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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第六章 TS賢者は母になるっ!
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町に紛れ込む魔物たちっ!



 未来からのアルバムが届いたその日の午後、暇を持て余した私はとりあえずフェニカを抱っこして町へと散歩しに来ていた。



「いい天気だねぇ····· んふふ、お日さま気持ちい?」


「·····」


「蝶々見てるの?可愛いなぁ·····」



 最近はフェニカを連れて町を散歩する機会が増えて、フェニカも外を散歩すると興味津々といった様子で景色を眺めているからいい刺激になっているのだろう。


 それに·····



「あらあらっ!町長の娘さんじゃない、赤ちゃんも一緒なのね、可愛いわねぇ」


「あっこんにちは、今日は天気もいいので散歩に連れてきたんですよ」


「そうそう!ここ最近天気いいわよねぇ、雨期だっていうのに降らないから洗濯物が干せてしかもよく乾くのよ、ソフィさんも今のうちに布団とか干しちゃいなさいよ」


「あーもう暖かくなってきましたもんね、今度干そうかなぁ·····」



 こうして町を歩いてると町民に話しかけられて、ほぼ確実にフェニカの事を褒めてくれたりするからついつい散歩してしまうのだ。


 ついでに雑談がてら有益な情報とかも手に入るから助かってるのよね。


 とりあえず明日は晴れそうだし布団でも干そうと思う。



「あれそっち行くんですか?」


「ゴルドさんの所で春服のセールやってるみたいなのよ!行くしかないでしょう!!」


「なるほど····· 私はこの子がいるんで戦場に行くのはやめておきます、じゃあ頑張って下さいね」


「夫と息子と娘と娘婿と孫の分まで手に入れるわ!ばいばいフェニカちゃん」


「んぶぅ·····」


「あらま、嫌われちゃったかしら!私の声大きいからねぇ、ごめんねぇ?」


「この子、いま人見知りし始めたんですよ、だから嫌われたわけじゃないと思いますよ、ね~フェニカ?」

「むー」



 フェニカは最近人見知りし始めるようになって、この前話しかけてきた校長先生を人見知りしたら先生がショックを受けてて、その様子を見て笑ってたらブチ殺されかけたのだ。

 ·····途中から話ズレたな、まぁ、フェニカは順調に成長してきてる証拠だからコレはこれで可愛くていいのよね。



「そうだったのね、あらっ、もうすぐじゃない!ちょっと急ぐわ!」


「はーい」



 そして話しかけてきた主婦はセールが始まるとの事で凄い勢いでアルムちゃんの実家のお店の方に走って行ってしまった。



「さてと、次はどこ行こっか?」


「むぅぅ·····」


「あちゃぁ····· ご機嫌ナナメになっちゃった····· んじゃ人の少ない所いこっか」



 そしてフェニカは話し掛けられてご機嫌ナナメになってしまったようで、この状態で人が多いとこに居ると泣き始めるってわかっているので、私は表通りから少し奥に入った人の少ない裏路地を通って移動を始めた。





