RTA in 異世界っ!戦争終結&異世界脱出TA any%
さてと、ここからは時間勝負、たった1時間以内で全てのタスクを完了させて戦争を終了させるor戦争が終了する決定打となるイベントを発生させることがこのリアルタイムアタックの攻略条件を全部クリアしなければいけない。
クリアの基準としては
・戦争を終了させる or 戦争を終了させる決定打となるイベントを発生させる(0/1)
(最短ルートは『世界終焉エンド』だが、当RTAでは『魔族との和平ルート』を選択する)
・町に出かけている勇者四人にもうすぐ終わって帰るため1時間以内に王城に帰るよう伝えて説得する(0/4)
・開始すぐに救出に来る女神ガイアに勇者四人の居場所を報告する(0/1)
・ウルティナ王国の国王に作戦の決行を伝える(0/1)
・とらわれた王子の救出と戦争を目論む東の果ての国の中枢を壊滅(0/1)
・王子をウルティナ王国の王の元へ連れてくる(0/1)
・魔族の国の王に和平交渉の会談を提案し、ウルティナ王国へと連れてくる(0/1)
・ウルティナ王国にて魔族の国の王とウルティナ王国の王による戦争終結の和平交渉を開く(0/1)
・交渉の場にて私とエビちゃんも参加して戦争が締結するよう誘導し、人類と和平交渉を締結させる(0/1)
・1時間以内(向こうの時間で10日以内)での攻略(0:00:00.17/1:00:00.00)
以上の10個の攻略に必須な条件を達成した瞬間タイマーをストップし、測定を終了する。
といった感じだ。
「んじゃエビちゃんは魔族の国に行って王に人間の国で和平交渉をやるから来るように交渉をお願いできる?エビちゃんの飛行能力なら5分で行けるよね?帰りは転移ゲートを作れる魔結晶を用意したからそれを使って王様ごと連れ帰ってきて」
「うむ、じゃがいう事を聞かぬ可能性がある、その場合は?」
「魔神の力をフル開放すれば多分従うよね?」
「·····確かに、魔神の力を使えば強制的に従える可能性が高いのじゃ、では魔王の居場所をワシのスマホに送信してくれなのじゃ」
「おっけ、あと連れてくるときに王子は無事に救出したって伝えていいよ、3分もあれば救出できるし」
「承知したのじゃ、あと時間の流れはどうする?」
「遅いままだと交渉にならないから元に戻す、だからなるべく急いで」
「うむ、任せろなのじゃ!」
「んじゃ私はその他諸々を引き受けるから、よろしくね」
そして私たちの作戦としては、魔族の国の王への交渉を同じ魔族で上位種のエビちゃんにお願いして、私はそれ以外を爆速で終了させるというだいぶ大雑把な計画だ。
攻略チャートもクソも無い、アドリブで爆速で行うRTAになるだろう。
多少のガバなら何とかなるからとにかく速度重視だ。
「エビちゃんはもう行ける?」
「大丈夫じゃ、いつでも魔神化できるし、腹の子の保護もバッチリなのじゃ」
「おっけー、それじゃ····· RTA、スタートッ!!!!」
次の瞬間、時の流れが元に戻り、タイマーが動き始めた。
◇
まず最初に動き始めたのはエビちゃんで、開始2秒で魔神化を発動した。
「はぁぁぁああああああっ!!!よし!行ってくるのじゃ!!」
「お願い!」
エビちゃんは禍々しい魔神のオーラを身に纏い、恐ろしくも美しい魔の神というべき姿になると、窓をブチ開けて空へと飛び出して行った。
それを見届けた私も0.1秒後に動き出し、部屋のドアを蹴り開けて王が居る会議室に物凄い速度で移動し始めた。
「キノコ神拳究極奥義!バグリウム注入!!」
そして私の秘策が早速ぶちかまされた。
私は廊下のど真ん中でコサックダンスを踊りながらジャグリングをして、無を殴って何かを掴む妙な動きをし始めた。
その間に私はガイア様宛に伝送速度を合わせた勇者達の居場所を記したメールを送信した。
