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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第六章 TS賢者は母になるっ!
607/663

襲来!聖地を揺るがす超問題児たちっ!



「すごい!ラ○ュタは本当にあったんだ!!」



 ·····はいごめんなさい、言いたかっただけです。

 いやでもさ?日本人なら浮遊島に来たら絶対言いたくなるセリフナンバーワンだと思うから仕方なくない?



 そう、私は今、依頼にあった浮遊島にやって来ていたのだ。



「さてと調査しよっかな、浮遊島は直径3kmくらいのゆるい雫型で、上部は少し平坦だけど起伏もある····· どっかの土地が勝手に浮かび上がったのか、それとも·····」



 島の上は緑が広がっていて、鳥や魔物が沢山生息しており、空を飛べる魔物が大半を占めているが一応飛べない魔物も生息しているようだった。

 多分だけど、飛べない魔物は元々住んでいた魔物で、飛べる魔物は休憩地点に利用したり生息したりしているのだろう。



 そんでこの浮遊島は最近になってサークレット王国上空を飛び回るようになったらしいのだが、この浮遊島めっちゃ迷惑な点が何個かあるのよね·····


 まず一つ目は、この島の上に別の国の魔物が住み着いていて、それも飛行型ばっかりなので町が上から襲われる被害が時々出てる。


 二つ目が一番の問題で、なんとこの島水源があるのだ。

 島の中央の窪みに真水が湧出する池があり、そこから浮遊島外縁部に続く川があって、そして川になった水は外縁部で滝となって地上に降り注ぐ·····


 そう、降り注ぐのだ。


 しかも川の水は結構水量がある上に複数あって、通った後はまさに滝のような雨がドバドバ降ってくるというクソ迷惑な浮遊島だから、国民から『いい加減なんとかしてくれ』と苦情が出まくって、私に頼んでどっかに移動させる事になったって訳だ。



「いやぁ、でもこんなの初めてみたわぁ、世界中には結構あるって言うけど見るのは初めてだなぁ····· 『フライホエールの遺骸』、結構珍しいもんなぁ」



 で、この島の正体だが、実は元魔物なのだ。


 この前野菜の収穫に行った、海ではなく空を飛ぶ超巨大クジラ『フライホエール』という魔物の亡骸が浮遊島の正体なのだ。


 で、フライホエールが死んで地面に墜落し、有益な肉体や骨や魔石を奪われることなくそのまま残した状態で長い月日が経つ事で、腐敗した肉が染み込み魔石が埋まった大地を体として定義して再び身に纏う事で、意思も無くアテも無く彷徨う浮遊大陸が完成するという訳だ。


 だから一部の国ではアンデット系の魔物と定義されているんだけど、実際は魔石の再活性化と暴走によって発生しているので現象といった方が近い。



 ちなみにかなり有益なモノでもあり、うまく拿捕できて制御できれば浮遊大陸に竜騎士なんかの拠点を作ったり、巨大輸送艦にできたりと利点は非常に多いのだが、めっちゃ難しいから今の所この世界では3島しか存在していない物凄いモノだ。

 制御下に置かれた浮遊島は2島が魔法競技大会で戦ったエンシェンオースト魔法学園のある『ソーサリー連合王国』に、1島はその近くのドイツ辺りの国が保有している。


 当然1島でもあればとんでもなく戦力的にも流通的にも有利になるので、作ろうという試みは世界中で行われてはいるがフライホエールの魔石は巨大で制御も難しく、そんじょそこらの技師では制御コードを書き込むことすら困難だろう。



「·····私なら楽勝なんだけどね」



 そう、実はこの浮遊島はもう掌握済みだ。


 さっき降り立った時に魔石に遠隔で制御を仕掛けてアカシックレコードによって掌握、操縦権を獲得して操作してある場所へと向かいながら色々調査をしていたのだ。

 ちなみに水の湧出は魔石の影響だったのでかなり減らしたしたので、もうすぐあふれ出していた水も落ち着くだろう。



「これなら色々できそうだなぁ····· あの計画もできそうだし、やっぱり建造の素材にしちゃうかな、国には『島()木端微塵に消し飛ばした』って報告すればいいし····· んっふっふっ·····」



