表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第六章 TS賢者は母になるっ!
621/671

よろず屋ソフィちゃんのお仕事っ!



「ちわーっす、よろず屋ソフィちゃんでーす」



 今日は育児をアキさんに任せ、お仕事をやりに来ていた。


 仕事先はフィーロ君の実家のアルス錬金術店で、錬金術というか魔法薬作成に関してちょっとトラブルが起きたらしくて手伝いにきたのだ。



「すまんな、育児もあるってのに頼んじまって·····」


「いえいえお気になさらず~、お任せくださいな!」



 私は魔道具関係の方が得意なんだけど、別に錬金術だってできないわけではない。

 ·····というか本物の錬金もできちゃうんだけど、アルス錬金術店の錬金術は金を生み出す技術じゃないのよね。


 ここでの『錬金術』は、金を生み出す過程で発見された薬品の調剤方法や特殊な魔法効果のある製品の製造販売の事で、金を生み出す仕事とかではない。

 金融業者が(Gold)を溶かして売ってる業者じゃないのと同じような感じだ。


 そうそう、前にも説明したと思うけどこの世界の錬金術は金を生み出す秘術といよりかは、化学・科学・魔法化学に近いモノで、魔法の力を借りて化学製品に近い物を生み出したりするモノになっている。


 例えば硫酸などの生成や酸による金属の処理や金属メッキといった金属関係のモノもあるし、薬品製造もやってる。


 回復薬とかいろんな物を作ってるんだけど、それ関連の仕事だと回復魔法効果のある薬草から回復魔法を抽出して、魔力水という魔力が込められた水に混ぜる事で効果量を調整し補強して薬にしたり、魔力水じゃなくて魔物の脂を精製して作った油脂に混ぜて軟膏にしたり、経口摂取用に味付けをして飲みやすくしたり(ただし腐りやすくなる)、医学的効果のハッキリとしていない漢方とかそっちに近い魔力と関係しない普通の病気の治療薬などの薬関係などから、殺虫剤や汚れが良く落ちる洗剤や肌用せっけんなどの日用品の作成まで、錬金術が関わる仕事は多岐に渡る。



 その中でもアルス錬金術店は錬金術に使う道具の販売や、錬金術に必要な素材の販売、そして自社工場で作成した魔法薬や日用品の販売をメインとしている。

 一応だけどゴルド商店と連携して鉱業で使う錬金術の道具なども仕入れて卸しているらしいけど、ゴルド商店の方がメインでやってる事もあって、あまり力は入れていないらしい。



 そんで今日は私は錬金術関係の魔道具のメンテナンスと改良などをお願いされてそれをやりに来たのだ。



「えーっと、まずどれでしたっけ·····」


「その自動薬研だな、最近時々動きがぎこちなくなって摺りが甘くなってるらしいんだ」


「なるほど····· ちょっと解析しますね」


「頼む」



 まず最初は薬草などをすりつぶして粉状にする道具の薬研だ。

 薬研っていうとピンと来ないかもしれないけど、腹筋ローラーみたいなので葉っぱとかをゴリゴリする道具と言えば何となくどんなものかわかるだろう。

 もっと分かりやすく言うとアレね、千〇千尋の神隠しの釜爺がゴリゴリやってたアレね。


 そんで自動薬研はゴーレム作成技術を使って、腕だけのゴーレムみたいなので薬研を動かしてゴリゴリする道具で、魔石を入れると魔力が供給されて動く仕組みだ。

 すっごいハイテクそうに聞こえるけど、やってる事はアナログなんだよねこれ。

 



「ふんふん····· やっぱ駆動部の消耗部品がすり減ってますね、あとオイル不足かも?そのせいで磨耗が早くなっちゃったのかも」


「そうか····· ちゃんとメンテナンスして鉱山のゴーレム技師に診てもらうべきだったか·····」


「ですねぇ·····」



 ゴーレム技師は簡単に言えば魔導式の機械のエンジニアで、ド○クエのゴーレムというよりかは魔力で動くロボットや機械を取り扱う仕事に就いている者の事だ。

 鉱山では魔導式トロッコやクレーンなどが動いていて、それに携わるゴーレム技師が在籍しているのだ。

 ちなみに鉱山の荷運びなどにもゴーレムが用いられていて、四つ足のウマが元になったゴーレムなんかは動きは鈍くておおざっぱだけど、パワーはあるしどこでも行けるので重宝されている。