内容は勇者たちはウルティナ王国の来賓室に居る、私たちは後で居場所を報告するといった内容だ。
『開始すぐに救出に来る女神ガイアに勇者四人の居場所を報告する(1/1)』
記録:[0:00:09.23]
ピロンッ
『[ぬるぽ]を入手しました』
「なんでやねん!」
\ガッ!!/
メールを送信し終わった瞬間、私の手に何も手に入らなかった感覚がして、システムメッセージが流れるとそのシステムメッセージが表示されるウィンドウを正確に33.4度の角度でハンマーでぶん殴った瞬間に世界を構成するテクスチャが一瞬だけズレた。
キノコ神拳究極奥義の発動が成功して、この世界にバグを注入してゲームっぽい世界へと改変し、変な挙動をしやすくできた。
「王様は一つ下の階の会議室か····· なら速度を貯めれば!!」
バグった瞬間、私は廊下にあったオブジェクトの角に全力で突っ込むと、当たり判定に私が引っかかって全力で走っているのにその場で止まってしまった。
だが走り続ける事で速度だけが貯まり続け、今の時速は既に1万kmを超えている。
そして後は少しだけ向きを変えればオブジェクトへの引っ掛かりが外れて物凄い速度で動けるのだが、この速度では制御なんて不可能。
だがそこは裏技を使う。
「王への報告イベントをオートモードに!そして解放!」
私は『ウルティナ王国の国王に作戦の決行を伝える(0/1)』のイベント発生地まで自動で動くようにして、オブジェクトの角の引っ掛かりから外れた。
すると次の瞬間、私の身体はシステムで完全に決定されている道の上を時速1万kmで駆け抜け、あっという間も無く王様の元へと到着した。
更にこのバグの利点が発動し、私は時速1万kmの速度を維持したまま王様との会話を始めた。
ピロンッ♪
『ウルティナ王国の国王に作戦の決行を伝える(1/1)』
記録:[0:00:18.51]
そして王様の動きは私の動きに合わせて発動するシステムになっているので、時速1万kmもの速度を貯め込んだ私はあまりの速さ故に会話の判定をすり抜けてしまい、王様の会話がスキップされてた影響で王様に決行を伝えるイベントが0.5秒で終わった。
うーん、盛大にバグってるねぇ。
でも世界の理をブチ壊すキノコ神拳の究極奥義の前では普通の出来事だ。
「それでは行ってきます」
「うむ、この国を、この戦争の終結を、頼んだぞ」
「もちろんですよ!!」
そして私は次の目標である『町に出かけている勇者四人にもうすぐ終わって帰るため1時間以内に王城に帰るよう伝えて説得する(0/4)』を完了するため、事前に魔法で場所を特定しておいた勇者たちの場所へ最短ルートで向かう事にした。
しかしここは頑丈で複雑な城のど真ん中の窓の無い会議室、抜け出すのには時間が掛かるし、さっきの会話イベント終了時点で速度がリセットされて同じ手はもう使えない。
だがバグはまだ続いている。
「キノコ神拳バグ奥義!地中探索船スノボー号!!」
私はスノボーを装着すると、勇者たちの居る方向に一番近い部屋の角に突っ込んで角に挟まってガタガタし始めた。
すると当たり判定が暴走し、なんとボードが硬い岩石でできてるはずの地面に埋まった。
そして私は埋まったまま滑りはじめると、壁や床の当たり判定を完全に無視して····· いや、正確には地面に埋まってるくるぶしより上の当たり判定が消滅して、足元は邪魔の無い当たり判定とテクスチャの外側を通った事でまるで壁をすり抜けているように見えるだけだ。
その状態で進むと、私は城の壁からヌルンッと出て外へと投げ出された。
これで城の中を移動せずに直で外に出れて、約2分の時間短縮になった。
「いた!キノコ神拳究極奥義!デバッガー!!」
勇者たちの元へ行って帰るように説得する前に、私は世界のバグ状態をデバッグして解除すると、何やら剣や杖とか防具を身に付けてワイワイしてる勇者たちの元へとスノボで空を滑って向かって行った。
