カチコミ宇宙戦争じゃゴルァァァアッ!!!
「ふーん、ここが惑星ガガプかぁ、テンション上がるなぁ」
ザワ·····
ザワ·····
フェニカが産まれてから3週間強が経過したとある日、私は分体を使って他の惑星までやって来ていた。
ここは地球よりはるか遠く、430光年先にある『ムスペル星系』の中にあるハビダブルゾーンに存在する恒星『スルト』に常に同じ面を向けている潮汐ロックした惑星『ガガプ』の恒星側の超高温の国『ムスペル』と裏の常に夜で超極寒の『ニヴル』のちょうど中間地点にある2つの国家の交流の場であり宇宙生命体連合が設置した宇宙船発着場もある他種族が住める数少ないエリアに降り立って、街をぶらぶらと観光していた。
「あっ!すいませーん、この····· なんて言うんですか?この食べ物」
「お、おう····· コイツはヘデベナゲだ、口に入れるとジェッムェナセして美味いぞ、ただ一口で食べないと大変な事になるから気をつけろよ」
「·····わからないけど美味しいなら貰います、支払いは·····これで合ってます?」
「いいが····· うわ10万ヴェル硬貨ァ!?ちょ、多すぎ····· 行っちまった·····」
そんでとりあえずなんか惑星みたいな色をした丸っこい棒付きウィスキーボンボンみたいなお菓子のヘデベナゲ?を買ってみてた。
いやぁ、実はさっき私が作った魔石(魔力量500万)を売ってお金稼いだんだけど、どれがどれか全く分かんないのよね。
とりあえずなんか高そうなクリスタル硬貨で支払ってるけど怒られてないから多分セーフだ。
(※後で知ったけど1枚10万ヴェル、日本円で27万8000円くらいするらしい)
ちなみにクリスタル硬貨はあと40枚ほどあるから使いたい放題だし、既に10枚ほどばらまいてるおかげで割と美味しいお菓子や料理が沢山手に入ってご満悦だ。
そして私はさっき買ったヘデベナゲ?を口に入れ·····
\ジェッムェナセ!/
「はむっ····· ホボフッ!!?はふっ、おふっ!?」
入れて噛んだ瞬間、口の中がジェッムェナセした。
うん、ジェッムェナセとしか言いようがないわコレ、どういうお菓子か意味わかんないし日本語にも統一人類語にもできない不思議な感覚だ。
でもヘデベナゲが口の中でジェッムェナセした瞬間、口の中全体が濃厚な味とちょっとスパイシーな香りで覆われ、外側はチョコのように溶けてとても美味しい。
意外といけるなコレ·····
うーん·····
なんて言えばいいのかな、最初はパリパリとした飴細工みたいな感じの食感で、噛み砕いた瞬間にガマの穂を口の中にブチ込んだみたいに何かが爆発してモッサモサになって口の中がミッチリ覆われるんだけど、全部綿菓子みたいにスッと溶けて、でも綿菓子みたいな感じじゃなくてバターチョコのような濃厚な味がする、食べてて面白いお菓子だ。
こりゃ美味いわ、沢山買っといて良かった。
『いたぞー!!こっちだ!!』
『なんだと!?今行く!!』
「んふむ?あっ!ナヴェリアさんだ!!」
ヘデベナゲを食べてついでにさっき買ったイイェンプなる空飛ぶ風船みたいなブタ的な生き物の串焼きを食べていると、向こうからかつて地球へ遭難してやってきたときに顔見知りになったナヴェリアさんが兵隊さんを連れて私の所に走ってやってきた。
「どうして貴女がここに居るん\バッギュ/だぁいだだだだだだだだだだっ!!!!?!?」
「むんっ」
『『ナヴェリア様っ!!?』』
そんでナヴェリアさんが近付いてきたところで、私はナヴェリアさんの事を思いきりアームロックを仕掛けてギチギチと締め上げた。
「がぁぁぁあああああっ!!痛ッィィイイ!!おっ、折れるぅ!ギブギブギブギブギブッ!!!」
「ナヴェリアさん、アンタ自分が何やらかしたかわかってんですかっ!!」
「しら、知らない!!本当になんなんだ!!急にきて、いでぁだだだだだだだっ!!わたっ!私達の種族は腕はそっちには曲がらないんだ!!本当に何も知らないんだ!!」
「アンタねぇ!!!ワープアウトの時にぶつかった小惑星、私の住んでる星に落ちてきたんですけど!?」
「·····あっ、あの時の小惑星か?ぐぁいだだだだだだだっ!!本ッ!本当に折れるっ!!やめてくれぇぇぇええええええっ!!!」
\ポコンッ☆/
「あ」
『『あっ』』
「あぎゃああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!」
◇
少し怒りで締め上げすぎてナヴェリアさんの肩を脱臼させてしまった私は、彼女の部下の兵士に連れられて役所的な城的なサムシングに運び込まれていた。
·····ナヴェリアさんは担架に乗せられ、私は縄でぐるぐる巻きにされて引きずられて運び込まれたけど。
そんで今は回復魔法でナヴェリアさんの肩を鉄格子越しに治したところだ。
「痛かった·····」
「ったくもー、文句を言いたいのはこっちなのになんで牢屋にぶち込まれなきゃいけないんですか!!」
「·····一応私はこの星の統治者の娘なんだが?」
·····わぁお、私お姫様をアームロックして脱臼させちゃったっあ☆
ソフィ・シュテインに処刑ポイント5000兆点加点☆
処刑、待ったなし!!
