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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第五章 TS賢者は妻になるっ!
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あぁん?テメェどこ高校の····· えっ何処なのそれ?


 おぶ、おぶ····· ノブレス・オブリージュ姫様だっけ?のメイドさんに連れられて来賓室に入ると、そこにはさっきまで浮かれポンチになっていた勇者4人組が居た。


 そしてドアが開いた音を聞いた瞬間、ビクゥッ!!ってして慌て始めた。



「別に慌てなくてもいいですよ?さっきはちょっとやり過ぎましたし、そんな突いただけで爆発するニトログリセリンじゃないんですから安心してくださいよ」

「うむ、特にそこまで怒るような性格じゃないのじゃ、ただ、お主らの認識が少々甘かったらワシらは怒っただけなのじゃ」


「そ、そうか·····」

「殺されるかと思った·····」

「もう帰りたいかも·····」

「い、いや油断してただけで勇者のスキルがあれば俺たちだって無双」


「無理だね、一応魔力は獲得してスキルも多少あるけど、この世界の平均よりちょっと強いくらいしかないね、最初から無双は絶対に無理だよ」



 ·····あのいかにもオタクっぽいパッとしない学生、懲りてないなぁ。

 自分が強いとか思ってるんだろうな、現実はそんな甘くないのに。


 音ゲーが出来る程度の反射神経じゃ無理よ。



 ちなみになかよし組のみんなは太鼓のリズムゲームなら最高難易度を目押しで初見完全クリアできるくらい反射神経が高いよっ☆



「そうなのか·····」


「ぶっちゃけゴブリンとかでも厳しいよ、群れで襲ってくるって結構怖いし」

「うむ、よほど慣れておらんと無理じゃな」



 そんな簡単にゴブリンが倒せてたら毎年死人が何十人何百人も出てないわ。


 死者が出たことが無い魔物なんて早々いないぞ?

 なんならモフウサとかモフアザラシなんて世界最高トップクラスの死者数だぞ、死因は尊死だけど。



 ·····そういやいきなり話をしてすっかり忘れてたわ。


 よく見たらお姫様が優雅にお茶を飲んでるのに放置してたわ、危ない危ない。

 ·····まぁ気が付いたところで特に何があるって訳でもないんだけど。



「そうだ、君たちはどこの学校の生徒なの?こう見えて私、一応元日本人だからさ、明日には帰れると思うから教えてもらったら送り届けられると思うけど·····」


「·····二本?」


「ん?えっもしかして日本じゃなくて海外の日本語学校とかだった?」


「いや、私たちは金穂県立騨沢高校の生徒だぞ?流石に金穂県は神和国の首都だから外国の方でも知っていると思うのだが·····」


「·····えっ、いやどこそれ、知らないんですけど」


「は?いや、神和国は7OSDに加盟している甲天に存在する国の中のトップの国の一つだろう?」


「まってまって、なんか変!!」



 全然話がついてけない、え?日本語話してるよねこの人たち?



「·····自分たちが居た惑星は『地球』だよね?」


「何をいってるのだ?『甲天』だろう?」


「·····その中で、あなた達が住んでるのはこんな感じの弓みたいな形をしてる島国の日に本と書いて『日本』と読む国じゃないの?」


「違うぞ、あいや、大陸とはつながっていないから島国で間違いはないのだが、弓のような形ではないと思うが····· それに『神和国』だぞ?」


「·····首都は東京都?」


「金穂県だ」



 ·····わかったわ。


 この人たち、パラレルワールドの日本の人だわ。

 ぜんっぜん話がかみ合わないと思ったらそういう事ね、なるほど·····



「もしかすると····· いや100%私のいた世界じゃないですねそれ、そんな県無いので·····」


「そうなのか!?いや、それもそうか····· こちらには貴女のような髪の色の人は存在していないしな·····」


「あっ違います、私は日本で死んで別の世界に転生した元日本人なんです、今はソフィ・シュテインって名前でサークレット王国って言う国に住んでます、元は藤石····· 藤石 知恵花って言います」


「ワシはこやつが転生してきた世界の魔王のエヴィリンじゃな、訳あってワシも一度死んで転生を経験しておるのじゃ」


「なるほど····· にわかには信じ難いが、こうして実際に異世界にやって来ているのだから信じるほか無いか·····」


「·····ところで、貴女の喋り方ってその喋り方が主流なんですか?」


「委員長のクセだぞ、他の人は普通だな」


「あっそう·····」



 そういうタイプなのね·····

 まさに委員長って感じの喋り方だなぁ·····



「あっそうそう、一応この戦争の原因と終わらせ方は見つけてきました、先に言うと敵は魔族じゃなくて真逆にある国で、その国が魔族の国の王子を誘拐して人質にして国を寄越すように言ったら戦争が始まっちゃったみたいですよ」


