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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第六章 TS賢者は母になるっ!
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聖職者は悪魔に弱く、悪魔は神に弱く、神は·····



 私はバチクソに怒られていた。



 ·····なんでかって?


 いやぁ、そりゃ怒るよね。



 1ヶ月以上も戦い続け、仲間や仲の良かった同僚が死んだり怪我をしたりして、命をすり減らしながら頑張って民の為に決死でやっていた仕事を()()()5()()()解決されたらたまったもんじゃないよね。


 怒りたい気持ちもよーくわかるよ、うん。



「現実逃避しないでください」


「アッハイ·····」





 さて、なんで私がクソ怒られてるか経緯を説明しよう。


 アレは今から十数分前の事·····




「さーてと、回収も終わったしさっさと次の依頼でも終わらせよっかなぁ」



 デミダイヤゴーレムの討伐と回収を終わらせた私は、瘴気汚染区域に向かって飛行していた。


 ·····まぁ、もう見えてるんだけどね。



「アレが純粋な魂を持つ生命体を蝕む死の領域か····· あんな立派なのは中々お目にかかれないなぁ」



 瘴気汚染区域は見るだけですぐにわかる。

 何せ黒紫色の霧で覆われていて、見るだけで激しい生理的嫌悪感を感じるような嫌な雰囲気が漂う霧のドームのようなエリアなのだから。


 そして当然の事ながらもしあの中に一般人が居たら、もうご冥福をお祈りするしかない。


 良くて死、悪くて悪魔化という結末が待っているのだ。



 そう、瘴気に汚染されると普通の生命体は魔物化や悪魔化して、地形や植生にも悪影響を及ぼしてしまうのだ。

 過去には海外での例だが大都市に瘴気が発生し、一瞬で人が死に絶え悪魔が跋扈する魔境になり、地形が変わって悪魔の王の城ができたという歴史もあるほどだ。



 んで目視で観測した感じ、既に地形が少し変化しておどろおどろしくなってるように見え、駅前に群がるムクドリのように恐ろしい数の悪魔が蠢いて飛び回っているのが見えていた。



「さてと、いっちょやりますか!」



 ビーッ!ビーッ!ビーッ!!



「およ、来たか····· 飛行特化タイプの悪魔の群れ、出張してきてるねぇ」



 そして瘴気汚染区域にある程度近付くと、瘴気の中から飛行型の悪魔の群れが飛び出してきた。


 それは寝床の洞窟から飛び出す大量の蝙蝠の群れのようにも、黒い龍のようにも見えた。



「陣形を組まないで我先に突撃してくるただの烏合の衆、知性の無い愚かな存在だねぇ」



 しかし悪魔共には統率されている気配もなく、より強い魔力を持つ私を喰らおうと我先に突撃してきているだけの陣形もクソも無い、まさに烏合の衆という言葉がピッタリな状態だ。