 とりあえずフシ町西側にある公園を目指して裏路地を移動していると、妙なものにばったり遭遇してしまった。



\ぽんっぬ☆/

「っとぉ、こんなんでええかな?ふぃぃ····· ニンゲンになるっちゅうんも楽やないのぅ」


「そやなぁ、商売んためにヒトん町さバケて来てっけど、バレたら殺されちまうしのぅ、タマヤンさんとこはどうでっか?」

「ぼちぼちゆうたとこやな!ニンジンが結構いい値段で売れるんや、ウチの村の名産品やからありがたい限りや!」

「ほなそんならウチのとこもウサギたちがニンジン作ってるさかい、多めに売りに出すのもありやなぁ」


「せやったな、ホンタさんとこも色んなのいるんやったなぁ·····」



 人の少ない裏路地の袋小路に、ポニーくらいの小さい葦毛の馬と、フワッフワな毛並みのぬいぐるみみたいなタヌキが居た。


 そしてめっちゃ人間の言葉を話してたし、運んできたであろう荷物があった。



「·····あっ、魔物」


「ほぎゃぁぁぁぁぁあああああああっ!!?バレてもうたっ!逃げるでホンタ!」

「わかってらぁ!タマヤン!のせてくれ!」


「·····あの、そこ袋小路なんで逃げ場無くないです?」


「「·····せやな!!いやアカンってこれ!!!ウチら死んだわ!!!」」



 ·····なんか、ノリが関西人っぽいんだけどこの魔物たち。


 いや実際は関西弁じゃないんだけど、サークレット王国の西の方の大阪辺りにある公爵家が統治する商業都市『コメリカ』のあたりの方言と似てるのよね。


 ちなみにあのあたりの方言は魔族の言葉から派生したらしいので、実はエビちゃんもちょっと関西弁っぽいような方言があるのだ。


 ついでにノリの良さもバツグンだわこの2匹。



「くっ!どうするホンタ、流石に人を殺るのはウチらの村のオキテに背くから無理や!特に子持ちはアカンで!」


「せや!妙案思いついたわ!ここはおとなしくただの動物のフリするで!」

「名案や!ほないこか!」



 そういうと、2匹は荷物を持つと普通の動物のフリをして私の横をすり抜けようとした。


 だが·····



「ちょいと横失礼·····」


「いや喋っちゃダメやろがいっ!!」


\ビシィッ!!/



 馬の方が横を通り抜ける時につい癖なのか喋ってしまってアッサリとバレた。


 一応人に危害を加えるつもりはないっぽいし、可愛かったから黙ってれば見逃そうかなって思ったけど喋っちゃったらもう見逃せない。


 だからガッツリとツッコミを入れた。



「しもうた!ついクセで!!ほなちと仕切り直ししてええか?」


「次はミスらないでよ?·····ってちゃうわ!あー、おほん、私はSランク冒険者のソフィ・シュテインって言うんだけど、2匹とも、死にたくなかったらちょっとついてきてもらえる?」



「あ、アカン、ウチら、マジで死んだわ·····」


「終わったわ·····」



 町に入り込んでいたノリのいい馬とタヌキの魔物は観念したような顔に、動物の顔なのに明らかに落ち込んだ顔をした。


 まぁ、そりゃ目の前にドラゴンでも楽々倒せるバケモノが居たら死を覚悟するよね。



「とりあえず、人間に化けられます?」


「·····できるけど、なんでや?」


「その状態で話してたら他の人にバレますし、事情を聞こうにももし動物と話してたら疑われるじゃないですか、だからですよ」


「なるほどのぅ、わかった、やってええか?」

「ウチらの秘術なんやけどなぁ·····」


「命よりはマシや、つべこべ言わずやるで!」

「せやなぁ·····」



\\ボンッ!!!//



 次の瞬間、馬とタヌキが煙に包まれて見えなくなってしまった。

 一瞬煙幕で逃げられたと思ったけど、煙が晴れるとそこには2匹がちゃんといた。


 だが、見た目はだいぶ変わっていた。



「どうや、完璧やろ!」


「タマヤン!耳と尻尾忘れとるで!」

「あっしもうた忘れとった!!」



 馬の方は池野め〇かみたいに身長のちっこいコテコテな雰囲気がする小柄な女性になり、タヌキの方は結構デカい垂れ目の商売人のお姉さんみたいな感じの女性になっていたのだ。


 ·····両方メスだったのか、まぁ声で何となくわかってたけど。


 あとウマの方、タマヤンは耳と尻尾を出しっぱなしにしていてタヌキのホンタから注意されていた。



「まぁいいかな、じゃあこっち来てください」


「·····わかった、せやけどウチらを殺そうとしたら即逃げるで?ウチは逃げ足だけは自信あるんや」

「せやせや、それにウチらはニンゲンさんのルール的にも悪い事は何もしてないんや!」


「まぁまぁ、とりあえずついてきてくださいよ」



 そういうと、彼女らは渋々私に付いてきて、私はちょっと散歩を再開したのだった。





 町に入り込んだ魔物2匹を連れて、私はフシ町西公園の目の前にある河原にやって来ていた。



「魔法収納かぁ、羨ましいのぅ」

「せやねぇ、アレさえあればウチらの商売も楽になるやろなぁ」


「·····魔法なんであげられませんよ?」

「うー、あうぇー」



 そんでフェニカはちょっと込み入った話をするので一旦インベントリから出した異世界仕様ベビーカーに座らせておいて、私は2匹と話すことにした。



「さてと、率直に聞きますけど何しに来たんですか?」


「しょ、商売や!ウチらは悪い魔物やない!」

「せや!ウチらは魔物たちの村で商人をやっとるんや!村で育てた野菜とかを売りに来ただけなんや!」


「·····そういえば魔物だけが住む村がどっかにあるって聞いたな、どこらへんですか?」


「ヒトに教えるのは無理や、皆殺されるからそれだけは教えられへん」



 ·····なるほどね?


