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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第六章 TS賢者は母になるっ!
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軽い運動しておやすみ



「うぐぅぅぅぅぅううううううううっ!!!でりゃあああああああああああああっ!!!!」



 バギャァァァアアアアッッ!!!



 私とミカちゃんが異次元に飛ばされたのを確認した瞬間、私は受け止めた私の腕が半ばまで炭化し消し飛ぶほどのミカちゃんの全力の神撃を、マギ・レールキャノン100門による側面への一斉砲火により軌道を逸らし、私への直撃を回避した。


 その代償として私の左腕は肩から先が切り落とされ、左足も半分ほど削がれる致命傷レベルの大怪我を負ってしまった。


 更に神撃は勢いを止めることなく振り下ろされ、急ぎで構築した神のみが使える実験用シミュレーションプラネットへと直撃し、再現された私の故郷の惑星を切り裂いてしまった。

 しかし私が軌道を逸らしたおかげでこの星は真っ二つにはならなかった。


 ·····だが、私の足元には惑星の反対側にまで続く大渓谷が形成されていて惑星全体の1/4が完全に切り離されてしまっており、その大渓谷に海水が物凄い勢いで吸い込まれていた。


 たったそれだけでも、この世界は終焉を迎えていただろう。

 危ないところだったわ·····


「いってててて····· やっぱこっちに避難して正解だったよ·····」


「·····ん、ここ、シミュレーター?」


「そうよ、まったくもー、ちゃんと周囲の事も考えてよ·····ねっ!!」



 ズドンッ!!!



「んぅっ!!?」


「流石の反応速度、神造セラフィム量産計画のプロトタイプの一個体にして、神々でさえ想像し得なかった神器『絶対防壁(Αιγίς)』が顕現したイレギュラー個体『ミカエル型共鳴防衛障壁展開システム及び超高出力第二種魔導永久機関搭載疑似熾天使試作0号(プロトタイプ)『X』』だねぇ·····」


「·····そのなまえ、なんで知ってる」


「んふふ、神様だから」



 私は腕を速攻で治癒して元通りにすると、治りきる前の魔力で構成された光の腕の状態のまま途轍もない速度でミカちゃんに接近すると、ソフィアの槍をミカちゃんに向けて本気で殺すつもりで突き出した。


 だが槍は紙一重で回避されてしまった。


 普通の天使くらいじゃ絶対に避けられない神速の一撃だったはずなんだけど、ミカちゃんは格どころか桁が違うイレギュラーな存在だから危なげなく回避してしまったのだろう。


 そう、ミカちゃんは綾〇レイのように造られた存在で、神でさえどんな性能があるのかわからなかった第二種魔導永久機関『クローバードライブ』を搭載したプロトタイプの天使だ。

 一応本物の熾天使のコピー体に近い存在みたいだから、永久機関を所持してしまったミカちゃんに突如神器である絶対防壁(Αιγίς)が出現し、神に匹敵するほどの力をもってしまったのだ。



「さてと、満足いくまで付き合ってあげるから掛かって来ていいよ、もちろん殺す気で·····全力でね?」


「ん、もちろん」


 ガキャンッ!


「よっと、でももちろん私も本気で行かせてもらうよ?」


「当たり前、それに一勝一敗だから、必ず勝つ」

「望むところよ!!かかってこい!!」



 私が掛かってこいと言った瞬間、ミカちゃんは即座に私に切りかかって来てつばぜり合いをしていた。


 ·····実は私とミカちゃんは、12歳で出会った時の魔法競技大会の決闘の練習での勝負の他に、後日私が頼み込んでもう一試合やってたのよ。

(※別投稿の『TS賢者のエトセトラっ!』にてその様子は公開中だよ☆)



 ·····ぶっちゃけ言うと結果は私の勝ちだったんだけど、割と姑息な手段で勝ったから今回は真正面からぶっ倒したいから、私も乗り気だ。


 そしてミカちゃんも久しぶりの運動が楽しすぎてちょっと興奮しすぎているみたいで、かなり乗り気のようで·····


 お互い成長した今、更なる激闘が幕を開けた。



「でりゃああああああっ!!そりゃっ!ていやっ!!」


「んっ、うんっ、んっ!!」



 私はミカちゃんの結界剣を振り払うとソフィアの槍で攻撃し、ミカちゃんがそれを結界剣でガードしたと思ったら次の瞬間私に向けて剣を振って、私はそれを槍で防ぐ神速の攻防戦をしばらくの間繰り広げていた。





 ガキャンッ!!



