今日から始まる新生活っ!
「ふぅん、トマトは茹でると皮が剥きやすいんだ·····」
「·····ぶぇー」
「そうやれば割りばしが綺麗に割れるのね、アレ難しいのよね」
「·····ぬぃあー」
「へー!みてみて!プッチンの無いプリンってこうやったら簡単に落とせるんだって!」
「·····まゎあうぇー」
「乾燥パスタを折ると絶対三本に折れる?どこで使うのじゃこんな知識」
「ヮㇷ゚ィィィィイイ·····」
「·····ねぇフィーロ君」
「なに?」
「ソフィちゃんうるさいんだけどなんかした?」
2月上旬のある日、ソフィがソファでくたばっていた。
しっかりと服は着てるけど、くたばっていた。
しかも日本から電波をかっぱらって写しているテレビで流れてる雑学番組を見てワイワイ喋ってるみんなに混ざって、突っ伏しながら奇声を発していた。
「·····なんでだろうね?僕もあんまり心当たりないかも、ソフィちゃん大丈夫?」
「·····妊娠したからダルいのー」
「あっそっか、なんだそれならいいや」
「そうね、いつもの事ね」
「ダルい時はダルいよねー」
「うむ、じゃがヤマを越えたら楽····· むっ?」
「·····んぅ?いま、なんて、いった?」
「ニンジンじゃねぇか?」
『『·····ん?』』
「あー、改めて言うけど、私妊娠したからよろしく」
『『·····』』
『『はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!????????????』』
「うるさい!\ぐぎゅるるる/あっヤバ、ちょっとトイレ行くから待ってて!◇置いとくから!」
◇
↓
↓\ぐわしっ/
◇ →→→→→→→→→→→→→→ ↓
↓
↓
「ちょっと!シーン切り替えの『◇』入れてる場合じゃないって!!!ソフィちゃん今マジで何言ったの!?ワタシの耳が変になってたんじゃなかったら妊娠したって聞こえたんだけど!?」
「そうじゃ!『◇』なんぞ入れてる暇ないのじゃ!!!お主!!!妊娠したのじゃ!!?」
「ホント!?ソフィちゃん妊娠したの!!?」
「私もいま妊娠したと聞こえたわよ!?どうなの!?教えなさい!!」
「ん、おしえろ」
「ちょま、お腹おされると痛いから!!!今下痢気味なんだってええええええええええええっ!!!いたたたたたたたたたたたっ!!!ちょ!もれ\【自主規制】/あっ!!·····あっ」
『『·····あっ』』
「·····洗ってきていいよ」
「·····うん」
「·····おい、シーンが切り替わらぬぞ、誰が『◇』持ってるのじゃ」
「私じゃないわよ」
「わたしももってなーい」
「ソフィちゃんは持ってなかった思うよ?僕も持ってないし」
「ん、はやく戻して」
「·····あっごめん!シーン切り替えの『◇』ワタシが持ってたままだった!」
「早ぅ戻してこい、そしてさっさとシーンを切り替えてソフィに事情を聞くのじゃ」
「わかった、ちょっと戻してくる!」
タッタッタッ·····
□
(沈黙)
「·····あれ?切り替わらない?」
「アルム、◇が傾いてるわよ、そのせいじゃないかしら」
「あっホントだ!よいしょ!」
◇
〜 十数分後 〜
「·····ちらっ」
「覗き込んでないで早よぅ来い、どうせ冗談じゃろ?下痢を赤ちゃんに例えて産まれるとか言ういつもの冗談じゃろ」
「·····」
「·····おい、マジなのじゃ?」
「説明するよ、あっちの方読めない読者さんにも説明しなきゃだし」
昨日ちょっと古くなってた冷凍餃子を、勿体ないからって理由で20個も食べちゃった影響なのかお腹を壊していて盛大に漏らしちゃった私は、身体と服を洗って着替えて皆の元へと戻ってくると、さっきまで寝転がっていたソファを魔法でもう一度浄化して座った。
·····誰も座ってなくてちょっと傷ついたのはナイショね。
「そんじゃ、説明するよ·····といっても、まぁ、·····ね?」
「うん、僕も説明しなきゃだからね」
そう言うとフィーロ君はなかよし組のみんなの方から、私が座ってる側に移動して隣に座った。
そして真面目でマトモなフィーロ君が移動したのを見て、みんなもようやく信じてくれたのか真剣な顔になった。
「一言で言うと、私はフィーロ君の子を妊娠したんだ、ちなみに妊娠というか受精から2日目だからまだ着床もしてないよ」
そう、私はついにこの体にフィーロ君との子供を宿してしまったのだ。
·····まぁ、まだ着床して妊娠するかどうかは確定したわけじゃないけど、たぶん大丈夫だと思う。
「ってことで、たぶんエビちゃんの4ヶ月遅れくらいで出産すると思うからよろしくねっ☆」
「·····お」
「お?」
『『おめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!』』
