ぶらり動物園歩きの旅っ!
気絶から目覚めた私はみんなとお昼ご飯を食べて、食べ終わったらすぐにリリアと合流して家族と一緒に日本へとやってきていた。
「毎回毎回わりぃな、というかアタシも自由に日本とアッチを行き来できるようにした方がよくねぇか?」
「んー、時々事故ったりするから私同伴の方がいいかな····· それに神様的にもちょっとね」
「まぁ別にいいけどよ、日本に来れるだけで十分ありがてぇし」
「はぁい、それじゃ帰る時も連絡してね」
「おう、じゃあまたな」
そういうと、リリアはマギスマホの転移機能を使って恋人の所に転移していったのだった。
っていう訳でお荷物は勝手にどっかに行ったし、フェニカを抱っこしてフィーロ君と一緒に日本をぶらぶらラブラブ観光はじめよっと。
「んじゃフィーロ君、私たちも行こっか」
「いいよ、でもどこ行くの?」
「決めてないよ?だって家族3人で日本の観光したかっただけだし」
そう、今日の目的は観光って言うよりも日本で私たち3人で家族らしく色々やってみたいって言うだけで目的は無いのだ!
まぁまずは上野の動物園に行くつもりで目的地はあるけど、特にこれといって何をしようという訳ではないし、満足したら帰るつもりだ。
「·····いやごめん、やっぱ目的地あったわ、まずは上野いこ?」
「あっそうだったね」
「んじゃ早速行こっか、転移!」
私は転移魔法を発動すると、家族3人で実家から直線距離で13kmくらい離れた上野へと転移していった。
◇
「っと、とうちゃーく」
「周囲に人は·····居ないね」
「大丈夫、あらかじめ千里眼で見てたから!」
私たちがやってきたのは、上野恩賜公園のちょっと影になった人通りが全くない場所だ。
私たちの移動は転移魔法だから一般人に見られたらダメなので、こうして人の居ない場所を選んで転移しているのだ。
そして私たちは人気のない場所から出ると、早速動物園のゲートにある発券機まで移動してきた。
「あれ、入園料って600円だっけ?200円とかだったような····· あー中学生までなのか、なるほど」
「みたいだね、昔は200円とかだったんじゃないの?」
「いや、たぶん転生前に来た時の記憶だと思う、最後に来たの中学生とかだったと····· いや違う、前にみんな一緒に東京観光しに来た時はまだ中学生くらいの歳だったから200円だったんだ」
実は私とフィーロ君はこの動物園に来るのは二回目だったりする。
前は確かなかよし組全員でこっちに観光しに来た時で、そん時はたしか15とかだったはずだからギリで中学生料金で、アルムちゃんだけデカすぎて大人料金になり掛けたのはいい思い出だ。
「いやー納得したわぁ····· んじゃ納得したし入ろっか」
「いつまでもここに居るのも勿体ないしね」
「だねぇ····· よし1200円っと」
「フェニカの分は?·····あぁ無料なんだ、なるほど」
「そうそう、だから私たちの分だけでOKだよ!」
って事でフェニカの分は要らないので二人分のチケットを発券し、私たちは動物園へと入園した。
そんでまずは入ってすぐ右に居る世界三大珍味の海鼠腸·····じゃなくて猫熊に会いに行くべきだよね!
「んじゃまずはパンダに会いにいこっか、フェニカもいいよね?」
「聞いてないみたいだよ?きょろきょろしてるし興味はあるみたいだから連れて行っていいんじゃないかな」
「んふふ、じゃあそうしよっか」
という訳でまず私たちはパンダに会うためパンダ舎に入ったのだが·····
「·····見事なまでの爆睡だねぇ」
「だね、まぁ、うん、動いてるの見れる方が珍しいみたいだし仕方ないよ」
「だねぇ····· ほらフェニカパンダのケツだよ~」
「んむぅ·····」
「·····なんか不満そう?」
肝心のパンダが爆睡していて、私たちの居る場所からはケツしか見えなかった。
まぁ動いてる方が珍しいみたいだし仕方ないよね。
「·····」
「·····」
·····フェニカにケツ向けて寝てんの見てたら腹たってきたな。
ちょっとレアで変な柄だからってチヤホヤされやがってコンニャロウ。
ガバッ!!