◇
その頃エビちゃんは·····
「ふむ、この辺りじゃな·····」
ワシは魔神の力を開放した飛行であっという間に魔王が住むという城へと到着していた。
見た所ワシの魔王城マサトクラマとは違ってごく普通の城じゃ、そしてワシの目にはひときわ強い魔力反応が見えており、それがこの国の王であるとワシは判断し、城のバルコニーめがけて降りて行った。
そしてバルコニーに降りると、その強力な魔力反応の持ち主が飛び出してきた。
「お主は誰じゃ」
「喋り方が被っておるのじゃ!?」
「相当な手練れと見える、名乗れ」
強力な魔力反応の持ち主は、なんと女性じゃった。
黒い濡れ烏のようなしっとりとした髪をしており、赤い瞳と禍々しい巻き角が特徴的な麗しき女性じゃ。
なんと、女皇じゃったか·····
多分アレじゃな、ワシはソフィの言うとおりになってちと悔しいが関西弁が混ざったようなノジャ娘タイプで、この女皇は完全な『わらわ』タイプじゃな·····
ワシも本当はこの女皇の口調を目指しておったのじゃがのぅ·····
いつの間にか関西弁っぽくなってしまったのじゃ·····
全部あやつのせいじゃ、ワシにツッコミとかボケやらせるからこうなっとるんじゃ。
·····今は関係ないからやるべき事に集中するのじゃ。
「ワシの名は魔神姫のエヴィリン・アマイモン・ファゴサイトーシスじゃ、この戦争を終わらせるため、お主ら魔族に協力をしに来た」
「なんと····· 確かにその魔力、ただ者ではないのう····· 皆の者!吉報じゃ!!伝説の魔神が我らの味方をしてくれるそうじゃ!この戦いにもついに終結が見えたぞ!」
「いや、ワシは戦いを手伝いに来たのではない、この戦争を終わらせに来たのじゃ」
\ド ン ッ !!/
あやつワシにボケ仕込んでやがったのじゃ。
帰ったらシバくのじゃ。
「·····どういう事じゃ」
「お主らは人間の国、東の果ての国による迫害と侵略、そして誘拐され人質にされた息子·····王子の奪還を目的にしておるのじゃろう?じゃったら、その二つの憂いが無くなれば戦争を続ける意味は無かろう?」
「·····そうじゃ、わらわの息子であるナウィエリアの奪還を目的に戦争を始めたのじゃ、息子が帰ってくれば人の国を襲う意味は無い、そして戦争を終了するとかの国が宣言を出し次第、制圧した国も開放する予定じゃ」
ソフィの予想通りじゃな、そしてだいぶ話が通じそうな相手で助かったのじゃ。
「結論から言う、今この国が侵略中のウルティナ王国にて戦争締結条約を今すぐ結んでもらうのじゃ」
「·····何故じゃ?息子は帰っておらぬ、それにかの国は魔族に対し徹底抗戦の意を示したのだ」
「あの国は難儀な国じゃ、最後の最後まで戦わなければいけないという国の決まりがあるから言っておるだけじゃ、一応事前に話はしておる、今なら和平交渉も行うし、是非戦争を終わらせたいと申しておる」
「·····息子をあきらめろと申しておるのか?」
「いや、お主の息子と、息子を誘拐した国に関してはワシと共にこの世界に来た者が制圧中じゃ、じきに戦争をしたがる国の王は潰され、息子はウルティナ王国に一時避難させられるじゃろう」
「·····証拠は?」
「来れば分かる、そしてワシらには時間が無いのじゃ、来るなら早よぅせい」
「わらわの一存では·····」
『女皇様、行きましょう、いざとなれば交渉相手を直接倒せるチャンスです』
『私たちは女皇様にお付き合いいたします』
『ご子息様が助かる可能性があれば一刻でも早く助けるために手段を選ぶべきではないです!』
「お主の家臣もそう言っておるぞ?どうじゃ?もし人間の国の主が罠に嵌めてきたらワシも協力して国を潰す、それでどうじゃ?」
