表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第六章 TS賢者は母になるっ!
614/669

子煩悩☆フラクタル構造体


 ある日の事·····



「うがぁぁぁぁあああああっ!!死ねこのクソエビぃぃぃいいいっ!!」

「お主の方こそ死に晒せ!!3回逝って死に晒せぇぇえええ!!」



 私とエビちゃんは数か月ぶりにガチの殴り合いのケンカをしていた。


 もう完全にカチンときた、泣いて謝るまで殴るか殺すまでぶん殴ってやる。



「ちょ!二人ともやめてよ!」

「そうだよ!そんなくだらない理由d」


「「はぁ!?何が下らないだって!?」」


「どっちの子供が可愛いかなんて決められるわけないでしょ!どっちも可愛いって事にしないよ」


「フェ『フ「ニ『ロ「カ『ウの方「の方が可愛『可愛い「いに決『に決ま「まって『ってん「でし『じゃろ!?「ょ!?」』


「ちょっ!2人ともいっぺんに喋ると何言ってるかわかんないよ!?まぁ子供自慢してるのはわかるけどさ!!」


「「あぁん!?」」



 そう、私たちの喧嘩の理由は些細な事から始まった。


 2人で一緒に自分の娘を抱っこして部屋の中を軽く散歩していたのだが、そこで話をしていたらどっちの方が可愛いかって話になって、そこから口論になり、足の蹴り合いになり、そして赤ちゃんをいったん置いて消音結界を張ってマジの喧嘩が始まったのだ。


 つまり、どっちの子の方が可愛いかという超絶子煩悩なケンカなのだ。


 だが傍から見ればくだらないケンカでも、私たちにとっては物凄く重要な事だ。

 何せ我が子が世界で宇宙で全平行宇宙の中で、四次元世界に内包される全ての三次元世界の中で一番可愛いのだから、そんな可愛い存在が2人も居ていいわけがない。


 だからマジゲンカをしているのだ。



「はいはい2人ともやめなよ~?穂乃花お姉ちゃんが赤ちゃんを見に来たんだぞ~?見せろよ~」


「「姉貴(姉上)は黙ってろッ!!!」」



 とここで乱入者の姉貴が混じってきやがったので、私とエビちゃんは即座に反応して姉貴に拳を突き出した。


 ·····それが間違いだった。



「シュッシュッ、遅い遅い!ロマネスコ神拳を習得した私にそんなヤワな攻撃は効かぬ!!くらえロマネスコ神拳アルティメット奥義!フラクタル・エンドレスバースト!!」



「「ぎゃぁぁぁあああああああああああああああっ!!!」」



 元々格闘技だけで魔法抜きでこの世界の人々に通用するほどの超絶ヤバい格闘家だった姉貴は、ついに独学で『神拳』を獲得してしまい、手が付けられなくなっていたのだ。


 例え神拳無しでも私たちの拳を避けられるほどにまで回復した姉貴が、神拳を獲得してしまったらどうなるか·····


 その答えを、私とエビちゃんは身をもって体験していた。



 それは正に拳のフラクタル幾何学構造ッ!!


 姉貴の拳が私たちににぶつかると拳がロマネスコして無限に殴られ続け、フラクタル構造の如き終わりなき連撃が私たちをボッコボコにし始めた。


 ロマネスコ神拳によって解き放たれた究極の拳の威力は正にマンデルブロ集合の如しッ!!

 キノコ神拳を使う暇もなく、魔神でさえ耐える事もできず、私たちは姉貴によって勇猛果敢なブロッコリーの大博打の如き勢いでボロクソにされてしまい、思わずハウスドルフ次元がミンコフスキー次元してしまったのだった。





 とりあえずシェルピンスキーのギャスケットによって充填ジュリア集合をブチのめす事ができた私たちはマンデルブロ集合の黒色の部分から這い上がる事に成功し、奇跡的に一命をとりとめた。

 あっぶねぇ·····マンデルブロ集合の黒い部分は『逃げられない点』だから落ちたら最後なのよ·····



 姉貴、恐ろしい子·····っ!!