 って訳で、私は悪だくみをして悪い笑い声を漏らしながら、次の目的地へと向かった。





「おっ見えてきた!いやぁこっちのも立派だねぇ·····」



 浮遊大陸の前方である雫型の尖っていない方のがけっぷちに腰掛けていた私は、遠くに次の目標があるのを見つけて立ち上がると、早速依頼を完了させる準備を始めた。



「っとその前に、ディメンションルーム超大型建造ドック第四番『Gnade(恩寵)』へのゲート開け」



 ヴンッ



 まずは拿捕した浮遊島から飛行魔法を使って離れると、遠隔操作でディメンションルームを流用した格納庫へと生息する動植魔物ごと収納し、ゲートを閉じて格納した。


 一応内部は広大な仮想空間になってるし、魔法でしっかり空中で固定しておいたから1ヶ月程度ならあの中でも生態系が完成してるから生息している生き物も大丈夫だろう。



「·····さてと、んじゃいっちょ掃除でもしますかね」



 浮遊島が格納されたのを見届けた私は飛行魔法を使って次なる目的地、サークレット教の聖地にあるこの国が管理する世界樹へと向かって飛行した。


 ·····浮遊島、巨大な木、うーん、ギリギリセーフかな?





 この国の世界樹は、実はそこまで大きくない。


 といってもエルンフェン密林国にある世界樹やディメンションルームにある世界樹ユグドラシルに比べると、というだけで樹高は1500m、聖地が標高2000m地点にあるのを考えると最高地点で3500mというなかなかな高さを誇る世界樹だ。


 私はそんな超巨木の根元にあるサークレット教の聖地教会の前に降り立っ



「何奴っ!!」

\ブンッ!/


\ズガンッ!/

「わひゃぁぁあああああっ!!!ソフィです!依頼を受けてきたSランク冒険者のソフィ・シュテインですっ!!」



 降り立った瞬間、聖女様が光の槍を物理的にぶん投げてきた。

 しかも光の槍は私の背後にあった世界樹にぶっ刺さっているという雑具合だ。


 あ、あっぶねぇ·····

 咄嗟に転んでなかったら脳天に刺さってた·····



「·····貴女でしたか、我々の依頼を受けて下さり感謝いたします」


「あの、私問答無用で殺されかけたんですけど·····」


「我々サークレット教はもとより武闘派の宗派から分岐したので、では説明いたしますので教会の中へ」


「答えになってない····· まぁいいや」



 いきなりブチ殺されかけた私は、結局文句を言っても聞いてもらえず教会の中へと案内された。


 そしてその教会は世界樹でできた木製と石製の組み合わさったの優しさが溢れる美しい厳かな教会で、祭壇には小さい世界樹·····

\ドンガラガッシャーン!!/


 ·····世界樹ユグドラシルに

\ほわ!?ほわあぁぁあっ!?冷っ!冷たいいっ!/

\うわっ掃除し直しじゃん面倒くさ·····/


 ·····ユグドラシルにかなり近い世界樹が生えていて、黄金色の木の実『プリミティブフルーツ』を沢山生やしていて非常に美しく神秘的だった。


 てか働いてるちっこい見習い聖女様が足を滑らせて水やり用のバケツを頭から被って説明遮られたし、びしょ濡れで裏に逃げて行ったんだけど·····


 ·····なんかなぁ、この国って凄い人は多いんだけど、どっかポンコツなんだよなぁ。



「では此方におかけください、お茶は今お持ちいたしますので」


「わかりました、んで早速ですけどこの依頼内容ってだいぶボカされてますよね?」


「やはりお分かりになられましたか····· そうです、手入れというのは本当なのですが少々厄介でして、ソフィ様にお願いする事にいたしたのです」


「·····植物、魔物、どっちd\失礼しまーす!!!/

『世界樹の葉っぱのお茶とプリミティブフルーツのタルトです!自信作ですので是非味のご感想をお聞かせくださいませ』

·····、··········」



 ·····なんか割り込まれたわ。



 てかお茶菓子って普通ちょっと摘める程度じゃないっけ?