「わぷっ!ちょ!まって!デジャヴだから!もう出尽くしたけど!お腹のこどもがぁぁぁぁあああああああああああああっ!!!」
5分後、ようやく皆が落ち着いたので私は話を再開し始めた。
「そんで、私も妊娠したから冒険者活動は少し控えようと思うし、やるときは·····」
「こっちの分体でやるけど、あまり多くはやらないと思う」
私の本業の冒険者活動に関しては、後日国とかギルドに行って妊娠したと報告してしばらく半分休み状態にしようと思う。
でも私しかできない依頼もあるから、そこに関しては私の死体を蘇生したサブの体を使っていく予定だ。
「んで、追加説明なんだけどもし今の私が死んじゃったら、生き返れるのはできるんだけどお腹の子供は死んじゃうから、もう絶対に死ねなくなったんだ」
「ほう····· ワシもうっかりお主を殺さぬよう気を付けるのじゃ」
「いや、さも平然と言ってるけど普通生き返る方がおかしいよね?」
·····まぁそうだけどさ、一応さっき変な声出してる時に、ガイア様から忠告されてたのよ。
『ソフィちゃんは生き返れるけど、もし死んじゃったらお腹の子も道連れになるよ、しかもリスポーンの能力はソフィたんにしか効果が無いから、お腹の子を失う羽目になるから気を付けてね』
っていうあの女神にしてはかなり真面目なメールだったから、気を付けようって思ったわけだ。
「まぁ、妊娠しても別に生活とかもそんな変わんないと思うし、みんなで成長を見守ってワイワイしようよ!」
「·····うーん、別にエビちゃんで一回見たし」
「わかるー、あとわたしもそろそろ妊娠しようかなって思ってるから別に·····」
「そうね、まぁ頑張りなさいよ」
「ひぇーん!みんなが冷たいよー!!フィーロくーんっ!!」
「よしよし、·····なんか臭う気がするんだけど、ちゃんと洗った?」
「洗ったよ!!!!もう、もうっ!!んもーーーーーーーーーーーっ!!!!」
『『ソフィちゃんがキレた!!!!?』』
私はキレた。
そして手が付けられないくらい暴れたので、ちょっとカット。
◇
「·····で、うん、祝ってくれたのは嬉しいけど流石に淡白すぎるでしょ、私、一応主人公よ?この小説の主人公よ?主人公が妊娠したって結構な大事なのよ?この小説始まって一番の大イベントなんだよ?わかる?」
「そ、ソフィちゃん」
「あぁん!?」
「えっと、もうカメラ回してる·····」
「あらごめんあそばせ、おほほほほ」
「·····キモ」
「誰だ今キモっていったの!!!」
『『エビちゃん』』
「なんで言うのじゃ!!」
「えーびーちゃーんー?」
「お、おい、まさかお主、ワシの事なぐろうとしてるのじゃ?妊婦を殴るなんぞ非常識なのじゃ!!」
「顔面なら問題ない、顔を出せ、歯を食いしばれ、神に辞世の句を捧げろ」
「いーやーじゃー!!!!」
「天誅!!!」
『はいはいそのくらいにしておきなよー』
「そ、その声は·····」
「私でした、声だけ真似してみた」
「ビックリしたなもー!!!アヤメかよ!!ガイア様かと思ったじゃん!!」
『『今だ捕まえろー!!』』
「うぇっ!?ちょっ!私妊婦!ああああああああああっ!!!!!」
そして一瞬の油断でスキを見せた私はあっという間にみんなに拘束され布団でグルグル巻きにされてしまった。
「·····タスケテ」
「殴るのはやめてやる、じゃがちょっとふざけてるの抜きでマジで説明してほしいのじゃ」
「だーかーらー!妊娠したっていう事以外何か報告する事ある!?」
「·····無いのじゃ、皆はどうじゃ?」
「よく考えたらないかも·····」
「そうね、パーティーするくらいかしら?」
「それいいね!」
「ん、それがいい」
「パーティ―は楽しくて、すき」
「·····んじゃ拘束解いてよ」
『『ダメ』』
「ひーん·····」
私は妊娠報告という喜ばしい事のはずなのに酷い扱いをしてくる友達たちの態度に思わず涙をこぼしたのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「いやあー、私もお母さんになっちゃうのかぁ、楽しみだなぁ·····」
名前:なかよし組
ひと言コメント
アルム
「·····あっ、そういえばお祝いとかマトモに言ってなかった」
フィーロ
「まぁ、うん、友達だから軽くでもいいと思うよ、ソフィちゃんは妊娠したのを自慢したいだけだし」
グラちゃん
「ベビーラッシュが始まったわね、次は誰かしら?」
ウナちゃん
「も、もしかしてわたし·····?」
エビちゃん
「あやつ、あの目はマジで殴る気だったのじゃ·····」
ミカちゃん
「わたしは、妊娠するつもり、ない」
アヤメ
「ガイア様はコピーできない、でも、声くらいならマネできる」




