星の瞬く瞳、恒星のような心、ブラックホールの如き胃袋、中性子星たっぷりなお腹
私の身体がバージョンアップしてから数日経って、様々な変化がわかってきた。
「賢者の石の出力が圧倒的に上がってる····· ミカちゃんのに匹敵するくらい増えたかも·····」
「ん、それはない、わたしの、∞の∞倍になるから」
「マジで?いやあり得なくない?」
「んーん、ありえる」
まずは私の賢者の石の出力がとんでもなく向上していた。
今までの私の賢者の石の出力を井戸のポンプをギコギコして出した水ような感じだとすると、今の私の魔力の出力はド迫力の黒部ダムの放水のような、完璧に制御されてかつ物凄い勢いでとんでもない量の魔力を放出しているような感じになった。
それでもミカちゃんの最高出力には勝てないみたいだけど、あの時の神撃の出力くらいなら私でも瞬間的に出せるようになったから相当なレベルアップだろう。
まるで心臓が恒星になったと錯覚するようなとんでもない出力だ。
そんで、オマケに肉体も神の身体に近付いたからなのか魔法の発動効率や出力が爆発的に向上していて、ファイアーボールを撃ってみたら恒星みたいなのが出てくる程発動効率が向上していたし、身体能力も桁違いに上がっていた。
具体的に言うと、素のパンチが音速を超えるようになった。
ボクサーのパンチの最大速度が時速約40kmと考えるととんでもない速度だ。
·····まぁバージョンアップ前も時速数百キロのパンチを素で繰り出せたし、魔法で強化すれば音速も行けたけどパッシブ状態でできるようになったのはかなりデカい。
それにその他の身体能力も圧倒的に上がってて、須臾による時間遅延無しでもアカシックレコードのクロック数をあげれば身体能力だけでそれに匹敵する速度で動く事も可能になったし、肉体の堅牢さもミスリルのナイフくらいなら刺さらないくらい頑丈になったし、視力も嗅覚も聴覚もかなり良くなったような気がする。
こうしてみると、確かにガイア様が言った通り身体能力の底上げというのもわかるし納得できる状態だ。
ついでに初めて100%神化をしてみたけど、うん、ヤヴァイ。
とんでもなさすぎてリアルチートをぶち抜いてるくらいヤバい、簡単に言うと、完全になんでもできる状態になってしまっていた。
·····この力はなるべく封印しておこうと思う。
他にはアカシックレコードの演算能力もかなり向上してて、もうマジで速い、円周率100京桁を1秒以下で割り出すくらい早くなった。
「·····でも目は何とかならなかったかなぁ、光ってるだけじゃなくてキラキラし始めたし」
だが肉体が神の物に近付く事で問題も発生してしまった。
私の目が変わったのだ。
私の瞳は綺麗なブルーなんだけど、賢者の石を起動して神化したら目が暗闇に入るとぼんやりと浮かぶくらいに光り始めていた。
だが今回のアップデートで私の瞳が輝き始めたのだ。
今までがただの青く光る宝石だとすると、今の私の瞳はブルーダイヤモンドやベニトアイトやデュモルチライトのように美しく光り輝くカッティングが施された宝石だろう。
·····ちゃんと言うと、私の瞳が何もしていなくてもキラキラと輝いている宝石や満天の星空みたいな感じになっていて、暗闇で手を近付けるとプラネタリウムのような星空が手に投影されるようになった。
まぁ色々やったら抑えられるようにはなったけど、他の人と比べると若干輝いてるし真っ暗闇に入るとどうしても消えかけの蓄光素材みたいな感じで光っちゃうんだけどね。
「ちなみに目から出るビームもキラキラ輝くようになったよっ☆」
「·····それいる?」
「いらない、だってあんま使わないし」
ついでに何故か無駄·····じゃないんだけど微妙な能力が結構できていた。
まず私の目から出る神様ビームが瞳みたいにキラキラ輝くようになった。
でも威力は変わらない。
お次に口を閉じて歯をぶつける勢いで火花を散らせるようになった。
·····というか歯がクソほど頑丈になった、たぶんソフィニウムか星核合金でも混ざってるんだと思う。
あとは耳がピクピク動かせるようになって、鼻もピクピク動かせるようになるっていう完全に意味不明な能力や、目を左右バラバラに動かしたり肘を舐められるようになったり体が若干柔らかくなったりしたけど、うん、大体そんなのいらんわって感じの能力だった。