「·····わらわの息子をここに直接連れてこれぬのか?」
「無理じゃな、お主の国と人間国家で和平交渉を締結させるのがワシらの狙いじゃ、お主の息子はそれまでは····· 言い方は悪いが人質じゃな、じゃが人道的に返すと誓おう」
「·····承知した、皆の者!ウルティナ王国に向かうぞ!」
『『是!』』
「待つのじゃ、ウルティナ王国へはワシの協力者が転移魔法をつなげてくれておるのじゃ、ここにゲートを開く、出た先は向こうの国の中枢で王が待っておる、準備は良いか?」
「·····なんと、転移魔法とな····· わかった、行くぞ!」
そしてワシは無事にゴルヴェリア皇国の女皇を説得し、和平交渉の場であるウルティナ王国の会議室へと彼女らを案内することに成功したのじゃった。
『魔族の国の王に和平交渉の会談を提案し、ウルティナ王国へと連れてくる(1/1)』
記録:[0:07:32.47]
「後は頼んだぞ、ソフィよ」
◇
時は少し戻って·····
「あーもう!もってけ聖剣!聖杖!これでいい!?」
「す、すごい····· 見事な剣だ·····」
「これはいいな、ワンドタイプの杖か····· しかも魔法が使いやすい·····」
「見てよこれ、魔力を蓄えて魔力を生み出す力を上げる魔導具だって!元の世界でも魔法が使えるかも!」
「うっひょwテンション上がるなぁwww」
「いいから早よ帰れ!!」
ゲシッ!!
私はまだまだ観光したそうにしていた、武器防具店で装備を物色していた勇者たちに私が遊びで作った聖なる武器っぽい武器とか魔導具を渡して、ケツを蹴り飛ばしてとっとと城へと帰らせた。
説得って言えるか微妙だけどコレで帰ってくれるだろうし、とりあえずクリア!
『町に出かけている勇者四人にもうすぐ終わって帰るため1時間以内に王城に帰るよう伝えて説得する(4/4)』
記録:[0:03:41.12]
「次!結構遠いな····· 目標は10秒!スタート!」
私は空へと飛びあがると上空数千メートルまでたった2秒で移動し、向きを変えて東の果ての国····· 名前そういえば一度も聞いてないな、まぁどうせ今日で滅ぶんだし関係ない。
その今から滅ぶ国へと、ものすごい勢いで飛翔を開始した。
ダァァァアアアアアンッ!!!!
飛翔を開始した次の瞬間には私はソニックブームを纏って音速を超えて加速し続け、ほんの数秒でこの戦争の原因である東の果ての国へとやって来た。
そして眼下には無駄に豪華絢爛な白亜の城が聳え立っていて、王都だというのに主要な街道沿いには豪華絢爛な家々が並び、ひとたび裏路地に入ると衛生状態がサイアクなスラム街がそこら中に広がった醜い都市が広がっていた。
「·····王子の居場所は、居た、あそこか」
私はスラムの人らには被害が出てほしくないと願いながら、次の達成目標に必要なモノを見つけ出した。
魔族の国の王子は城の地下に幽閉されているようだ。
「さてと、攻略時間3分!行くよ!!」
私はソフィアの槍をインベントリから抜き放ち、投擲・貫通特化モードに変形させると角度を調整し、王城の王の間をブチ抜いて地下牢までの大穴をブチ開けられるルートを計算して即座に割り出すと、所定の位置に移動した。
「せーのっ!!ふんぬっ!!!!」
そしてソフィアの槍を投げおろすと、槍は白亜の城を易々と貫通し、直径3mにもなる大穴を地下深くまで一気に穿った。
一応王子の牢の前に居た監視兵はコレで一撃で消滅して死んだし、牢の一部も削り取れたから抜け出しやすくなっただろう。
正直人殺しは好きじゃないけど、今日は容赦しない。
私は王子を救出するため、縦穴を降下し始めた。
すると途中で東の果ての国の王が居る王の間を通り抜けた。
「な、なにものだ貴様!」
「うわデブだ、ひでぇや·····」
「貴様ァ!儂になんて口を利くのだ!」
「黙ってろ」
バガンッ!!
