脱走した宇宙人を探せっ!
「嬢ちゃん、スクラがどこに行ったか分かるか!?」
「ちょっと待ってください、サーチっ!!」
私は魔法を使って、糖分フラストレーションが大爆発して町へ勝手に行った宇宙生命体連合の調査隊のメンバーの捜索を開始した。
そして割と呆気なく見つかった。
「いま橋を渡ってます、こっちです!」
「助かる、行くぞ!」
「「はいっ!」」
逃げ出した宇宙人のスクラさんはどうやら川を渡って町内に行こうとしているようで、農業区画から出る前に私たちも急いで追いかけるため、走れる人は走りだした。
「た、隊長、俺まだこの星の重力に慣れてなくて、走るのキツいっす!」
「じゃあ留守番しておけ!俺は追う!他にも無理そうなヤツは留守番で大丈夫だ」
「わかりました、ありがとうございます」
「今の人って重力になれてない星の人なんですか?」
「そうだ、彼の故郷はこの星の3倍の重力があるからな、探査艦の中でも普段は重りを身に着けて過ごしてるんだが、探査艦とこの星でも重力に差があるせいでうまく走れないんだ、たぶん本気出したら吹っ飛んでいくぜ?」
「なるほど·····」
「ちなみに俺は色々な惑星に行ったからどんな重力でも瞬時に適応できるぜ?おっとこの星の重力の100倍とかはやめてくれよ?流石に反重力魔法が無いとキツいからな」
「それなら心強いです!あっ道間違った」
なんて軽く話をしながら、私たちは逃げ出した隊員を追いかけたのだった。
◇
フシ町の外壁の中にある農業区画と居住区を区切る何であるのかイマイチよくわかっていない壁の門に、1人の女性がやって来ていた。
しかし女性は身分証明証や身元を確認できるものは何一つ持っておらず、ほぼ機能していないと言われているここの門で止められてしまっていた。
「入れてください、これは調査の為に必要で!」
「あのなぁ····· 確かにここの門番の仕事はは暇だし、俺もサボり気味で基本的に顔見知りなら身分証明書とか申請とか要らないって事にはなってるけどな?流石に大急ぎで走ってくる変な服を着た知らない人を身分証明証無しで入れるほどサボっては無いんだ、入りたいなら身分を証明できる物か人と一緒に来てくれ」
「ですから!これはこの星の調査に必須な要素なのです、我々はこうしてこの星の調査を行い宇宙の不老と繁栄を」
『どりゃっせーいッ!!!』
\ドゴォッ!!!/
「うぎゃんっ!?」
\ズザザザザーッ!!/
「滑り込みセーフっ!!門番さんナイスです!」
私は全力疾走で門をスルーすると、町の中に既に入って門番さんと話していたスクラさんに全力のドロップキックをかました。
するとスクラさんは吹っ飛び、地面をヘッドスライディングしてそのままピクリとしか動かなくなってしまった。
「お、おう····· 滑り込んで中に入っちまったんだが?ってなんだ、町長の娘か」
「今回は私、直接は関係ないですからね?」
「やっと見つけた····· すまなかった、あー、コイツは最近ちょっと頭打って変な事言い始めててな、気にしないでくれ、ほら行くぞ」
「お菓子ぃ·····!!糖分のニオイぃぃいい·····」
ズルズルズル·····
「ご迷惑をおかけしました、この人たちは最近引っ越してきたばかりの環境調査隊の人たちで、この辺りの環境調査をするために暫くここを拠点にする予定なんです、後日身分証明証とかそこら辺をちゃんとしてから来るのでよろしくお願いしますね」
「そうだったのか····· よくわかんねぇけど、この町のために働いてくれるお方だったんだな、怪しんですまなかった」
「良いんだ別に俺たちは怪しまれるのには慣れっこだからな、じゃあ日を改めてその時はちゃんと尋ねるとするぜ、今日はすまなかったな」
「まぁ町長の娘が居るなら通してやってもいいが·····」
「いや遠慮しとく、コイツは糖分が切れると変になるから出直してくるぜ」
「そうか、じゃあまたな」
そして私たちは道路のど真ん中でぶっ倒れているスクラさんの脚を私とルッダーさんに2人で持って、スカートが捲れるのも気にせず逆捕まった宇宙人ポーズにして引きずりながら基地へと帰って行った。
◇
\ずゅーぬぢゅん/
\ほぎゃぁぁぁぁぁああああっっっ!!?/