「·····つまり、敵は攻めてきてるんじゃなくて王子を取り戻すために戦ってるという事か?」


「それと東の果ての国の同盟国への報復と制圧ですね、攻めてこられたら困るので、制圧した国は捕虜にして監視したまま放置してるみたいですよ?」


「ラノベみたいに虐殺とかは?」


「魔族を差別してるような国では多少は····· でも人道的な範囲内ですね」


「なるほど····· 完全な悪ではない、むしろ人間の国の方が悪いと?」

「ラノベじゃよくあるパターンだな!!」


「なので、計画ではこの後すぐにでも東の果ての国に行って王子を救出、そして国の中枢で戦争を推奨する王や軍部のみを潰してクーデターを発生させ、混乱に乗じて政権を奪取し、戦争を行わない国に変えていく流れになりそうですね」


「·····つまり、私たちは出番がないと?」


「そうなるんで、戦争が終わったらみなさんも元居た世界に帰らせます」


「嫌だ!せっかく異世界に来たんだぞ!?冒険させろよ!!」

「確かにちょっとは異世界で観光とかしてみたいかも?」

「そうだな、未知の文明のモノはぜひ欲しい、面白そうだしな」

「右に同じく、少しは異世界を満喫したい」


「·····今からちょっと行ってきます?城下町の観光で異世界体験でもしてきたらどうですか?えーっと、オブ····· おぶ····· 鉄血のオル〇ェンズ姫様でしたっけ?」


「オブリビアですわ、勇者の皆様の観光ですね、国王より資金と監視及び警備の命を承っておりますので、城下町を案内する程度でしたらさせていただきますわ」

「私も同伴いたします、皆様、準備が整いましたらお申し付けください、城下町をご案内いたしましょう」




 その後、彼女たちの住む世界の情報を聞いたり逆にこっちの世界の情報を教えたりする交流会を軽くやったあと、勇者たちは城下町に出かけるためこの世界でも違和感のない服へと着替えに別室へ向かってしまった。





「よいしょっと、ふぃー、疲れた·····」

「うむ、まさか異世界に飛ばされるとは思わなかったのじゃ·····」



 交流会が終わって勇者たちは城下町に観光に行った後、私たちは王様から報告が来るまで寝室でゆっくりと休んでいた。

 まぁ休み始めてからもう2時間くらい経ってるんだけど、流石は王城のベッドというだけあって実に快適なのだ。



 私たちは一応妊婦だから、無理はできるだけしたくないのよね。


 こっちに来てからは細菌とかウィルス対策で私とエビちゃんのお腹の子にはかなり強力な魔法で保護を掛けてるから大丈夫だと思うけど、君子ちゃんが危ないのを避けて近付かない方が良いって言ってたから、なるべく避けるようにしておいたのだ。



 ちなみに、交流した結果彼女たちの名前はほぼ日本人な名前で、ちょーっと違和感あるかな?ってくらいでごく普通だったことが判明したり、日本語に関しても7割は一致して一部は少し違ったくらいしか差が無い事が判明した。