 私の目が変になってなかったらホールケーキサイズのタルトが丸ごと1個置いてあるんだけど??


 えっ、ナイフもフォークも無いんだけど、手掴みで齧りつけと?

 いやよく見たらタルトの皿に隠れてたわ、タルトがデカすぎる。



「こらフィグ、お客様が話している途中ですよ、あと何ですかこのタルトは」


「あっ失礼いたしました、改めまして、私の自信作です、料理がお上手との事ですので感想を教え」

「こらっ!」


「えっ、何かダメでしたか·····?」



 ·····うーん、なんだろこの子。

 アホなのかな。



「フィグ、あとで()()()に来なさい」


「ひ、ひぃ····· わ、わたしは、こっ、こりぇで失礼します!ごゆっくりどうぞ!」



 フィグちゃんは逃げた!

 ただし()()からは逃げられないだろう、なみあみだぶつ····· おっと異教のじゃ良くないね、『ルーメン、汝に光あれ·····』



「失礼いたしました、彼女はまだ聖女見習いで修業中の身でして····· 後で厳しく指導いたしますのでお許しください」


「大丈夫ですよ、んじゃちょっとお茶を飲んでもいいですか?」


「はい、では飲みながらになりますがご説明いたします」



 そして私はフィグちゃんが淹れてくれた優しくて美味しい紅茶みたいな香りのフルーティーな世界樹の葉のお茶と、世界樹の実のタルトを食べながら、聖女様の話を聞いた。



「外の世界樹は現在『サタンセンチピード』と『ニーズヘッグプラント』が寄生しており、軽度ですが世界樹に影響が出始めています」


「うわニーズヘッグプラントだけでも厄介なのにそっちもですか·····」


「そうなのです、駆除は行っているのですが手ごわく、聖地という土地の関係上冒険者を呼び寄せての討伐も難しく、侵食されているとわかると教会の沽券にもかかわるため、ソフィ様へとお願いした次第です」


「·····虫、苦手なんですけど」



 そう、実は私、虫が結構苦手なのだ。


 特にイモムシとかムカデとかミミズみたいな長くてニョロニョロする系の虫がかなり苦手というか無理なのだ。

 前世の頃は多少は大丈夫でカブトムシの幼虫とかは大好きだったんだけど、こっちに来てから急にダメになっちゃってさ·····


 私がいままでやった依頼を見てくれればわかると思うけど、虫系の魔物の討伐、ほとんどやってないのよね。


 一度巨大ゴキの殲滅と巣の破壊をやらされたけど、1週間は魘されて最後にはアカシックレコードで記憶をほぼ消去してなんとかしたくらい苦手なのだ。



 うわ思い出したら寒気してきた、フィグちゃんが淹れたお茶飲んで落ち着こう·····



 ·····あぁ美味しい、うん、フィグちゃん中々いいセンスしてるじゃん、世界樹の葉のお茶の良さをうまく引き出せてるし、こっちのプリミティブフルーツのタルトも甘酸っぱいみずみずしい実をうまく加工してマンゴスチンみたいにフワフワな状態にしてから加工してるから、フルーティーでしっとりとしたチーズタルトみたいな感じで優しくておいしいわ。