 そんな悪魔は私の周囲をあっという間に覆いつくすように集まり、襲う機会を狙っていた。



 ·····いや、知性が無くとも本能が襲う機会をうかがわなければいけないと判断しているのだ。



「さーてさてさて、飛行特化の悪魔を一気に全滅させちゃうかな·····」



 だが悪魔は本能を超える本能を抑えられなかった。


 少しでも喰らえば、犯せば、遥かに強くなれる存在が、極上のデザートが目の前に居るのだ。

 知性も理性も無い悪魔は、躾のできていない犬より欲望に忠実だ。


 少しすると我慢の限界に至った悪魔が動き出し、私に近付き始めた。



 ·····だが、彼らは自身の愚かさを身を持て知ることになった。



「神に至ろうだなんて、神に触れようだなんて、傲慢だねぇ、·····ギリシャ神話のイカロスのように、ねっ?」



「神に至ろうとする不遜な者共よ、地に堕ちるが良い、『イカリオスの苦熱』」



 魔法を発動した途端、私の周囲は超高温の炎の玉に包まれ、高度1700m付近に小さい太陽が現れた。


 そして神へと、太陽へと近づこうとする不遜な羽を持つ悪魔共は、超高温の炎と魔法の効果により、瞬間的に空を飛ぶための翼を焼き尽くされた。


 従来の魔物より頑丈な悪魔と言えど、上空1700mからの強制落下には耐えられない。


 翼を失った悪魔共はなすすべなく地へと堕ち、次々と地面の染みになって消滅していった。



「·····イカロスの伝説くらい、ちゃんと見ておこうね?」



 イカリオスの苦熱は上空でしか····· 正確には対地高度1000m以上でしか発動できない魔法だが、発動すると自動で相手の飛行を司る部位に向けて熱線を放射することで発熱させて更に爆破して破壊し、相手を地面に突き落とす情け容赦ない魔法だ。


 飛行魔法を使っていると全身が攻撃対象になるので逃げ場の無い直接攻撃を受け続ける事になるヤバ今方だ。

 当然混合魔法で、発動難易度も超高い魔法だ。



「さてと、·····ふーん? 陽動目的で飛行特化の悪魔を嗾けてきたんだ、猪口才な奴」



 翼をもがれた悪魔共が地へ堕ちて視界が開けると同時に、私はコレが陽動だと悟った。



「荷魔電エーテル粒子加速放射魔導砲か、とんでもない悪魔も居るもんだねぇ·····」



 ギュオァッ!!!


 ズドォォォォォォォォオオオンッ!!!




 悪魔共が居なくなり見えた瘴気の中に、光り輝く私以外の恒星が見えた次の瞬間、超新星爆発のように強く輝き、此方に加速された莫大な魔力を込めたエーテル粒子のビームが放たれた。

 そして触れれば体内の魔力が破壊され即死するであろうビームが亜光速で接近してきているのを私は捉えた。


 ·····一瞬で地球を何週もする亜光速のビームを『捉えていた』。



「『八咫ノ鏡盾』」


 キュォォォォォオオンッ!!



 亜光速で飛翔する過剰な魔力を込められた魔粒子の奔流が接近するよりも早く、私は神化して対エネルギー攻撃特化の防御魔法を繰り出すと、一瞬遅れてビームが私を包み込んだ。


 ·····はずだった。


 魔粒子の奔流は私の盾に直撃すると幾筋にも分裂し、全てはじき返されてしまった。


 まぁ、そりゃ私でさえ再現不可能なミカちゃんの『絶対防壁アイギス』をごく一部だけでも100%再現しようというコンセプトで作られた、対エネルギー攻撃に限定した場合ミカちゃんのアイギスとほぼ同等の防御力を出すことに成功した『人造の神の盾』なのだから。


 ちなみに光線などのエネルギーを受け止めるのではなく反射や屈折を行って耐える仕組みなので『鏡』と名付けたのだ。



「っと、もう終わりかな?」



 って自慢してるうちに相手の狙撃は終了し、射撃地点を見るとそこには体高100mはありそうな上半身が固定砲台のようになった異形の姿をした悪魔と、魔力供給に特化した形状のイカれた形のお付きの悪魔が数匹居て、更に主砲の上にソレは居た。



「·····ボスキャラか」



 身長は5mほどの人型で、悍ましい翼を生やし、ゴリラのような顔だがその顔は真っ赤な花弁のように開いて中央に不揃いで鋭い牙が無数に生えた顎が見え、歯茎みたいな部分に目玉が何個もある気持ち悪い見た目の悪魔がいた。


 多分かなり位の高い悪魔だろう。


 何せ戦略的に私を攻撃してくる程の知能を持っている上に、あの悪魔の周りを飛ぶ上位の飛行特化の悪魔は陣形を組んで飛行し、固定砲台の悪魔の周囲には陣形を組んだ悪魔が大量に居るのだから。



「って第二射ァ!?早くないっ!?」



 ギュオァッ!!!


 ズドォォォォォォォォオオオンッ!!!



