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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第六章 TS賢者は母になるっ!
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商売の鬼と魔物たちっ!


 町役場の外に出ると、そこには·····



「あっ来た来た!おーい!ソフィちゃーん!」


「お待たせ、急に呼びだしちゃってごめんね」


「ん?誰やこのデカいの」

「ほほー、なかなかな····· うげぇっ!!タマヤン離れろ!マジヤバイわ!!」


「大丈夫ですよ、アルムちゃんはこっち側ですから」



 巨大な双峰が聳え立っていた。

 いや間違えた、アルムちゃんが待っていたのだ。


 そう、実は····· いやバレバレだったと思うけど、アルムちゃんはアヤメと2人で店を切り盛りするのが厳しくなってきていて、従業員を雇いたいけど生憎彼女の店には主に私関係で秘密が多いからなかなか従業員を集める事もできず、シルキーさん達も流石に商売は難しかったみたいで人材が不足していたのだ。


 一応だけど繫忙期は私の分体を派遣して手伝ったりしたけど、やっぱり安定して仕事ができる人が欲しかったらしい。



 そこに丁度この町に物を売りに来てしかも何回も来てるっぽい感もあって様々な商品を取り扱っている彼女たちは、アルムちゃんの店には丁度ピッタリな存在だったのだ。



「さ、さよか·····」


「なんでや? いや、ちょっとまちぃ!なんでウチににじり寄ってくるんや!?」


「可愛いから?」


「理由になっとらんわ!!やめっ!ウワーッ!!やめろーっ!!!」

「逃げとって正解やったわ·····」



 あっ抱き着かれた。

 うん、やると思ったわ、だってタマヤン丁度抱きやすそうな感じするし。



「まぁそれは良いとし\良くないわっ!!/·····いいとして、魔物証明書類を受け取るからアルムちゃんも一緒に冒険者ギルドに行くよ」


「はーい」


「まぁアタシの商売人のカンだとアカン気はせぇへんからええけど····· 一応警戒はするで?ウチらの敵やからな」



 やっぱり露骨に警戒してるなぁ·····


 だって勇者だから魔物も警戒するに決まってるよね。

 ·····というか、このホンタって魔物かなり高レベルの鑑定能力があるな?アルムちゃんの勇者スキル群は隠されてて普通の人程度じゃ見抜けないはずなんだけど。


 まぁいいか、悪い物ではないし商売人には必須スキルだから放置で大丈夫かな。



「それじゃ行きましょ」


「その前に!ウチの事助けろやー!!!」





「·····確認は完了いたしました、そちらのタマヤン様がBランクの魔物『ポニコーサス』で、ホンタ様がAランクの魔物『イマジナルクーン』ですね、長年ギルドマスターをしていますが、こうしてお目にかかるのは初めてです」


「へぇ、結構強い魔物だったんだ·····」



 マグウェル街のギルドにやってきた私たちは、早速ギルマスに強制的に裏に案内されて防音がバッチリな会議室で話しをしていた。

 そんで色々な機材とかを持って来て、広い会議室の中で元の姿に戻ってもらって何の魔物化を特定したりした結果、2匹の正体がちゃんと判明した。



 タマヤンこと『ポニコーサス』はごっつわかりやすく言うと『ポニーにペガサスの翼とユニコーンの角を足したちっこい馬』って感じで、元々人類には敵対していないモフウサやモフアザラシやヴィエルグランツみたいに温厚な魔物だ。


 ちなみに知能がかなり高く、15歳くらいの人間並みの知能は持っていると言われている。


 そんな温厚で賢い魔物がBランクに指定されている理由としては、まず素材が非常に貴重で、確か翼や革や蹄を使うと空を歩ける魔法の靴が作れたはずで、角は万能回復薬に必要なユニコーンの角の代用品になるはずで、そういう凄い素材が大量に取れるからっていうのと、空を飛ぶため討伐が非常に困難であること、数が少ないため滅多にお目に掛かれない事、走ると滅茶苦茶早い事、そもそも普通にクソ強いという点が挙げられる。

 あと珍しい雷属性の魔物だったりする。


 そういう事が相まってBランクに指定されているのだ。

 ·····ちなみにAランクじゃない理由はというと、ニンジンをあげるとホイホイ着いてくるくらい割と手懐けやすいからっていうのと、その割にちっこいせいで子供くらいしか乗れないからペガサスほど役に立たないし、ユニコーンほど素材が優秀なわけでもないからだったりする。



 そんでホンタさんこと『イマジナルクーン』は····· うん、見た目は普通のタヌキだ。


 ただしかなり高い知性を持ち合わせており、魔物図鑑によるとオシャレをしていて額に葉っぱを乗っけている姿がよく目撃されている。

 ·····らしい。



 でもそれはこの魔物の特性故に生態がはっきりしてないからで、実際は頭から特殊な植物が生えていて、あとで説明する魔法の媒体として使うらしいとアカシックレコードに載っていた。


 使う魔法は植物魔法と極めて珍しい『具現化魔法』で、頭に乗っているように見える葉っぱ『イマジナリーフ』を媒体として、魔力で自身の身体を作り変えることで人間や他の魔物や無機物など、ありとあらゆる物に変身する力を持っているのだ。

