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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第五章 TS賢者は妻になるっ!
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準Sランク冒険者『狂血姫レミア』



 ドガンッ!

   ドン!

ガッシャーン!!

  ドド

   ドド

    ドド

     ドドド!


 \バァンッ!!/


「レミアのバカはどこ行った!!」


 私はいつの間にかフシ町の自宅の隣に出来てた『衂教団』の教会のドアをブチ破って飛び込んだ。


「あっ、えへへぇソフィさまぁ、こちら今日の貢物でごさいますぅっ♥ あっそれとご懐妊おめでとうございますぅ」


「おぉ、ご祭神様がいらしたぞ」

「皆!血を捧げよ!!」


\サッ!!/


 そして私を見るなり、レミアが献血証明証を提出してきて、教会にいた信者たちは例の跪いて手首に人差し指と中指を当てる『献血の誓い』ポーズ(※発案者:レミア)をした。

 ちなみに手首を切るポーズの再現らしい、知らんわそんなん。


「ちょっと司教借りてくね、今日のミサは勝手にしといて、それとこれ献血のお礼ね」

「えへ、えへへぇぇ····· ソフィさまに別室に連れ込まれちゃいますぅ♥ えへへへぇへぶっ(鼻血)」


 \ずりずりずりずり/


 私は自分の血と葬ってきた魔物の血液で染めた元々白かった赤茶色い自作の司祭服を着たレミアを引きずりながら別室へ連れ込んだ。





\ごちんっ☆/


「えへゲぁッ!?」


 そしてまず一発目にゲンコツを食らわせた。


 まぁつまり説教の始まりというわけだ。

 ·····仏教用語的な本来の意味の説教じゃないよ?


「レミア」

「へぁい·····」


「あのさ、私が家から出たらコレ置いてあったんだけど?」


「え、えへ·····」

「えへっじゃないわコンニャロウ!!」


 その家の前に置いてあったモノというのが·····


「家出ようとしたらなんかドア開かないなぁと思ったら、ドラゴンの血が満杯になった樽15個も置いてさぁ!!ウチの玄関外開きなのよ!!ていうか置いてたのクッソ強いドラゴンのじゃん!!」


「えへへぇ、お気に入り頂けましたかぁ?これで血塗れのお風呂にも入れますよぉ」


「·····」


 私は呆れて言葉も出なかった。


 私は血液風呂をやるような狂人じゃないし、そんなことやったら変な病気になりそうだから絶対やりたくない。


 ·····じゃなくて。



「·····あの血、どうやって集めた?」


「私が倒したんですぅ、えへへぇ·····」



 私は頭を抱えた。


 レミアは先日審査が通って晴れてBランク冒険者になったばかりだ。

 そんな新米Bランク冒険者がドラゴンを倒したとなると、前代未聞の大問題に発展しかねない。


 ドラゴンは成体なら弱くともAランクは確定で、ファンタジー作品のように簡単に倒せるような相手では無いからだ。


 3乙できて緊急回避したら地形が変わるような攻撃でもすり抜けて無敵回避出来る某狩りゲーとは違うのだ。

 ·····いやまぁ、この世界もファンタジー作品の中なんだけど、もうちょい現実寄りだから有り得ない事なのよ、ドラゴンの討伐って。



「·····で、倒したとして何人で?信者さんの中に冒険者の人も居たと思うけど」


「何人で·····?ですかぁ?」

「嫌な予感するんだけどさ、まさか1人で倒したとか言うんじゃないよね?」


「てへへぇ····· 流石はソフィさまですぅ、私の事なんでもわかるんですねぇへへ·····」



 こ、コイツ!

 ドラゴンをソロで倒してやがるんだけど!?


 あ、有り得なすぎる·····

 あのユングフリフリヨッホッホ氏はレミアとほぼ同じBランクの時、Aランク昇格のため王都に向かう途中でパーティメンバーってか数十人単位の大冒険団と一緒にドラゴンに襲われ、一人で殿を務めて仲間全員を無事に逃がし、めちゃくちゃ重症を負いながらも辛うじて逃げ切るのが限界ってくらい強いのに·····

 あっちなみに一人で仲間全員を無傷で逃がした功績もあってAランクになったらしいよ。


 つまり本気で襲いかかるドラゴン相手に瀕死になりながら逃げ切るだけでAランクになれる実力があるわけで·····


「もしホントならAランクどころの騒ぎじゃなくなるんだけど?準Sランクまで一気に行くよ?ってかさ、もうひとつ聞いてもいいかな」


「なんですかぁ?」



「血以外の素材、どこ行った」

「勘のいいソフィ様は私大好きですぅ♥ 全部ギルドにあげましたぁ、血以外要らないのでぇ」


「あぁぁぁああぁぁあああぁぁぁぁ·····」



 ·····間違いなくギルドは今大騒ぎだ。

 なんなら町に運び込んだと言うのなら、フシ町全体が大騒ぎになってるはずだ。


 くそっ、私の家は町外れにあるから騒ぎに気が付けなかったわ!!


