ケモ耳(?)娘ミナタのヒミツっ!
「うみゃった!!えと、ちがう、スシ美味しいっけ!」
「口に合って良かったよ、じゃんじゃん食べなよ~」
「やっぱり何度食べてもソフィさんの料理は面白い味で美味しいですね、それに庶民の食卓はとても新鮮で面白いです」
「もー、ご飯の時くらい柔らかくなればいいのに~」
料理を終えた私たちは、ミナタを加えて昼食を食べていた。
そんで食事し始めて意外だったのは、ミナタが普通にスプーンとフォークが使えたことだった。
どうやら金属製のモノは無かったけど木製の食器くらいなら普通にあったみたいで、私が想像していたような未開の部族の食卓を想定していたのは間違いだったらしい。
ちなみに故郷の村がどんな感じか聞いたところ、本人は『へっなド田舎』と言っていたがログハウスが立ち並ぶ海沿いの山際にある村だったそうで、ちょっと見たところイメージとしてはコテージが沢山あるオシャレなキャンプ場のような感じで、一瞬あっちの世界に来たかと思うような光景が広がっていたのだ。
ついでに言えば結構文化的な生活をしてて、サークレット王国ほどじゃないけど魔道具が普及してたり狩りの道具もどっかから買って来たっぽい金属の武器とかもあって、思ったよりはごく普通な村だった。
獣耳族ですっごい際どい民族衣装を着てたもんだからてっきりアマゾンの奥地の未開の部族みたいな生活をしてると思ってたからビックリしたわ。
「なま、アチシもハシってん使えたんなぁ·····」
「まぁ箸を使えるようになるの結構大変ですし無理しなくてもいいですよ」
「へなぁ·····」
「ミナタさん、ぼくも諦めているので大丈夫ですよ」
でもやっぱり箸は使えなかったみたいで、基本的になかよし組のみんなは何だかんだ使えるようになってはいるけどそれ以外の人はスプーンとフォークを使って食事をとっている。
あとお兄ちゃんも箸を使うのは苦手で、一応使えるけど大きい物じゃないと掴めないくらいな感じだ。
ちなみに、さっき箸をつかってみたいとミナタが言ったので私の箸を貸したらへし折られて泣きながら直したのはナイショだよっ☆
そんでスプーンとかじゃ食べられない寿司に関しては、イルミア君たちでも食べられるようにあらかじめレンゲに乗っけておいて食べやすいように工夫しておいた。
私ってこういう創意工夫は得意なのよねっ☆
あとあと、実はちょっと面白い食器も開発していて、ペンのような形の食器の魔道具で、料理に近づけてからボタンを押すと先っぽからある程度の距離にある有機物を魔法で持ち上げるという効果のある食器なんかもある。
·····んだけど、前に一応有機物の範疇であるプラスチックの器を掴んじゃって中身を吹っ飛ばした事があって、木製の器でもなると判明したから改良したんだけど、改良版でもちょいちょいエラーがあったからそこまで使っていなかったりする。
でも非接触型だから汚れないお陰で洗うのが楽で、わざわざフォークとか箸を出すほどじゃない一口で食べられるけど素手で食べると汚れるモノとかを食べる時には使っている。
主にウナちゃんがゲーム中にポテチ食べるために使ってる程度だけどね。
これがあれば寿司も食べられない事は無いんだけど、今日の私はオシャンティーな気分だったのでれんげに寿司を乗っけてみたのだ。
「んでも、サークレット王国のご飯って美味しいんな、もっとオシャレだと思ってたっけ」
「いやこれ大半は異世界の料理だよ、私元々異世界人だし」
「·····んげっけろっけぇぇぇえええええええええええ!!!!???へなぁ!?べべってやぇなっけっぱ!?あっがんてっぺりゃっせぇ!?えげべっぺにみみにぱっぢゃ!?」
驚いてるのはわかるけどマジで何言ってんだろ。
「えーっと、·····サークレット王国の名物料理ってあったっけ?」
「海鮮パスタが有名だったと思いますよ、海産物は世界的に見ても特に有名ですから、サークレット風海鮮パスタという料理もあるくらいですから」
「なるほど、あとは····· なんかあったっけ?」
「アレは?あのパン生地でいろんなのを包んで揚げる料理」