 これなら丸ごと1個食べられちゃうわ。



 あの子、聖女よりパティシエになった方がいいんじゃない?」



「声に出ていますよ、あの子は普段から料理を担当していて、お菓子作りが趣味なのですが····· 少し、いえかなり度が過ぎている所はありますが·····」


「なるほど····· 美味しかったって伝えておいてあげ」

『やった!ソフィ様に褒められちゃった!』


「·····聞いてたみたいですね」


「後で説きょ····· 懺悔をたっぷりさせなければですね」

\ひぃっ!?/



「まぁまぁ、可愛くていいじゃないですか、フィグちゃん、君は料理のセンスがあるけど立派な聖女様にもなって人を2倍幸せにできるように頑張ってね?」


『はいっ!ソフィ様ありがとうございます!あとでお土産にタルトを包んでおきますね!』


「·····優しい子なんですが、少々抜けているのですよね、ソフィ様のお言葉で多少は修行にもちゃんと向き合ってくれると良いのですが」


「まぁなんというか、その、頑張ってください」


「はぁ····· では話を戻しまして」


「戻す必要ないですよ、もうちょっとのんびりしたら帰りますんで」


「はい?ですが、依頼がまだ·····」



「終わらせました、私、虫嫌いなんで見たくも無いので消し飛ばしました」




 ·····実は今の会話の最中に『サタンセンチピード』を既に消し飛ばしていたのだ。



 あんな気持ち悪いのと直接対決なんかマジでしたくないわ、新幹線サイズのムカデなんて考えただけで寒気するわ·····

 って事で、魔法で周囲の立体地図を作って解析して、ヤツを見つけて魔法でブチ殺してやったのだ。


 使った魔法は当然の如く『崩壊魔法』で、体液とか出ても吐き気がするくらいキモイから全身を一瞬で元素単位まで分解してやったわ。

 ついでにニーズヘッグプラントも厄介な根っこまで崩壊魔法でひとつ残らず崩壊させておいた。



 って事で、実はもう依頼は()()完了していたのだ。



「あぁ気持ち悪かった····· なのでちょっと心地良いここで休ませてくれませんか?修行中の聖女ちゃん達とも触れ合って癒されたいんですが·····」


「·····規格外ですね、そしてソフィさんもフィグと同じタイプなのですね」


「てへっ☆」


「サトミ様のお気持ちが私の悩みと同じとよくわかりました····· 何はともあれ依頼は達成して頂きましたので、仕方ありません、癒されるかどうかは分かりませんが····· フィグ、そこに居るお友達と一緒に出てきなさい、ソフィさんがお呼びです」


『はーいっ!!』

\ドタバタバタバタッ/



 聖女様が半開きのドアに向けて声をかけると、すぐに返事か帰ってきて聖女ちゃんが飛び出してきた。


「えへへへ····· ソフィ様!あれタルトがもうない!?全部食べちゃったんですか!?タルト美味しかったですか!?」


「美味しくて一気に食べちゃったよ、ありがとねフィグちゃん」

「やった!ありがとうございます!!追加でタルト焼いるんで急いで仕上げてきますね!!」


「おー、ありがとうね楽しみにしてるよ」

「はいっ!!」


「·····追加で?待ちなさいフィグ!!こら!!いったいどれだけっ!!待ちなさいっ!!!」


 ·····なんかトラブってんなぁ。

 いいじゃんね、ちょっとお菓子作るくらいさ。

 


\てくてくてくてくてく/


「ふむ、ふむふむふむ、ふむ?ふむふむ」

「えーっと····· あれ?君はさっき水被ってた子?君は初等部の子かな?」



 パイを作りに戻ったフィグちゃんと、何故か大慌てで追い掛けて行った聖女様を不思議そうに見守っていると、その間にさっきバケツひっくり返して水を被ってたちっこい茶髪のメガネっ娘が割り込んできて、なんかふむむ言いながら私を観察してるのか周囲をくるくる回り始めた。



 たぶん初等部〜中等部の子、つまり10歳未満の子なんじゃないかな?


 初等部用の服着てるし。



「よいしょっと、いい子いい子、ほらたかーい高〜い」


「わぁーい、たかーい、シトラたかいたかーいだいすきー」


「んふふふ、こんな小さいのに山奥で頑張ってるんだねぇ、偉い偉い」


 私は健気に頑張るまだまだ幼いちびっ子を·····



/おい\


「ン!?」


「貴様ぁ、いま僕のことを初等部のチビと言ったな?」

「んん?ん?」


僕ぁ(ぼかぁ)12歳の立派なれでぃというヤツだ、子供扱いはやめてくれたまえ」


「え、えっと·····?」

「生憎さっき思慮に夢中になってたが故にポカという奴をやらかして濡れてしまったが故、仕方なく初等部の頃の服を着ているが僕ぁ高等部の生徒だ、成長してしまい服がきつい故、持ち上げられると色々見えそうになって困るのだ、何せ今日はせくしーな下着を身に着けているからな」



 ·····いや、初等部の服でもピッタリじゃね?