 ·····ていうかあの血、なんかレディクルスさんに似た魔力を感じるから下手したらドラゴンの中でも最上位クラスの彼女の子孫のドラゴンの可能性あるのよね。

 もしそうだとしたら、レディクルスさんの虫の居所が悪いと物凄い大変なことになりかねない。


「とりあえずレミア、今日1日の予定全キャンセル、まずはギルドに行くよ」

「はぁい♥」


 私はレミアを引き摺って片手でレディクルスさんに電話を掛けながらフシ町のギルドへ向かった。





\ガチャッ/


「··········セーーーーフッ!!!」


「なにがセーフだったんですかぁ?」

「レミアの倒したドラゴン、あのフシ山山頂に居るドラゴンの末裔のドラゴンだったみたいで、最悪怒らせるかなって思ったんだけど許されたわ·····」


 という訳で◇で飛ばした間にレディクルスさんに詫びの連絡を入れた所、倒したのは彼女の血筋ではあるもののはるか末裔のドラゴンで、冬眠に失敗して暴れ回る軟弱者だから好きに殺りなと言われ、なんとかセーフだった。


 ·····ただ、これでレミアが倒したのが、国が軍を編成して国家単位で人員を動員してSランク冒険者を招集して倒すような、超激ヤバのドラゴンという事が確定しちゃったんだけど。

 どうすんのこれ。


 最悪の場合、泡沫ムゲンの眠り姫で無かったことにする必要があるかも·····



「はぁ····· とりあえずギルド着いたけど、覚悟しといてね?」


「はぁい····· もうゲンコツはこりごりですぅ·····」


 ちなみに私は今謝罪用の礼服に着替えてる。

 何回土下座するかな····· とりあえずレディクルスさんにはしなくて良くなったけど·····


 気が滅入るわぁ·····


\ガチャリ/


「ちわーっす、面倒事起きてますよね?」

「あっソフィ!!ちょっと頼みがあるんだけどいいかしら!!?」


「やっぱり·····」


 そしてギルドに入るなり、私を見つけたマリアージュが助けを求めてきた。


「狂血姫は知ってるわよね!?レミアよ、アイツを見つけてきてここへ連れてきて!生死は問わな」

『マリアージュ!!勝手に殺させるな!!絶対に生きて連れてこい!!』


「あっすいませんギルマス!!って事でレミアを生きて連れてきて頂戴!!」


「うーん勢い····· まぁそうなると思って連れて来てるんですけど」

「えへぇ····· どうも·····」


『『居たぁぁぁあああああああああ!!!!』』


「えへぁっ!?」


「ソフィ!ちょっとこの子借りてくわ!!多分後でソフィも用があるからまだここに居て!!」


「え、早····· ていうかめんどくさ·····」


 まぁ入る前から分かってたけどギルドの中が大騒ぎになってたし、レミアを連れてきた途端にそのレミアが誘拐されてしまった。


 ·····普通に考えてそうだよね、強大な魔物倒したのに報酬も受け取らないで素材も放置して帰るなんて、非常識にもほどかあるし。


「·····ギルマス〜、せめてなんか紅茶の1杯でも出してくれません?」


「はぁ····· 勝手に何か飲んでろ」

「はいはい·····」





 ·····というわけで、ギルドの裏に入れて貰ってテキトーにサークレットティーを淹れてレミアの尋問を遠目から眺めていた。


 あっちなみにサークレットティーは向こうの世界で言うチャイみたいなモノね。

 お茶の産地ってだけあって抹茶くらい濃いグリーンティーを牛乳で作って、そこにまたまた産地である香辛料を使ってスパイシーに芳醇な香りに仕上げた伝統的な飲み物だ。


 ちなみに私はそこそこ好き。


「賢者姫は居るか?居るよな!!ちょっと来てくれ!!」


「はいはいなんですかギルマスさん」


「·····あのな、そろそろツッコミするけど俺の名前ギルマスじゃなくてマルギスだからな」

「それ今どうでもよくないですか?」


 そういやこの人の本名マルギスだったっけ。


「·····チッ、まぁいい、それよりもコイツの処遇なんだが」

「ぞぶぃざまぁぁああっ!だずげでぐだざいーっ!!」

「のわぁぁああっ!?レミアどうしたの!?」


「めぢゃぐぢゃ詰められまじだぁ·····」


「でしょうね」


「で、本題に入るぞ」

「·····ごくり」


 どうやらレミアがガン詰めされながら、なんとか処遇が決まったらしい。


 ·····4時間も待たされたわ。


「マグウェル街のギルド本部とサトミ様とも相談したんだがな····· Sランク冒険者に推薦する事に決まった」

「げぇ!?サトミさんと!?てかSランク!?」


『·····そうよ』

「うげぇっ!?」

「えへぇっ!?」


「せ、先生·····!?」


 さっき転移魔法の兆候が感じられたからなんだろうって思ったけど、校長先生が来てたみたいだ。

 ·····校長先生にバレたらめんどくさい事になる事間違いなしなんだけど?