「あーあったねそれ、アレってサークレット王国の名物だったんだ」
「えへぇ····· 血詰めソーセージくらいしか·····」
「·····レミアはもうちょい色々食べて経験重ねるべきだと思うよ」
「干物とかも結構有名じゃない?それに最近だと醤油とか味噌とかお米とかも流通し始めたし」
「スパイス料理は?結構有名でしょ?」
「あーそれがあったわ」
あんまりこの国って名物があるイメージはなかったけど、言われてみればって感じでそこそこあったわ。
この国は土地柄海産物がめっちゃ取れるから干物にして輸出されたり、スパイスもダンジョンのお陰で豊富にとれるので香辛料やそれを使った保存食もなかなか有名だ。
ちなみに食材をパン生地で包んで揚げる料理はなんかカレーパンみたいな料理で、カリっとしてるけどふわっとしてたりモチモチだったり店や地域で差があり、具も海に近ければ海産物が入ってたり山だと肉が入ってたり色々な種類がある。
一番人気はカレー味····· うん、ほとんどカレー揚げパンだから美味しくて当然なのよね。
あとは私が普及を進めて、更に日本から製法を見つけてきて急速に普及が始まった日本の発酵食品も名産物となり始めているし、それを使った私がレシピを普及させたウナギのかば焼きや煮つけやしぐれ煮なんかも名産物になり始めている。
それと米と日本酒も。
「·····まぁ、だから一応これもサークレット王国の名物っちゃ名物かな?元々は異世界の料理だけどねっ☆」
「そ、ソフィって違う世界からきてたっか····· ありえんけ····· それこそほんとにへなだっけ·····」
「んふふ、ちなみに私Sランク冒険者で結構強いんだよ?それにそこの白黒の子はこの国の王女様だし、そこのは公爵家の令嬢だし、そこのデカ乳は有力な商人の娘だし、そこのツノが生えてるのは魔王だし、今日は準Sランクの私の信者が来てるし、結構色々凄いのがいるよ」
「へ、へなすごる人いっぱいだっけ····· 都会こわいっぱぁ·····」
いや都会でもこんなヤバいのが沢山集まってる場所無いわ。
まぁ実際に都会に出た時に常識よりぶっ飛んでる方が馴染みやすいっしょ。
「·····んでも、Sランク冒険者って言ってもへなでもなげな?」
·····なんかわかんないけど、突然ミナタが好戦的な顔になった。
どうもSランク冒険者って聞いても私が大した実力があるように見えないから、本能的に格上を決めたくなったのかな?
獣耳族の人って割とそういう傾向あるらしいし。
「ん?あぁ今は実力を隠してるからね、そりゃ·····」
「·····ソフィさまぁ、ちょっといいですかぁ?」
「ん?なに?どうしたのレミア」
私の会話を遮ってレミアが何か真剣な顔で話しかけて来た。
·····自分を差し置いて他の人と話しないでとかだったらゲンコツ喰らわせなきゃかな。
「遮音結界は張れますかぁ?」
「いいけど····· そんなやばいの?」
「はいぃ····· あのミナタとかいうお方、たぶん人間
じゃありません····· 生物かどうかも怪しいですぅ」
「·····どういう事?」
「血がありません、血液の気配を感じられないんですぅ·····」
「·····え?」
レミアは私に関わる時の言動こそヤバいけど、その実力と血に関する事なら間違える事はまずない。
町中で人とすれ違っただけで、その人が血液関係の病気に罹ってるのが分かって治療院に連れて行ったり出来るし·····
そんなレミアが血が無いと言ったって事は、ミナタは生命体では無い可能性が出てきた。
「ありがとうレミア、ちょっとミナタは詳細に調べてみるわ」
「そうした方が良さそうですぅ·····」
私はレミアにお礼を言って早速鑑定を始めた·····
·····んだけど、うん、ちとヤバいねこの子。
だから『モデルの無い獣耳族』だったのか。
「『ティンダロスの猟犬』が元になった獣耳族····· いや、ティンダロスの猟犬と人類種のハーフか·····」
「てぃんだろす?しらんっけ、でもアチシは結構強いっけ!ソフィくらいなら·····簡単に殺れっけ」
シュキンッ!!