 更に葉っぱをちぎって変身させて武器にしたりも出来るらしい。


 ちなみに『イマジナリーフ』は優れた変身薬、ポリ〇ュース薬っぽい変身の魔法薬の主な材料になるので超高額で取引されている代物だ。

 更に魔力消費の多い具現化魔法を使うために魔石が非常に高純度かつ大きく、ほぼ確実に結晶化しているのでそれも高値で取り引きされている。


 なお毛皮は普通にモコモコで暖かいからコートに使われる事もあるけど、普通のタヌキとあんま変わらないそうだ。

 あと肉はマズくて食えないらしい。


 また、戦闘能力はタヌキ状態では結構低いが、変身すると変身相手と同格に肉体を得るので場合によってはSランクに近い実力を得る事が可能だけど、ドッペルゲンガーみたいに相手の記憶や癖まで全てコピーするわけではないし、人間より大きい物になると時間制限ができるみたいで、ドラゴンだと5分しか持たないらしい。

 逆に言えば、たった5分間だけでも数分もあれば町を壊滅状態にできるドラゴンに変身できるから、この魔物はAランクに指定されているのだ。


 ちなみに人間との敵対度は野生のタヌキより少し人間に懐きやすい程度····· と思われているが、実は大半は人間社会に溶け込んでいるかどっかの山奥で村を作っており、時々人間と交易をしている商売のプロの魔物らしい。


 ·····平〇狸合戦ぽ〇ぽこかな?って一瞬思っちゃったわ。



「でもこの2人、特Aランクでも良くないですか? 人の言葉を完全に理解して喋る事も可能ですし、実力も他の個体よりはるかに高いと思いますよ?」


「ユニーク個体ですね、それについては確認しておりますが、友好的な魔物なので個別ランク付けはやっていません」


「なるほどなるほど·····」


「せや!ウチらは強いんや!」

「まぁそやねぇ、タマヤンに変身魔法を覚えさせたのもアタシやしなぁ」


「えっ教えたって?」


「ホンタさんは多分かなり高度なレベルのユニーク個体だからじゃないかな、魔法を他人にコピーして渡せる能力が特異的に高いんだと思う」


「せやな、この葉っぱ食えば一発で擬人化できるようになるで?」

「そや、ウチは元々ニンゲンに変身もできんかったし言葉もしゃべれんかったんや、せやけどコイツが食わせてくれてな、変身できるようになったんや!ウチだけやないで?家族全員できるんや!」


「すご·····」


「·····はっ!その葉さえあれば我が家のモフウサも」

「悪い事はいわへん、やめとけ、アイツらはモフモフで言葉がわからんままの方がええ」



 モフウサ、あいつら愛嬌たっぷりなのに基本的に口めっちゃ悪いからなぁ·····

 ちなみにモフアザラシは中身まで可愛いよっ☆



「っと、長話しすぎてしまいましたね、では証明書をお渡しいたします、くれぐれも我々の()()()にならないよう今後とも宜しくお願い致します」


「わ、わかっとるわ!そんなことはせぇへん!」

「アタシらも出来ればニンゲンさんとは敵対したくないわ、せやから今後ともよろしゅうたのんますわ」



 そういうと、魔物2匹は証明書を受け取るとギルマスと握手して、無事にこの町に普通に入ってこれるようになったのだった。



「あっこの2匹が何か問題を起こしましたら責任は全てソフィさんに行くので覚えておいてくださいね」


「·····なんでやねんっ!!?」



 そして私の渾身のツッコミが炸裂した。





「ん~っ!はぁ、これでウチらも大手を振ってお天道様の下を歩けるんやなぁ·····」

「確かに、バレて殺されたらと思うとあんま長く居れんかったもんなぁ、こうしてみると良い町やねぇ」



 結局なんかあったら責任を全部負う事になってお天道様が岩戸にニートしかけてる私とは真逆で、この町とマグウェル街に自由に出入りできるようになった2匹はきっと太陽がまだ少し早い真夏の太陽の如く輝いて見えている事だろう。


 はぁ·····


 なーんであんな手続きがさっさと終わったのかちゃんと疑問に思っておけばよかった····· 私に全責任を負わせるって事だったから早かったのかよ·····



「とりあえずさ、そこの喫茶店に入って話さない?ワタシこの2人と交渉したいんだけど」


「おっ!商売ん話か?ウチらは安くないでぇ!」

「そうやねぇ、せっかくなら大商人サマとお取引きしたいんやけど·····」


「それはワタシの話を聞いてからにしてみない? 絶対に損はさせないよ? あと喫茶店の代金はこっち持ちd·····」

「っしゃあ!受けて立ってやるで!」

「タダと聞いたら行くしかないやん!」


「わぁお現金·····」

「お代はソフィちゃんが払うから好きなだけ食べていいよ!」

「·····は私が払うの!?えぇぇぇえええっ!?」


「たらふく食ってやるで!ウチは貧乏であんま飯食えとらんからな!ついでにおチビたちに土産も持って帰ってやっから土産モンも頼むで!」

「タマヤンは結構食うさかい、気を付けるんやで?ざらにウン万とか行くで?」


「おっけーおっけー!じゃあいこー!!」


「「おうっ!!」」



 ·····私、泣いていいよね?

 もうマヂ無理····· とりあえずヤケ食いしよ·····



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「なんか被害が全部私に降りかかってる気がするし、食費がヤバそう····· 末脚恐ろしいわぁ·····」


名前:アルムちゃん

ひと言コメント

「コスト削減は商売人の腕の見せ所だよっ!」


名前:タマヤン

ひと言コメント

「ウチは小食やけどニンゲンと比べると結構食うで!それにこの町のメシはウチもおチビたちも好きやから沢山食ってたくさん買って帰るで!奢りってサイコーや!!」


名前:ホンタ

ひと言コメント

「アタシもご相伴に預からせてもらうわ、そや、『イマジナリーフ』、今なら何と1枚100万円!これでも結構安い方なんやで?ちなみに引っこ抜いたら7日で生えてくるんや、せやから時々お国サマに売って儲けさせてもらってるんよ」


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