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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第五章 TS賢者は妻になるっ!
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ソフィちゃん大ヤラカシ!時差トリック編!


 一時停戦の条約を結んだのを確認した私たちは、一秒でも早く帰るために動き始めた。



「では私たちはこの辺りで元の世界に帰らせていただきます、この世界の人々が末永く平和で居られることを望んでいます」

「うむ、平和にとは言わぬが、程々に民の事を考えて暮らすのじゃぞ」


「あの、最後に名前を·····」


「む?ワシは教えたはずじゃが·····」


「いえ、エヴィリン様ではなく、そちらの方です」


「私ですか?私はソフィ・シュテインって言います、別世界の神様ですねっ☆」


「ソフィ様、私の息子を助けていただき、感謝いたします、この恩は忘れません」



 なんか、ここまで感謝されるのちょっと恥ずかしいなぁ·····

 まぁ、ここは否定しないで大人しく受け取っておくのが一番かな。



「私も実は妊娠中なので自分の子を想う気持ちはよくわかります、これからは息子さんに寂しい思いをさせないように気を付けてくださいね、恩返しはそれでいいですから」


「わかりました、ありがとうございます、ソフィ様」


「はいはい、んじゃ私たちはちょっと都合があるのでこの辺りでお暇させてもらいますね」



 そう言うと、私はガイア様に救難信号を送信した。


 すると次の瞬間私たちの周囲が輝き始め、次元転移の予兆を感じ取った。



「っと、迎えが来たみたいなのでさようならですね、ナウィ君も女皇様も、国王様も皆さんお元気で、では」

「うむ、さらばなのじゃ」



 そして次の瞬間、私たちは世界と世界の狭間へと投げ出された。



 記録:[0:56:03:09]





『·····さてと、発見が遅れてごめんね』


「ガイア様、お久しぶりです·····で合ってます?まぁ会うのは私にとっては3日ぶりくらいなんですけど·····」

「ワシは1週間ぶりくらいじゃな」



 視界が切り替わり、私たちの目の前に少し疲れた顔をしている女神ガイアが居た。


 まぁ、ここしばらくずっと私を探すため動いてくれてたから疲れてて当然だろう。

 あとで何かお礼とかしてあげないとなぁ·····



『君たちが行方不明になって今日で56日目、みんな相当心配してたよ?』


「それは····· 今回は私が悪いワケじゃないですし·····」

「うむ、ワシらもまさかこうなっておるとは思わなくて、仕方ない事だったと思うのじゃ」


『別に責めてないし、追加で1時間かかったのもお咎めなしだよ?ただ····· この子が許すと思う?』



「ソフィちゃん!やっと、やっと会えた!!」


「うひゃん!?フィーロ君!?」


「大丈夫!?どこにも怪我はない!?お腹の子は大丈夫!?変な事はされてない!?病気は?大丈夫?頭も大丈夫?どこも変な場所は無い?元気?ええと、健康だよね?ええと·····ええと·····」


「大丈夫だから!ちょ、一旦離して!」


「もう離さない、絶対離さない!!」



 なんと、ガイア様の後ろからフィーロ君が現れると私に抱きついてめっちゃくちゃ心配してくれた。

 ·····何かさりげなく罵倒された気がするけど、まぁ気のせいって事で良しとしよう。



「でもなんでフィーロ君がこの世界に·····」


「居ても立っても居られなくなったんだってさ、一応私が手助けして神化してるから問題ないよ」


「ソフィちゃんが心配だったから、無理を言ってついてきたんだ·····」


「フィーロ君·····」


「おいお主ら!!イチャイチャするのも程々にするのじゃ!ワシだってラクトの事が心配なのじゃぞ!?それなのにお主はここで一発ヤリそうなくらいイチャイチャしおって·····」


「「イチャイチャしてない!!」」


「お主ら、パワーアップしたワシの砂糖吐きのユニークスキルでブチ殺すぞ?」


「だからイチャイチャしてないって!」


「ワシだってイチャイチャしたいんじゃ!お主らがそこで乳繰り合っておるとワシが出来ぬのじゃ!とっとと帰らせろなのじゃ!!」


「あぁん!?私だって早く帰りたいわ!でもまずはこっちに来てた勇者4人を元の世界に·····」


『もう先に帰したよ?』



「「「·····先に言えこのバカ女神!!」」」



 バギャバギャメギャポギィッ!!!



