交友関係が広すぎて報告先が多くて私こまっちゃ〜う♡
フォォォォオオンッ·····
ファァァァアアア·····
「んふふ~ん、ふふ~ん」
「おお、ちゃんと音が出るようになったではないか、その調子じゃな」
「んへへ、まぁわかんなくてちょっとズルしちゃったけど☆」
ストラディバリウスを手に入れてから私は猛特訓を重ね、音楽を奏でるまではいかないけど綺麗な音を鳴らせるレベルにまで成長したのだ。
まぁ人前で演奏できるまで1年近くかかると言われているから、あの世界終焉のラッパの如き音の頃から1週間でまともな音がなるようになったのはかなり早く上達しているから、私は天才的な腕前なのだろう。
もしかしたら1ヶ月後にはマトモな音楽を演奏できてるかもしれない。
·····っていったけど、本当のことを言うとパクっただけだ。
どうしてもわかんなかったから日本に行って有名な演奏家の演奏会に行って技術をコピーさせてもらったのだ。
だから実はもうあの嘴が美しい鳥の曲とかパッションな大陸とかもフルで演奏できるんだけど、私は技術を参考にするだけに留めて自分で演奏できるようになるために猛練習しているのだ。
今のところ参考にしたのは弓の持ち方とか動かし方、弦の抑え方とかバイオリンの持ち方くらいで、あとは演奏するときの姿勢とか心構えとかをちょっと覗き見したくらいだ。
でもたったそれだけでいい音が出るようになったのだから、流石はプロの技術だって思うわぁ。
「ズルってお主····· 羨ましいのぅ、こちとら独学で手探りでやっておるのじゃぞ?これ4本目じゃし·····」
「あんまり折ったり曲げたりしないでよー?」
「わかっておる!じゃが難しいのじゃ!」
「でもだいぶ良くなったと思うよ?流石は戦闘民族だねぇ」
「誰がサ〇ヤ人じゃ!! まぁ、ワシは元々武器を扱うのは得意じゃからな、もう少し練習すれば完全に実戦で使えると思うのじゃ」
そう、エビちゃんは実は戦闘センスは抜群に良いのだ。
元々武闘派魔王として勇者と戦っていたのも納得できるし、前世の頃から見知らぬ武器などを即座に使えるくらい戦闘のセンスがあったようだ。
まぁ今は命を懸けた戦闘の最中じゃないから一気に覚えるとか本能で使い方がわかるみたいなのはできないみたいだけど、それでも直感だけで使いこなし始めてるのだから恐ろしい。
既に巻き畳を3個同時に切ったり竹も切れるようになったから、実戦で使う日も近いかもしれないし、エビちゃんはもうそろそろ妊娠5ヶ月なので数年後になるかもしれない。
「いいね、頑張ってねエビちゃん」
「うむ!」
妊娠中は何か趣味があった方がいいとは思うけど、私のバイオリンは優雅でいいけどエビちゃんの刀剣はちょっと物騒すぎないかなぁって思ったけど、切り捨て御免されそうなので黙っておいて一緒に庭で朝食後の練習を続けたのだった。
◇
「おーい、ふたりともー」
「へーい?」
「なんじゃー?」
しばらく自由気ままに練習をしていると、部屋の方からフィーロ君が呼びかけてきた。
多分私たちが待ち構えていた人が来たんだろう。
「校長先生きたよー!!お義姉さんは来ないってー!」
「りょーか、·····ちょっと待てそれ誰から聞いた?」
「誰ってお義姉さんからだよー!」
「姉貴また変なボケかましてるし·····」
実は今日は姉貴と校長先生がこっちに来る日なのだ。
·····まぁ、私たちが呼んだんじゃなくて異世界呑み歩きツアーをしに来たみたいだけど。
その前にちょっとだけ時間を貰う予定だ。
って事で私たちは一旦練習をやめて、私は譜面台代わりのホログラムウィンドウを閉じてバイオリンと弓をもったまま、エビちゃんは刀についた汚れを肘窩に挟んでざっくり拭うとドギツいピンク色の鞘に練習用の刀を収めて女武士っぽく超ロングな天パ髪をポニーテールにしたまま、一緒にリビングへとむかった。
そしてリビングに到着すると、姉貴がウナちゃんとワチャワチャしていて、校長先生はアキさんが淹れた紅茶を優雅に飲んでいた。
「やっほー校長先生、姉貴」
「久しぶりじゃな」
「久しぶり····· んぶっ!?ちょっと待ちなさい、情報量が多すぎるわ、ゆっくり噛み砕かせてもらうわよ」
「へぁーい」
「まずはエヴィリンちゃん、ずいぶんお腹が大きくなってきたわね、今で5か月目だったかしら?」
「15週目じゃな、ギリギリ4ヶ月といったとこなのじゃ」
「次ね、その変なデザインの刀は何かしら?プリ〇ュアの変身ステッキみたいじゃない·····」
「これか?本物は別にあるのじゃが、ワシは刀を使えんかったからのぅ、本物を使うと壊れるかもしれぬから、これは本物をコピーしてもらって練習用に作った物なのじゃ、一目で区別がついて威厳を無くすためヘンテコなデザインにしておるのじゃ」
「そう····· 次よ、ソフィちゃん、その服何よ」
「えっ?オリジナルパーカーですけど?良いデザインでしょ!」
私の着ているパーカーは白色で、お腹のあたりに『赤ちゃんが入っています』という文字と下腹部を指すように矢印が描かれたデザインだ。
我ながらジワリティに満ちたいいデザインだと思う。
「貴女、もしかして妊娠したの!?」
「んへへ、そうですよ!妊娠3週目くらいです!」
「本当に?貴女信用が無いから信じられないわ·····」
「ひどい!マジなのにっ!!」
「サトミン、ソフィたんのあの顔はマジの時の表情だよん、妊娠おめでとソフィたん」
「こんな形で報告しちゃったけど、まぁ、なんというか、その、えーっと·····」
私は言葉が出なくなってしまった。
だから、私はこの気持ちを音楽で表すことにした。
ギョゥゥルヴェェェェエエエエエエエッ!!!