「くっ!攻撃はそこまでじゃないのにっ!届かないっ!」


「んぅ」



 私とミカちゃんの一進一退の攻防は30分にも及び、両者ともに汗をかいてかなり消耗してきていた。



 ·····ぶっちゃけ言うと、ミカちゃんの戦闘能力は全くの未知数だ。

 何せ私でさえミカちゃんが積極的に動いてる所は見た事ないし、運動している姿なんて初めて出会った魔導競技大会の時くらいしか無い。

 しかもその時も全力は全く出していないから、どんな攻撃を仕掛けてくるか、どんな動きをするか、私のアカシックレコードでも予測不可能なのだ。


 しかもミカちゃんには須臾、時間遅延が効かないという特異性がある。


 それゆえに普段から使っている須臾による自身の反射神経の向上も速度上昇も使えないから、マジで肉弾戦をしなければならないのだ。



「·····そろそろやめとく?しゅゆ、つかえないでしょ」


「私を、ナメんなぁぁぁああああああっ!!」


「んぅっ!!?」



 ガキャキャキャンッ!!



「私が須臾無しじゃ何もできない無能だと思ったら大間違いだよ?私もミカちゃんと同じだからね」


「·····サボってた?」


「正解、須臾無しでも同等の反射神経や身体能力も出せるし、アカシックレコードのクロック数を上昇させれば超高速の領域でもバッチリ対応できるんだよっ!」



 ギャインッ!!



「んっ!!さすが、ソフィちゃん」


「お褒めに預かり光栄っ!」



 私はミカちゃんが無限に展開してくる絶対防壁アイギスに切りかかり、切る事は不可能でも弾き飛ばして退けながらミカちゃんへと槍を突き出し続けていた。


 そう、私が須臾を使っているのはサボっているだけ····· だけど、普通にやるよりも須臾を使う方が瞬間的に動けるためそっちを使っているのだ。

 逆に言えば、手間を掛ければ須臾なしでも同等の動きは可能なのだ。



「どうしたの?攻めてこないの?」


「·····そこっ」


 ダァンッ!!


「ぶぐっ、がはっ!?」


「命中、死ね」


「ぐっ·····」



 って言って油断していたら、反撃をせず動かないで防御に徹していたミカちゃんが動いた。

 ミカちゃんはアイギスを変形させて作った弾丸を結界の中に忍び込ませていて、一瞬の隙を突かれて弾丸が私の左わき腹を貫通し、私はお腹の半分以上は吹き飛ばされる致命傷を負ってしまった。


 だが生きてるなら即座に治癒が可能だが治すまでに1秒も掛かってしまうし、治さなければ格好の的になるから、ミカちゃんならその隙に数億発の弾丸を打ち込むことなど容易いだろう。


 現に、私に向けて既に一撃でも喰らえばひとたまりもない弾丸が押し寄せ、再生の時間を与えないように、再生できないように一瞬で殺そうとしていた。


 これで私はチェックメイトって訳だ。



 ·····普通ならね。



「頚部切断っ!!あ゛ぅっ!!」


 ドシュッ


\ぽーんっ/


「んぅっ!!?」



 私は迷うことなく自分の首を切り落とした。


 そして魔法で無理やり体を動かすと頭を思いきり投げ飛ばして射線上から離脱させた、そして次の瞬間には身体が無敵の弾丸によって木っ端みじんに消し飛ばされていた。



 私の場合、経験則だが首を切り離されてから1分間は意識がある。

 その間は私の魂もこの世界に漂っていて、私の肉体とまだつながっているため魔法も自由に使う事ができるのだ。

 魔法が使えるという事は頭から下の失った身体だって再生できるっ!!


 つまり、頭さえ無事なら生き残る事が可能なのだッ!!



 おいそこのお前、ジョ〇ョ第一部のディ〇って言うな、私は吸血鬼じゃないわいっ!!


 私は頭以外でも腕が残ってたら魂経由で腕から魔法を発生させて治癒できるから上位互換じゃいっ!!

 ·····ア〇ドゥルでもないってば!


 ·····まぁ、私はプラナリアみたいに身体の一部がある程度残っていれば再生が可能で、プラナリアと違ってミンチになっても塊になっていれば再生は可能なのだ。



「という訳でソフィちゃん完全☆復活ッ!!」


「·····びっくりした」


「まぁミカちゃんはあんまりこれ見た事ないだろうし、びっくりするよね」



 そして頭を自ら切り離して投げ飛ばした私を見たミカちゃんは驚いてしまい追撃するのを忘れ、再生を許してしまった。


 ·····まぁ再生後は多少身体が痺れて動きにくいし、再生したせいで全裸だから油断だらけだけどそこは上手く誤魔化して治るまで時間を稼ぐのが私の腕の見せ所だろう。



「ん、でも今がチャンス」


 ズガガガガガガガッ!!!