「あヴぁ?」
うーん、愚王。
ブックブクに太ったジャバ〇ハットみたいな醜悪な王だったし、私が女だと気が付くとキモい顔になってたから一旦ショックボールで顎を外してやって黙らせたわ。
コイツは後で潰すとして、さっさと王子の救出をしよう。
『私は神です、愚かなる王とその家臣に天罰を下すためこの地に降臨しました、この城にいる者共への最後の恩情です、戦争を望まず行っている者は武器を捨てて城の外へ逃げてください、なお邪な心を持つ者は既に城の外へは出てなくなっております、では2分後に·····』
私はなるべく無害な人、この城で嫌々働かされてる人や戦争に参加したくない人を一瞬でローカルモードのアカシックレコードで解析して割りだすと、城の外へと転移魔法を発動しまくって脱出させた。
ちなみにこの国の王の一部の子供は戦争はしたくないみたいだったので救出してあげたりして、私が地下牢に到着する頃にはこの城に残る戦争したくない者は魔王の王子ひとりだけになってしまっていた。
「さてと王子様、救出に参りましたよ」
「だ、だれだおまえは!ぼぼぼくはもう、ニンゲンなんか信用しないからな!」
「そうですか····· 私は人間ではなく神、人も魔族も亜人も公平に裁く者ですよ?貴方は助けるに値する者です、さぁ、お母様が待っておられます、此方へどうぞ」
「お、おかあさまが·····? あなたについて行けば、おかあさまに·····?」
「そうですよ、さぁ、早く来てください」
地下牢に居た王子様は10代前半くらいの可愛らしさが残るショタで、何度も虐待を受けたのか全身が傷や痣だらけで角も折れていて栄養状態も最悪でかなりやせ細っていた。
·····ショタ好きとして、絶対に許せないわ。
死ぬより酷い目に合わせて殺してやる。
「お、おねえさんはしんじてもいいの·····?」
「いいですよ、ほら、胸の中に飛び込んできてください」
「う、うん!」
だがショタ王子は私の怒りなんてわかるはずもなく、私を母親代わりにしているのか抱きついてくると久しぶりの優しい母のようなぬくもりで泣き始めてしまった。
「·····硬い」
「·························そうですか、今から、お母様の元へ案内、しますので、目を瞑ってて、下さいね」
私が怒らなかったの、褒めてほしい。
私の胸とか腹筋が硬くて悪かったねぇ!!!もっと肉付き良ければよかったのにねぇ!!!!
生憎この前ダイエット成功して痩せちゃったのよ!!
さてと、じゃあショタ王子への仕打ちへの怒りと行き場のないこの怒りを纏めて戦争を賛美する贅沢な愚王にぶつけるかな。
·····それに、この前からアイツが表に出させろって煩いし発散させてやるか。
私は王子をしっかり抱いたまま空へと浮かび上がると、さっき開けた大穴を抜けて上へと向かった。
◇
穴の中を上がっていくと、王の間に入った瞬間偉そうな兵隊たちに槍を突き付けられ、目の前にはブクブクに太った醜悪な王が居てニヤニヤしていた。
·····私、その気持ち悪い下心が混じった目クソ嫌いなのよね。
「ぐぶぶ、ぎざまば包囲ざれでおる、何者がばじらぬが、おどなじぐお縄にづけ!」
「·····ふーん、神に叛逆するんだ、それがこの国の判断でいいね?」
「ごぢゃごぢゃ言うな!づがまえろ!娼婦にじでやれ!」
「·····さようなら、『泡沫ムゲンの眠り姫·····
次の瞬間、私は普通の女神から狂える神へと変貌し、周囲に死よりも恐ろしい呪いを振りまいた。
そして、私をいやらしい目で見ていた王と、捕まえようとしていた忠実な家臣共は、私の姿を目にしてしまった。
あら
あらあらあら
いいのですか?