『うんぎゃあああああああああああっ!!!!!!!?』




 クソ女神をたっぷり締め上げた私たちはガイア様に連れられて世界の狭間を進み、ようやく元の世界が見える場所まで連れてこられた。


 私たちにとってはたった5時間ぶりの元の世界だ。



『ここまでくればもう大丈夫だよね?次からは周囲をよく見て、気を付けて神界に来るんだよ?』


「もちろんですよ!帰ったらそこら辺の対策もやろうと思ってますし、めっちゃ気を付けますよ!」

「うむ、ワシはソフィ任せじゃが気を付けるのじゃ!」


「ソフィちゃん、本当に気を付けてね、お願いだから·····」


「わかってるって、それじゃガイア様、助けに来てくれてありがとうございます、ところで今回の件って労災おります?」


『う~ん····· 微妙だねぇ、まぁ天使たちのお菓子騒動は落ち着いたし、とりあえず申請しとけば?』


「了解です、んじゃまた今度」



 そして私たちはガイア様に別れを告げ、自分たちの居るべき世界に帰っていっ·····



『おっとそれと最後に1つ伝えとくね、帰ったらカレンダーとか予定を見直しておきなよ~』


「それってどうい·····」



 あのクソ女神、なんか最後にすっごい大事そうなこと言いやがった。

 しかも意味を聞こうとした所で元の世界に入っちゃって聞けなかったし·····


 まぁいいや、今は無事に帰れたことに安堵してゆっくり休もう。





 視界が切り替わると、そこには見慣れたメンバーが居た。


 アルムちゃん、グラちゃん、ウナちゃん、ミカちゃん、チェル、リリア、アヤメ、アキさん、お兄ちゃん、イデア、レミア、姉貴、校長先生·····


 全員、心配してくれてたんだなぁ·····



「えーっと、その····· ただいま、でいいのかな?」

「ただいま帰ったのじゃ、ラクト、久しぶりじゃな」


「·····っ!」


「おっと、どうしたのじゃ急に、·····そうか、心配させてすまなかったのぅ·····」



 真っ先に動きだしたのはお兄ちゃんで、無言でエビちゃんに近寄るとギュッと抱きしめて泣き始めてしまった。

 まぁそりゃエビちゃんは妊娠5ヶ月で大事な時期だし、心配もするよね。



 ·····って、あれ?


 スケジュールを確認しろってもしかして·····

 ええと·····\ちらり/



「·····ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!!!!!!!??????」


「うるさいのじゃ!!!何じゃ貴様急に発狂して!!」


「や、ヤバい事に気が付いちゃった·····」


「なんじゃ、はよ言え!」


「ちょ、ちょっとそこのソファに座って落ち着いて話そ?」


「·····チッ、おい皆、ソファに移動するのじゃ」



 私はとんでもない事実に気が付いてしまい、全身から嫌な汗をかきながら、フラフラと歩いてフィーロ君に支えられながらソファへと腰掛けた。

 それに続いてなかよし組と私の関係者の人たちもソファに座ったのを確認して、私は衝撃の事実を皆に伝えた。



「·····まず、私たちは2ヶ月近く行方不明になってたけど、実は異世界に転移してたんだ」


「それは聞いたわよ、グラ経由で聞いたわ」

「私はそこのフィーロたんから聞いたよん、大変だったんだってねぇ」

「アタシも·····誰からだっけ?とりあえずスマホで連絡が来て知ったんだ」

「わ、私は天啓で知りましたぁ·····」


「そこは全員知ってそうかな····· んじゃ話を進めるけど、私たちが送られた世界とこの世界では時間の流れに差があって、向こうはこっちの1/250の速度で時が流れてたんだ」


「そういえばそれで連絡に手間取ったって言ってたわね」


「そうなんですけど、問題はそこじゃないんですよ!!」



 そう、私が気が付いてしまった問題はそこじゃない。



 ·····皆様は『浦島太郎』という昔話を御存じだろうか。


 まぁ知らん人なんて居ないと思うけど、念の為ざっくり説明すると、クソガキに蹴られてたカメを浦島太郎が助けたら、亀に竜宮城という海底神殿に案内されて御馳走を食べてって帰ってきたらめっちゃくちゃ時間が進んでて、玉手箱を開けたら歳を取ったという話だ。



 この『体感時間と経過時間の差』は実際の物理現象でも確認されており、早ければ早いほど体感時間と実際の時間にずれが生じる。

 例えばGPS用の人工衛星では約300年で4秒ほど時の流れが遅くなっているらしく、そして光の速度の99%に達すると時間の流れが1/7くらいにまで下がる現象だ。


 これを日本では浦島太郎の話になぞらえて『ウラシマ効果』と呼んでいるそうだ。



「·····私たちの体感時間では、向こうの世界に居たのはたった5時間半程度なんです、でもそれがこっちでは250倍になっていて、計算上だと約57日近く経っていることになるんです」


