レア度URの能力っ!
「だぁーっ!くそっ!当たらないっ!!」
「·····ソフィちゃん、課金そのくらいにしておけば?」
とある休日、私は暇つぶしにゲームをやっていた。
やっているのは最近話題····· まぁリリースされてそこそこ時間は経ってるオープンワールドRPGで、今なんかいい感じの限定イベントが始まったらしいからやってみてるのだ。
ただ、うん、ガチャでほしいキャラが当たらないのだ。
「耐えてくれよ私の財布!3倍課金d」
「ソフィちゃん!もう20万円つかったんでしょ!?」
「そうだけど?」
「運悪すぎるから!!もうやめときなよ!!」
「でも·····」
そう、私の運は悪すぎたのだ。
もうどうしようもないくらい運が悪くて20万円も突っ込んだし、まだまだ課金しようとしていた。
まぁ私の貯金額を考えればぜんぜん痛くも痒くもない値段なんだけど、うん、流石にちょっと課金しすぎな気はする。
「このキャラ、恒常じゃなくて限定だから今引かないと····· 完凸まで後ちょっとなのに·····」
「流石にもうやめておきなよ、絶対良くないよ」
「むむむ·····」
「エビちゃん見てみなよ、出な過ぎて灰色になって燃え尽きてるよ?」
「·····ノジャ」
ソファの方に目をやると、惨敗してるガチャ画面のままスマホを落として絶望に打ちひしがれているエビちゃんが居た。
彼女また、ソシャゲの闇に飲み込まれてしまったのだ。
だがそんなとき、救いの神が現れた。
「ソフィちゃんどうしたの?」
「あっウナちゃん、いやこのガチャが当たらなくてさ·····」
「だから20万円とかなんとかいってたんだ」
やってきたのは、アレキ君を抱っこしたウナちゃんだった。
どうやら微妙にケンカ気味だった私とフィーロ君の様子を見兼ねて話しかけてきたようだ。
「·····あっそうだ!いい事思いついた!」
「どうしたの?」
「ちょっとまってね?ふんふん·····」
ウナちゃんはアレキ君を抱え上げて顔を見つめ始めた。
なにやってんだろあの子·····
元からちょっと電波っぽい感じはしてたけどさ·····
「ちょっとご機嫌ナナメかな?ソフィちゃんボーロある?」
「あるけど·····」
「ありがと!はいアレキ、あーん」
そんで私から赤ちゃん用のお菓子で大人でも好きな人が多いお菓子のボーロを受け取ると、ウナちゃんはそれをアレキ君に食べさせた。
ちなみにアレキ君は小麦系のお菓子が好きらしい、フェニカとフロウは肉食系で肉っぽい物とか魚っぽい物が大好物だから結構大違いだ。
ついでにトウマ君はアイスが好きらしい、特に果汁の入ったアイスが好きなんだとか。
「あっご機嫌になった、ソフィちゃんちょっとパソコン貸して!」
「えっ?いいけど·····」
「ありがと!それでどのガチャ引きたいの?·····あー、やっぱりこれかぁ、わたし単発で当てたから今回も当てちゃうよ!!」
「いやいや、まさかぁ·····」
「·····ソフィちゃん、殺気めっちゃ漏れてる」
「おっと失礼」
20万円ブチ込んで当たらなかったキャラを単発で当てた人が目の前に居たら殺気くらい漏れるわ。
まぁ殺気は抑えるとして、早速ウナちゃんの実力を見せてもらおう。
「えーっと、単発ガチャで····· アレキ、ボーロここにあるよ?」
「うー!」
カチッ
ウナちゃんはガチャの選択をしてカーソルを単発で引くに合わせ、私のマウスの左ボタンの上に器用にボーロを乗っけると、マウスをしっかり手で握って動かないようにしながらアレキ君を近付けた。
すると大好物のボーロを見つけたアレキ君はマウスに手をのばし、ボーロめがけて手を振り下ろすとその勢いで左クリックされた。
それに連動し、画面ではガチャの抽選が始まっ·····
「·····へ?ちょちょちょちょちょちょちょちょぉぉぉおおおおっ!!!??おおっ!?おおおおおっ!?お"あ"あ"ああああああああああああああああああああああああああっ!!!!確定演出キタコレェェェェェエエエエエエエエエエッ!!!くぁw背drftgy富士子lp!!!!!」
「ありがとねアレキ!ほらご褒美だよっ!」
「う~」
「そ、その····· ウナ、ワシも頼んでも良いか?」
「いいよー!ねーアレキっ!」
そして画面には、私が求めていた限定キャラが降臨していた。
だが私はそれを見ていなかった。
嬉しすぎて発狂して転げまわっていたから見ることができなかったのだ。
ちなみにこの後エビちゃんも狙いのキャラ引けて喜びながら地面を転がり回ってた。
◇