ヴィィエェェアョヴェエエエエエエエエッ!!!
「下手糞ね!! うるさいわよ!!! というか貴女なんで急にヴァイオリンを始めたのよ!!ツッコミどころが多すぎるわよ!!」
「あっちなみにこれストラディバリウスです」
「はぁ!?あの超高額楽器の!?騙されてないかしら!?」
「時間を遡行して本人に作ってもらったので本物ですよ」
「頭が痛いわ·····」
そう言うと、校長先生は頭を抱えて机に突っ伏してしまった。
◇
「·····で?話を纏めると貴女は妊娠して、エヴィリンちゃんの持ってる刀と貴女のヴァイオリンはタイムトラベルをして本人に作ってもらって、練習中って事でいいのよね?」
「「あってます!」」
「いつもいつも情報量が多いのよ貴女たちは·····」
「でも事実ですし?」
「事実じゃからのぅ」
「事実だから頭抱えてんのよ····· これからパーッと呑みに行くっていう時なのに滅茶苦茶な量の情報をぶつけないでほしいわ·····」
どうやら酒好きだけど日本では呑めない苦痛を開放しにこの世界に来たのに、更にストレスがたまるようなことを言われて頭を抱えているご様子。
この人、一応向こうでは17歳だからお酒呑むと怒られちゃうのよね。
こっちでは3000歳超えたクソババ
「死になさい」
「ぢょま!!私が死んだらお腹の子しんじゃう!!!み゛ゃあああああああああああああ!!!」
私は校長先生のガチの攻撃を喰らったけど、お腹の子を守るため致命傷で堪えて事なきを得た。
いやー、頭が消し飛ぶ程度で済んでよかったよ、頭が消し飛んだくらいならギリ再生できるし。
「まぁ、なんというか、私もやっと母親になるので、わからない事があったら校長先生に聞いてもいいですか?」
「·····はぁ、頭が消し飛んで平気そうな顔で相談してくるのなんて貴女くらいよ?」
「いや普通頭吹っ飛んだ時点で死んでおるじゃろ、お主だいぶ常識が壊れておるじゃろ」
「·····そうね、まぁこの件はもういいわ、エヴィリンちゃんも何かわからない事があったら私に聞きなさい?なんでも答えてあげるわよ」
「助かります、結構不安だったので気軽に相談できる人がいると心強いですから·····」
「いつでも頼りなさいね、私は貴女たちの先生だから」
·····クソババアとか言っちゃってるけど、なんだかんだ校長先生は頼りになるし私たちの事を気にかけてくれるし優しくて私たちの先生って感じの人だから、信用はしてるのよ。
ただちょっと根底にリリアってか竹田玲奈が居るのよね、人間のクズ的な要素がある気がする。
まぁでも基本は良い人だから信用も信頼もしているし、ずっと先生と言って慕ってきて、同じ日本人として交流を続けていた仲だ。
「よろしくお願いしますね、容赦なく頼るんで」
「うむ、困った事があったらお主に頼るのじゃ」
「ええ、任せなさい、そうだ言い忘れてたわね、ソフィちゃん妊娠おめでとう、大変だけど気を付けて元気な子供を産むのよ?」
「もっちろんですよ!イグザクトリーです!!」
「2人ともオネエチャンにも頼ってもいいのよん?」
「「お前は役立たずだから引っ込んでろこの独身ブラコン女がっ!!」」
「ひぇーん·····」
その後、姉貴は校長先生を連れてマグウェル街にヤケ酒を呑みに行ったのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「あーっ!!せっかく作ったパーカが私の血で真っ赤になってるぅぅぅぅううう!!!あーーーー!!洗うの大変なのにー!!くっそー、これ3000円もしたのに····· 間違った送料込で3550円だったわ、うっうっ(泣)」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「やはり校長は頼りになるのぅ、味方になると心強いヤツなのじゃ、·····敵じゃった事とワシを殺したことはまだ怨んでおるがのぅ!」
名前:加藤 郷美
ひと言コメント
「ソフィちゃんもそういうお年頃なのね····· にしても、この子のセンスいつまでたっても変わらないわね、相変わらずダサいデザインが好きなのね····· あと私にもストラディバリウスを····· ダメ?えぇ····· 私、こう見えてヴァイオリンの教室に通っていたのよ?小学校低学年の頃にヤ〇ハでだけれども·····」
名前:藤石 穂乃花
ひと言コメント
「おらそこの店主ぅ!もっと酒持ってこーい!!ヤケ酒と祝杯で二倍呑むぞおるぁぁぁあああああ!!」