 そんな姉貴はというと、両手に私とエビちゃんの子を抱えてご満悦のご様子だ。



「·····で、姉貴は何しにきたん?」


「ソフィたんの赤ちゃんを見に来ただけだけど?ついでにエヴィリンの赤ちゃんもね」


「はぁ?」


「だってぇ、ソフィたんってこの前ちらっと顔見せしに来た時以来見せてくれないじゃん?だから見に来ちゃったんだよねぇ~」


「姉上、本当はどうなんじゃ?」


「いやぁそこは信じてよ、ね?」



 ·····どうやら本当に私の赤ちゃんを見に来ただけっぽい。


 それなら良かった·····

 姉貴だからもっとヤバい事をやらかすんじゃないかって心配だったんよ·····


 だってコイツ、当時3歳くらいだったのに前世の時産まれたばかりの私のアソコを引っ張ってちぎろうとした伝説があるからな?危うく女の子になりかけた大事件だったんだぞ·····

 しかもその後も隙を見ては引っ張ろうとする危ない子だったらしいから、私からの信用はマジで0なのだ。



「いやぁそんな警戒しなくてもいいのに〜、いいじゃん私だって抱っこしたかったんだからさぁ?」


「マジで信用出来ないから警戒してんだよ」

「うむ、姉上は慕っておるがそこら辺の信用はマジでゼロなのじゃ」


「うわ信用されてないなぁ私、この子達には信頼されてそうなんだけどねぇ、2人はママ達に似てなくていい子でちゅね〜」


「「はぁ?」」



 姉貴に煽られた私たちはとりあえずブチ殺そうかと思ったが、愛娘を人質にされているのを思い出して渋々拳を下ろした。


 くそっ、あのムカつく顔をボコボコにしたいのに出来ない·····


 何気に姉貴って超絶ハイスペックだし、アスリートの何とかで1日だけ保育園の保母さんをやった時は保育園の子供たちに異常なレベルで好かれるくらい子供の扱いは上手だから、フェニカもフロウも穏やかな顔をして腕の中でスヤスヤ寝ていて微妙に悔しい。



「·····あとさ、姉貴」


「なんじゃらほいほい?」


「なんでロマネスコ神拳を覚えられたんだよ、ロマネスコ神拳は世界を裏で支配するフィボナッチ数列の真理と同じくらいヤバいモノだったはずだよね?」


「あーそれね、なんか風呂場で足を滑らせておデコを強打したら世界の真理が見えちゃってさぁ?そしたら何となくこの世の全てが理解出来たような気がして見つけたのよね〜」


「話についていけぬのじゃ·····」



 キノコ神拳を主人公の拳とするなら、ロマネスコ神拳は世界を裏で支配する謎の拳だ。


 謎と言うだけあってその真実は完全に謎だ。

 分かってる事はほとんど無くて、ロマネスコというフラクタル構造がよく見える気持ち悪い感じのブロッコリーの親戚がモデルになった神拳で、植物の構造によく見られるフィボナッチ数列などとかなり関係もあるフラクタル構造を司る神拳だ。

 フラクタル構造やフィボナッチ数列は植物だけでなく動物にも関係している、この世界を構築している動植物の影の支配者のようなモノだ。

 六角形と並ぶくらい世界をよく見ると存在しているソレを司る神拳は、私の王道の神拳と並ぶ程の強さで、北〇神拳と南〇聖拳くらいのライバル関係だ。

 一説によると神によって生み出されたモノと言われており、原生生物に近い菌類から派生したキノコ神拳と同じくらい古くからあると言われている究極の拳と言っても過言ではないだろう。