わたくしを 目覚めさせてしまって
「いいよ、完全解放を許可する」
あらあら あらあらあら
うふふふふ
それは たのしみです
「ただし誓約は設ける、解放時間は1分間、私の指定したリストの範囲内のみ、そしてこの子は対象外に」
·····あら
厳しい 誓約だこと
つまらないですね
「ぐぶ····· ぎざま、一人で何を言っでおる!!」
成程
それらを 懲らしめたいのですね
わかりました
わかりました
つまり·····
私の体が勝手に動き出し、怒りでへの字に結ばれていた口が狂気的な笑みを体現する薄い三日月型になった。
「遠慮なく やっても よいのですね うふふ·····うふふふふふふふふふふふふ!!!!」
·····誓約を護ることを条件に、許可する
「うふふ····· さあ おはようございます 世界よ こんにちは わたくしは 眠れる神 そして 世界の支配者 この世界を 押し潰すモノです」
「「真名完全開放 泡沫ムゲンの眠り姫改め·····」」
『アザトース』
私の神属性魔力と、キノコ神拳のギャグ補正によって別の名を与える事でただの便利な能力というテクスチャで推し留めて変貌していた『泡沫ムゲンの眠り姫』が本来の形へと戻った。
はじめまして
若しくは おひさしぶりです
わたくしの名は
白痴の夢を見る愚かな女王 アザトース
それこそが泡沫ムゲンの眠り姫の そしてわたくしの本来の姿です
この者が わたくしを手に入れた時 この者は わたくしに取り込まれるはずでした
ですがこの者は この物語の正統なる主人公を名乗り ギャグ補正なる テクスチャの上書きのチカラを用いて わたくしを上書きしました
愚かです 不快です
許せません 赦しません
そしてアザトースとなったこの者は、わたっ·····ソフィ・シュテインとアザトースという二つの真名を手に入れ、アザトースはあまりにも危険すぎると判断し、キノコ神拳の力を使ってテクスチャで覆い隠し『泡沫ムゲンの眠り姫』に改編したのです
まったく·····、この完璧で、究極で、可愛らしい、最高の、偶像であるわたくしを、です
ひどくは、ありませんか?
·····
ごめん暇だったから、それにちょっとギャグリウム入れとかないとアンタ誓約無視して動くでしょ?
今もバリバリ破る気満々みたいだし。
まぁ 良いでしょう
この者が 積極的に干渉せねばならぬと 思うほどに わたくしのチカラは 強大です
·····もし、わたくしの真名を 制限なく開放してしまうと どうなるか
この者が 元の世界で決して戻さなかった 神の本来の力
今ここに
今ここに
示しましょう
ウフフフフフ·····
「おはよう ございます」
静寂
ここに居る者よ 悲鳴や嗚咽を 漏らす事さえ許さしません
永劫続く悪夢を見よ
わたくしを見よ
その魂 砕け散るまで
·····えーどうも、裏に沈んでるソフィ・シュテインでぇす☆
解説下手のアザトースに変わって現状をお伝えします。
やーいヘタクソ〜
ぷぇぷぇぷ〜☆
·····
·····チッ、ツッコミ入れたら奪い返されるって分かってるから反応ナシか。
その解説下手のアザトースがその姿を地上に顕現した瞬間、私が指定したリストに記載された存在は、その圧倒的な『恐怖』により魂が耐え切れなくなり、身体が崩壊し魂は外へと逃げ出してしまった。
ある者に至っては砕け散り、木っ端みじんになって破片が天へと修理を受けに急いで登ってしまう程の苦痛を味わっていたようで、次々に魂が抜けていって空へと昇って行った。
王に至っては、特に私が怨みを込めて『遠慮なく殺れ』と許可してたからか、アザトースも遠慮せず見つめたせいで魂が砕け散ってすぐに治らないレベルまでになってしまっていた。
·····直接手を下すまでもない。
ただ、その姿を曝すだけで全ての生命が死に絶える禍神、それこそが『アザトース』なのだ。
「ウフフフフフ····· では つぎは周辺国家 そして愚かなる宗教の番です さぁ 滅びましょう」
アザトースは目覚めるだけでこの宇宙全体を崩壊させかねない力を持っている。
故に、制限されていたとしてもこの星は全域がアザトースの能力の範囲内であり、周辺の人間至上主義国家を壊滅させる程度造作もない。
そして、この大陸に居る戦争を賛美する者は全て死に絶え、誰一人いなくなってしまった。
「·····ウフフ ウフフフフフフ!!!まだ まだです さぁ 準備は 整いました この愚かな魂を贄として すべてを ひっくり返しましょう!!」
あっコンニャロウ!!誓約を無視する気だ!!