 ·····彼女たちの世界は私のいた日本とは少し歴史が違くて、第二次世界大戦で敗北したのではなく引き分けになったらしくてだいぶ強い国になってるらしい。

 一応民主主義国家で戦争ももうしないと言ってるのは同じだけど、軍がまだ残ってたりと色々違うって言ってた。



「あっそうだ、フィーロ君に連絡しないと」

「ラクトにも無事じゃと伝えておいてくれなのじゃ」


「へーい····· ありゃ?電波が通じない?」


「そりゃお主、ここ圏外じゃろ」


「いや、私のスマホは魔導スマホだから通じるはずなんだけど····· うわ!?アカシックレコードも通信機能がダウンしてる!?」


「そ、それってつまり·····」


「·····連絡不可能って事だね、完全に行方不明になっちゃった」



 ここで衝撃の事実が発覚した。


 フィーロ君たちとの連絡が不可能になっていた。

 更にガイア様との通信も途絶えてて圏外になってるし、神界への接続も許可されてない状態になっててだいぶヤバい。


 ·····この世界から神界にあるアカシックレコードへのアクセスが許可されてない時点で察しては居たけど、本格的にヤバいかもしれない。



「どうするのじゃ!?」


「考えてるから待ってて、確かこういう時のためにって作られたすんげぇアナログな通信システムがどっかにあったはず·····」


「すんげぇアナログってなんか気になるのじゃ·····」

「簡単に言うと4次元から放射される神属性魔力を用いた通信よ、ただ遅延とかが酷いし安全な通信が出来ないって欠点があるんだけど·····」


 私は4次元世界の最奥に位置する神界ではなく、1つ上の4次元に接続するとアンテナを張って通信を試みた。


\ピロン/

\ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピロン/


「·····ん!?なんかメールきて····· 何だコレ」


「どうしたのじゃ?」


「なんか物凄い数のメールが届いてるんだけど、全部文字化けしてる·····」



 私は大慌てで色々探していると、メール受信箱に数千件にも及ぶメッセージがあるのに気が付いた。


 とりあえず読んでみたけど、送り主不明、件名不明、本文も不明という意味不明なスパムメールが届きまくっていたのだ。


 不明というのも文字が無かったり、あってもスペースが一個だけあったり0とか@とかが1文字だけ送られてきてて全然読み取れないものが送られてきていたのだ。



「·····なんだろこれ」


「わからぬ、全部まとめると何かあるとかじゃないのじゃ?」


「いや、特に無さそう····· まぁいいや、とりあえずフィーロ君とガイア様ににダメ元でメールを送ってみるわ」


「わかったのじゃ」



 私はメールにSOSとだけ書いてデータを送信した。

 そして少し経った次の瞬間、物凄い勢いでメールが届いてきた。



「にょわぁぁぁあああああああああ!!!?届いた!?でもなんか変!?」


「全部文字化けしてるのじゃ·····」


「だね····· なんだろこれ····· フィーロ君とかガイア様がそんなイタズラするとは思えないし·····」



 なんでこんなメールが届くんだ?


 文字化けを起こして一文字しか送らない·····

 時々なんか長いけど滅茶苦茶なのが届く·····



「·····通信速度の違い?だっけ?えーっとなんだっけなんかやったんだけど、やべ忘れちゃった·····」


「なんじゃそれは」


「こう見えて私、情報系の大学を卒業してるから多少通信にはかかわった事があるんだけど、·····うろ覚えなんだけど、確かデータの送受信の速度の違いでエラーが発生することがあるのよ、実験でやったんだけどその時と似た雰囲気が感じる」


「·····うむ?あーわかった、ふむ、そういうことじゃな!」


「あっ思い出した、私がやったのはシリアル通信·····だっけ、このメールは神のモノだから送受信方法が全然違うんだけど、通信速度が違ったらもしかしたらこうなるかもしれない·····」



 少し難しい言葉が出たので解説すると、例えば通信で1100110011001100というデータを送信しようとしたとき、送信されたデータを2文字で1カウントしてしまう受信機でこのデータを読み取ると『10101010』というデータと誤認してしまって正しいデータが出ない事が稀にあるのだ。


 ちなみに煉ョ熾リ·····みたいな文字化けはこの仕組みとはちょっと違ったはず·····


 これ習ったのもうかなり前だから忘れちゃった☆



 まぁ、何にせよこのメールは通信速度に差が出てしまったという異常な現象が発生しているのは間違いないだろう。


 ·····まてよ?

 通信速度が違うんじゃない気がする、もっと重大な何かを見落としてるような·····



「他に連絡方法····· んっ!?もしかしたらっ!!?」


「何か思いついたのか!?」


「この私の結婚指輪の『渾天の指輪』ってかなり特殊な魔導具になってて、私が『どこに居ても相手と一緒に居る』って願って神属性魔力を付与したお陰で、フィーロ君の持ってるもう一つの指輪と時空を超えてリンクしてるはず····· これなら、異世界に居てもつながるはず!!」


「なるほど!!名案なのじゃ!早速通話を開始するのじゃ!!」


「おっけ!!」



 私は左手の薬指から指輪を抜き取ると、一重のリング状になっていた指輪に魔力を通して幾重にも環が重なる渾天儀へと変形させ、彼の、私の大切な彼氏で夫でお腹の父親になるフィーロ君の指輪に向けて魔力を送信し始めた。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「なんか、今日は変な事が色々続くなぁ·····」


名前:エビちゃん

ひと言コメント

「うむ、まぁ連絡出来たら5日くらい観光でもするかのぅ」





名前:フィーロ

ひと言コメント

「ソフィちゃんからっぽいメールは届いたけど、限界までずっとSって書かれてて読めなかった····· もう███近くずっとメールを送ってるのに、ガイア様も見つけられてないなんて····· でも、生きてるっぽいってわかって、ホント良かった····· お願いだから、無事に帰ってきて·····」


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