 また、馬の代わりにゴーレムを用いた馬車なんてのも存在しているが、町中で使うとウマと違って前に飛び出した人を判断できず情け容赦なく轢くので町の外の超長距離移動用の馬車使われてないからあまりお目に掛かれないレア物だったりする。


 そんで、この自動薬研もゴーレム技術が用いられていて、簡単な構造だけどパワーのあるアームで薬研でゴリゴリする機械のようだったが、メンテナンスを怠っていたせいでだいぶガタが来ていたようだ。



「·····治しちゃいます?それとも改善します?それとも····· 魔改造します?」


「一番いいので頼む」


「わかりました、んじゃこれはちょちょいと治しちゃいますね」



 という訳で魔改造開始。


 まずゴーレムのアームの関節部分を魔法で修復して、摩耗耐性が異常に高いアダマンタイトでコーティングを行って表面の摩擦を減らしておいた。

 これで簡単には擦り減らないだろうし、滑りもよくなるだろうし、長持ちもするだろう。

 ついでに動力部や駆動部をかなり簡略化したお陰で小型化に成功し、燃費もだいぶ良くなって使いやすくなった。


 あとついでに自家製きな粉を作るつもりだったけど途中で飽きて使わなくなっていた多分日本製の手回し粉砕機を魔改造して、自動で動いて粉砕できる魔道具も作っておいた。

 もちろん強化済みだよっ☆


 ぶっちゃけ言って日本製粉砕機だけでいいと思うけど、摺り潰す動作は薬研の方がやりやすいしメンテもしやすいみたいなので二つ作っちゃったのだ。



「·····って感じで完成ですね、オッケーですか?」


「早いな·····」


「まぁ、そりゃ賢者姫ですし?時々血塗れになりますけど」



 なんて言いながらも、私は次の作業に取り掛かっていた。





 そんで色々作業をする事3時間、ようやく作業が全部終わった。


 いやぁ大変だったわぁ·····


 例えば魔力水生産装置なんか現代には無い完全な魔道具で改良が大変だったんよ、まず蒸留水を本体上部から入れると、機械内部にあるタンクに入るんだけどそこの周囲に無属性の魔結晶が沢山あってそれに魔力を流すと中の水に魔力が移るっていう仕組みだったんだけど、1リットル作るのに半日も掛かる物凄い手間が掛かってたのよ。


 そんで色々解析したら、魔結晶が魔導コイルのような役割をしてるらしくて、試しに微細魔結晶を混ぜたミスリルコイル、通称超魔導状態ミスリルのコイルを作って魔力水生成実験を行ったところ、高出力だったからって言うのもあるけど10分で1リットルの魔力水を生産することに成功してしまったのだ。

 どうやらコイルの磁界のように魔導コイルの中央には魔力が収束する性質があるためその影響で水が魔力を含みやすいという事が判明した。


 つまり今までの装置は劣化魔導コイル式の魔力水生成装置だったので、崩壊魔法で一度本体を徹底的にバラして生成部分を取り出すと、周囲に並べられた魔結晶を除去して代わりに超魔導状態ミスリルのコイルを作って、魔石からの魔力を変調して一番効率のいい波長に変更する装置も取り付けておいたので、低品質の魔結晶でもかなり高効率でしかも仕込んでおいた疑似賢者の石『叡智の結晶』のお陰で低燃費での魔力水の生産が可能になった。