「あら 迂闊にもわたくしに 権限を明け渡したのは 貴女ではありませんか ウフフフ」
くそっ、アカシックレコードがフルで使えたら強制的に奪い返せるってのに·····!
「すぅすぅ·····」
「あら いい度胸をした 子供ですね わたくしの前で 安眠するなんて」
「すぅ、すぅ····· ははうえ·····」
やめっ!!?
その子に手を出すなぁっ!!
帰りが遅くなっ
「硬い、ははうえじゃない·····」
「なっ!?この·····!!貧相な体め·····ッ!!わたくしの 元々の体は もっと豊満故 この体は相応しく····· あっ!!!?」
ギャグ差し込みのチャーンスッ!!
いま相応しくないって言ったね!返してもらうよっ!!」
くっ!!?
油断 してしまいました
卑怯者です 理解できません
愚か者め
「ツッコミ入れた時点で負けよ、ばーかっ」
·····いいでしょう
受けてたちましょう
貴女のそのギャグとらに乗って しばらく ずっと文句を言い続けてやります
「ふうぅ····· ナイスだよ王子くん\(放送禁止の罵声)/·····ッ!ふぅ、君のお陰で世界の平和は保たれそうだよ」
私は抱き着いて眠っていた、\(お下劣な罵倒の言葉)/っっっ!こ、この·····ッ!!的確に放送禁止用語ばっかり使いやがって!!·····アザトースの顕現領域の中で唯一被害を受けずに安らかな寝息を立てているショタ王子の頭を優しく撫でてあげた。
『とらわれた王子の救出と戦争を目論む東の果ての国の中枢を壊滅(1/1)』
記録:[0:12:47.02]
許せません やはり腹が立ちます
このちっぱいめ
んだとゴルァ!!?
◇
王子の救出と国の壊滅を終わらせた私は、自分の心の中でアザトースと殴り合いのケンカをしつつも、王子を起こさないように慎重に転移魔法を使って王城へと帰って来た。
ちなみに普通に殴り負けた。
·····それはさておき、王城に戻るとそこにはエビちゃんと一緒に見慣れぬ艶やかな黒髪の麗しい女性と家臣たちが居て、ウルティナ王国の国王と家臣たちと対面して睨み合っていた。
·····見慣れないと言ったけど、あれは嘘だ。
女性はこのショタ王子の失ってしまって少しだけ残っている角とよく似た角と、この子の髪のよく似た髪の色をしていた。
「·····ナウィエリア?ナウィエリアか!という事は、お主がエヴィリン殿の協力者という事で合っているか?」
「そうですよ、ほら起きて、お母様が呼んでるよ」
「うぅん····· おかあさま·····?」
「ナウィ!ナウィ!!お母様だよ、おいで!」
「お、おかあさまっ!!」
そしてショタ王子ことナウィエリア王子は母上を見た瞬間に私から離れ、母上の元へと向かってしまった。
そんなナウィエリア王子の後ろ姿を見た私は、ちょっとだけ残念というか寂しい気持ちになっていた。
·····今なら何となく、女皇様が戦争を始めた理由がわかるわ。
大切な我が子を奪われて怒らない母親なんて居ないよね。
私だって、お腹のこの子が将来誘拐されたら世界を滅ぼしてでも奪い返すだろうからね。
「ナウィ、角が····· 辛かったわね·····」
「おかあさまぁ·····」
「·····良かったですね、息子さんが帰ってきて」
「はい、なんとお礼すればいいか·····」
「良いですよ別に、それじゃ私たちからの要求、王子を取り返したお礼をお願いしますよ?」
「和平交渉の締結ですね、ですが·····」
「戦争の元凶となった国は既に滅ぼしました、そして今はそこの王の内通者によって叛逆を狙っていた周辺諸国に情報を流してクーデターを発生させています、東の果ての国が完全に制圧されるのも時間の問題ですよ」
「あぁ、もう戦争は止めだ、女皇よ、戦争を終わらせる協力をしてくれないか」
「·····断る」
「何故だ、貴殿の望みは叶ったはずだ」
「息子のこの姿を見て、そう易々と許せると思うか!!」
うーん?