「くっ!『八咫ノ

 ッッッガァァアアアアアアアアアアアンッ!!!



 って余裕をぶっこいていたら第二射がすぐにきて、八咫ノ鏡盾を展開するのが間に合わずに私は魔粒子の奔流に飲み込まれてしまった。


 それを見た高位の悪魔は『仕留めた』と思い、異形の顔を歪めてほくそ笑んだ。



 ·····その顔が出来たのは一瞬だけだったが。



 何せ次の瞬間、魔粒子の奔流を押し返した宇宙色の薄く蒼く輝く銀色の刃を持つ槍が飛来し、顔面を爆散させてしまったのだから。


 だが彼は高位の悪魔、頭を吹き飛ばされた程度で死ぬほど弱くない。


 ·····はずだった。


 悪魔は自分の頭が再生できない事に気が付いた次の瞬間、その存在を保てなくなり消滅してしまった。

 そう、かの悪魔を貫いた槍は正真正銘の神の槍·····



 奇跡を司る神聖な槍、この世界に住む神が持つソフィアの槍だからだ。



 その奇跡の槍は悪魔を貫いて背後の地面に突き刺さっていたが、突然動き出し元来た道を戻って行った。


 そして、本来の持ち主がそれを受け取った。



「『疑似神化』完了、流石に分体だと100%の神にはなれないけど、この世界限定で100%再現は出来るんだよね」



 魔粒子の奔流が消え去ると、標的にされた高位の悪魔に挑んだ愚かな少女は姿形も残さず消滅していた。


 しかし、そこには頭上に光の環を浮かべ、神の羽衣鎧を身に纏い、神々しい槍を構えた1柱の神が浮かんでいた。



「ソフィアの槍、瘴気浄化システム起動、神属性魔力増幅開始、複製神器『カルスの槍』召喚、ソフィアの槍との共鳴を開始·····」



 更にそこから変化が始まった。


 ソフィアの槍が青白く輝き始め、彼女の周囲に投擲用の槍のような形状の宇宙色の宝石のような槍『カルスの槍』が複数生み出されて翼のようになって浮かび、ソフィアの槍から放たれた光が全ての槍に直結して同じように輝きだした。



「神域発生準備完了、作戦·····開始っ!!!」



 私は瘴気浄化システムの要となるソフィアの槍を、瘴気の中心に居る固定砲台型の悪魔へと····· いや、固定砲台型の悪魔の下にある地面に向けて投擲した。


 投擲されたソフィアの槍に続くように青色魔結晶こと『叡智の結晶』で作られた複製神器『カルスの槍』が瘴気汚染区域の外縁部に向けて散開しながら飛翔し、周囲を包み込むように地面に突き立てられていった。


 そして最後に中心部にソフィアの槍がつきたてられた瞬間、ソフィアの槍と瘴気の周囲を覆うカルスの槍群が神属性魔力に共鳴して瘴気汚染区域を完全に包み込み、あっという間に瘴気を封じ込めるドームが完成した。



 そして淡く蒼く輝く白い光のドームが完成した次の瞬間、ソフィアの槍から私の神属性魔力が爆発的にあふれ出し、槍を中心に黒紫色だった領域が元の色に戻って行って、一瞬で悪魔諸共浄化されてしまった。



「悪魔は聖職者に強く、神は悪魔に強い、まぁ当然だよね」



 ベチコンッ!!!



「ムムッホァイッ!!!??」


「そして、聖職者は神に強いんですよ?」


「あっ、せ、聖女サマ·····」


「下へ降りなさい、説教します」


「·····逃げ」

「られると思ったんですか?」



 ·····逃げられなかった。





 って言う経緯があって、私はこの聖女様にバチクソに怒られているのだ。


 いいじゃん別に無事に終わったんだし·····



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「セイジョサマ怖い·····」


名前:???(聖女様)

ひと言コメント

「まったく····· あの人の言う通り本当に滅茶苦茶ですねこの子は·····」


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