 しかも品質も向上したオマケ付きだ。



 他にも蒸留装置も冷却部分を高効率で冷やせるように熱伝導率の高い金属で作り直したり、その他色々なこの世界にしかない魔道具の改良や低燃費化も実現してしまった。


 そんで更にガタが来てない道具まで改造して、材料から特定成分を直接抽出する魔道具とか冷蔵庫とかも作っちゃった。



 その結果·····



「·····ソフィちゃん、やりすぎ」


「はーい」


「いや、別に生産効率とか品質が上がるならいいだろ?」


「父さん、そうじゃないんだよ····· ソフィちゃんが勝手にやり過ぎるのが良くないんだって·····」



 隣の魔道具店の工場の方まで手を出そうとしたら、そこで働いてたフィーロ君に捕まって怒られてしまった。

 いいじゃん別に生産効率が上がればそれだけ儲かるんだし·····



「あのねソフィちゃん、なんでもかんでも良くするのは良い事じゃないんだからね?特にサービスっていってソフィちゃんの魔結晶を100kgも置いて行くのはあり得ないから」


「じゃあ1トン·····」


「ソフィちゃん?」


「あの、えと、試運転とか調整とかあるから、最初は私の魔結晶を使った方がいいから1kg分だけでも·····」


「ソフィちゃんの魔結晶だったら1個で1年は持つから1kgも要らないでしょ?」


「へーい·····」



 私はゲームでもなんでも準備しすぎだったり集めすぎるくらいが丁度いいって思ってるんだけどなぁ·····

 あとは早ければ早いほどいいし、早く仕事が終われば残業をやらされてもギリ定時退社にできるし、仕事をやればやるほど社内の評価も上がって給料もまぁ少しずつだけど上がるし仕事も増えて増えて増えて増えて毎日仕事仕事仕事仕事、休日も会社に呼び出されて仕事をしなきゃいけないからあらかじめ全部終わらせてオーバーするくらい終わらせて未来予知レベルで先に手を打っておけば仕事が減るから



「ソフィちゃんっっ!!!!」


「はっ!?何っ!?何!?あっ残業!?」


「いま目がヤバかったよ?遠足先がオークの村って聞いたエルフみたいな目になってたよ?」


「どういう目なのそれ·····」


「鏡見なよ」


「うわホントだ」



 危なかった、持病のフラッシュバックが·····


 ·····まぁ、過去の記憶で私は仕事も何もかも余裕を持たせておきたい主義だったので、こうして多めに物を渡したり性能も特盛にしておいて何か起きてもいいようにしてしまうクセが残ってるのだ。

 最近では物をオーバーに渡しちゃう癖はだいぶおさまったと思うけど、それでもまだ残ってるのよね·····



「·····ま、まぁ、作っちゃったものはしょうがないし、別にいいでしょ?」


「·····あのさぁ、ソフィちゃんが来るたびに工場とかがどんどん近代化して行ってるんだけど?この前お店の会計にレジ作ったよね?」


「そ、それは~、計算しやすくするついでにお金の管理とか·····」


「はぁ·····」


「でも今日はフィーロ君のお父さんにお願いされたから別にいいじゃん」


「わかったよ、でも本当にやり過ぎないでよ?」


「わかってるわかってる、大丈夫だって!」


「心配だなぁ·····」



 この後帰り際にお店の入り口の建付けが悪かったからしれっと自動ドアにしようとしてめっちゃ怒られた。


 でも普通にスムーズに動くように修理はして、フィーロ君にクドクド怒られた私は、我が子が待っている我が家へと帰っていった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「えーっと?帰り際にやる仕事は····· ゴルド商店にあげた魔動車のメンテ、お爺ちゃんの家にできたヒビの修復、町の防壁の脆くなった場所の補強かぁ、よしさっさと終わらせよ、万事屋ソフィは素早く改善お客様大満足がモットーだからねっ☆」


名前:アルス(フィーロの父)

ひと言コメント

「おおっ、生産効率めちゃくちゃ上がったな、フィーロ、お前ほんといい嫁さんを貰ったなぁ!」


名前:フィーロ

ひと言コメント

「良いんだけど、所々困ったところがあって本当に大変なんだけど····· まぁ、うん、いい奥さんだとは思うけどさ·····」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