 一応私も一部の魔物は人間を真似して村や集落を作っているのは知っている。


 マッチョマッシュ達のキノコ道場とかも魔物の集落といえば集落だし、ゴブリンなんかも知性は低いけど簡単な建物と集落を作るくらいならできるし、どっかだとスライムが国を作ってるって話も聞いたことがある。


 彼女らもここら辺のどこかの村からやってきた感じだろう。



「人を襲うような事は?」


「商売人は信用が大事や、そんな事したら人と交易できんから絶対にやらん」

「そうや、ウチらはニンゲンは絶対に襲わん!迷い込んだニンゲンも助けてるんや!せやからウチら殺さんといてくれ!!」


「わかった、まぁ元々倒すつもりはないですよ?というか私は魔物共存肯定派ですし」


「·····せやったかぁ、安心したわぁ」



 魔物共存肯定派は、温厚な魔物や人の言葉が喋れなくともある程度の知性があり、人とコミュニケーションを取ったりできる魔物は許して共存しようという考えを持つ人を指す言葉だ。


 私は元々ディメンションルームで魔物を飼ってたりするし、敵対したり人間に迷惑を掛ける魔物じゃなかったら存在は許す派なのだ。

 だってアヤメとか私の親友のリリムも思いっきり魔物だし、アキさん率いるシルキーたちも魔物と言えば魔物だし·····


 でも流石に町内であんなの見たら町長の娘としても冒険者としても流石に見逃すわけにはいかず、ついでに面白そうだったからちょっと話をすることにしたのだ。



「タマヤン安心したらアカンって!」

「せやった!えと、ウチらはニンジンとか売りに来ただけやから、今回は見逃してくれるとありがたいな····· なんつって····· ハハ····· ·····アカンか?この町はそこそこデカいしウチらの村からも近いし、アッチほど警備も厳しくないさかい、商売しやすいんや·····」


「別にいいですよ?」


「ダメやったら諦め····· ちょまて、ワリャ今なんつった?」


「大丈夫そうなんで町長の娘として許可しますよ?何ならギルドから『知性的魔物証明書』の発行をするように交渉とか手伝いますよ?」


「·····な」


「な?」


「なんやてぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええええええっ!!!!???それホンマか!? ホンマやったらウチらの恩人やで!!? ええんか!?」


「い、いいですけど·····」


「やったなホンタぁ!これでウチのチビ共にも美味い飯沢山食わせてやれるわ!!」

「せやね!ソフィさんにはもう感謝感激雨嵐やな!」



 な、なんか勢いやべぇこの人ら·····


 でもまだ信用はしたけど完全に信頼したわけじゃないから、もうちょい詳しく話しを聞くとするか。



「とりあえず今私この子の散歩してたんで、この子が満足するまで待ってくださいね?そんで満足したら家に帰すんで、その後行きましょっか」


「ん?ええけど、どこへ行くんや?」


町長の家(私の実家)ですよ?」



「「·····」」


「「えええええええええええええええええええええっ!!!???」」



 この人ら、反応良くて面白いわぁ。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「実は街中に友好的な魔物が入ってくるって結構よくある事なのよね、すれ違う時に『あっ今の人、魔物だ』とか結構あるし、人に化けた魔物が同じ変身してない魔物を連れて入ってくるとかよくあるよ?」


名前:タマヤン

ひと言コメント

「ウチの食費、結構ヤバいんや····· せやから堂々と商売できるとありがたいんや!」


名前:ホンタ

ひと言コメント

「堂々と商売できたらマジで助かるわ!ありがたい限りやなぁ!」


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