 スカート丈も膝丈くらいだし。



「は、はぁ·····?」

一先ず(ひとまず)降ろしたまえ、話はそれからだ、それと僕の観察を邪魔しないでくれないか」


「アッハイ」



 可愛らしい幼子から発せられたとは思えない、なんかすんげぇ態度のデカい発言に呆気にとられて、言うことに従ってしまった。


 すると地面に降り立ったあの子は、最初と同じく私の周囲をグルグル回りながら観察を再開し、何周かすると私の顔を見上げて怪訝そうな顔をした。



「ふむ····· 困ったぞ、このお方は発言といい態度といい、それに加え顔や風体からもあまり知性と威厳を感じられないが故に、敬うべき偉い客人なのか僕にはわからないぞ、僕ぁ(ぼかぁ)物心ついた頃には古い図書館で本を読み育ち、本に導かれるがまま歩んでいたらいつの間にかここで聖女を目指してたが故、有名人というヤツには詳しくぁない·····が、ふむ、あの粗雑で横暴な聖女サマが丁重にもてなしているとなると、どうやら有名人、それも大層いいご身分のお方で間違いないようだ、おーいマルス、フィグ\ゴチンッ!!/ \いっっったぁぁぁあああいっ!!?/·····は無理そうだ、どうやらまたゲンコツを食らったようだ、哀れなフィグの為に祈っておこう、ルーメン····· これでよしと、マルスよ、こっちだ〜、やんごとなきお方がいるぞー」


『ちょいまち、今行く!!』


「えっなにこの子····· てかすんげぇ失礼な事言ってんだけど」



 と思ったらめちゃくちゃ失礼な事言われた。

 ·····知性と威厳を感じられない顔って、なんか、えっと、めっちゃ凹むんだけど?


 てかしれっとフィグちゃんゲンコツ喰らってるし、何やらかしたんだ·····

 まぁタルト追加で作ったせいだろうけどさ。



\ガチャリ/

「全く·····フィグは後で徹底的に····· あっ、こらシトラ!!また貴女やらかしてるのですね!!?ソフィさん、大変失礼しました····· はぁ····· この子はシトラ、フィグの同級生の中でも三本の指に入る問題児です」


「問題児たぁ失礼な!僕ぁ人一倍知的好奇心が高いだけの一般人 ·····否!一般人と同じ扱いをすれば一般人が可哀想だ、何せ僕ぁ天才というヤツだからな、僕が一般ならば僕以外は全員平均以下となってしまうが故に区別しなければならないのだ、おお何たることか、天才ゆえの孤独に僕はいつも悩まされているが、また悩まされる事になろうとは」


「そういう所です」

「うん、大体わかったフィグちゃんとは別ベクトルの大問題児だわ」


「どうしてだ!?僕ぁいい子だろう!?納得がいかないぞ····· 僕ぁ怒ったぞ、徹底的に論破してやるぅ!!」



「「はぁ·····」」


「ソフィ様、確か貴女はサトミ様の愛弟子でしたね、()()は習得していますか?だいぶ驕っているので一発殺ってください」

「もちろん、数百発喰らったんで完全に再現できますよ」


「お願いします」


「なんだとぉ!?ヒトが唯一持ち得る暴力以外の解決手段を放棄するつもりかぁ!!?·····いや、僕ぁ天才ゆえにわかる、今この状況ではもう言論は通じないが故、逃げた方が良いと、なんと言ったか····· そうだ三十六計逃げるに如かずだ」


