、他にも空を飛ぶ道具は色々存在し、例えば籠や石臼といった生活用品や、ヤギや豚といった家畜、そして日本で魔改造された結果、掃除機やちりとりやデッキブラシ、挙句の果てにはネギや櫂やレッド〇ボン軍の本部の柱で飛ぶ事もあるそうだ。



 そんな魔法の箒が、このお店ではたくさん売っていた。



「すっごぉ····· なんだこれ、稀代の名匠の仕事かよ·····」

 

「御目が高いですね、そちらはかの有名なオズワルド工房で1971年に作成されたオズワルド・ホワールウィンド71でございます、天空魔女教会の魔女様方もご使用になられる逸品でございます」



 魔法の箒と言っても、仕組みは色々ある。


 例えば、空飛ぶ軟膏を塗り込んで魔力で飛ばす方法や、ほうきに呪文を書き込んで魔法で飛ばす方法などがあるが、空飛ぶ軟膏を使うと非常にコストが高くなるそうで最近では呪文を書き込んだハイブリッドの箒が流行しているらしい。


 そんでこの今見ている箒は、なんと穂の細い部分の一本一本全てに魔法のコードが刻み込まれ、それでいて全体のデザインは物凄く良くできていて、乗りやすいように鞍なんかまでついているすんごい代物だった。

 ここまで手作業で書き込むのは相当大変だっただろう。



「一本で700万円····· すっご·····」


「最も高い部類の物であれば1本数千万円から数億円はしますが、当店では取り扱っておりません」


「デスヨネー·····」


「お客様は日本から来られたのですよね、でしたらこちらは如何でしょう」


「こ、これは·····?いや、これ刀·····」


「サツマハン製の杖と箒の性能を兼ね備えた箒でございます、銘を『魔狂示現流』と言います」

「·····いやこれ刀」


「箒でございます、かつてこの国に留学してきた薩摩の魔法使いが広めた特級呪物でございます」


「·····他になんかないですか」


「こっちのデッキブラシはいかがでしょう、スタジオジ〇リ公認の魔女の宅〇便仕様でございます、ブラシ部分にロゴと黒猫模様が描かれていまして、更に限定100本でシリアルナンバー付きです、·····飛行性能まで再現されているためもっぱら観賞用でございますが」


「·····」



 ·····あの2つは見なかったことにした。



 そ、そういえば余談なんだけど、私たちの世界には魔法の箒がほぼ存在していないのよね。


 でも一応はあって、ちょっとした移動にそこら辺の物に魔法をかけて乗ったりつかまったりして飛ぶ時に箒を使うという事はあるけど、その程度だ。

 チャリンコくらいの使われ方って思ってくれればOKだ。



 まぁチャリンコってより原付きの方が近くて、町と町の間を急いで移動したいときに使われる事もあるらしい、·····フシ盆地で使ったら即魔物の餌だけどね。


 そんでサークレット王国以外の国ではそこそこ使われているけど、空が魔法の箒で渋滞するって言うほどじゃなくて探し回って1日に10から30回くらい見かける程度にしかいないんだとか。


 ただサークレット王国ではそんなに使われてなくて、理由としては小回りが利かない事や上昇下降に癖があるかららしい。

 というのも、サークレット王国は日本と同じで平野部が少なく、更に山奥に入ると急斜面や曲がりくねった道が多くなり、障害物が増えると魔法の箒の操作難易度が一気に上昇するからだそうだ。

 魔法の箒では急制動がかなり難しくて、高度もせいぜい対地高度数十メートル程度にしか上がれないし、環境的に速度を上げにくい場所なのであまり使われていないのだ。


 まぁそりゃ『溝落とし』なんていうドリフト走法が開発されるような山だらけの国じゃ使いにくいに決まってるよね。



「という訳で、日本みたいな環境でも使いやすいヤツありませんか?·····さっきの刀はナシで」


「そうですね····· 一応ですが、日本などの山間部などで使用することに特化したマウンテンバイクのような用途の箒も存在しますがご覧になられますか?」


「えっそんなのもあるんですか?すげぇ·····」


「こちらですね、C〇leman社製のピータース14であれば箒初心者でも使用しやすく、山間や斜面での使用にも適しております、最大上昇高度は対地高度で500mと最高クラスで、小回りも効きやすく扱いやすい代物となっております、ですが速度が従来の物より遅くなっており、取り回しの良さを実現するため操縦方法が従来の箒と異なっていますので、普通の箒に慣れていると操縦が難しいかもしれません」


「えぇ····· C〇lemanって魔法の箒作ってるんだ·····」


「ちなみに購入していただけると今でしたらC〇leman社のランタンが付いてきますよ、先端に取り付ける事も可能となっております」


「なんじゃそりゃ·····」



 そんで私も愛用してたキャンプ用品メーカーがちょっと魅力的な魔法の箒を作ってた。


 材質は何と金属製で、ずっしりと重たく頑丈でランタンのようなスチームパンクな見た目をしていて、ほうきの穂の部分は籠のような丸い金網で構成された円錐状になっていて、左右にバイクのマフラーのようなパーツがあったりして、武骨でなかなかカッコイイデザインだった。