どっどっどっどっ!!
「おー起きた、よかったねフェニカ、ほらパンダさんだよ~」
「·····ソフィちゃん?」
「ナ、ナンデショカー?」
い、いや、私は特に何もやってないのよ?
フェニカと一緒に爆睡してるパンダをじっと見てたら突然パンダが飛び起きて猛スピードで私たちの所にやってきただけで、来いとか命令したわけじゃないからね?
·····ま、まぁ、ちょっと睨みつけるような形にはなっちゃったけど、私は悪くないわ!
それに誰だってせっかく来たのにケツ向けて寝られてたらちょっと不満くらい出るよね?
「まぁいいけど、あんまり変な事しないでよね?」
「わかってるって、ごめんね寝てる所を起こしちゃって、あーお腹いっぱいだったのね、ごめんごめん寝てていいよ、ほらフェニカもバイバイしてあげて」
「うー」
\ふりふり/
「えっバイバイした!?」
「真似じゃない?いや真似でも凄いけど·····」
私はフェニカと話しながらパンダに向かって手を振ると、フェニカもそれを真似したのかパンダに向けて手を振った。
ちなみにこんなことをしたのは初めて見た、めっちゃビックリだわ·····
だがそんな事よりもビックリしている者はこの場にはもっとたくさんいた。
たまたまパンダを見ていた他の客は、日本語を流暢に喋る外国人夫婦が来た途端にパンダが飛び起きて更に客とパンダが普通に会話しているのを見て驚愕していた。
そしてパンダも突然この世界には存在しないはずの龍に睨みつけられたような悪寒を感じ、カンフーの達人の如き勢いで飛び起きると気配の出所に直行し、命乞いをはじめたのだ。
そして驚かせた元凶のソフィたちは、パンダに謝るとどこかへと行ってしまったのだった。
そのパンダは珍しく今日は寝ずに閉園までいたらしいが、次の所に行ってしまった私たちは知る由もなかった·····
◇
そんで元凶たちはというと、次の獲物の場所へと向かっていた。
「おー、やっぱりデカいなぁ·····」
「日本にもこのサイズの魔物·····みたいな大きさの動物っているんだね····· 何回見てもびっくりするなぁ·····」
「でしょ?ちなみに大昔では体高4m近い象、マンモスが居たらしいよ」
「えぇ·····」
「もっともっと昔だと最大で高さ10mくらいで長さ26mもある生物とかも居たんだって、ちなみにこの公園内にある博物館に骨が飾られてたと思うよ」
「そうなの?時間あったら見たいなぁ·····」
「また今度ね、フェニカにはちょっと早いだろうし····· ちなみにこの星で1番大きい生物って今も居るシロナガスクジラらしいよ、科学博物館前に実物大の模型が飾ってあるから時間があったら見に行こっか」
「良いね、まぁ今は動物園に集中しよっか」
私たちがやってきたのは、道なりに進んだ先に居た陸上生物の中でトップクラスに大きい巨獣のゾウが居るエリアだ。
異世界だと魔物という存在がいるから竜脚下目に属する恐竜なんかより圧倒的に大きい魔物も普通に居るし見慣れているけど、こうして改めてこっちの世界でゾウを見るとなかなかファンタジーな存在だと思い知らされる。
実の事を言うと、向こうの世界では魔物ではない生き物でゾウほど大きいのは滅多にいない。
いちおう海外だとマンモス級にデカい動物は居るらしいけど、サークレット王国では精々巨大クマが居る程度だ。
あとクジラが居るくらいかな?