「しかし、どうやら今回はこちらが原因のようだから処罰は無しにするよう父上に頼み込んだから大丈夫なはずだ、·····だが詳しく話を聞かせてくれ」
「よかった····· んじゃちょっと説明しますね」
なんか処刑を免れそうだったので、私は必死に弁明した。
といっても、直径900m近い隕石が地表に落下しそうになって、私が気合で受け止めて人的被害はほぼゼロ、海に落ちた隕石の影響で津波が起きて漁船や家が少し流された程度の被害しかなかったからよかった·····みたいな話とか、軌道の調査をしてたら突然小惑星帯から『何かにぶつかったように』軌道を変えて地球に向かって来ていたので、色々調べたら明らかに宇宙船がぶつかったとしか考えられない痕跡が見つかって、元凶のナヴェリアさんを締めに来たという話をした。
·····というか、ぶっちゃけ言ってお姫様にアームロックして脱臼させた私よりも何気にナヴェリアさんの方がヤバい、何せ宇宙生命体連合に非加盟の未発見の惑星を一つ滅ぼしかけたのだからバレたらタダじゃすまないだろう。
だって魔族って元々宇宙生命体連合から要注意生命体と認定されてる種族で、過去に金星を住めなくするほどの大戦争を引き起こしたし、生き残りは3つに分かれてそれぞれ別の惑星に勝手に移住したりして生態系を容赦なくブチ壊したりと、結構ヤバい事をしていたのだ。
ナヴェリアさんの話によると、あんまりにも酷いと宇宙生命体連合が所有するトンデモ兵器で惑星諸共その種族が滅ぼされる事もあるそうだ。
ちなみに魔族は宇宙的処刑ポイントが結構ギリギリらしい。
「·····って事なんですけど、どう責任取るつもりですか?」
「どう責任をとればいいんだ····· い、いざとなれば、わっ、私の命で·····」
「そこまでは言ってないですよ、ったくもー、とりあえず親にはこっぴどく叱られてくださいよ?」
「だ、だが私はもうそんな歳では·····」
『このドアホ娘がァ!!!』
\バギャッ!!!/
「んぎぃっ!!」
バタッ·····
ナヴェリアさんの脳天に隕石の如き拳が衝突し、そのままぶっ倒れてしまった。
その拳の持ち主は、筋骨隆々な褐色肌のナイスガイ····· この星の支配者でエビちゃんの遠い親戚でナヴェリアさんの父親だ。
「娘から貴様の話は聞いた、そして先程の話も聞いた、誠に申し訳ない」
「いえいえ、大丈夫です?」
「この件はコイツの命で許してくれ」
「いや別にいい·····というか処刑までは望んでないというか嫌なのでやめてください、隕石落としますよ?」
「だが·····」
物騒な種族だなぁ·····
なんだかんだナヴェリアさんとは仲がいいし、初遭遇した異星人だから死んでほしくないのよね。
·····よし、脅すか。
丁度この前面白そうなモン見かけたしそれ使おっと。
「·····ブラックホール投石器って、知ってます?」
「知らん、·····が、絶対に物騒なモノだな?·····わかった、コイツは処刑はしないが厳罰には処す、我々なりのケジメだ」
「具体的には何を?」
「角を折って奴隷娼婦堕ちだな」
「ひでぇ·····」
「コイツのやったこと比べるとこの程度の罪でも生温い、貴様の星を滅ぼすどころかこの星の魔族をも滅ぼしかねない事だからな、甘いくらいだ」
「もっと軽くでいい····· というか今のゲンコツで許してあげてください」
「しかし」
「スッ\ぬっ/」
「やめろ、小型ブラックホールをパチンコで飛ばそうとするな、わかったこの件は貴様も納得しているようだからこれで終わりにしよう」
なかなかガンコなオヤジさんだけど、ブラックホール投石器なる面白そう過ぎるモノを知った私が、ガイア様がポロッと漏らした『そういやアレのパチンコ版どっかに····· あっやべ今の忘れて』って発言を聞いて神界中を探し回って、忘れられた倉庫からパチッてきた『小型ブラックホールパチンコ』なるヤバそうな雰囲気がプンプンするオモチャを向けると、一瞬で意見を変えてくれた。