「悪い子を私が逃がすと思う?」

「げ、げぇ····· この天才の僕に何をする気だぁ!」


「何って·····」

「ゲンコツをお願いします」


「やめっ!!?やめたまえぇっ!僕の叡智がゲンコツで吹っ飛んだらどうするんだぁ!!暴力はんたーい!!」


「問答無用っ!!」


 げ ん

\こ つ/


「ぐあっは!!」


\ばたり/


「お見事です」

「いやーそれほどでも〜」


 ·····ガキンチョ相手にゲンコツ喰らわせておいて大人気ないけど、スカッとしたわぁ。



「いたたた····· あれ?シトラちゃんもゲンコツくらったの?大丈夫?」

\大丈夫だと思うかぁ·····!ぼくの、僕の叡智がぁ·····/


「元気そうだから良かった!タルトたべる?」

\いらない····· おお痛い、痛いぞ····· \ツン!/痛い!やめたまえフィグ!僕のタンコブを棒切れでつつくなぁ!/



\ガンゴンッ!!(ノック音(雑))/

「うぃーす、やっとシトラがひっくり返した水の片付け終わりましたー····· ってかなんでシトラ倒れてんの? え?なに?私が片付けしてる間床で寝てたの?は?寝てんなら自分で片付けてよ」



 シトラちゃんにゲンコツを喰らわせたのと入れ替わりで、ドアからまたもう1人入ってきた。


「彼女が最後の一人、マルスですね」

「·····見て分かりますよ」



 ·····うん、どう見たって三バカの最後の一人だった。

 聖女の服着崩してるんじゃないよ、しかもなんか口悪いし、スカートなのにドア蹴飛ばしてノックしてたし、そのスカート何故かスリットが太ももの上あたりまで入ってるし、流石にグレすぎでしょ。


 なんで聖地にグレた小娘が居るんだ、教えはどうなってんだ教えは。



「ちなみにギャンブル狂で同級生から金や私物を巻き上げてる大問題児です」


「えぇ·····」

「何?ギャンブルの話?私負けないけど·····って誰それ?」


「マルス、それにシトラも、お客様の前では口調を正しなさい」

\ふむ、ならばお客様の前でなければこの口調でも構わないというわけか/


「ソフィ様」


「承知」

\やめたまえェェエッエエ!!/

\ごちんぬ☆/


\ぶぇっへ!!/


「·····ばーか」

\なんっだとぉ!!?天才の僕に向けて騼とか言ったな貴様ぁっ!!/


「ソフィ様」

「あの、私ゲンコツマシーンじゃないんですけど」


「げっ、失礼しました、無礼をお詫びします」

「ふむ、では僕も詫びておこう、これ以上ゲンコツを食らって、もし身長が縮んでしまったら由々しき事態だ」


「えーっと?\ピトッ(定規を当てる音)/やったねシトラちゃん!身長20cmも伸びてるよ!!」

「やったぁ!じゃああと4発喰らえば僕も高身長天才美少女の仲間入りだぁ〜·····っておい、それは僕のタンコブだ身長には含まないぞ、もしかしなくても今僕の身長のことバカにしたなぁ!?ゆるさん、ゆるさんぞぉぉお!!僕ぁ怒ったぞおぉぉおおっ!!!」

「わーっ!!?なんで怒ってるのーっ!!?」


\ワーワーギャーギャー!!!/



「·····ヤンチャですね」


「はぁ····· ですが3人とも歴代最高レベルの実力の持ち主です、数百年に1人の逸材が同時に3人ここに居ます、故に退学もさせられませんし手が付けられません」


「ええぇ·····」


「フィグはお菓子作りの常習犯ですが、神聖属性への適正に関しては歴代の聖女のうち5本の指に入ります、·····性格は他2人に比べれば比較的マシですが、一度に食料を使い切るほどお菓子を作るため、彼女の入学と同時にクラスメイト及び教員の肥満率が急激に上がりました、そして食糧難も頻発しています、先程も25個焼いていて説教を食らわせたばかりですが、隙を突いてタルトを追加で作っていたようで食料庫の小麦粉とバター等が全て無くなっているのを確認しました、これからパイが8個追加で焼き上がります、そして食糧難も始まります」

\そうだシトラちゃん!おっぱいにゲンコツ喰らったらおっぱい大きくなるんじゃないの!?/


「シトラは非常に賢く、テストの成績は常に満点以上·····時には教員を上回り教員を自分の机に座らせ教鞭を振るう歴代最高の天才です····· が、天才を自負しすぎているのか調子に乗っているのか自尊心が高すぎる事と貪欲すぎる知識欲があり、ことある毎に同級生や教員を論破して泣かせたり、下級生に混ざりおままごとをする等、トラブルを頻発している超問題児です、私も数度泣かされました」