本来は獣ですらないバケモノが人の形を模している存在、それこそがミナタの正体だったのだ。
調べた感じ、ティンダロスの猟犬と人間のハーフで間違いないけど身体機能は限りなくティンダロスの猟犬に近くて、人間を模してるだけのようだ。
·····もっとも、本人は人間として育てられてるから、自認は人間みたいだし実質亜人みたいなものだけど。
ていうかミナタが人類種として定義できないと非常にマズい。
だってこの世界の人間、大半がサキュバスの遺伝子が入ってるからほぼ亜人みたいなもんだし。
おっと話が逸れた。
既に私の周囲の鋭角から魚をさばいたのと同じ鋭利な爪をのばして攻撃しようとしてるし、たぶん素の身体能力も軽々Aランク冒険者に匹敵するくらい強いし、彼女の居た村の中でも桁違いに強かったはずと言えるくらいにはヤバいね。
ミナタの実力があれば0.1秒もあれば私を殺すのには十分なんじゃないかな、もう全方位囲まれてるし、いま飛び出したら一瞬で私の首を切り裂いて殺せるだろう。
特に血液特攻持ちで準Sランクになったレミアは相性最悪だから、太刀打ちできないだろう。
「でも弱いね、ほいっ」
「へげなぁぁああああっ!!!?そげ、ひゃめ、あっ♡」
でも私には勝てないけどね。
私は須臾で時間を遅延させると、彼女が認識するよりも早く後ろに回り込んで尻尾をニギニギしてやった。
すると途端にへにゃぁ·····ってなってミナタの全身から力が抜けてしまった。
この隙に私は確実に殺せてるくらい余裕はあるし、まだ全然本気じゃないから別に実力はそこまでと言ったところだろう。
もしかしたら病み上がりでまだ回復しきってないからかもだけど、全力でも私の方が強いね。
「んふふ····· ナマイキな犬には本物の神様の方がつよいってしっかり躾するべきかな?」
「ひゃめりょぅ····· へにゃなっけぇ·····」
「ソフィちゃん怖っ」
「ソフィさんって、意外と怖いんですね·····」
「羨ましいですぅ·····」
「うっさいわ、悪いワンコには躾が必要に決まってるでしょ?主従関係はしっかり叩き込まなきゃね?」
「へ、へげねあぁ·····」
「んふふ、あんまナメない方がいいよ、好戦的な性格なのはわかるけど安易にケンカを売らないようちゃんと覚えようね?って事でちょっと常識も足りなそうだからしばらくミナタをここで飼っ····· くまってもいいかな?」
「·····まぁ僕は構わないよ」
「みんなもOKそうだね、それじゃしばらくの間よろしくねミナタ」
「めにぇなっぺなゃ····· めげあんゃいきゃあ·····」
「·····あっごめん、手離すの忘れたわ」
「はひぃ·····」
ま、まぁ、という訳でティンダロスの猟犬の獣耳族のミナタがなかよし組に仮入隊することになったのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「ちなみに推測だけどミナタの強さはウナちゃんにちょっと及ばないくらいだと思うよ、グラちゃんと互角ってとこかなぁ·····」
名前:ミナタ
種族:獣耳族(モデル:謎の異次元生命体)
ひと言コメント
「さ、サークレット王国ってすっげへなだっけぇ·····」




