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HEROs: 第二次英雄時代  作者: 夜風なぎ
アース編
2/7

第一話 地球の悲鳴

〈作品を読む上での注意〉

本作独自の世界観で使われる言葉や、普段使われないような言葉には、全てあとがきで解説(語注)をご用意しています。

本文の中に (注1) などの表示が出てきた際は、ページ最下部の「あとがき」に意味を記載していますので、必要に応じてご確認ください。

ながれる川は濁り、処理しきれないゴミが異臭を放つ、ある荒くれた地帯の只中。


一人の男、『ダイチ』は、腰に巻いたベルト、『ターンバックル』に手をかけて呟いた。


纏着(てんちゃく)……」


この世界で、変身系ヒーローが変身するときに使う掛け声である。


ダイチは、ベルトのバックル中央、地球儀のような球体を回転させた。


次の瞬間、黒いオーラがダイチを包みこんだ。


オーラが明けた先には、白を基調とした装甲に、枯れ木を模した角が印象的なヒーロー、『アース』が立っていた……


シンプルな色合いの足が地面を強く蹴りつけ、アースは空へと飛び出す。


やがてたどり着いた先、モクモクと黒い煙を上げる工場に向け、アースは腕を伸ばした。


「『テラ・パージ』……」


アースのつぶやきに応じるようにして、煙が彼の手に集約される。


集まった煙は、やがて、エネルギー弾へと姿を変え、超高速でアースの掌から放たれた。


響き渡る轟音、爆ぜる工場。


それまで働いていた作業員の活気溢れる声は、一瞬にして鳴りやんだ。


代わりに残ったのは、命を守るという役目を果たしきれずに砕けた、作業用ヘルメットだけだった。


と、数秒で均された広大な大地に、場違いな機械音が小さく鳴った。


アースは音の方向へ体を向け、若干に腰を落とす。


『TRANSFORM NATURE』


無機質なシステムボイスと共に姿を現したのは、緑色の装甲がメタリックに輝くヒーロー、『ネイチャー』だった。


ネイチャーは、手に握っていた変身用端末『フォレスフォン』を、サイホルスター(注1)に収納し、アースに向かって身構えた。


アースは、マスクの下で口を開く。


「またお前か……」


「それ以上の破壊行為はやめるんだっ!」


ネイチャーが力強く言い放った。


「破壊だと?これはむしろ再生と呼ぶべき行為だ」


「殺人や器物破損を、再生と呼べるわけがないだろう!!」


「これが、元の地球の姿だ。」


「……」


アースの発言に、ネイチャーは黙り込んだ。


しかし、アースはまだその口を閉じようとはしなかった。


「これは、地球が望んだことだ。」


一歩、アースはネイチャーに近づく。


「第一次英雄時代に一度は収まった地球温暖化も、今では再び深刻な問題となりつつある……」


また一歩、ザッという音を立てながら、アースは前進を続ける。


「地球は、再び悲鳴を上げている。」


アースが、ターンバックルに手をかける


「その原因は、人間の存在だ……」


ターンバックルの地球儀が回される。


『CHARGE』


アースの掌に黒いオーラが渦巻く。


『FULLCHARGE』


「『テラ・パージ』、最大出力……」


工場を吹き飛ばした時よりも大きなエネルギー弾が、ネイチャーへ放たれる。


「『フォレスト・バリア』!!」


ネイチャーは、手足に装備した(つた)を障壁に変形させたが、エネルギー弾はそれをも貫通し、ネイチャーへ直撃した。


地面に転がったネイチャーの身体は淡い光に包まれたのち、生身の人間『モリオカ』の姿へ戻ってしまった……

〈注意〉

1.サイホルスター・・・スパイなどが着用する、腰から太ももにかけて固定されたホルダー。

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