しかもこれ、本当にブラックホールを撃ちだすからもし放ったらとんでもないことになる代物だったりする。
ちなみにガイア様が魔神にコレでお尻を狙撃されてスパゲッティ化しかけたらしくて、倉庫の奥深くに仕舞って封印していた曰く付きの代物らしいよ。
だからあとでガイア様のケツに撃ってやろうと思う。
·····てかあの倉庫、なんか面白そうなモノ沢山あったから後でまた探索してみよっかな。
「それでいいんですよ、んで話題変わるんですけど、金星の復元の計画どうなってます?」
「あ、あぁ····· 今はピノス家の者と共同で完成を進めている、早ければ一日以内に完成しそうだ」
「えっ、今日中····· あっそっか·····」
忘れててたわ、確かこの種族の1日ってこっちの暦で120日くらいだっけ·····
でももうすぐ完成かぁ、意外と早かったなぁ·····
「まぁそれならよかったです、こっちもこっちで準備してるんで頑張ってくださいね~」
「わかった、それと此方からも報告だ、今ソフィ殿の住んでいる惑星に宇宙生命体連合の調査隊が派遣されて向かっている、もしかすると衛星軌道に見慣れぬ衛星が見つかるかもしれないが気にしないでくれ、それとソフィ殿の月面基地に調査隊が訪ねてくるかもしれない」
「マジスカ····· わっかりました、覚えときます·····」
マジか、もしかして私地球の代表者になっちゃう系なパターン?
めんどくさぁ·····
「·····まぁ、とりあえずナヴェリアさんを締めてスッキリしたんでこれでお咎めなしって事でよろしくです、·····あんまりひどい事すると怒っちゃうんでやらないでくださいね?」
「仕方ない·····」
「·····」
\ぬぬぬ/
「わかった、だからソレ出すのをやめてくれ」
「·····」
\にょーんっ♥/
「わかった!わかった!!絶対にこれ以上何もしないとこの角に誓う!!だから構えるな!!」
「それでよしっ」
私は伸ばしてたブラックホールパチンコを優しく戻すと、インベントリのお気に入りコーナーに丁寧に戻しておいた。
「うっ····· うぅ····· あれ、私は·····」
「·····起きました?」
「·····はっ、す、すまなかったソフィ殿!私が原因で」
「謝るというか弁明するならお父さんにしたらどうですか?」
「·····」
「·····ひっ」
·····コワモテなオヤジさんが怒った顔って死ぬほど怖いんだね。
私覚えた。
その後、ナヴェリアさんを徹底的に〆てスッキリした私は、ナヴェリアさんが酷い目に合わないようちょっと泡沫ムゲンの眠り姫で事実を改変しちゃって、私の故郷の星に転移魔法で帰ったのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「エンドサイトーシスの人たち、なんというか····· その····· エビちゃんが聞いたら怒りそうなんだけど、結構野蛮なのよね、すぐに処刑しようとしたりさ····· まぁさっき改変しちゃったから多分大丈夫だけどさ、でもなぁ····· エンド家の魔族って身体弱いのかな?エビちゃんならあの程度じゃ絶対脱臼しないのに·····」
名前:ナヴェリア
ひと言コメント
「し、死ぬかと思った····· ソフィ殿に感謝しなければ····· ひとまず逃げて体勢を立て直すとしよう、そうしよう」
名前:ナヴェリアの父
ひと言コメント
「このドラ娘が····· いつもいつも調査に行くと言って宇宙をうろうろしてるツケが来たな、これに懲りたらそろそろ真面目に婚活····· あるぇ!?どこ行ったあのバカ娘!!チッ!懲りてないなアイツ、宇宙船に乗って逃げやがった····· 宇宙警察に連絡して捕まえてこっぴどく叱ってやる」