 しかもバイクのように格納型のΛ型のスタンドが付いており、後部の穂に値する部分の下にはソリのような板がついていて立てかけられる仕組みになっていた。



「結構いいかも····· 推進方法は魔導式で浮遊と炎魔法によるジェット加速が可能!?買います!今すぐ買います!」


「ありがとうございます、そういえば飛行免許はお持ちでしょうか?」


「えっ飛行免許ってお餅なんですか!?」


「はい、私は持っておりますが·····」


「えっ、腐らないんですか?」


「·····有効期限は特にはありませんが、事故や一般人への目撃などがあると免許停止はあり得ますね」


「あっ、餅じゃないなコレ、えーと、そのー、免許は持ってないのですが、観賞用に欲しいなー、なんて·····」


「·····私有地であれば飛行は可能ですが、持っていた方がよろしいかと」



 ·····どうやらコレを使うには飛行免許なる物が必要らしい。


 当然私はそんなものは持ってない。

 持ってるのは魔動車の免許くらいで前世で持ってたバイクの免許は一応再取得してるから乗れるけど、飛行免許なんぞ元マ〇ルの私なんかが持ってるわけがない。



「え、えとー、買うだけって·····」


「可能ですよ、ただ無免許飛行をしていることが発覚した場合、魔法警察によってバイクや自動車の無免許運転と同等の刑罰や罰金が発生いたしますのでご注意ください」


「は、はーい、えーっと····· あねきー!!きてー!!」


『はいよー!!』



 まぁでも、私の居るあっちの世界にそんな法律は無いから乗っても大丈夫でしょ、たぶん。

 それに免許が無くても買えるみたいだから買ってもいいよね·····?


 って訳で、国際クレジットカードを持ってる姉貴を私は召喚した。


 するとすぐに姉貴が·····



「·····何やってんの姉貴」


「どうせならコスプレじゃなくてガチの魔法使いの服欲しいじゃん?だから買っちゃったわ」



 姉貴が魔法使いの格好をしてやってきた。


 しかも元モデルだったこともあってすっげぇバッチリ着こなして、オシャレなのに熟練の魔法使いみたいな風貌を醸し出している。

 そんなスーパー魔法モデルのような姉貴が、懐から唐草模様のガマグチ財布を取り出して中から黒色のカードを取り出すのはなんだか滑稽だ。



「·····まぁいいけど、じゃあ姉貴、これ買いたいからお願いしてもいい?」


「いいよん、一括払いでできます?」


「可能です、ではこちらは一本27万円となります」


「たっか!!でもかっけぇ·····」


「ちょっと待ってください、やっぱ他にも何か無いか探します!」


「承知しました」



 そして買う前に、どうせならちょっと他にも何か買う事にした。





「お買い上げありがとうございました」



「いやーいい物買ったわぁ·····」


「合計64万円····· でも結構余ったなぁ、百万円で十分だったんじゃない?」

「良いよ別に、宵越しのお金はあんまり持たない派だし」


「うわーい、サンキュー!よしガチャで天井しよ」



 結局私はあの箒の他にも初心者用の普通の箒と最安値の普通のデッキブラシを買って、他にも飛行補助の道具とか魔法の道具をいくつか買った。


 いやぁでもいい買い物できたわぁ·····


 帰ったら早速魔法の箒で遊ぼうっと!



「あっソフィちゃん出てきたよ!」

「買い物終わった?僕たちはもうほしい物買ったから大丈夫だけど」

「遅かったのぅ、皆待ちくたびれておるのじゃ」

「えへへへぇ····· 魔法の水筒手に入れちゃいましたぁ、これで血も沢山入れられますぅ」


 そして店を出た所には、思い思いのお土産を買ったみんなが居た。

 ·····あれ?なんでみんなお土産買えてるんだ?



「·····まって、そういやみんなどうやって買い物したの?」


「普通に両替所あったよ?」


「もももしかして、私無駄に姉貴に借り作っちゃったパターン?」


「だねぇ、いひっ·····ちなみに今から借金返済してもチャラにはならないからね」


「やらかしたあぁぁぁぁぁぁああああああああ·····」



 ·····どうやらこの町、普通に両替所があったらしい。


 私は微妙な憂鬱さといい物が買えてうれしい気持ちと混ざり合い、複雑な感情を抱きながら元の世界へと帰って行ったのだった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「まぁ私、箒なくても普通に飛べるし生身で飛んだ方が早いし機動力もあるんだけどねっ☆」


名前:藤石 穂乃花

ひと言コメント

「ふひっひひひ····· この貸しはデカいぞぉ·····」


名前:エビちゃん

ひと言コメント

「ちなみにワシは魔族製の魔導バイクがあるから買わんかったのじゃ」


名前:フィーロ

ひと言コメント

「ソフィちゃんがいない間、アルムちゃん達の買い物に付き合わされて荷物持ちさせられてた····· まぁ慣れてるからいいけどさ·····」


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