でも無駄な能力ばかりと言い切れない最大の理由の一つが、胸の大きさを若干変化させられるようになったことだろう。
お陰で今の私の胸はギリCカップにまで成長し、私とフィーロ君は喜んだがエビちゃんから嫉妬の目を向けられる羽目になった。
続いてまたまた無駄ではない能力で、胃袋の容量がだいぶデカくなったのだ。
今では3kg分のご飯くらいなら余裕でペロリとたべきれるようになったし、消化速度やカロリー消費がクソ早かったのを調整してゆっくりにできるようになったおかげで燃費も滅茶苦茶良くなったのだ。
·····だが、それらの能力には代償があった事に私は気が付いていなかった。
◇
時は一旦少し飛んで、ある日のお風呂の時間の事·····
「·····ソフィちゃん太ったよね?」
「ふ、太ってないわ!!胸は大きくなったけど!授乳終わりで少し萎んだけど元々よりは大きくなったし!Cカップ小数点を四捨五入したらギリギリ入るくらい大きくなったし!!」
「いや絶対太ったって、ほら」
\むにゅんっ/
「·····ち、ちが、これは妊娠してのびた皮膚だから」
「絶対これ脂肪だよ、触り慣れた感覚するし」
「そうね、脂肪よこれ」
「うんうん、太ったでしょソフィちゃん」
「ぷっ、胸どころか腹まで増えるとかバカじゃのぅ」
私は太った。
自分では必死に否定しているけど、明らかにアップデートした日から太ったのだ。
「えっ、えーと、そのぉ·····」
「正直言いなよ、太っちゃったってさ?」
「相変わらずソフィは往生際が悪いわね」
「·····僕見てたけど、ソフィちゃんの食べる量明らかに増えてたよ、無限に食べられるわ!とか言って毎日結構沢山ご飯食べたのに運動量とか変えてなかったよね?絶対そのせいだよ」
「えっそうなの?·····確かに最近沢山食べられるようになってつい沢山食べてたけど、運動量はいつも通りをキープ····· あっ·····」
だが私は、性転換してなかよし組のみんなと一緒にお風呂に入ろうとしていたフィーロ君によって強制的に気が付かせられてしまった。
·····そう、私は食べる量が増えたのに対してカロリー消費量が減り、更に運動量も食べる量が増える前と変わらない運動をしていたせいで消費カロリーを摂取カロリーが上回り、あっという間に太ってしまったのだ。
私の身体は変わったが、当然の如く変わらないところもある。
「ももももしかして、私のちょっと太りやすい体質って変わってない·····?」
「だろうね」
「ひえぇ····· 明日から運動量増やさなきゃ·····」
私は元々太りやすい体質だった。
ただ同時に痩せやすい体質でもあったみたいで、結構頑張ればすぐに体重が減るんだけど逆に言えばリバウンドしやすい体質で、身体が変化するたびに太っているのだ。
今回は今までと比べればかなりマシで、過去2番目に体重増加が少ないけど太ったのには変わりなかった。
·····ちなみに過去一番体重増加が少なかったのは3歳の頃で、一番ひどかったのは12歳の時のアレだ。
「とりあえずダイエットしたら?」
「·····がんばります」
まぁもういいわけが通用しないくらい体重が増えちゃったので、今日から私はお腹の中性子星と戦う日々が始まったのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
コンディション:神、太り気味
ひと言コメント
「·····ま、まぁ、太るのは1ヶ月くらい後の話だし、今は食べても大丈夫だよね?」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「僕、もう女の子になってお風呂に入るの慣れちゃった、·····まって今ソフィちゃんなんて言った?もしかして今止めておけばこの後太らなかったりする?」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「むぅ····· ワシももうちょい大きくなりたいのじゃ····· 牛乳の豆乳割りでも飲むかのぅ」