 1/2の確率で私がゲンコツ喰らう羽目になるし。



「ソフィちゃん、今すぐこの子を連れて王都のギルドに行くわよ、ドラゴンを一人で圧倒するって何者よその子·····」


「ソフィ様の啓蒙な信者です\ゴチン☆/えべへぇっ!!?」

「レミア、話をややこしくしないで」


「へぁい·····」

「あら、ゲンコツが板に付いてきたじゃない、ウチの学校の先生やれるんじゃないかしら」


「·····」


「わかったわよ····· とりあえずだけど現状決まった事を教えるわね」



 〜校長先生による解説タイム〜



 えー、わかったことを箇条書きにすると·····


・レミアのやらかしたドラゴン単独討伐はAランク冒険者には到底不可能なレベルの偉業

・その実力はAランク冒険者の中でも上澄みの中でもトップクラス

・で、その素材を血以外全てギルドに投げ込んで帰るのは前代未聞

・改めて聞いても血液以外は全部寄付する判断をした異常な行動

・あまりにも強いドラゴンすぎてここら辺では解体出来ないし、手に負えないので王都のギルドに直接持って行く

・Aランク昇進は確定、Sランクは全枠埋まってるため、準Sランク冒険者になるはず

(こんだけの事が出来る存在を放置してる方がヤバいから、手綱を付ける目的の特例処置らしい?)



「という訳でソフィちゃん」


「·····あの、私妊婦だし妊娠初期なのと、たぶん数日前から悪阻が始まったんで、あんまりストレスと時間が掛かる事避けたいんですけど」


「そうだったわね····· 仕方ないわ、貴女の妊娠祝いもまだだったから手続きとかは私がやるわ、だからこの書類にサインをして貴女の転移魔法で王都に連れて行って頂戴、あとドラゴンの遺体もインベントリに入れて運んでくれないかしら?·····それでどうかしら?」


「わかりまし」

「嫌ですぅ!?なんでソフィ様一緒じゃないですかぁっ!?王都なんて私初めての田舎娘ですよ!!?」


「えっレミア田舎娘なの?」

「はいぃ、クリフ町(※日本で言う鹿児島あたり)出身ですぅ、造船で有名なガルフ街の近くの小さな町ですぅ」

「そ、そうなんだ····· まぁ関係ないけどね、私の家の前にドラゴンの血の樽を置き配できる度胸があれば私なしでも行けるでしょ、ていうか行って」


「無理ですよぅ!!しかも伝説の魔術師様と一緒なんてぇっ!!」


「·····狂信的すぎてソフィちゃんが依怙贔屓する可能性もあるからダメよ、客観的に見れる私が行くわ」


「ええぇ····· ソフィさまぁ、お助けくださぁいっ!」

「あのねレミア、神がいっつも何でも助けてくれると思わないの」


「なんででふかぁ!!?この前1日3つまでならお願いを叶えてくれるって言ったじゃないですかぁ!!」

「·····家の玄関の前にドアが開かなくなるくらい大量の血を置かれたから今日はダメ」


「えーん·····」

「はぁ····· じゃあソフィちゃんいいかしら?」


「いいですよー、それじゃ転移使いますねー」

「や、やめてくださいぃ、わたし、わだじ!!」


\シュンッ!!/



 その後、校長先生がレミアとドラゴンの死体をギルド本部へと連れて行ったのを見届け、悪阻でちょっとダルくなり始めた体を癒すべく家でゆっくりと休養を取ることにしたのだった。



名前:ソフィ・シュテイン

2つ名『賢者姫』『血塗れの賢者姫(ブラッディ・ソフィ)

ひと言コメント

「ちなみにレミアの処遇だけど即日でAランク冒険者になってたよ、んで準Sランクは今審査中·····っていうか、即日上げられないだけで確定で上がるってさ、なかよし組のみんなと同じ扱いって訳ね·····あれ言ってなかったっけ、Sランク冒険者パーティの私を除くなかよし組もAランクの上の準Sランクってことになってんのよ、まぁなかよし組はAランクより強いSランク冒険者パーティの冒険者ってニュアンスの『準Sランク』で、レミアは純粋に『Sランク昇格待機中』って感じのニュアンスだけど」


名前:サトミ・ド・ウィザール

2つ名『伝説の魔術師』

   (※魔導師や魔法使い等表記揺れアリ)

ひと言コメント

「なんでこの子の周りにはいっつも面倒事の種が落ちてるのかしら····· しかも育てるの上手なのよね、妊娠してなければタンコブの木が育ってた所だったわ、命拾いしたわねソフィちゃん」


名前:レミア

2つ名『狂血姫』

ひと言コメント

「な、なんだかよく分からない事になってますぅ····· 私、ソフィ様に血を捧げたいだけなんですぅ·····」


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