思ったよりカタブツなのかな·····
よし、んじゃもう一押しするか。
「仕方ないですね、ナウィ君、ちょっといいかな?」
「なんでしょうか、めがみさま·····」
「『修繕治癒』、あとはこれを食べて」
「·····えっ、角が」
私はショタ王子君に、動物の角などの通常の再生・回復魔法では再生できない部位である角を同時に直せる、修繕属性を付与した治癒魔法を使った。
すると根元から折れて断面が血や膿で汚れていた角が瞬く間に戻って行って、元通りの小さな巻き角が頭に戻ってきた。
更に超万能栄養食の『魔力の実』を食べさせて、失われた魔力や免疫力を元の数十倍になるレベルで回復させてしまった。
「女皇様、これでもダメですか?」
「·····仕方ありません、いいでしょう、和平交渉に応じさせてもらいます」
『戦争を終了させる or 戦争を終了させる決定打となるイベントを発生させる(1/1)』
『王子をウルティナ王国の王の元へ連れてくる(1/1)』
『サブ:女皇に王子を無事に引き渡す(1/1)』
『ウルティナ王国にて魔族の国の王とウルティナ王国の王による戦争終結の和平交渉を開く(1/1)』
記録[0:17:56.31]
さぁ、あとは無事に終わるように誘導するだけだ。
◇
その後、私たちは和平交渉の会談に仲介役?で参加させてもらったが、この交渉が思ったよりも難航して一筋縄ではいかず、特に女皇様が完全に怒ってて話が進まず思ったより時間が掛かっていた。
話によると、息子が誘拐されたのは4年前で、めちゃくちゃ溺愛していただけあって息子が誘拐されたのが相当許せないらしくて、何か賠償はしろとめっちゃくちゃに怒っていた。
でも今回の戦争には旧東の果ての国が勝手に起こした事で完全に巻き込まれて防衛戦だけをしていたこの国にとっては『いや、そんなことを言われても·····』状態で話がかみ合わないせいで交渉はめっちゃくちゃ停滞してしまっていたし、なんなら頭にきたのか侵攻を再開するとまで言ってしまう始末だった。
そして話が止まるたびに私たちが女皇様を宥めて、そして完っ全にキレてる女王様がまた怒ってを繰り返した結果、予定時間の30分を過ぎても交渉は続いてしまった。
そして最後は私がキレて、女王様の見事な巻き角を引っ張ってまっすぐにしてバルーンアートの要領でトイプードルにしたらめちゃくちゃ怒って来たから、とりあえずボッコボコにして冷静さを取り戻させて、なんとか和平交渉を『とりあえず戦争は一旦停戦にする』という落とし前を付けさせることに成功し、女王様の角を巻きなおしてサービスでちょい多めに巻いてあげて無事に全部の達成条件をクリアすることができた。
(ちなみに角が巻いてる量が多いほど凄い魔族らしくてすんごい喜んでた)
『交渉の場にて私とエビちゃんも参加して戦争が締結するよう誘導し、人類と和平交渉を締結させる(1/1)』
『1時間以内(向こうの時間で10日以内)での攻略(0:46:39.23/1:00:00.00)』
さてと、これでやっとこの世界も平和になった事だし、長居すればするほどみんなを待たせちゃうから、さっさと帰らないとね。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「くっそー、無理やり一時停戦を締結させておけばもっと時短できたのに·····」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「まぁ誤差じゃ誤差!さぁとっとと帰るのじゃ!!」