 ·····ちなみにキノコ神拳の本当のライバルは納豆聖拳だけど、未だに継承者と出会ったことは無いからそのうち出会うかもしれない。



 というわけで、ロマネスコ神拳についてはまだほぼ何も分かってないのだ。


 そんな神拳を姉貴は習得し継承者の名を手に入れるほどマスターしてしまったのだから、我々神拳業界とロマネスコ農家に大きな衝撃が走ったのは言うまでもないだろう。



「·····ヤバいな、これは明日からロマネスコの値段が爆上がりするぞ、早く買い占めとかなきゃ」


「おいロマネスコってなんじゃ、ワシらはそんなモノ食べた記憶ないぞ?」


「えっ?だってキモくて買ったことないし····· 買うわけないじゃん何言ってんのエビちゃん、頭の中フラクタルしちゃった?」


「なんかムカつくのじゃ、殴らせろ」


「ひぃ怖いっ!暴力反対っ!無敵艦隊っ!姉貴はド変態っ!」

「訳の分からぬ事を言うな、大人しく殴らせろなのじゃ」


「なんか韻を踏みながら尊厳が踏み躙られた気がするぅ⤴︎ 」




 その後、なんやかんやあって私たちは姉貴から我が子を取り戻して····· というか普通に授乳の時間になったので一旦休戦したのだった。





「って事で死ね!」

「死ね姉上ェ!!」


「ふっ!効かぬ効かぬ!我がフラクタル構造と関係ない普通に鍛えた腹筋は無敵だァ!」


「なんだとっ!? だがここでトラップ発動!アスパラソバージュをリボン結びにして王手だ!」


「ぐぁぁぁあああっ!!!な、なんでやつだ·····」



 フェニカとフロウを寝かしつけたあと、私とエビちゃんと姉貴はキノコとブロッコリーが形が微妙に似ているから白黒ハッキリ付けるために、この世界に平穏を取り戻すために戦っていた。



「だがわかる、分かるぞっ!それに衣を付けてさっけり天ぷらにしてやれば····· ほいいっちょ上がりっ!」


「な、なんだとっ!?それをやられたら私の攻撃が全部自分に返ってきてうぎゃぁぁぁああああっ!!!」



 私は姉貴からのカウンターにより額に酢昆布がスコンッと刺さってぶっ倒れてしまった。


 くそぅ、この姉貴強いぞ·····



「よう分からぬがワシのターンじゃな?ふむ····· 全くわからぬのじゃ!」



 そしてエビちゃんのターンになると、ルールをよく理解していないエビちゃんはなんとピスタチオの殻にピーナッツを入れて元に戻してしまった。



「「あっそれは·····」」


「む?なんじゃ?何があったのじゃ?」


「あーあ·····」

「こりゃあかんわ·····」


「おい、なんじゃ!お主らっぽい事をしただけじゃろうが!!」


「·····」

「·····」


「おい何とか言えなのじゃ!無言が1番怖いのじゃ!!」



 私は無言のまま上着をひっくり返して地に伏せ、姉貴はソファに上下逆に座って足の上にコップを乗せてたのでこの試合は終わりを迎えた。



「くっ····· フィーロ君が勝つなんて想定外だよ·····」

「まっさかあそこでアレをやるなんて·····」


「えっなんで僕巻き込まれてるの?」


「というわワシのアレはなんなのじゃ!?なんでアレでフィーロが勝つのじゃ!?」


「·····」

「·····」


「おい黙るなのじゃ!!それマジで怖いからやめろなのじゃっ!ワシ泣くぞ!?」



 ったく、これだからルールを知らない素人は·····



 その後、やる気を無くした私たちは姉貴と一緒に生まれたばかりの我が子を愛でて、姉貴は夕方になって満足したら帰って行ってしまったのだった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「ないわー、アレはマジでないわー、ちょっと尊敬しちゃうけどマジで無いしドン引きするわ、あそこでアレを使うのは天才かバカか高菜くらいしかやらないよ·····」


名前:藤石 穂乃花

ユニークスキル:『ロマネスコ神拳』

ひと言コメント

「エヴィリン、やっていい事と悪いことがある事はわかってるよね?長男だったら即死してる技だよそれ?まったく、酷い弟だねぇ!!」


名前:エヴィリン

ひと言コメント

「ワシ、マジでキレるぞ?」


名前:フィーロ

ひと言コメント

「·····あのさ、遊ぶのはいいんだけど僕にフェニカの面倒を見させてまでいい歳したお姉さんと一緒にふざけて僕を巻き込むのやめて?怒るよ?」


ソフィ

『ごめんなさいもうしわけございません許してください私が悪かったですごめんなさい五体投地で謝るので許してくださいごめんなさいわたしがぜんぶわるかったです、ほんとうにごめんなさいなので平にご容赦を·····』

(全力で土下座をしながら早口で言ってる)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