「おわぁぁあああああっ!!セオリー無視はヤバいって!!神衣装着っ!!急速再生ッ!!」



 ハイ無理でした☆


 全裸の私に向けて、ミカちゃんが刃状のアイギスを無数に飛ばしてきて私を切り刻もうと攻撃してきたのだ。

 だが察知した私は魔法で身体を無理やり後ろに引っ張ると、避けながら失った神衣を着用して体の痺れなども再生してしまった。


 これでやっとパーフェクト状態だ。



「反撃開始ッ!!」


「迎撃する」



 瀕死どころか臨死まで行っていた私は即座に戦闘可能状態まで戻り、それどころか今までよりもさらに数段ギアをあげて、より早く、より強く、より本気になって攻撃を開始した。



 ギャギャギャギャギャギャインッ!!



「どんだけ結界張ってるん!?くっそ!硬いっ!!」


「·····本気、出して無い?」


「バレちゃった?·····ソフィアの槍、覚醒」



 カキュンッ



「んぅ····· やっぱり·····」


「硬っ!!?これでもまだ硬い·····」



 更に私は無限大の魔力が溢れ続ける賢者の石からソフィアの槍に魔力を流して覚醒させると、それに応じてソフィアの槍は先程まで傷ひとつ付けられなかったミカちゃんのアイギスを貫通し始めた。


 だがまだ硬い、私の技術とパワーとソフィアの槍の力をもってしても、薄いアイギスを切るだけでも鋼鉄の板でも切ってるのかってくらい頑丈で硬くて苦戦していた。



「そこ」


「来ると思ったぁ!!」



 キンッ!



「·····効かない、さすが」



 絶対に切れないはずのアイギスを破られ始めたミカちゃんは焦りもあったのか、アイギスを何層にも重ねた結界の破城槌を私に向けて物凄い速度で撃ちだしてきた。

 当たれば即死は免れないが、私は結界上部に槍を叩きつけると軌道を逸らしながら結界の上を飛び越えてしまい、更にその勢いでグングンとミカちゃんに接近していた。



「てりゃっ!そいっ!どりゃぁぁああああっ!!!」


 カキキキキキキンッ!!


「·····油断してる、そこ」


「狙い通りっ!!」


 バギャンッ!!



 ミカちゃんが何枚も展開してくる結界をガンガンぶち破りながら進行していると、割とガチで焦り始めたミカちゃんが追撃を仕掛けてきて、がら空きだった背後から先程どこかに飛んで行ったはずの破城槌が全く同じ速度で私に向けて突っ込んできたのだ。


 しかし、私はそれを狙っていた。


 私は槍の石突を背後に突き出すと同時に石突に破城槌が直撃し、物凄い速度で押され始めたのだ。

 そして私は槍の上に飛び乗ると、ソフィアの槍を貫通特化モードに切り替えてとんでもない速度でミカちゃんに突っ込んだ。


 ·····そう、さっきの結界攻撃を迎撃ではなく回避したのはコレ狙いだ。



「んぅっ!!!?なに、それ」


「後押しthxっ!!うおりゃああああああああああああっ!!!」



 バギャギャギャギャギャギャギャギャッ!!


  ギャインッ!!!



「取り付いたッ!!」



 そして槍はあっというまにミカちゃんが大量に展開していたアイギスを軽々ぶち破り、ついにミカちゃんの手前1mにまで接近したところで強力な結界に直撃した。



「·····ざんねんでした」


「やっぱり、本物のアイギス·····『神器『絶対防壁(Αιγίς)』』かっ!!」



 その結界こそ、ミカちゃんが本気で展開していて、今まで触れる事さえ許さなかった神の盾『アイギス』の本体だ。

 ·····ミカちゃんが今まで使っていたのは破る事が可能なアイギスのコピー神器だ、私のソフィアの槍のコピー神器であるカルスの槍と同等の存在しか使っていなかったのだ。


 そして今、目の前にある黄金色のヘリオドールの如き美しい結界こそがミカちゃんが所持する神器『アイギス』だ。



「貫け!ソフィアの槍ッ!!」


「·····無駄、アイギスは絶対に破れない」


「やってみなきゃわかんないでしょっ!!ふんぬっ!!おりゃああああああっ!!!」



 カキュィィィイイイイインッ!!!



「うっぐっ!?痺れるなぁ·····」



 私は本物のアイギスと破城槌の間に挟まっていたソフィアの槍を引き抜くと、神速でアイギスを切りつけ、突き刺し、たたきつけて攻撃を仕掛けた。


 だがミカちゃんのアイギスはマジでビクともせず、ソフィアの槍は欠けるような事は無いが決定打が足りなかった。



 こりゃ勝つのちょっと無理かも·····



 いや私は諦めないっ!!

