お土産はゲテモノの宝庫
ネス湖でのバーベキュー大会を終えた私たちは、帰りたい人を先に送り届けて残った人たちでイギリスでお土産を買いに来ていた。
·····でも、買いに来たのはただの町ではない。
この町は地図には乗っていない、ネス湖の南西にあるフォートウィリアムという町から車で30分、魔法の箒で10分ほどの場所にある地図に無い秘密の町だ。
「すっごぉ·····」
「魔力が多い····· 普通に魔法が使えるくらい魔力が沢山あるんだここ」
「面白そうなお土産めっちゃあるじゃん!よし沢山仕入れよっと!」
「なかなかいいわね、面白そうなものも沢山あるじゃない、魔導書と杖と魔法薬を買って向こうで研究者に渡してみようかしらね」
「イルくんへのお土産どうしよっかなぁ、全部面白そう·····」
「へぇ、すごいのぅ、こんなものもあるんじゃな」
「みたことない植物たくさん!」
「メルヘンだなァ·····」
「すごい、いろんなひとがいる、不思議·····」
「えへへぇ····· なんだか面白そうですぅ」
「いやぁこりゃ凄いねぇ、お姉ちゃん30で未婚だしマジで魔法使い目指しちゃうかぁ?」
この町の名前はファイディシュ・レーンといって、レーンという名前の通り裏道のように細く曲がりくねった道沿いに沢山のお店が立ち並ぶ、商店街だらけな街だ。
そして!ここはただの商店街って言う訳ではないのだ!
なななんと!その全てが魔法や超能力に関係がある、遥か昔から存在しているすんごい町なのだ!
例えば魔法の杖やローブみたいな魔法使い専用の道具とか、魔法を使ったお菓子やオモチャなどの雑貨や、魔法薬作成に必要な道具や素材までありとあらゆる物を取りそろえているらしい。
「にしても、私たちに検知できない魔力があるなんてねぇ·····」
「そういえばなんか言ってたねソレ、結局どうだったの?」
そんで昨日の夜に追加調査をして判明した事なんだけど、この世界にもちゃんと魔力が存在したのだ。
でも元の世界ほど魔力は多くないけど、それでも魔法を使うには十分な量の魔力で満ちていたと判明したのだ。
んでなんで気が付かなかったかって言うと、私たちではこっちの世界の魔力を見る事も触れることもできない体質だったからなのだ。
わかりやすく言うと『赤外線』かな?
私たちが見ている景色は電磁波のうち特定の波長のモノだけで、可視光外の赤外線や紫外線は見ることは人間には不可能····· だが、ネコなんかは赤外線が見えているらしいし、虫も可視光外の光を見る事ができると言われている。
それと同じように、私たちはこの世界の魔力を検知できる身体構造じゃなかったから、最初気が付かなかったという訳だ。
なのになんで私と姉貴が魔法が使えたかと言うと、私は魂が元々こっちのモノで更に魔力との親和性が高かったから使えたらしい。
姉貴は逆で魂が向こうの物で身体がこっちだから使えたようで、他のこっちに縁のないみんなは魔法·····っていうとちょっと違うかな、呪文は使えなかった。
「一応調べてみたけど、みんなが使えるようになるのは無理っぽいかなぁ····· 私は体質的に適合してたのと神様権限でなんとかしちゃったけど·····」
「なるほど····· 害とかは?」
「ないよ、ぜんっぜん平気だね」
ちなみにこの世界の魔力は魂というより肉体的な方が重要らしくて、魂だけの私より肉体だけの姉貴の出力の方がかなり良いらしく、呪文の出力も姉貴の方が上だった。
ちなみに今は姉貴に負けたくないから専用の魔力外部器官を作ったから不自由なく使えるレベルにまで達してるけどね。
そんでこの魔力操作器官は私専用にチューニングしてあって、まだ不安定だから生き返る事ができる私にしか使えないという事にしている。
「まぁそれは置いといてさ、お土産買おうよ」
『『賛成!』』
まぁ魔法も呪文もあんま変わりないから、普通以上に魔法が使える私たちは普通にお土産を買う事にしたのだった。
◇
お土産を買うにあたって、私たちは何チームかに分かれて行動していた。
私はもちろんフィーロ君と一緒に行ってて、他にもエビちゃんと姉貴がついて来てる。
他のメンバーは思い思いの場所に行ってるみたいで、しばらくしたら集合という事になっていた。
「んふふ~ん、まずはエブリフレーバーグミに、バタードリンクが10本、変幻自在クッキーにのびのびチョコも入れちゃって、魔法料理に欠かせない薬草酒を5種類全部、魔法スパイスを3種類、えーと、魔紅茶のパックも買っちゃって~、カボチャスープの素とインスタント・マジカルディナーも買っちゃえ!·····イギリス料理だから些か不安だけど」
「ふむ、コレは面白いのぅ····· ソフィ、これとかどうじゃ?炸裂キャンディなんて面白いじゃろ!」
「あーそれね、それ魔法じゃなくて科学の代物、飴の中に高圧の二酸化炭素を閉じ込めて舐めると弾けるって言う仕組みのキャンディだよ、美味しいけどまれに口に刺さるから気を付けてね」
「えっコレ魔法じゃないのじゃ?マジかぁ·····」
「僕これほしいかも·····」
「おーフクロウのぬいぐるみなんてあるんだ、流石は観光地····· ん?タグに見覚えのあるロゴが····· うわ普通にポッティーのグッズだこれ」
「えへへぇ、ソフィさまぁ、色んな味のあるグミですぅ、血の味もありますよぅ」
「·····それ一人で食べてね?土味とかヤバい味混ざってるから私食べたくないからね?」
「見てみてこれヤバくね?食べると口から火が出るスナックだってさ、めっちゃ美味しそうじゃない?」
「危ないからやめて」