「なるほどね、つまりソフィたんとエヴィリンは2ヶ月前とほとんど同じ肉体になってるって訳ね」


「姉貴は気が付いたか·····」


「そりゃもちろんSF的要素で使える事は覚えてるから得意なのよん、チョー難しい物理法則の計算もお任せあれ~」



 どうやら姉貴は既に気が付いたみたいなので言ってしまおう。



「結論を言っちゃうね、私とエビちゃんの出産予定日が2ヶ月遅れになっちゃった」


「「「·····えっ?」」」



 それを聞いた瞬間声を出したのは、フィーロ君、お兄ちゃん、エビちゃんの3人だ。


 まぁ、そりゃビックリするよね。



「向こうの世界の時間の流れの影響を受けたのは私とエビちゃんだけじゃない、お腹の子供も影響を受けてるんだよ····· 2ヶ月前はエビちゃんは確か妊娠18週目で、私は妊娠7週目だったんだけど、向こうに行ってから私たちは5時間半しか経ってないから·····」



 そう、私たちのお腹の子供も時の流れが1/250になっていたせいで、2ヶ月経っている元の世界に戻って来てもまだ5時間くらいしか成長していないのだ。


 つまり、その時間の分だけまるっきり出産予定がズレる訳で·····



「私の出産予定日は11月だったけど、ズレて1月になるって事だね·····」


「わ、ワシは·····?」


「エビちゃんは11月になるかも·····」


「そ、そんなぁ·····」



 私は、たった5時間半で出産予定日が2ヶ月もズレていた事に気が付いてしまって、叫び声をあげてしまったのだ。





 その後はもうめっちゃ大変だった。



 話に入ってこれないで黙っていたなかよし組のみんなと他の人たちが会話に加わって滅茶苦茶に質問攻めにされた。

 出産の事ももちろんだけど、どんな世界に飛ばされたのかとか何かお土産が無いかとか何が起きてたのかとか、めっちゃ色々聞かれた挙句、私とエビちゃんがぶっ倒れて今日はとりあえずお開きとなった。


 一応来ていた人にはちゃんと伝えるべきことは伝えたから良しとしよう。



 でも今日は大変だったわ·····


 異世界に飛ばされたと思ったらいつの間にか2ヶ月も経ってたし、世界を一つ救ってきたし、どっか知らない世界から来た勇者たちを送り返したし·····


 そんで帰って来たと思ったら出産予定日が2ヶ月もズレてるってことに気が付いたし、明日からは迷惑を掛けた人たち、私の両親とかフィーロ君の実家のお店とかアルムちゃんの実家のお店とか、アルムちゃんのお店のお得意様とか、ギルドとか、いろいろ報告しなきゃいけないってわかった瞬間マジできつかったわ。


 思わず疲労とぶり返してきた悪阻でぶっ倒れたわ。




 そして、今日から私の大変な日々が再び始まるのだった。



名前:ソフィ・シュテイン

妊娠:7週目(本来なら約15週目)

ひと言コメント

「まさかこんなことになるなんて····· 早く気が付いてたら放置して帰ってたのに·····」


名前:エビちゃん

妊娠:18週目(本来なら約26週目)

ひと言コメント

「まぁ、遅れても無事に産まれてくれればワシは構わぬのじゃ」



名前:なかよし組+α

ひと言コメント

フィーロ

「·····うん、エビちゃんが言う通り、無事に産まれてくれればどんなに遅れてもいい気がしてきた」


ラクト

「よかった、本当によかったよ·····」


アルム

「とりあえず無事そうでよかった····· これでやっと魔道具の在庫が補充できる!!」


グラちゃん

「ベ、別に心配なんかしてなかったわよ、ソフィとエビちゃんなら絶対に無事に帰ってくると思っていたわ、·····とりあえず、無事でよかったわ」


ウナちゃん

「むぅ、帰ってくるまでに妊娠してビックリさせようと思ったのに上手くいかなかった·····」


ミカちゃん

「ん、おかえり」


チェル

「ままたちだぁー!!げんきだった!?」


リリア

「やっと帰って来たかアタシのライバルめ!さぁさっさと一発バトルしようぜ!·····ってそういや妊娠してっから無理なのか」


アヤメ

「すっごく、心配してた·····」


アキさん

「おかえりなさいませソフィ様、家事は全て私たちシルキーが済ませております、ゆっくりお休みください」


イデア

「おねーちゃんとエビおねーちゃん!おかえり!!」


藤石 穂乃花

「いやー元気だった?可愛い可愛い妹と絡めなくてお姉ちゃんテンションがた落ちしてたんだよ?よーし!たっぷり可愛がってやるからな~」


加藤 郷美

「まったく、この2人はいつも面倒事を起こしたり巻き込まれたり····· 飽きないのかしら?」


名前:レミア

ひと言コメント

「わだじ、わだじっ!ぞぶぃざまのごどがじんばいでっ!ずびびーっ!!·····ソフィ様が居ない間、ずっと私がこの町を、ソフィ様が愛しているこの町を守ってましたぁ、準Sランク冒険者としてちゃんとやり遂げましたよぅ!えへへぇ·····」

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