表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HEROs: 第二次英雄時代  作者: 夜風なぎ
アース編
3/8

第二話 抹消と防衛

「人類に改心の余地はない……お前も、もう諦めるのが身のためだ。」


「いや、違うな。」


モリオカは、”対アース用”に作られたフォレスフォンを取り出しつつ、反論した。


「かつて、人と自然は共存していた……!」


モリオカは、横たわりながらフォレスフォンのサイドボタンを長押しし、それを変身モードへ切り替える。


「俺は、もう一度そんな世界を作りたいんだっ!!」


その言葉と共に、モリオカは再び立ち上がった。


纏着(てんちゃく)!!」


掛け声に反応したフォレスフォンが、それを持つモリオカの手元からスーツを生成し、全身を包んでゆく……


そして、胸やひざにメタリックの装甲が現れ、手足に蔦がまかれる。


――こうして、アースを討伐するために政府に作られた変身系ヒーロー、『ネイチャー』が再び立ち上がったのである。


「はぁっ!」


手足の蔦を自在に操り、アースを叩きつけようとするネイチャー。


しかし、アースは華麗な動きでそれをかわす。


両者一歩も譲らず、らんらんと辺りを照らしていた太陽はすっかり沈み切っていた。


ネイチャーは、緑色のメタリック装甲が削れ、下地の銀色が露出していた。


アースは、マスクの破損した隙間から、長い襟足が顔をのぞかせていた。


エネルギーを消費しつくした両者の戦いは、殴り合いに移り変わった。


海外のボクサーだって比にならない速度のパンチが繰り出される度、大気が震え、地面が凹み、火花が飛び散る。


それは、抹消と防衛という正反対に立つ思想同士が、地球上でもっとも激しくぶつかり合っている瞬間だった。


やがて、二人は荒れた荒野の真ん中に倒れこんだ。


西部劇よろしく、どこからともなく転がり草が風に乗ってやってくる。


轟音が響いていた辺りは、それまでが嘘だったかのように静まり返っていた。


そんな静寂の只中、砂の地面に足跡を付けるひとりの旅人がいた。


「こりゃひでえ有様だ……」


旅人は、倒れるモリオカの腰を見て感嘆を漏らした。


「ほぉ、こりゃ日本政府所属ヒーローのケータイじゃねえか」


旅人の視線の先にはフォレスフォン。


「なるほど、面白そうだ。」


旅人は、横たわるダイチの横にポーション(注1)を置き、モリオカを抱えて歩き出した。


彼の名はツバメ。


偶然近くを通りすがった、一人の旅人である。


左手につけたブレスレットがギラリと光る。


ツバメは、首の辺りから伸びる古びた毛皮のマントを翻しながらその場を去った……

〈注意〉

1.ポーション・・・塗ったり飲んだりして数秒で怪我や病気を治癒する魔法のような薬。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