「ふぅ、これで拘束完了っと、ついでに糖分も直腸摂取させたし暫くは平気だ」
「ちゅ、躊躇なくケツひん剥いて座薬ブチ込んだ·····」
基地へと帰ってきた私たちは、ルッダーさんがスクラさんに座薬をブチ込み、椅子に座らせて縄でぐるぐる巻きにして拘束した。
まぁルッダーさん曰く彼女は種族的に簡単に拘束できる方法があって、うん、ぼかして言うけど肛門に座薬などをブチ込むと最低15分は動けなくなってしまうそうだ。
なんでって聞いたけどそういう種だかららしい、·····いや聞いたのはなんでそんな事知ってるんだって意味なんだけど、はぐらかされた。
「まったくもー····· お菓子が欲しいなら私が作りますし、もう作り置きとか買い置きもあるんで行ってくれれば出したんですよ?」
「·····」
「罰則で当分の間お菓子抜きにしたいが、種族的にできないしな····· どうするべきか·····」
「できないんですか?」
「あぁ、彼女はアミラ星人でな、アミラ星は大量の糖分を含む動植物が多くてそれに伴ってアミラ星人は生命活動に多量の糖分が必要なのが特徴なんだ、で、糖分が不足するとだんだん精神に異常をきたして最後は死に至るんだが·····」
「だが?」
「コイツはちょっと特異体質でな、一気に甘いものを食べ過ぎると盛大に腹を下すんだがアミラ星の人々の中でも類を見ない程甘いものが好きで一気に食っては腹を下してるんだ」
「なるほど、だから妙に座薬を入れ慣れてたのかぁ」
「違うぞ?性癖だ」
「お尻の入り口が痛い·····」
「言わないでおいたのに····· というかお尻の穴は入り口じゃなくて出口ですよ」
まぁ、うん、この件置いておくとして、このスクラさんが属するアミラ星人はどうやら砂糖を沢山食べなきゃ生きていけない種らしいんだけど、スクラさん自体は一気に沢山甘いものを食べるとお腹を下してしまう体質がある女性だったようだ。
あと彼女の性癖はアミラ星でも一般的ではないらしい。
「まったくもー····· 勝手に行動しないでくださいよ?」
「·····わかってる、反省している」
「はぁ····· わかりましたよ、もう面倒なんで紙渡しておくのでそこに欲しい物とか必要な物を書いて私に提出してください、可能な範囲で用意しますので」
「いいのか!?助かる、あぁもうこれで糖分接種タブレットを食べなくて済むんだ·····」
「じゃあお言葉に甘えて俺たちも便乗させてもらうとしようか、お前ら探査艦の奴らに連絡してほしい物を聞いてリスト化しておけ!っと、代金はいつも通り共通通貨でいいか?」
「いやいいですよ、新築祝いって事でプレゼントしますよ」
「そうか、なら遠慮せず頼むとしよう」
「あはは、それじゃあ私はここらへんで帰りますね、ではまた~」
そういうと私は宇宙人たちの秘密基地から離れ、川の反対側にある私の家へと帰って行ったのだった。
後日、紙10枚分にも及ぶとんでもなく長い膨大な数の必要な物が書かれたリストが送られてきて、私は頭を抱えたのだった。
ちなみに半分は普通に不足している物だったが、4割くらい甘い物で、残り1割の雑貨の中にアダルトグッズとかも含まれてて破り捨てようとしたが、私はギリギリで耐えて後日納品しに行ったのだった。
その数日後、スクラさんが町の治療院に盛大な下痢を引き起こして運び込まれたのは言うまでもない。
名前:ソフィ・シュテイン
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「まったくもー····· 先行きが不安すぎるって·····」
名前:ルッダー
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「スクラは優秀な研究者なんだがな····· ちょっと頭と肛門のネジが緩んで外れかけてるんだ、まぁでも役には立ってるぜ?」
名前:スクラ
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「本当はクールな研究者のような感じを目指しているのですが、種族的に難しいのです、ええ、種族的な問題であって私個人の性格のせいでは断じてありません」