しばらくして興奮が落ち着き、ついでに限定の武器も手に入れてびったんびったんした私は、手に入れたキャラを使って色々と調整とかレベル上げをして、ひと段落付いた私はウナちゃんと話をしていた。
「ウナ神様、ありがとうございます····· このご恩、ソフィ・シュテインは一生忘れませぬ·····」
「良いってソフィちゃん、だってアレキのお陰だし?」
話っていうか、私は土下座して感謝しまくっていた。
100万円は使うつもりだったからそりゃもう大興奮するに決まってるよね。
「でもなんで一発で·····」
「えーっとね、アレキの確率操作の力を使ったんだよ!いまはまだ制御できてないみたいなんだけど、瞳の色がほんのり赤くなると絶対にいい事が起きて逆に緑っぽいとあんまりいいことが起きないんだ!青っぽいと普通って見分けるんだ!機嫌がよくなると確率が良くなって、機嫌が悪いと確率が悪くなるみたい!」
「·····確率操作の力、覚醒したんだ」
「うんっ!わたしもどうしても欲しいキャラが居たら頼むんだ!」
どうやらウナちゃんは息子のアレキ君のもつユニークスキルを使ってガチャを当てたようだ。
なんでも機嫌がよくなるとたとえ0.01%以下の確率でしか起きないような事象も百発百中で発生させることができるらしい。
くっ、羨ましい·····
私も確率操作の力があればぜひ使いたいし、ぶっちゃけ言ってフェニカの反転能力よりはるかにヤバい悪用しまくれる神能力なのよね·····
ん?まてよ?確率が操作できるって事は·····
「·····閃いた!」
『通報されたから来たわ』
\バシィンッ!!!/
「スモルコフスキーッ!!?」
私が悪い事を考えた瞬間、神界から降りてきたガイア様に頭をハリセンでひっぱたかれた。
やっぱり悪い事は考えるもんじゃないわ·····
『まったくもう····· ウナちゃんもその子の能力はあんまり悪用しないでよね?経済のバランス崩れたり滅茶苦茶な事になっちゃうからさ····· そもそもユニークスキルって大半が下手に扱うと危険な物だから気を付けてよね?』
「わかりましたー、アレキもわかったよね?」
『·····まぁ、もう過ぎた事は仕方ないけど、その力を私利私欲のためだけに使った事に神様としてバツを与える、覚悟しなさい』
「ちょまっ!ガイア様、流石に悪気があってやったわけじゃ」
『謹んで聞け』
「·····はい」
驕った人は神の怒りに触れる、神話にもそう書かれている。
私たちは神の怒りに触れてしまったのだ。
怒った神をどうにかする手段を私たちは持ち合わせていない、故に床に正座し、審判が下されるのを待つことしかできないのだ。
『汝らに罰を与える』
「はい·····」
「い、いのちだけは·····」
『·····ただし条件によっては恩赦を与える』
「·····条件とは?」
『私のガチャも引きなさい、ピックアップキャラを絶対に1発で当てよ、さすれば神は汝らの行動に目を瞑るものとする、·····もう50万使っちゃってるのよぅ、お小遣いケチケチ貯めてたのもう無いのよぅ·····』
「ウナちゃん!お願い!」
「うんっ!」
その後、ガイア様が持ち込んでいたスマホでガチャを引き、見事に私が狙っていたのと同じキャラを当てる事に成功して、ガイア様は私たちを許してくれたのだった。
·····このあとウラヌス様に3人ともこっぴどく叱られたのは言うまでもない。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「めっちゃくちゃに怒られた····· でもガチャに対してある程度課金しても当たらなかったら使うの許された····· よし無双するぞーっ!!」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「·····ところで総額何万円突っ込んだの?」
『合計で120万は入れたと思うよ?』
「うわぁ·····」
名前:ウナちゃん
ひと言コメント
「わたしは無課金で最強編成作っちゃった!」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「むふふ、これで暫くは課金不要なのじゃ!·····というか日本円が尽きたから出来んのじゃ」
名前:ガイア
ひと言コメント
『あーウラヌス、先帰ってて?私はちょっと野暮用を済ませてから帰るから、·····うん?い、いやー、変なことしてないよ?うん、大丈夫、·····大丈夫だから、ね?·····ハイスイマセン、やらかしました』