 何としてでも勝ってやる!!


 考えろ私!天才ソフィちゃんのアカシックレコードよ爆速計算しろっ!!

 きっと勝つ方法はあるはずっ!!



「くっ····· この手は使いたくなかったけど····· 仕方ないっ!」


「なにをしても、む····· だ·····」



 私はとっさに閃いた手段を実行してインベントリに手を突っ込むと、とあるものを取り出してミカちゃんの前に掲げた。


 それは私が絶賛開発中の幻の神具····· いや、寝具の『着る布団ウルトラDX』だ。


 これはなかなか凄くて、フワッフワモコモコのモフウサとモフアザラシの毛並みを解析して魔法で作った新たな布地をふんだんに使い、天上の綿『ケセランコットン』を詰め込んだ贅沢過ぎる布団だ。

 しかもさらにただの布団だけじゃなくて着て使えるようになっていて、形状としてはガウンをイメージしてなおかつ隙間ができないようにうまく閉じれるようにして、更にフードまでついているしフードには多めに綿を詰めているから被ればそのまま枕にもなってどこでも寝れて、しかもモフウサの浄化魔法や天使の服の汚れ無効も真似して組み込んでいるので泥濘の上でも綺麗なまま寝れてしまう超優れものだ。

 しかもしかも、夏は涼しく冬は暖かくなる、常に適温に保ってくれて着ていれば太陽の中でだって快適に寝れちゃう、究極の安眠を目指した至極の逸品なのだ。



 ·····ただ、コイツはガイア様にも安易な使用と流通を制限されるほどの危険な代物だ。


 私が試しに着たときは丸一日脱ぐことができなくなってしまったのだ。

 何せ着心地が抜群を通り越してパーフェクトで、全身に幸福感をそのまま身にまとったような最高の感覚を味わえ、神界の綿のお陰で永久にフワッッフッッワで、もう二度と脱ぎたくなくなるしずっと寝てたくなってしまう禁断の寝具なのだ。


 トイレ用のジッパー付きの穴とかあるし、ご飯が食べやすいように工夫して設計もしてあるから、余程の事が無い限り脱ぐ必要が無いのよね。



 ちなみに私は夜ご飯作る時にどうしても脱がなきゃってなってやっと脱いだくらいヤバい。




 もしそれを寝るのが大好きで睡眠に関しては絶対に妥協を許さない夢の探究者であるミカちゃんが見てしまったらどうなるか?



 答えは、彼女自身が見せてくれた。


「ん·····んんっ·····!?」


 ミカちゃんに強烈な心のゆらぎが生じ『絶対防壁《Αιγίς》』の結界面が僅かに揺らいだのを私は見逃さなかった。


「隙あり!!一点集中っ!!穿てぇぇぇえええええっ!!!」




 パキャンッ




「おふとん、もらった、わたしのかち」

「穿ったぁ!!!ってあれ!?どこ行っ、あびゃああああああああああああああああああああああああっ!!!!あびゃああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!」


\ひゅるるるるるるるる·····/


\             /

 \ ド ガ ァ ン ! /

   \        /


 彼女が展開していた絶対に壊れないはずのアイギスに一瞬だけ揺らぎが生じたのを私は見逃さず、全身全霊で一点突破の一撃を繰り出した。


 そして、私の槍は少し卑怯な手段だったけれどアイギスを貫き、安全地帯にいたミカちゃんにその穂先が届く·····はずだった。

 私が結界を穿った瞬間そこにはもうミカちゃんは居なくて、いつの間にか私の後ろにいて既に天使の服を脱いで下着姿で着る布団を着ようとしていたのが背後に見えた。



 だがそれが見えたのは一瞬だけで、私は結界が破壊されてなお直進するソフィアの槍に引っ張られ、そのままシミュレーション世界の宇宙までぶっ飛び、マップの端の壁にソフィアの槍と一緒に仲良く突き刺さる羽目になったのだった。

 ちなみにそのころ木っ端みじんになって浮遊島みたいになっている地球の上で、1人の天使が運動した心地よい疲れとフワッフワな布団のお陰で熟睡していた。



 という訳で、この勝負は両者戦闘不能による引き分けとなったのだった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「ミカちゃん強いわぁ····· やっぱり正面突破じゃ勝てる気がしない·····」


名前:ミカちゃん

ひと言コメント

「ん、久しぶりに、全力出した····· 適度なつかれ、心地よいねむりに大事····· おやすみ·····」


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