だから、こうして普通の生き物でここまで巨大な存在は意外と珍しかったりするのだ。
·····魔物だと体長2km越えの空飛ぶクジラとか、全長十数km越えのリヴァイアサンとか居るけど。
噂によると宇宙には恒星を丸呑みにできるバケモノ蛇が居るらしいけど、うん、魔物を普通の生物と比べちゃダメだよね。
「·····狭い所に入れられてちょっと可愛そうかも」
「そう?本人は意外と満喫してるみたいだよ?ねっ!」
『バオォォォォオオオンッ!!!』
「うぇ····· ほにゃぁぁぁぁああああああああああっ!!!」
「あぁ泣いちゃった、よしよし、怖くないよ?」
『パオォッ!?パォオ、パォォオオオ!』
「えうぅぅぅううう····· あうぅ····· きゃっきゃっ!」
そんでフィーロ君が狭い空間に入れられて可哀そうと言ったが、実は動物園の生き物は個体によって意見は違うが別に不幸だとか思っている個体しか居ないわけではないと動物と会話できる私は知っていた。
ゾウなんかは人と触れ合ったり見てもらったり見たりするのが好きみたいで、いま見ている象も私の呼びかけに応じて楽しそうに反応してくれたくらいだ。
でも大声を出したせいでフェニカが泣いちゃって、私もゾウも焦ってフェニカを泣き止ませるため慌てて色々やりはじめた。
像はそこら辺の草を持って鼻をブンブン回して愛嬌たっぷりに動いてくれたし、フェニカには沈静魔法を軽くかけて落ち着かせてあげて、あやそうとしてくれているゾウをフェニカへと見せた。
するとフェニカは面白い動きをしているゾウを見て喜んでくれて、すぐに泣き止んでくれた。
「ふぅ····· 泣き止んでよかった·····」
「あの象、なんか妙に人っぽかったなぁ·····」
「まぁ象ってかなり頭がいいらしいから、他の動物と比べるとかなり会話しやすいよ?それにいう事もよく聞いてくれるからね!」
実は私は動物と会話ができるという特技があるんだけど、動物によって会話ができたり逆に何を言ってるのかを聞くくらいしかできなかったりするのだ。
その条件って言うのが知性の高さで、象なんかはかなり話がしやすい、
他にもチンパンジーとかの類人猿は当然で、カラスや海生哺乳類、一部の鳥類、珍しい所だとタコなんかも会話ができるのだ。
まぁやろうと思えばアメーバとも疑似的に会話できるのが私なんだけどねっ☆
「そうなんだ·····」
「ちなみにあの象はここに居ても別に窮屈って思ってないみたいだよ?それに、自然界に居ると捕食者とか密猟者に常に狙われて命の危機を警戒し続けなきゃいけないから、こうして平和でみんなから好かれるこの場所は居心地がいいんじゃないかな」
話を聞く限り動物たちの中でも賛否両論はあるんだけど、個体によっては動物園で暮らす方が幸せという動物も結構いるのだ。
何せ動物園なら肉食獣なら安定した食事を狩りをせずとも手に入れられて、草食獣なら捕食者に狙われず平和に過ごせるのだから。
それに肉食・草食問わずどちらでも、もし病気にかかっても人間がすぐに治療してくれて長生きもできるし、人間たちは居るだけで喜んでくれるから、退屈でも幸せという動物は意外と多かった。
まぁ普通に不満を言う動物もいるし、外を走り回りたいとか嫌だと思ってるのも居るけどね。
「まぁ私だったら檻に閉じ込められて一生見世物になるのは嫌だけどね」
「·····小説の主人公がそれ言っていいの?」
「·····確かに、まぁでも、私はのびのび暮らせてるし、見せてないところだと結構自由気ままにやってるから、ちょっと見られるくらいなら別に構わないかなぁ」
よく考えたら、私も動物園の動物みたいなモノなのかなぁ·····
いや、どっちかというと自然保護区に居る野生動物って言った方がいいかな?だって別に檻の中に縛られてるわけじゃないし、それに·····
「だって私、第四の壁の外に出ちゃってるもん、ね~読者さん?」
みんな動物園の珍獣ソフィ・シュテインを見てると思ったでしょ?
んふふ·····
私もしっかり見てるからね?
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「深淵を覗く時、深淵はそっちをジロジロ覗き込んでるんだよ?んふふ·····」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「ソフィちゃん怖っ·····」




