↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HEROs: 第二次英雄時代  作者: 夜風なぎ
アース編
PR
10/11

第九話 渋谷のオチバ

窮地を乗り越えたネイチャーは、負傷者を背負いながら無線の向こう側にいる相棒へ声を投げた。


「謎の声の主の正体が気になる。この人たちの安全も考慮して、一度避難所へ行こうと思うが異論はあるか?」


『賛成だ。気配感知のセンサーにも引っかからなかった。何か危ない人物の可能性もあるし、迎え撃つという意味でも避難所へ向かいたい』


「了解した。『フォレストバインド』!」


蔦で作った籠に負傷者を集め、ネイチャーは避難所へと向かった――


避難所へ到着したネイチャーは、先に着いて手招きをしていたアトラスのもとへ向かった。


「よう、緑仮面」


アトラスは、近づいてきたネイチャーを一瞥するとそう言い放った。


「おかしなあだ名をつけるなっ!……というか、強敵がでたそうじゃないか。大丈夫だったのか?」


「なぜお前がそれを……?」


「どこからともなく聞こえた声が言っていたんだ……声の正体を突き止めるためにここに来たんだが」


二人が辺りを見回してみるが、それらしい姿は見当たらない。


その時だった。


ひらりと、一枚の落ち葉がネイチャーの目前に舞い降りた。


「それは、僕のことかな」


「……!!」


つい先ほどにも聞いた覚えがある中性的な声が避難所へ轟いた。


ネイチャーとアトラスが慌てて周囲を見渡すと、そこには黒いパーカー姿で額にゴーグルをつけた青年が立っていた。


「やっぱり、あの時のっ!」


「君が、謎の声の主?」


そんなアトラスとネイチャーの問いかけに、彼は被っていたパーカーのフードを外しながら答えた。


「その通り。僕の名前はオチバ。よろしくね!」


オチバと名乗る青年は、腰に巻いた革のベルトへ、ナイフやロープを無造作に突っ込んでいるところ以外は普通の青年だった。


「対カオス戦では見事な立ち回りだったが、お前もヒーローなのか?」


アトラスの質問に、オチバは少し悩むそぶりを見せたが、それから間もなく口を開いた。


「正確には違うかな。特殊能力もなければ変身もしないし。何よりも、僕が守るのは渋谷の安全だけだからね」


「特殊能力もないって……!?あの強さで、なんの能力も変身もないのか!?」


「ま、まぁまぁ……落ち着いて。というか、ずっと聞きたかったんだけど、君たちは何のためにこの渋谷へ来たんだい?」


「そうだった、本来の目的を忘れるとこだった……俺は――!?」


アトラスがオチバへ改まって向き直ったその時、ズドーン!!という爆発音とともに、爆風が避難所を襲ったのだった。


「またギャングか……最近はやけに動向が激しいなっ!……せっかくだし、君たちもついてきて協力してくれっ!!」


「任せろっ!」


と、アトラスとオチバが夜の渋谷を駆け出すなか、緑の装甲を光らせて立ち尽くす一人の男が、寂しげにつぶやいた。


「勝手に話、進めないで。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。