\ふむ、この僕がフィグに発想で負けるとは/


「マルスは態度こそ悪いですがコミュニケーション能力がずば抜けて高く、生徒のカウンセリングまで自主的に行う慈愛に満ちた生徒·····ですが、教員に隠れてギャンブルをして生徒から私物を巻き上げるチンピラです、そしてサイコロを同時に50個ゾロ目を出せる有り得ない豪運の持ち主故に、ギャンブルでは全戦全勝、·····そして生涯で1度成功すれば奇跡と言われる、発動すればあらゆる怪我も病気も治せるが、失敗すれば相手が死す禁忌の治癒魔法を百発百中で発動出来る怪物です、あと生活態度が初のマイナスを記録した生徒でもあります」

\·····2人とも何意味不明な事いってんの?んな訳ないじゃん/


\なっ!?フィグ貴様ァ!嘘ついたなぁ!!/

\えっ!?そうだったの!?/




「·····退学にしたくても出来ないっすね、それ」


「だから困るのです」

「でしょうね」


 うん、化け物揃いだわ。

 なんならフィグちゃんのお菓子作りが可愛く見えるレベルだわ。



「元々()()()()でした貴女なら、彼女らを制御できる方法に心当たりはありませんか?」


「·····ツッコミ役は?」


「居ません」


「oh my got」


 あっ私が神様だったわあっはっはっ


 うん。

 こりゃ神様でもお手上げだわ。



「無理ですねこれ、私らはツッコミ役が居たのである程度歯止めが効いてたんですけど·····」


 おいコラ読者『アレで·····?』って思いやがったな?



「はぁ····· もうすぐ彼女らは実習に行く予定なのでそこで社会を学んで少しでもマトモになってくれればいいのですが·····」


\アチョォォオオオオ!くらえ必殺シトラアターック!!/


\ぺち/

\いたっ/


\くっなぜ僕の渾身の必殺技か効かないのだぁ!/

\いまの必殺技だったの?/


\もうちょっと鍛えなよ、体育サボって日陰で本ばっか読んでるからチビなんでしょ/


\きさまぁぁぁぁあああああ!!言ってはいけないことを言ったなぁぁぁあああ!!喰らえ超必殺シトラちゃんアターック!!/

\体育の成績1位の私に勝てると思ってんの?/

\むぐぉぉぉおおお!!シトラちゃんは無敵なりぃぃいいい!/


\グワシ!/

\ぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶん/


\シトラちゃん届いてないよー/


\ふ、ふん!今日はこのくらいにしといてやる、覚えてろぉー!!/


「「·····」」



 アレはどうやったって無理だな。


 ·····と、私と聖女様は全く同じことを思いながら、池乃め〇かをしてるシトラちゃん達を見て頭を抱えたのだった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「うん、私たちが昔あんな感じだったって思うと恥ずかしくて見てられないわ····· まぁうん、青春してるなぁ·····」



名前:聖女様

ひと言コメント

「問題児に元問題児をぶつければ何とかなると思いましたが····· 役に立ちませんね、所詮は問題児でしたか····· あら失礼しました、うふふ」

\·····そんなんだから問題児が育つんじゃ?\ゲンコツ/むぎゃっ!/


名前:フィグ

ひと言コメント

「あっ!ソフィ様!タルトちょっと作り過ぎちゃったんで沢山包んでおきますね!ひーふーみー····· 18個でいいですか?あの、持って帰ってくれないと、わたしが全部食べる羽目に·····」


名前:マルス

ひと言コメント

「え、何?私コイツらと同じ扱いなの?なんかやなんだけど····· バカばっかじゃん」


名前:シトラ

ひと言コメント

「バカと天才は紙一重というだろう?僕ぁ天才すぎてバカに限りなく近いとろこまで行ってしまった存在なのだ、勘違いしないでくれたまえ」


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