そして私たちが居るお店はお土産屋寄りな雑貨屋さんで、面白いお菓子や名産品的なのが沢山あって心がメッチャワクワクする代物ばっかり置いてあった。
まぁカボチャスープに関してはク〇ール製で日本でも有名な会社が作ってた物だけど、魔法の町専用パッケージとフレーバーだったから買っちゃった。
他には食べてると味が変わるクッキーとか、エビちゃんに食わせる用に吐瀉物味や蚯蚓味とか血液味が混ざってるグミとか、魔力を流すとあっという間にディナーができてしまう魔法インスタント食品とかを買ってみたりした。
それとこの町の料理を再現できるように、料理でよく使われる紹興酒的なハーブを漬けたお酒やスパイス調味料なんかも買ってみた。
そうそう、この町の料理はイギリスのクセにかなり美味しくて、まぁ苦手な人も居るとは思うけど十分美味しいものが多かったから自作しようと思ってお酒とか·····
やべ、お土産屋来る前に料理食ったのバレた。
·····ま、まぁ、うん、普通に美味しい料理だったよ。
ドラゴンの睾丸焼きとか結構美味しかったよ、作中では吐き捨ててたけど、お子ちゃまは確かにレバーとかそっち系な感じで苦手かもだけど大人な私からしたら美味しかったし、夜も楽しめそうで1度で2度美味しい食材だった。
まぁ二度と食べないけどね、1皿7500円したし。
「おっ!見てみてこれ!ヘリーポッティーのメガネとか売ってるの面白くない?便乗商法してるよこの町」
「うわマジじゃん、すっげぇ」
「なんだっけそれ·····」
「こっちの世界の小説じゃな、ワシは映画しか見ておらぬが結構面白かったのじゃ」
·····っていうか便乗商法なのか、普通に某有名魔法学校モノのグッズが大量に置かれてた。
いやまぁ本場だからあって当然なんだろうけどさ、舞台イギリスだし。
完全に便乗商法だけど面白かったからちょっと買ってみたりした。
「後は何かないかなぁ·····」
「僕魔法の歴史の本買っていい?気になるんだけど·····」
「ついでに魔法の使い方と書かれた本無いのじゃ?ワシほしいのじゃが·····」
「エロ本無い?」
「えへぇ、血の魔術とかそっち系の本もないですかねぇ」
「エロ本は無いわ、それと血の魔術とか禁術系だからダメっ、·····あと魔法の指南書とかは専門のお店行った方がいいと思うから、フィーロ君の魔法の歴史の本だけ買って行っておこっか!」
「わかった」
って訳で、私たちはお土産屋さんでの買い物を終えて次のお店へと向かった。
·····ちなみにお金をユーロに変えるのを忘れてて、姉貴の持ってる外国でも使えるクレジットカードで払ってもらった。
あとで身体で返せって言われたから戦慄してる。
ナニをヤらさられるんだ私は。
◇
そんなことはさておき、私たちはとあるお店へとやって来ていた。
「魔法の道具専門店、やっぱりみんなここに居たかぁ·····」
「あっソフィちゃん!見てみて!魔法使いの帽子とかよくない?それっぽい気がするでしょ」
「なかなか面白いわよ?全部に見たこともない魔法の術式が使われていて面白いわ·····」
「変な魔道具も沢山あるよー!」
「これお土産にしよっと!」
「わたし、これ気に入った、欲しい」
「チェルはこのへんな植物ほしいー!」
「アタシはそんな興味ねぇなァ····· でも杖の1本や2本くらいかっとくか」
そこは魔法を使うのに必要な道具、魔法の杖やローブ、魔導書や魔法陣などありとあらゆるものを取り扱うお店だった。
そんでそのお店にはなんと別行動していたはずのみんなが勢ぞろいしていた。
·····まぁこうなる事はわかってたけどね。
だって私もこの店に来るってみんなに伝えてたし、みんなも来たいって言ってたし。
「んじゃ早速私はアレ買おうかな、どれがいっかなぁ·····」
「おーいソフィたーん?魔法の箒、安いので1本10万円とか書いてあるんだけどー?お姉ちゃんの財布が号泣記者会見しちゃうよ~?一番安い1本1000円のデッキブラシにしておかないか~い?」
「大丈夫、さっき姉貴の口座に2000万円ふりこんでおいたから」
「ヒエッ·····」
そう、私が買いに来たのは魔法の杖でも魔導書でもなくて、魔法の箒なのだ!
「むっふふ····· どれにしよっかなぁ·····」
って訳で、私は目的だった魔法の箒を物色しはじめたのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「どっかに透明になれるマントとか死者が蘇る石とか最強の接骨木の杖とか変身薬とか無いかなぁ····· まぁそりゃうって無いよn····· うわ接骨木の杖めっちゃ売ってる····· しかもちゃんと使えるヤツだこれ、えっと?『売れ行きナンバーワン!』·····でしょうね」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「異世界の魔法ってこんなに違うんだ····· 不思議だ·····」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「ふむ?魔法というより呪詛に近い形式なのじゃな、むっ?確かにここの術式、基礎の部分がこっちとはだいぶ違うのじゃ····· なるほど、ここで魔力の変換を制御しておるのじゃな?よし、とりあえず魔導具はいくつか買うのじゃ!」
名前:藤石 穂乃花
ひと言コメント
「うっはw ドラゴンのチ〇ポまるごと杖になってるww 1本3億円www マジワロスwww ·····えっ?これホンモノの接骨木の杖クラスのとんでもない杖なの?マ?」




